新潟大学 新技術説明会
日時:2010年06月18日(金)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 材料
1)機能性を持たせたEMF型水素センサとその応用
新潟大学 工学部 機能材料工学科 教授 原田 修治
新技術の概要
各種用途に向けたEMF型水素センサを開発した。(1)漏洩検知用センサ、(2)水素貯蔵合金の水素残存量検知センサ、(3)水素燃料系のモニタに利用可能な高濃度水素ガスセンサなどについて報告する。
従来技術・競合技術との比較
本センサは、(1)水素ガスに対する応答が早く、(2)センサ固有のEMF(起電力)値を有するため自己診断機能があり、(3)示強性のEMF値検知のため微小で自由な形状のセンサ素子が製作可能である。
新技術の特徴
・各種容器の微小な漏れ検知も可能
・柔軟なテープ状のセンサにも作製可能
・センサ素子を2次元に配列することで、空間的な濃度検知が可能
想定される用途
・漏洩検知用のクイック水素ガスセンサ
・水素貯蔵合金中の水素燃料残存量検知向けの水素量センサ
・水素燃料系の水素濃度のモニタに利用可能な高濃度水素ガスセンサ
関連情報
・外国出願特許あり
- 材料
2)表面プラズモン共鳴を利用した高感度ガス・バイオセンサー定量検出技術
新潟大学 超域研究機構 准教授 馬場 暁
新技術の概要
表面プラズモン共鳴法は、金属薄膜表面数nm~数十nmの物質の情報を同時に高感度に得られる技術であり、ガス・バイオセンサーやそのナノデバイスへの応用が可能である。本技術では金属格子上に励起する表面プラズモン共鳴を利用したセンサー応用を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
本技術は表面での電場が数十倍増強される表面プラズモンをプリズムを用いない簡単な構造で励起可能であるため、簡便・小型のセンサーが可能であり、選択的に低濃度から高濃度までの種々のガス濃度の測定が可能である。
新技術の特徴
・種々のガス・バイオセンサへ応用可能
・ガス濃度定量測定光デバイス
・表面電場増強
想定される用途
・環境センサー
・バイオセンサー
・太陽電池
- 材料
3)複合微粒子の新規調製技術と用途の開発
新潟大学 自然科学系 自然科学系フェロー 客員教授 田中 眞人
新技術の概要
マイクロカプセル(複合微粒子)の新規調製法として①無機質とポリマーからなるハイブリッドシェルマイクロカプセル、②異質(親・疎水性、導電性・非導電性など)半球面をもつ複合微粒子、③炭酸ガス発生固体粉末含有マイクロカプセル、④複数のコア物質を含有するマイクロカプセル、の新規調製法について説明する。
従来技術・競合技術との比較
ハイブリッドシェルマイクロカプセルについては、ポリマーシェルの位置を任意変化させることが可能であること、異質半球面をもつ複合微粒子は、極めて簡単なプロセスで大量生産が可能であること、炭酸ガス発生固体粉末含有マイクロカプセルは、温度応答性であり炭酸ガス発生が変色によって示されること、複数の芯物質含有マイクロカプセルは、コア部に親水性物質を、シェル部に疎水性物質を含有させることができる。
新技術の特徴
・血行促進効果を呈する乳液
・異方導電性フィルム
・界面活性粒子
想定される用途
・リライタブルペーパーの回転粒子素子
・各種サプリメント
・温度応答性ガスデリバリーシステム
・高温潜熱蓄熱技術
- アグリ・バイオ
4)発芽種子およびその製造方法
新潟大学 農学部 応用生物化学科 教授 大坪 研一
新技術の概要
葱類(特に赤玉葱)を含有する溶液中に浸漬して発芽処理を行うことを特徴とする、種子の発芽速度、発芽率、抗菌性、呈味成分、および機能性成分が向上された発芽種子の調製方法および当該種子、当該発芽種子を含有する食品(米飯、パン、麺、菓子、液状食品)。
従来技術・競合技術との比較
葱類(特に赤玉葱)を含有する溶液中に浸漬することによって発芽速度を上げるとともに、玉葱特有の機能性成分を発芽種子中に富化し、発芽玄米と玉葱の機能性成分の複合効果が期待できる。また、浸液は抗菌性があり、水交換や加熱処理が不要であり、発芽種子製品の安全性も確保できる。
新技術の特徴
・植物工場での利用
・植物細胞培養での利用
・発酵原料としての利用
想定される用途
・高機能性発芽玄米の迅速製造
・高機能性発芽玄米を使用したパン、麺、菓子などの加工食品
・高機能性発芽種子および高機能性スプラウト
- 計測
5)広視野レーザ顕微鏡による高速円筒全面観察と形状測定
新潟大学 工学部 機械システム工学科 教授 新田 勇
新技術の概要
円筒表面を広視野レーザ顕微鏡を用いて高速に観察する技術であり、取得したデジタル画像により円筒面を画像歪みのない平面展開図として表示できる。レーザ干渉により、高精度な形状測定が可能である。
従来技術・競合技術との比較
本手法は、シュリンクフィッタ技術による広視野レーザ顕微鏡により,他の方法に比べてコントラストの高いデジタル画像を取得することが可能であり、円筒形状の表面全体の微細なキズ等を短時間で計測できる。
新技術の特徴
・加工工具のエンドミルのように凹凸が大きな円筒面であっても短時間で画像取得が可能である
・円筒面のデジタル観察画像を歪みのない展開図に変換できるので、円筒面上の寸法測定が高精度に行える
・円筒面全体の表面画像とレーザ干渉画像を同時に取得することで、高精度な非接触形状計測が実現できる
想定される用途
・転がり軸受やスピンドルのような高精度円筒形状部品の形状や傷の検査など
・シリンドリカルレンズなど通常の方法では難しい透明体の形状測定など
・高精度円筒形状金型の微細形状の検査など
関連情報
・サンプル品の観察可能
- 計測
6)レーザビーム走査を用いる高性能な表面形状測定
新潟大学 工学部 電気電子工学科 教授 佐々木 修己
新技術の概要
測定対象面上に集光されたレーザビームを高速走査しながら、反射されたレーザビームの触れ角を検出することによって1次元表面形状を測定する。次に、反射レーザビームと参照レーザビームを干渉させることによって高精度かつ高空間分解能で1次元表面形状を測定する。
従来技術・競合技術との比較
触れ角検出による測定では、測定対象面の設定位置精度は数mmと低く、機械的振動の影響を受けずに測定可能である。干渉検出による測定では、数10mmの広い測定領域を数ミクロンの高空間分解能で測定可能である。
新技術の特徴
・数ミリと低い測定対象面の設定位置精度と数ミリ秒の測定時間による機械的振動に強い1次元表面形状測定
・数百ミクロンから数ナノまでの広い表面形状ダイナミックレンジ
・数10ミリの広い測定領域を数ミクロンの高空間分解能で測定
想定される用途
・切削加工面のインプロセス検査
・加工表面の微細形状測定
・透明薄板のおもて面の面形状測定
- 計測
7)超音波エコー画像の鮮明化技術
新潟大学 地域共同研究センター 教授 尾田 雅文
新技術の概要
生体組織輪郭の抽出を妨げずに超音波画像のノイズを低減することを目的として、連続して取得した超音波画像上の輝度値の時間軸変動成分を考慮し、Wavelet解析を利用した多重解像度解析手法を適用することで、ランダムに出現するノイズを的確に除去する方法を考案しました。
従来技術・競合技術との比較
超音波画像に現れるスペックルノイズ等の外乱は、画像上にランダムに現れ、主に高周波数成分を含んでいます。よって、多重解像度解析結果に対して、時間軸の高周波数成分を除去し、再構成することで、平滑化のようにエッジを不鮮明にすることなく、スペックルノイズ成分を除去した明瞭な画像を得ることが可能です。
新技術の特徴
・平滑化処理では不鮮明になりがちなエッジを損なうことなく、画像のノイズ成分を除去することが可能です
・被爆の危険のない超音波を利用しており、福祉・健康産業用途の安価な超音波画像装置にも適用が可能です
・動画像の鮮明化技術にも適用が可能です
想定される用途
・医療用超音波診断装置における画像の鮮明化
・その他静止画像におけるノイズ除去目的
・動画像におけるノイズ除去目的
関連情報
・サンプル画像の画像処理
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
新潟大学 地域共同研究センター
TEL:025-262-7554FAX:025-262-7550Mail:kenkyuccr.niigata-u.ac.jp
URL:http://www.ccr.niigata-u.ac.jp/
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