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琉球大学 新技術説明会

日時:2010年07月02日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)感染症に対する新規デリバリー分子の開発

琉球大学 熱帯生物圏研究センター 熱帯感染生物学部門 博士研究員 宮田 健

新技術の概要

我々は①ワクチン抗原またはアジュバント、②コア分子、③リガンドからなる三部構成免疫賦活システム(TIPs)を開発中です。これは高い汎用性と有効性が期待できる遺伝子工学と蛋白質化学工学を組み合わせた独自のシステムです。本発表では、マラリアのワクチン抗原を搭載したTIPsの生化学、免疫学的機能、ワクチン効果について説明します。

従来技術・競合技術との比較

現在のワクチンは病原体をそのまま、もしくは不活化して使用しているのがほとんどである。しかし、病原体を十二分に得ることが困難な感染症の場合では、病原体の一部(サブユニット)だけをワクチン抗原として用いる戦略があるが、サブユニットは免疫原性が低いことが問題となっている。この問題をTIPsを利用することで解決できる可能性がある。

新技術の特徴

・新規の独自システムであり、高い汎用性が期待できる
・基本的にどのような物質でもシステムに搭載できる
・既存のアジュバントとの併用も可能

想定される用途

・感染症に対するワクチン
・ドラッグデリバリーシステム
・生理活性物質の高機能化

  • アグリ・バイオ

2)植物由来原料による害虫防除剤の開発

琉球大学 農学部 亜熱帯農林環境科学科 准教授 田場 聡

新技術の概要

アワユキセンダングサ(キク科雑草)抽出液を用いて作製した環境に優しい害虫駆除剤で、農業上問題となる害虫に有効である。特に有害線虫に対しては殺虫効果に加え、麻痺、孵化阻害および忌避効果を示す。

従来技術・競合技術との比較

農業害虫は従来、化学合成農薬により駆除が行われているが、食の安心・安全、薬剤耐性害虫の出現、土壌生態系の攪乱などが危惧されている。これに対し植物由来原料による駆除剤は天然素材でありこれを改善できる。

新技術の特徴

・環境低負荷型の害虫防除剤である
・有害線虫のみに選択的に作用する
・有益線虫を含む土壌微生物および栽培作物には無害である
・作物によっては生育促進効果が認められる

想定される用途

・植物生育促進剤
・衛生害虫の忌避剤
・害虫駆除効果を有する土壌改良材

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

3)小児用咽頭持続吸引つき気管内挿管チューブの開発

琉球大学 医学部附属病院 小児科 講師 安里 義秀

新技術の概要

換気用経路以外に咽頭部吸引経路とつまり防止生理食塩水注入用経路をもつ小児新生児用気管内挿管チューブである。喉頭近傍で持続吸引を行うことにより、気管内への咽頭貯留物の誤飲を防ぎ、人工換気関連肺炎の発症率を下げる。

従来技術・競合技術との比較

成人用気管内挿管チューブにはカフ上声門下吸引機構を持つものもある。しかし、幼児以下の年齢層ではカフ無し挿管チューブを用いるため誤飲防止のための機能が利用できなかった。今回の開発で小児でも咽頭貯留物の気管内への誤飲を防止することができる。

新技術の特徴

・咽頭分泌物を吸引する
・粘稠物によるつまり防止のため生理食塩水注入経路を持つ
・気管内挿管チューブ口径による制限を受けない
・咽頭貯留物を診ることにより胃食道逆流の有無を判断できる

想定される用途

・小児新生児の救命のための気管内挿管
・小児新生児の全身麻酔下の安全な呼吸管理のための気管内挿管

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

4)バイオマス炭微粒子分散液を利用した薄型超高性能断熱集熱材

琉球大学 工学部 環境建設工学科 教授 堤 純一郎

新技術の概要

バイオマス原料を炭化して微粉末化し水等に混合した懸濁液を熱媒質として、薄い透明容器に封入して建物屋上等に設置する。微粉炭が太陽熱の集熱効率を飛躍的に高めるとともに、太陽光を遮るため容器からの熱伝導を制御すれば高性能の断熱材になる。

従来技術・競合技術との比較

従来の断熱材は太陽光を反射させるか高温化した表面からの熱流を多孔質材料等により減少させるものであり、集熱材としてはまったく機能しない。本発明は太陽光を集熱することにり、透過する熱流を効率よく減少させるものであり、基本構想から異なる。

新技術の特徴

・分散させる微粉炭の量を変えることにより、適度な集熱、断熱性能を実現できる
・廃棄されるバイオマスを原料として炭化して使えるので、廃棄物のリサイクルにもなる
・集熱効率が非常に高く、高温の熱媒を得ることができるので、これを熱源として熱機関を運転できる

想定される用途

・建物の屋上に設置して、屋根面の断熱と給湯利用を同時に実現できる
・窓等にこの装置を使えば、必要なときに光を遮るカーテンのように使える
・冬期は懸濁液を抜いて太陽光を取り入れ、夏期は断熱するような季節変化に対応する空間設計が可能

関連情報

・外国出願特許あり

  • 環境

5)マイクロ波プラズマを用いた滅菌方法および装置の開発

琉球大学 工学部 電気電子工学科 教授 米須 章

新技術の概要

本技術では、酸素を放電ガスとして用い、マイクロ波放電によりプラズマを生成する。プラズマ中には、多くの酸素ラジカル(活性酸素)が存在し、これを滅菌対象物に照射するとその酸化作用により菌を死滅させることができる。

従来技術・競合技術との比較

プラズマによる滅菌は、従来の方法に比べ、より効率的にまた安全に処理を行うことができる。本方法では、大気圧および低圧下でマイクロ波放電により低温のプラズマを生成し、滅菌を行う。

新技術の特徴

・ドライプロセス
・短時間での滅菌処理が可能
・残留性がなく、安全性が高い

想定される用途

・食品・飲料容器滅菌
・食品関係滅菌
・医療機器滅菌

関連情報

・外国出願特許あり

  • エネルギー

6)小型風力発電システムのエアーブレーキ開発と運転制御系の構築

琉球大学 工学部 情報工学科 教授 玉城 史朗

新技術の概要

耐強風性に特化した小型風力発電システムの遠心力利用型エアーブレーキシステムの技術を公開するとともに、安全性を第一に考慮した風力発電システムの自律制御系や遠隔監視・制御技術の公開を行う。

従来技術・競合技術との比較

従来の小型風力発電システムの失速制御方式は、大型風力発電システムの技術をそのまま移入したものが多く、その結果、製造コストが非常に高くなる。本システムは、メカニカルガバナを用いるため、構造がシンプルであり、製造コストが安くメンテナンスが容易であるという特長を有する。

新技術の特徴

・従来の電気的ピッチ制御方式とは異なり、構造がシンプルであり、汎用性が高い失速制御方式
・強風域においてもある一定の回転速度を維持しつつ連続運転が可能
・本失速制御ブレーキの他に、電磁ブレーキ、短絡ブレーキを多重化したフェル・セーフ構造

想定される用途

・強風域における独立型電源システムとしての風力発電
・ダイレクトドライブを用いた農業用揚水・散水利用型風力発電システム
・都市部や市街地のビル風を活用した風力発電システム

関連情報

・運転状況の画像データの提供が可能

  • 通信

7)超広帯域分散補償用フォトニック結晶ファイバの開発

琉球大学 工学部 電気電子工学科 教授 波平 宜敬

新技術の概要

本技術は、絶対値の大きな負の波長分散を有し、かつ損失が小さく、さらに伝送用光ファイバとして広く使用されている1.3μm用シングルモード光ファイバの分散をS,C,及びLバンドの超広帯域にわたり補償できる分散補償フォトニック結晶ファイバである。

従来技術・競合技術との比較

従来技術・競合技術では、波長1.46?1.63μmの超広帯域の波長範囲で、負の大きな波長分散値を有し、かつ閉じ込め損失の小さなもの、また、本技術のように特徴ある空隙径の異なる9層からなる六角形構造のフォトニック結晶ファイバは無かった。

新技術の特徴

・特徴ある空隙径の異なる9層からなる六角形フォトニック結晶ファイバ構造
・波長1.46~1.63μmの超広帯域の波長範囲で、負の大きな波長分散値を有する
・波長1.46~1.63μmの超広帯域の波長範囲で、低閉じ込め損失である

想定される用途

・ギガビット光伝送用分散補償ファイバ
・光ファイバ型分散補償器

関連情報

・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

8)ガラス基板上での高性能機能Si TFT素子の開発

琉球大学 工学部 電気電子工学科 教授 野口 隆

新技術の概要

レーザープロセスと下地の工夫を行うことで、ガラス基板上に高性能のSiTFT素子形成が可能となり、新しい機能、応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、ガラス基板上の所定の位置に、良好な結晶のSi薄膜を作製することは困難で、応用にも限界があったが、製法、構造を工夫することで、より高い結晶性の薄膜と構造が実現でき、機能性の素子応用が期待でいる。

新技術の特徴

・より高い結晶性により素子高性能化
・新しい構造により、より広範な機能性
・新規のプロセスにより、均一な素子特性、高集積化で低電圧での駆動

想定される用途

・ガラス基板上の新しい機能性ディスプレイシステム、新しい集積化の製法と光センサーなどの光電素子応用など

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

琉球大学 産学官連携推進機構

TEL:098-895-8599FAX:098-895-8957
Mail:chizaiアットマークw3.u-ryukyu.ac.jp
URL:http://www.iicc.u-ryukyu.ac.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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