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南九州発 新技術説明会

日時:2010年06月16日(水)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)チオアニリン誘導体を有する抽出剤の開発およびそれを用いる貴金属の分離方法

都城工業高等専門学校 物質工学科 准教授 岩熊 美奈子

新技術の概要

ベースメタルや貴金属を含有する金属材料などから貴金属を選択的に、容易に分離することのできるチオアニリン誘導体から成る溶媒抽出技術を開発した。金属を含む塩酸水溶液または硝酸水溶液と、本抽出剤を含有する抽出溶媒とを液-液接触させることによりPdとAuを抽出溶媒中に抽出させることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来より、PdやAuなどの貴金属の分離や回収に用いられている代表的な工業的抽出剤と比較し、PdとAuを、Pt、Rhやベースメタルから選択的に抽出して分離することができる。

新技術の特徴

・パラジウムもしくは金と白金の分離が可能
・パラジウムもしくは金とロジウムの分離が可能
・ベースメタルからのパラジウムおよび金の分離が可能

想定される用途

・本抽出剤による貴金属分離
・環境分野への応用
・ベースメタルの再利用

  • 製造技術

2)マイクロ波照射によるセルロース性資源の新規分解方法の開発

宮崎大学 工学部 物質環境化学科 准教授 酒井 剛

新技術の概要

本研究では、可溶性の光触媒を共存させてマイクロ波を照射すれば高効率でセルロースが分解でき、糖類などのセルロース誘導体が簡便に得られることを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

セルロースの分解には、酸やアルカリによる加水分解処理や熱分解等が用いられているが、時間や手間が必要である。一方、本研究では非常に短時間でセルロースを部分分解してセルロース誘導体を生成することができる。

新技術の特徴

・可溶性の光触媒として知られているポリ酸の新規利用用途
・マイクロ波照射とポリ酸の組合せによる部分加熱の可能性
・バイオ有価物への化学変換

想定される用途

・セルロースの分解による有価物およびバイオエタノールの合成
・セルロース性資源の糖化前処理
・セルロース性資源の燃料への変換

  • 製造技術

3)ごみ溶融スラグの溶融スラグの持つ潜在水硬性を活用した混合セメントの開発

鹿児島工業高等専門学校 都市環境デザイン工学科 教授 前野 祐二

新技術の概要

ごみ溶融スラグは、潜在的水硬性を有している。そこでこの潜在水硬性を活用し、混合セメントを製造する。原料は、廃石膏、石炭灰、少量のセメントである。この混合セメントで製造したコンクリートは有害物質の溶出もない。

従来技術・競合技術との比較

ごみ溶融スラグの利用は、骨材の利用が主である。粉砕して混合セメントを製造する技術例は少ないようである。

新技術の特徴

・コストが安く、高強度硬化体が製造できる
・施工性がよく、いろいろな場所で硬化体が製造できる

想定される用途

・コンクリート
・土壌改良材

  • 製造技術

4)沿面放電プラズマを用いたマスクレス微細パターニング

宮崎大学 工学部 電気電子工学科 准教授 迫田 達也

新技術の概要

マスクレス微細パターニング用プラズマ発生装置においては、電極と被エッチング材との境界線において生成されるプラズマにより、境界線に沿ったエッチングを行なうため、1回の処理で広範囲にわたり精密かつ多様なマスクレスエッチングが可能である。また、比較的エッチングレートも高いので高速なプロセスを実現できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のエッチングは、材料表面に形成したレジストマスクにパターン状の開口部を形成し、その領域のみプラズマエッチングを行うことで微細加工を実現させている。しかし、プロセスが煩雑である。また、近年、エッチングレートの高い大気圧プラズマジェットが注目を浴びているが、材料の加工に同プラズマを応用する場合は、プラズマ源をスキャンする必要があり、短時間で多くの材料を処理することは困難である。

新技術の特徴

・任意の形状で長さ100mm以上に亘ってマスクレスで同時エッチングが可能
・大気圧下で0.1mm幅のエッチングが可能
・大気圧下で微細パターニングを高速で行なえる

想定される用途

・Si結晶系太陽電池の埋め込み型電極構造の作製工程
・MEMS(Micro Electro Mechanical System)や半導体作製工程
・バイオエレクトロニクス用マイクロ流体路の作製

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

5)放電加工できる窒化珪素基複合材料

鹿児島大学 大学院理工学研究科 機械工学専攻 教授 末吉 秀一

新技術の概要

窒化チタンは導電性があるので、窒化珪素中に窒化チタンを分散させた複合材料は、導電率が大きくなり、ワイヤー放電加工で自由な形状に加工できる。

従来技術・競合技術との比較

窒化珪素等のセラミックは、硬くて成型加工が困難であるため、一般には焼結後、表面研磨のみを施して使用される。本技術は、金属と同様に板材や棒材から自由に加工(放電加工)できるセラミックを提供しようとするものである。

新技術の特徴

・従来のように製品ごとに金型等を作成する必要がなく、コストが削減できる
・製品のモデルチェンジが容易となる
・放電加工は複雑な形状でも容易に行えるので、従来法(金型等による成型、焼結)に比べて、製品形状の自由度が大きい

想定される用途

・現在窒化珪素が使用されている製品に利用できる

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

6)テニスプレーヤーの競技力を評価する

鹿屋体育大学 体育学部 スポーツパフォーマンス系 講師 髙橋 仁大

新技術の概要

これまでテニスプレーヤーの評価は、指導者による質的な評価しか行われておらず、量的データを基にした評価を行うことは、一部のトップ選手を除き不可能であった。本装置は量的データを基にしたプレーヤーの評価を行うことを可能にする、実用的な技術である。

従来技術・競合技術との比較

これまでの同様の装置では、単純にスコアをカウントすることや、量的データを算出することは可能であったが、プレーヤーの評価に直結する部分が未解決であった。またここで用いられている技術は、他のラケットスポーツにも応用可能なものである。

新技術の特徴

・連続する時間的タイミングの測定と評価
・スポーツにおける各種データの算出
・スポーツにおけるデータを基にしたプレーヤーの評価

想定される用途

・テニスプレーヤーの試合評価
・他のラケットスポーツにおけるプレーヤー評価

  • 医療・福祉

7)頚部に創の残らない甲状腺内視鏡手術―経皮穿刺型筋鉤の開発

鹿児島大学 医学部 医学部歯学部附属病院 消化器外科・乳腺内分泌外科 助教 中条 哲浩

新技術の概要

頸部の内視鏡手術(甲状腺・副甲状腺手術)において本品を用いることで、限られた狭いスペースで効果的な視野展開が可能となる。最大のポイントは頸部の皮膚に切開創を加えることなく頸部の筋肉の牽引が可能。

従来技術・競合技術との比較

本製品の独自性の一つに、経皮的に穿刺して用いることだけでなく、柄の部分に調節可能な固定器(筋鉤のホルダー)を取り付けた点がある。これにより手術時に必要な助手(医師)が不要となり、貢献度がかなり高い。

新技術の特徴

・目的部位に直接切開を加えなくても皮下の視野展開が可能
・シンプルで安全に手術が施行可能
・手術時の人的削減(手術に必要な医師の数を減らすことができる)が可能

想定される用途

・頚部手術
・腹部手術への応用
・創を露出したくない部分の手術全般への応用

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

8)ニンニク・タマネギの新規健康成分

鹿児島大学 農学部 獣医学科 臨床獣医学 教授 大和 修

新技術の概要

健康維持や疾患予防に関与するニンニク・タマネギの新規成分(2PTSおよびNPTS)が有する多機能性(免疫賦活、血栓予防、ガン予防)。

従来技術・競合技術との比較

従来、ニンニクやタマネギから単離された生理活性物質の多くは揮発性で臭気が強く、また有機合成も困難であった。これに対し、2PTS・NPTSは水溶性・低臭性であり、有機合成が容易な多機能性物質である。

新技術の特徴

・2PTSおよびNPTSはニンニク・タマネギ由来の天然物である
・多機能性(免疫賦活効果、血栓予防効果、ガン予防効果など)を有する
・有機合成が容易な水溶性・低臭性の化合物である

想定される用途

・2PTS・NPTSを含有する機能性食品
・2PTS・NPTSを含有するサプリメント

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

鹿児島大学 産学官連携推進機構 知的財産部門

TEL:099-285-3881
FAX:099-285-3886
Mail:tizaiアットマークkuas.kagoshima-u.ac.jp
URL:http://www.ipo.kagoshima-u.ac.jp/

宮崎大学 産学連携センター 知的財産部門

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FAX:0985-58-7793
Mail:chizaiアットマークof.miyazaki-u.ac.jp
URL:http://www.crc.miyazaki-u.ac.jp/

鹿屋体育大学 学術図書情報課 研究支援グループ

TEL:0994-46-4820
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URL:http://www.nifs-k.ac.jp/

鹿児島工業高等専門学校 総務課

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FAX:0995-43-5450
Mail:souhosaアットマークkagoshima-ct.ac.jp
URL:http://www.kagoshima-ct.ac.jp/

都城工業高等専門学校 総務課

TEL:0986-47-1305
FAX:0986-38-1508
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URL:http://www.miyakonojo-nct.ac.jp/
新技術説明会について

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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