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大阪府立大学・大阪市立大学 新技術説明会(2)

日時:2010年11月05日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)電子スピン共鳴現象を利用した新規電流制御素子

大阪市立大学 大学院理学研究科 数物系専攻 講師 鐘本 勝一

新技術の概要

磁場印加とマイクロ波照射による電子スピン共鳴現象が生じた際に、光電流が100%以上変化する有機薄膜電流制御素子であり、磁場による電流制御素子や、新規メモリーとしての活用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の磁場制御型電流素子では室温において磁気抵抗比が50%程度であったが、本技術による素子では100%を超える。また、磁場による制御はもとより、マイクロ波も活用できることから、応用範囲がきわめて広い。

新技術の特徴

・磁場又はマイクロ波による電流制御
・磁場やマイクロ波を利用した交流電流発生
・光電流の利用

想定される用途

・電流制御素子
・スイッチ
・メモリ

  • 材料

2)結晶内部における微細構造構築に有効な結晶間の直接接合方法

大阪市立大学 大学院工学研究科 機械物理系専攻 講師 中村 篤智

新技術の概要

本技術では、結晶同士を意図的にわずかにずらして直接接合させることにより、2つの結晶間に金属元素等による異種中間層がある場合であっても、完全な接合を実現することができる。また、その結晶界面に異種元素からなるナノスケールのワイヤー状の微細構造を作製することができる。

従来技術・競合技術との比較

これまでは、2つの結晶間に母材と異なる異種元素層がある場合には直接接合が困難であった。それに対して、わずかにずらした接合により異種元素層がある場合も完全な直接接合を行うことが可能となった。また、本技術では接合界面に多量の異種元素を導入することを可能にした。

新技術の特徴

・異種元素層を含む結晶間での、拡散による直接接合を可能とした
・界面において、多量の異種元素導入を規則的に配置することを可能にした
・上記2つの特徴を単純な行程により作製することができる

想定される用途

・複数の結晶間の接合状態の改善
・界面微細組織に基づく光学物性発現による新規デバイスの開発
・結晶内部における導電細線形成

  • 材料

3)高温での強度と耐摩耗性に優れたNi基金属間化合物合金

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 准教授 金野 泰幸

新技術の概要

冷間加工が可能なNi3(Si,Ti)金属間化合物は600℃までの温度域では現用金属材料の中でも屈指の高強度特性を示すが、合金改良により耐摩耗性と耐酸化性の向上にも成功し、新規の高温耐摩耗用素材としての使用に期待がもたれる。

従来技術・競合技術との比較

現用の工具鋼や軸受鋼などは常温では優れた硬さと耐摩耗性を有するが、高温では金属組織変化に起因する特性劣化が生じる。これに対して、本開発材は高温まで金属間化合物構造が安定なため、高温・腐食環境下でも優れた強度・耐摩耗性を示す。

新技術の特徴

・強度、硬さの耐熱性に優れる
・耐酸化・耐食性が良好
・溶解鋳造や圧延加工など現用金属製造技術が利用可能

想定される用途

・高温用ダイス、高温金型等の耐熱工具
・高温用ボルト・ナットなどの耐熱締結要素部品
・高温用軸受などの耐熱摺動部品

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

4)ナノパターン制御した焼結磁石の製造方法と機能性向上

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 マテリアル工学分野 教授 森 茂生

新技術の概要

酸化物磁性材料において、偽スピノーダル分解を用いることにより、従来のフェライト磁石と同程度の特性をもつ焼結磁石を製造し、その磁気特性を焼結温度、アニール時間により制御できる。

従来技術・競合技術との比較

フェライト磁石や合金系の磁石材料の製造には、着磁工程が必要であるが、本焼結磁性材料は特殊な着磁工程は必要とせず、従来のフェライト磁石と同程度の磁気特性を得ることができる。

新技術の特徴

・焼結温度、アニール時間により磁化特性を制御できる
・簡便な製造工程
・レアメタルを必要としない

想定される用途

・磁気メモリー材料
・日常生活での磁石材料
・自動車用磁石材料

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 機械

5)脱レアアースPMA同期リラクタンスモータの高性能化

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 准教授 真田 雅之

新技術の概要

希土類磁石の使用量がゼロでも従来技術と同等性能の高性能永久磁石補助形同期リラクタンスモータの実現において重要となる、フェライト磁石を使用した際の永久減磁を軽減できるロータ構造を開発した。

従来技術・競合技術との比較

高性能PMモータには希土類磁石が使用されているが、希土類材料の高騰や将来にわたる資源確保への懸念からその使用量を削減することが強く望まれている。希土類材料を含まないフェライト磁石を用いる場合、磁石の永久減磁が問題となる。

新技術の特徴

・希土類磁石を用いず高性能モータを実現できる
・トルク特性にほとんど影響することなく、フェライト磁石使用時の永久減磁を軽減できる
・高価な希土類磁石が不要となるためモータの低コスト化が可能

想定される用途

・電気自動車・ハイブリッド自動車用モータ(主機・補機)
・産業用・家電用モータ
・自然エネルギー用発電機

  • エネルギー

6)水酸化物イオン伝導性固体を用いた固体アルカリ形燃料電池の開発

大阪府立大学 大学院工学研究科 応用化学分野 准教授 忠永 清治

新技術の概要

水酸化物イオン伝導性の無機固体を開発し、アルカリ形燃料電池の電解質として使用できることを明らかにした。電解質が無機物質であることから、耐久性、耐熱性などが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

これまでのアルカリ形燃料電池はアルカリ水溶液を用いていたが、これを固体化することにより取り扱いが非常に容易になる。またアルカリ型燃料電池では、白金触媒低減、カソードでの酸素反応活性の向上が期待できる。

新技術の特徴

・水酸化物イオン伝導性固体
・無機アニオン交換体
・ダイレクトエタノール燃料電池
・アルカリ形燃料電池

想定される用途

・家庭用電源
・モバイル機器用電源
・全固体型電気化学キャパシタ

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

7)エタノール電解酸化用電極触媒の作製とキャラクタリゼーション

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 助教 樋口 栄次

新技術の概要

直接形アルコール燃料電池(DAFC)は、燃料改質器関連機器が一切不要であるためシステム全体の構造が簡略化される。DAFCを実用化するためには、高活性な電極触媒が必要である。本研究で作製した電極触媒は、高いアルコール酸化活性と耐久性を有している。

従来技術・競合技術との比較

従来の電極触媒は、PtRuなど貴金属を使用しているため高価であり、作動中に被毒されて活性が低下する。本研究で開発した電極触媒はPtと金属酸化物(SnO2など)から成りPtの使用量の低減(低コスト化)が可能である上、金属酸化物が助触媒として働くため、高い触媒活性と耐久性を有する。

新技術の特徴

・一段階の反応で金属/酸化物ナノ粒子触媒が合成できる
・Ptと金属酸化物のナノ粒子から成るため、触媒量の低減(低コスト化)が可能である
・アルコール酸化反応に対して高い触媒活性と耐久性を有する

想定される用途

・アルコール形燃料電池用の電極触媒
・固体高分子形燃料電池用の電極触媒
・耐CO被毒を有する電極触媒としての利用

関連情報

・試作可能

  • 環境

8)可視光応答型酸化チタン薄膜の調製と光燃料電池への応用

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 教授 松岡 雅也

新技術の概要

マグネトロンスパッタ法を用いてO/Ti比を制御することで、可視光応答型の酸化チタン薄膜が成膜できた。この薄膜を作用極とする2槽型の光燃料電池を用いると、常温・太陽光照射下において、グリセリンなどの各種有機化合物を燃料とする発電が可能となることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

光照射が必要であるが、広範な有機化合物を燃料として用いることができる。対極側電解質にヨウ素レドックスを添加することで、カーボン電極などの非貴金属系電極をカソードとして用いることができる。

新技術の特徴

・可視光とバイオマスの利用
・広範な有機化合物を燃料として用いることができる
・非貴金属系電極をカソードとして使用できる

想定される用途

・太陽光利用の環境浄化
・太陽光利用の廃棄物発電

  • 材料

9)近赤外波長域のバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池用材料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 教授 中澄 博行

新技術の概要

バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において、700~1000nmの近赤外波長域での光電変換を可能にするスクアリリウム色素とチオフェン誘導体との共重合で得られるp-型高分子材料を開発し、その特性を明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池においては、これまで、可視領域に強い吸収を持つドナー分子に限られていたため、長波長域の太陽光は光電変換されなかった。長波長域の光電変換を可能にする色素骨格を含む共重合体を合成し、光電変換波長域の拡大に成功した。

新技術の特徴

・近赤外光吸収ポリマーで、近赤外光域での光電変換が可能
・共重合体であることから、特性の多様性が期待できる
・モル吸光係数相当値が高く、薄膜で優れた着色力を有する

想定される用途

・バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池
・近赤外光の光電変換素子
・近赤外光遮蔽フィルム

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

10)微生物を活用する都市鉱山からのレアメタルの分散型リサイクル

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 教授 小西 康裕

新技術の概要

エネルギー消費やCO2排出を抑制して、簡便で迅速に、都市鉱山からレアメタル(In、Ga、Mn、Pt等)が分離・回収できる。コンパクトな本バイオ回収法は、分散型社会でのレアメタルのリサイクルに貢献できる。

従来技術・競合技術との比較

レアメタルのバイオ回収法は、従来技術に比べ、エネルギーと化学物質の使用量、CO2排出量が大幅に削減できる。とくに、白金族金属の回収は、溶液からの分離・回収に、金属ナノ粒子の合成までも付加したリサイクル技術となる。

新技術の特徴

・溶液中の白金族金属を対象に、分離・濃縮・ナノ粒子化までもワンステップで達成する高付加価値化リサイクル技術
・インジウムやガリウムを、迅速・高効率で、溶液から微生物細胞に分離・濃縮できる環境適合技術
・マンガン酸化物(固体状物質)から、レアメタルを効率よく溶出できるバイオ技術

想定される用途

・都市鉱山からのレアメタルのリサイクリング
・微生物細胞を反応場・担体として活用する貴金属ナノ材料の開発
・使用済み電池(電極材料)等からのレアメタルの抽出・回収

  • 環境

11)超音波を利用した効率的なバイオディーゼル燃料(BDF)の製造技術

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 坂東 博

新技術の概要

エ植物油(含、廃食用油)から脂肪酸メチルエステル(BDF)を製造する際のコアプロセスであるエステル交換反応に超音波作用を働かせることにより、高効率で高品質なBDFを製造する。2段反応法により常温1時間以下の時間で反応を完結する。

従来技術・競合技術との比較

機械撹拌式のエステル交換反応法に比べ、1)常温での反応、2)極小体積の反応槽容量なので省スペース、3)1/5以下の反応時間、4)石鹸の発生がほとんどない、5)1/4~5のエネルギー消費量、といった特徴を有する。

新技術の特徴

・車載型製造装置にすることにより、オンデマンドBDF製造プラント事業への展開が可能
・廃棄物発生の低減と同時に、製品の使用によるCO2排出量削減対策とするといった自治体等の環境対策事業

想定される用途

・高品質・高効率なバイオディーゼル燃料製造
・地産地消型の分散小規模製造にも有効
・廃食用油が大量に発生する業態での自社内処理(有価物化)と製造するBDFの自社消費。それが同時にCO2排出削減対策

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪府立大学 産学官連携機構 シーズ育成オフィス

TEL:072-254-7943FAX:072-254-9874
Mail:shinアットマークiao.osakafu-u.ac.jp
URL:http://www.osakafu-u.ac.jp/

大阪市立大学 産学連携推進本部 新産業創生研究センター

TEL:06-6605-3468FAX:06-6605-3552
Mail:sangaku-ocuアットマークado.osaka-cu.ac.jp
URL:http://www.osaka-cu.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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