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日本大学 新技術説明会

日時:2010年10月20日(水)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)生体適合性と高強度を付与した同心円状傾斜機能材料

日本大学 理工学部 航空宇宙工学科 教授 出井 裕

新技術の概要

ハイドロキシアパタイト(Hap)や三リン酸カルシウム(TCP)などのバイオセラミックスは骨と直接結合でき、生体適合性に優れているが、力学的強度が極めて低い。そこで、高強度の純チタン、HAP、TCPから構成する同心円状傾斜機能材料を開発し、生体適合性と強度に優れた生体用代替材料を創製した。

従来技術・競合技術との比較

チタンとバイオセラミックスでは物理的・化学的特性が異なるので、粉末を混合して焼結すると割れが発生する。そこで、割れが発生しない混合比を明らかにし、5層からなる傾斜機能材料の作製に成功した。

新技術の特徴

・耐摩耗性材料
・生体適合性・機械的強度に優れた生体用人工材料
・組成傾斜した中間層を少なくとも3層以上設けることで、生体用同心円状傾斜機能材料の焼結時の割れを防止

想定される用途

・人工骨等の代替材料
・人工歯根
・歯科用セメント

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 材料

2)通常有機溶媒中酸塩基触媒を用いる合成反応を、高温高圧水中触媒無添加で行うグリーン・ケミストリー

日本大学 理工学部 客員教授 岩村 秀

新技術の概要

高温高圧水中触媒を用いない次の二つの製造法の発明。1.フタルアルデヒド2分子と1,4-シクロヘキサンジオン1分子を縮合させ、ペンタセンキノンを製造する。原料の種類と組み合わせを換えることにより、多様なポリアセンキノンが得られる。2.α-ピネンからシメンやリモネンを合成する。

従来技術・競合技術との比較

1.従来の方法は有機溶媒中水酸化カリウムを用いており、廃液処理が必要である。新技術は反応後水を濾過するだけで、ポリアセンキノンが微結晶として得られる。2.従来法では酸触媒を必要としており、廃液処理が必要である。新技術では反応後油層を取り出し、分別蒸留を行う。

新技術の特徴

・1.環境配慮型製造法、大気中へのVOCの放出がゼロ
・2.環境配慮型製造法、植物資源の有効利用

想定される用途

・1.有機半導体、有機EL、電界効果トランジスタ
・2.香料、プラスチック等の溶剤、洗剤

  • 材料

3)ナノ粒子分散透明高分子材料と単分子鎖の集合体

日本大学 理工学部 物質応用化学科 教授 澤口 孝志

新技術の概要

ナノ粒子は二次凝集し易く、その機能発現には二次凝集を抑制する必要がある。透明な高分子にナノ粒子を良好に分散させる技術を高分子物性論に基づき開発した.その理論に基づき高分子の絡み合いの無い単分子集合体が調製できた。

従来技術・競合技術との比較

ナノ粒子の二次凝集を防ぐために、静電反発力を利用する方法や立体反発力を利用する方法が用いられているが、どちらの場合もマトリックス高分子にブレンドするとある条件で二次凝集する。結局、高分子物性論の重要性に帰結する。

新技術の特徴

・ナノ粒子の二次凝集は高分子の絡み合いによって起こる絡み合い凝集であると主張:新しい凝集理論の提唱
・ナノ粒子が二次凝集せずにランダムに分散した透明高分子の諸物性は向上する
・絡み合いの少ない高分子の単分子集合体(フィルム)の作製は世界初。現在物性評価中

想定される用途

・機能性高分子材料: 粒子の機能によるが、例えば、光学材料
・高性能高分子材料: 例えば、高耐熱性&高強度高分子材料
・汎用透明シュリンクフィルムなど

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

4)磁性を有する高比強度アルミニウムおよびマグネシウム機能性材料

日本大学 生産工学部 機械工学科 教授 久保田 正広

新技術の概要

アルミニウムやマグネシウム粉末と酸化鉄を主成分とした軟磁性を示すNi-Cu-Zn系フェライト粉末をメカニカルアロイング処理により、優れた硬さと磁気特性を兼備した複合粉末を製造するプロセス条件を確立した。作製した複合粉末からバルク材への成形加工は放電プラズマ焼結装置で行い、焼結温度や焼結圧力を変化させ、優れた機械的性質と磁気特性を兼備するバルク材を得るためのプロセス条件を確立した。

従来技術・競合技術との比較

従来の磁性材料はセラミックスで構成されているため優れた磁気特性を有していても加工性が悪く、特に塑性加工性が悪いため、使用される部品に制限があった。軽金属をベースにした本発明で作製した材料は、切削加工や塑性加工性に優れ、かつ磁気特性を有している。軽量かつ磁気特性が必要な今までに使用できなかった部品等への応用が期待される。

新技術の特徴

・医療機器
・電気電子機器
・通信

想定される用途

・電磁バルブ
・電磁シート
・電磁遮蔽材

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

5)1.従来型より身体の負担を軽減する、人に優しい杖(ソフト杖) 2.おー・・・すっきり排尿!

日本大学 医学部 板橋病院 理学療法士 萩原 礼紀

新技術の概要

1. ヒトが体性感覚として持つ骨性支持を利用し、個別調整可能な接合部と、日本人特有の体の使い方を考慮したグリップ形状により、従来より動作効率が高く、身体負担を軽減した歩行動作補助を可能にした。2. ヒトは加齢性変化により腹筋・筋膜が緩み、立位時に腹腔内臓器の重量は膀胱・尿道にかかる。これを、筋や腱の作用を利用し、外部的に支えることで、尿道への圧迫を減じ、排尿困難感や残尿感を軽減する

従来技術・競合技術との比較

1. これまで医療現場で提供されてきた杖は、諸外国でデザインされたものが主流であり、種類も固定化されていた。特にグリップとその接合部は、疼痛や関節変形を有する場合、不合理であることが多く、また必ずしも日本人に適した形状をしているとは言えなかった。2. 従来にはなかった技術である。

新技術の特徴

・1-1. 杖で荷重支持する際に生じる、筋疲労や疼痛の発生を軽減または緩和できる
・1-2. ケガや疾病などによる障害や疼痛を有する、または体力虚弱な場合に、日常生活活動が狭小化するのを防止する
・1-3. 登山・スキー用またはノルディックウォーキング用など、用途に分けた仕様に応用ができる
・2-1. 身体の持つ生得的な筋肉・筋膜の働きを利用し、それに姿勢要素を加えることで、発生させたい能力に変化させる
・2-2. 特別な練習も慣れも不要で、初めて使った時から、効果を体感できる
・2-3. 非侵襲的で動力を必要とせず、デザインの自由度も高い。ヒトは加齢するため、男性であれば誰でも効果を享受できる

想定される用途

・1-1. 変形性関節症(リウマチ含む)などで、上肢三関節および手指関節に疼痛があり、従来型の杖が使用できない人の歩行補助
・1-2. 従来型の杖より低負荷かつ、より高い免荷が必要だが、松葉杖などは使用したくない(できない)人の歩行補助
・1-3. 杖状の器具を使用するスポーツ・健康増進分野での応用が期待できる
・2-1. 30代以降または肥満傾向男性の排尿感を向上させる
・2-2. 30代以降または肥満傾向男性の残尿感を軽減させる
・2-3. 男子小用便器周囲の汚損が軽減し、清掃が簡易になる

関連情報

・「排尿補助装置」について提供可能

  • 医療・福祉

6)変形性関節症及び椎間板疾患の早期・初期診断技術の提案

日本大学 工学部 機械工学科 専任講師 長尾 光雄

新技術の概要

関節可動時に派生する信号から発症及び進行期を診断する計測技術の提案、および椎間板ヘルニアが発症した椎間板硬度をプローブセンサーで計測する技術の提案。

従来技術・競合技術との比較

両者の技術は他に事例がありません。変形性関節症の診断に関節を可動させた時の信号を捉え、症状の進行や発症の有無を判別する技術。椎間板ヘルニアの硬度や発症を予期する画像診断のための計測装置である。

新技術の特徴

・聴診器のような使途、発生信号をセンサーで捉え、信号解析したパターンとの相関から判断する
・硬度は押込反力とその深さ、及びしきい値の角度から得る。深さは反射式光学センサーにより得る
・表面に固体伝導した微小な信号を捉える。小さな硬度変化には角度が有効である

想定される用途

・整形外科の関節や脊椎の診断関係。ユビキタス社会やライフ・イノベーションへの貢献
・聴診器のような使途もあり、生体・機械システムなどの診断や点検。捜査や防犯用のセンサー機器とした用途
・粘弾性体(食品、生体、工業製品)の柔らかさや硬軟など鮮度・発症・品質の評価や診断

関連情報

・計測の可能性を確認するサンプル提供は申し受けます。

  • 環境

7)二酸化炭素回収・固定化へのエマルジョン媒体の利用

日本大学 生産工学部 環境安全工学科 教授 山﨑 博司

新技術の概要

二酸化炭素の回収・固定化において、シリコンオイルおよびその混合油を用いることにより、二酸化炭素の選択的分離回収を実現できる可能性が高い。またこれらをベース油としたエマルジョン媒体を用い、ハイドレートスラリとして固定して比較的有利な条件下での輸送媒体として機能させることができる。

従来技術・競合技術との比較

二酸化炭素の回収・固定化には冷却液化やハイドレート化が用いられるが、前者では高圧低温が必要となり、後者ではそれは緩和されるものの、高効率での氷状態生成が困難である。エマルジョンでは水とベース油との接触面積が大きく、スラリ作成が円滑であるとともに、液状態であるため高圧化が容易である。またベース油を調製することにより目的物質の液内輸送性も制御できることを確認した。

新技術の特徴

・ベース油調製により、二酸化炭素吸収性を制御できること
・エマルジョン化により、液体成分の接触面積を増大させることにより、高効率化を行うこと
・高圧を液体状態で実現したうえで、吸収等の操作を行うこと

想定される用途

・二酸化炭素分離・回収サイクルの実用化
・ハイドレートスラリの高効率生成装置への適用
・メタン・水素などの有用ガスの貯留・輸送などへの拡張

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 機械

8)階段昇降用展開構造車輪を用いた車輪型移動ロボット

日本大学 理工学部 精密機械工学科 准教授 入江 寿弘

新技術の概要

階段を昇降できる機構は幾つかあるが、考案した移動機構は車輪を変形させることによって、平面では車輪と同様に移動でき、階段では脚と同様に昇降できる方式である。平面を移動する場合車輪を使った移動方法が最も効率的であり、階段を昇降する時に車輪の形状が変わることにより段差で滑ることなく進むことが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

クローラーによる移動方法では平面移動で旋回する場合滑りが生じるので効率が悪く、段差を昇降する場合もクローラー表面の凹凸で段差の角に引っ掛けて昇るので凹凸部がかみ合っていないと滑る場合がある。また、階段運搬車等で用いられる十字フレームの周りに小車輪が配置された構造では、平面移動の際に車輪の径が小さいので路面の小さな凹凸の影響を受けやすい。

新技術の特徴

・車輪による移動手段と脚歩行による移動の中間的な移動手段
・車輪では走行できない凹凸の大きな平面や土砂などの崩れやすい地面での走行が可能
・平坦な地面では車輪と同程度に走行可能
・車輪の変形量を調整することにより凹凸の大小や階段の幅や高さに対応可能

想定される用途

・原子炉内の検査・作業用移動ロボット、階段昇降可能な電動車椅子、運搬作業車、掃除ロボット、介護ロボット
・警備ロボット、重量物運搬車、農作業車両

関連情報

・試作品有り

  • 機械

9)旋削による微細軸の機械加工法とその応用

日本大学 理工学部 機械工学科 教授 李 和樹

新技術の概要

微細軸を旋削加工にて容易に創成する方法を提案している。この方法では直径0.05mm、長さ3.0mmの軸を数秒で加工でき、従来の方法に比べて数十倍の加工能率である。この加工技術に併せて微細軸の応用方法について解説する。

従来技術・競合技術との比較

直径1mm以下の微細軸は従来研削や放電加工によって創成されてきた。これに比べて本方法は加工時間が数秒程度という圧倒的に高能率な加工方法である。

新技術の特徴

・微細工具の製作
・マイクロマシーン用機械要素
・医療用器具の製作

想定される用途

・微細放電加工用金型
・精密金型の位置決め用ピン
・マイクロマシーン用機械要素

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本大学 研究推進部 知財課

TEL:03-5275-8139FAX:03-5275-8328
Mail:nubicアットマークnihon-u.ac.jp
URL:http://www.nubic.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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