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岡山大学 新技術説明会

日時:2010年12月07日(火)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)電解アシステッドマルチワイヤ放電スライシング法

岡山大学 大学院自然科学研究科 産業創成工学専攻 機械生産開発学講座 助教 岡本 康寛

新技術の概要

放電加工に電解加工の現象を付与し、加工効率を上げます。また、ワイヤ電極側面を絶縁物でコートし、加工進行方向のみに加工現象を集中させることで加工品位の向上も可能となるなど、新しいコンセプトのスライシング法です。

従来技術・競合技術との比較

ワイヤ放電スライシング法では加工溝形状の不安定性が問題となっていました。一方、本手法は加工現象を進行方向に限定させることができ、かつ電解作用を付与できることから、加工品位と効率の両面で従来の手法を凌駕することが可能となります。

新技術の特徴

・電解作用付与
・マルチ加工
・加工現象の局所化

想定される用途

・SiC製造工程
・太陽電池製造工程
・半導体用シリコン製造工程

関連情報

・トライ加工可能

  • 製造技術

2)ソフトケミカル法による高周波酸化物磁性体薄膜の低温合成

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 准教授 藤井 達生

新技術の概要

高周波帯で高い透磁率を持つことが知られているプラナ型六方晶フェライトに着目し、ソフトケミカル法により合成したその前駆体溶液を塗布、焼成することで、高周波フェライト薄膜の低温合成を可能とした。

従来技術・競合技術との比較

プラナ型六方晶フェライトは複雑な組成と結晶構造を持ち、従来の成膜方法ではその生成に1000℃以上の高温が必要であった。しかし、本発明の手法によれば、成膜温度を大幅に低下させることが可能であり、適応範囲が広がることが期待される。

新技術の特徴

・低温薄膜形成
・複雑な組成・構造を持つ酸化物材料
・高周波軟磁性材料

想定される用途

・高周波薄膜軟磁性素子
・EMC対策材料
・ICカード

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 製造技術

3)アクリル系アミド類を製造する次世代化学触媒法

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 講師 押木 俊之

新技術の概要

本新技術は、産業界の強いニーズを踏まえ、本学の総力を結集して生み出した革新的化学触媒法である。アクリル系アミドの製造は、歴史的に我が国が世界を牽引する国際競争力ある技術である。本新触媒は製造プロセスの革新と国際競争力強化に資する。

従来技術・競合技術との比較

従来のRu系、Ir系触媒を一新する全く新しい「第4世代押木触媒」

新技術の特徴

・水が多量に必要な生体触媒法の原理的制約を超える、革新的化学触媒
・生体触媒で不可能な化学変換の実現
・既存の化学触媒法の常識を破る高選択的反応

想定される用途

・機能性アクリル系モノマーの製造
・アクリル系繊維の表面改質
・水和(加水分解)に関連する全く別の化学反応への適用

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 製造技術

4)遷移金属触媒による置換芳香族化合物の選択的合成

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 教授 髙井 和彦

新技術の概要

(1) 触媒を用い、中性条件下にフェノール化合物とオレフィンとを反応させて、高位置選択的にモノアルキルフェノールの製造する方法。 (2) 遷移金属触媒を用い、芳香族の炭素-水素結合を活性化しアルデヒドとのBargier型反応をおこなう方法。 (3) 芳香族イミンとアルデヒドとを反応させ、イソベンゾフラン誘導体を製造する方法。

従来技術・競合技術との比較

(1)-(3)の反応はいずれも金属錯体触媒を用いておこなう反応で、加熱(<150℃)して反応させるが、酸や塩基を用いない中性条件下での変換反応である。 (1)の反応は、従来法では選択的にモノアルキル化で止めることが難しかった。また、反応には量論量のLewis酸が必要であった。 (3)の反応を用いると、種々の置換基を有するイソベンゾフラン合成への適用が可能である。

新技術の特徴

・(1) フェノール性水酸基のオルト位(又はパラ位)にアルキル基を一つ選択的に導入する
・(2) 芳香族ハロゲン化合物からでなくC-H結合を触媒により活性化し、アルデヒドに求核付加させる
・(3) 入手容易な原料から短い反応工程で合成中間体として有用なイソベンゾフラン類が合成できる

想定される用途

・(1) 樹脂、医薬品、除草剤、殺虫剤、染料、香料、界面活性剤などに用いられているアルキルフェノール類
・(2) 一般的な合成方法なので、種々の用途が考えられる
・(3) 有機機能性材料(有機EL素子やFET素子)の合成中間体であるイソベンゾフラン類

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 製造技術

5)強誘電性を利用した新原理に基づく貴金属フリーナノ触媒

岡山大学 大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻 講師 狩野 旬

新技術の概要

我々は、強誘電体表面では非酸化機能性が発現することを見いだし、ナノサイズの酸化しない卑金属粒子が安定に存在させることを発見した。さらにこの材料には炭化水素から水素を発生することがわかり、貴金属を用いないナノ触媒合成プロセスを完成しつつある。

従来技術・競合技術との比較

ナノ触媒は燃料電池の電極触媒、炭化水素からの水素製造などに広く使われているが、現行製品は貴金属材料に依存しており、価格と寿命をいかに現実化するかが、その普及の鍵である。一方、我々は貴金属フリーナノ触媒の確立を目指しており、すでにプロトタイプができている。

新技術の特徴

・新しいnmプロセス・テクノロジー
・防錆剤
・太陽電池

想定される用途

・炭化水素改質
・燃料電池
・光触媒

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

6)Xe回収・分離剤としての銅および銀イオン交換ゼオライトの可能性

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 教授 黒田 泰重

新技術の概要

近年、キセノン(Xe)を利用するプロセスが格段に広がっている。しかし、Xeは空気中にわずか0.087ppm程度含まれているのみであり、大変高価なガスである。空気中からXeを取り出す際の分離剤やXe回収剤としての物質の可能性を提案する。

従来技術・競合技術との比較

提案する物質はキセノンへの親和力が極めて高い物質であり、Xeの分離効率の飛躍的改善が期待できる。しかも、この相互作用は室温でさえ観測できるという優位性がある。

新技術の特徴

・Xeを利用したMRスペクトロスコピ-による生体の組織代謝や物質状態解析の研究への応用
・MRI(核磁気共鳴画像法)利用におけるプローブとしてのXe利用
・液体キセノン(約-100℃)を用いてダークマターを直接探索する実験などの検出器としての利用

想定される用途

・半導体調製用ガス
・ランプ
・麻酔用ガス、航空宇宙産業

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

7)コドーピングを利用した鉄系超伝導体の新物質合成と臨界温度の向上

岡山大学 大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻 教授 野原 実

新技術の概要

遷移金属元素による鉄の部分置換と鉄欠陥の導入を併用したコドーピングにより、鉄系超伝導体の臨界温度を上げる方法と、その製造方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

遷移金属元素で鉄を部分置換する従来のドーピングの方法では、達成できる超伝導臨界温度の上限が 20 K 程度であった。

新技術の特徴

・元素置換と欠陥を利用したコドーピングを超伝導材料に適用した初めての例である
・アルカリ金属など化学的に不安定なドーパントを用いずに、高い臨界温度を提供できる
・同様のコドーピングの導入法が、磁性材料や誘電材料などの開発にも適用できるかもしれない

想定される用途

・超伝導線材
・超伝導フィルター
・超伝導演算素子

  • 材料

8)新有機超伝導体の開発

岡山大学 大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻 准教授 神戸 高志

新技術の概要

従来の有機物超伝導体の転移温度を上回る超伝導体であり、芳香族分子系で初めての超伝導体を開発した。添加量を調整することで、20Kで動作するため液体ヘリウムを用いた超伝導が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来のセラミック系超伝導体は希少元素を含み、セラミックであるため脆く、産業利用のための成形が困難である。今回開発した芳香族超伝導体は有機物であり成形が容易であり、軽く、大量生産が可能である。また、希土類などの希少元素を含まない点でも大きな利点を有する。

新技術の特徴

・低コスト
・フレキシブル線材
・レアアースフリー

想定される用途

・超伝導線材
・超伝導センサー
・デバイス

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

9)遷移金属を用いる効率的かつ選択的多置換オレフィンの合成

岡山大学 大学院自然科学研究科 機能分子化学専攻 教授 西原 康師

新技術の概要

遷移金属とホウ素を巧みに利用し、短工程で位置および立体選択的に乳癌の治療薬であるタモキシフェン類縁体を合成することに成功した。本法は、100%の選択性で位置、および立体を制御できるため副生物として立体異性体の生成を抑えることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

これまでの合成法は、多段階反応である上、出発原料は複雑な分子を用いることが多い。さらに、タモキシフェン類縁体は3つの異なる置換基が位置および立体選択的に配置した構造になっているため、合成の過程でその立体化学がしばしば乱れる。

新技術の特徴

・多置換オレフィンの立体化学を高度に制御できる
・鈴木ー宮浦カップリングを用いるので官能基許容性が高い
・遷移金属部分を様々な元素で置き換えることが可能である

想定される用途

・転移性乳癌の抗癌剤
・有機半導体材料
・有機薄膜太陽電池

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立大学法人岡山大学 研究推進産学官連携機構 知的財産本部

TEL:086-251-7112FAX:086-251-8467
Mail:s-renkeiアットマークadm.okayama-u.ac.jp
URL:http://www.okayama-u.net/renkei/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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