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電気通信大学 新技術説明会

日時:2010年05月11日(火)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)結晶粒超微細化と高強度化技術

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 知能機械工学専攻 准教授 三浦 博己

新技術の概要

本発明は、バルク材の多軸鍛造法や材料改質により結晶粒を1μm以下とする技術である。黄銅等では10nm前後の超微細粒が達成されており、この結果、材料強度を大幅に上昇させることが出来る。Mg合金、黄銅、316ステンレスで、引張強度がそれぞれ約540MPa, 1.4GPa, 2.2GPaが達成されており、様々な新素材への本発明の適用を含め、新材料開発と新事業分野の開拓の可能性が期待される。

従来技術・競合技術との比較

これまで結晶粒の微細化は、主として再結晶を利用することによって行われてきた。本発明は、巨大なひずみを材料に加えたり、あるいは材料改質後の単純圧延によって結晶粒を超微細化する技術で、従来技術の1/10?100程度の結晶粒径が達成できる。その結果、種々の金属に新構造部材としての可能性が新たに現れる。

新技術の特徴

・軽量・高強度化を必要とするスポーツ用品分野
・軽量・高強度化を必要とする医療・福祉分野
・電気電子部品の端子・コネクター等のパーツ

想定される用途

・自動車、二輪車、自転車等の軽量化
・マイクロロボットの構造部材等のパーツ材
・特に強度を必要とする機械構造部材への適用

  • 材料

2)太陽光で環境浄化する複合酸化物とその合成法

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 先進理工学専攻 教授 田中 勝己

新技術の概要

可視光照射により有機物を分解する複合酸化物とその合成法

従来技術・競合技術との比較

太陽光のほぼピーク波長である470nmで有機化合物を分解できる複合酸化物とその合成法

新技術の特徴

・”壁材”として塗布することで室内照明下で存在する有機物などを分解する環境浄化機能
・タッチパネルなどの上に薄膜にして塗布し太陽光、室内光による汚れ(油分)防止
・廃棄木材に散布して太陽光の下で放置し完全分解

想定される用途

・太陽光照射により環境に有害な有機化合物を気圏、水圏で分解
・p型n型を作製しpーn接合による太陽電池への応用

  • 情報

3)ホスティングサービス向けセキュアウェブサーバシステム構成法

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・通信工学専攻 准教授 中山 泰一

新技術の概要

一台のサーバ計算機に多数(1000サイト以上を想定)のウェブサイトを収容する環境(共有型ホスティングサービス等)において、あるサイトの所有者がウェブサーバを共有する他のサイトのファイルを盗視・改竄できてしまうという従来のウェブサーバプログラム(Apache等)の問題を解決する、ウェブサーバシステム構成法である。サイト間のセキュリティを確保する仕組みを非常に小さなオーバヘッドで実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来のウェブサーバプログラム(Apache等)では、複数のサイトを収容・配信することが可能であり、ホスティングサービス等で広く用いられている。しかし、あるサイトの所有者がウェブサーバを共有する他のサイトのファイルを盗視・改竄できてしまう危険性があり、本技術はこの問題を解決するものである。一方、ホスティングサービスに仮想化技術(Xen、VMware等)を用いてセキュリティを向上させることができるが、サーバ計算機当たりに収容可能なサイト数が少なく、適用範囲が限定的である。

新技術の特徴

・ウェブサーバを共有するサイト間のセキュリティ確保(オーバヘッド極小)
・ウェブサーバだけでなく、一台に多数のユーザを収容するファイルサーバ、メールサーバ等へ適用可能
・ユーザレベルでの実装(仮想化技術の様にOSの修正不要)

想定される用途

・共有型ホスティングサービス(ウェブサーバ、メールサーバ、ファイルサーバ等)

  • 情報

4)GPS位置情報を用いた画像カテゴリー分類

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 総合情報学専攻 准教授 柳井 啓司

新技術の概要

GPSを内蔵した撮影機器(カメラ、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話)がここ数年急速に普及して来ており、位置情報の埋め込まれたデジタル写真の入手が容易となった。本技術では、そうした位置情報付きの写真画像に対して画像のカテゴリー分類を行うための新しい方法として、画像自体の情報に加えて撮影位置の航空写真および地図情報を用いる事を提案している。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、緯度経度の数値情報をそのまま画像認識の付加情報として利用していた。そうした方法は、対象とする地点が無数にある「海」「山」などの一般的なカテゴリー認識には有効ではなかった。それに対して、本技術では、航空写真や地図情報を利用することすることによってそれ自身が各地点に関する情報のデータベースとなり、各緯度経度の地点についての情報データベースを事前に作成する必要が不要である。

新技術の特徴

・GPS付きカメラ画像のための認識技術
・緯度経度情報を対応する地点の航空写真や地図情報に変換
・2次元の緯度経度情報を多様な情報に変換し,画像認識を高精度化

想定される用途

・画像カテゴリー認識
・画像アノテーション(自動タグ付け)
・高精度自動撮影シーン分類

  • 情報

5)圧力センサ付きボタンを備えた汎用リモコンの提案

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・通信工学専攻 准教授 角田 博保

新技術の概要

8個の圧力センサ付きボタンとダイレクトポインティング機構とを搭載した新しいリモコン型装置を考案。テキスト入力、メニュー選択操作、ダイレクトポインティング時の手ブレ防止等、多目的な入力が可能。

従来技術・競合技術との比較

従来のテレビリモコンと比較してボタン数を減らしつつも、テキスト入力や画面上の位置指示に対して、より高い汎用性および優れた操作性を実現。

新技術の特徴

・圧力センサ付きボタンは、指の触れる位置やスイッチのON/OFFに応じて複数通りの入力方法を有する
・高速テキスト入力手法を実現。従来の携帯電話方式と比較して1.5倍以上の入力速度を達成(被験者実験より)
・高速メニュー選択手法を実現。ボタン表面を指でなぞることで操作可能
・ダイレクトポインティング時の手ブレ防止機能を実現。ユーザの押圧力に応じてカーソル移動量を低下させる
・ダイレクトポインティング時のズーム機能を実現。ユーザの押圧力に応じて画面表示を拡大・縮小させる

想定される用途

・リビング環境におけるGUI操作(Webブラウジング等)のためのリモコン
・プレゼンテーション時の操作用リモコン
・携帯電話や携帯音楽プレーヤ向けの操作インタフェース

  • エネルギー

6)色素増感太陽電池の高効率化

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 先進理工学専攻 教授 小林 直樹

新技術の概要

光増感色素を坦持する半導体層にn型のⅢ族窒化物半導体を用いることで、内部電界由来のバンドベンディングを起こし、これによるキャリア移動度の向上で、光電変換効率を向上させる技術である。

従来技術・競合技術との比較

現在、色素増感太陽電池には、酸化チタンや酸化亜鉛が多く用いられているが、これらはキャリア移動度が低く、欠陥へのトラップなどが起き、このような内部抵抗により、光電変換効率が低くなっている。

新技術の特徴

・Ⅲ族窒化物半導体の使用
・高いキャリア移動度
・光電変換効率の向上

想定される用途

・太陽光発電所
・車載用太陽電池
・家庭用太陽電池

  • デバイス・装置

7)新方式高周波ホモダイン方式VNAの提案と実用化

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・通信工学専攻 准教授 矢加部 利幸

新技術の概要

ENGENらが提案した6ポート型リフレクトメータを基に、改良提案したマルチポート型コリレータを中核とした高周波ベクトルネットワークアナライザ(VNA)を研究開発している。従来のVNA測定原理と異なるホモダイン方式で、結果、低価格、小型でかつミリ波帯以上の超高周波への拡張と応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来VNAはヘテロダイン方式で内部に局部発振器とミキサを要し、信号(電磁波動:波)を低周波変換し、振幅と位相を測定する。このため高価、大型となり、かつ高周波化に限界があると思われる。一方、ホモダイン方式は内部回路が簡明で、複数の電力測定のみで直接高周波信号の振幅と位相を測定できる。

新技術の特徴

・高周波信号(波)の振幅と位相を周波数変換なしで電力測定から測定できる
・高周波信号源と高周波電力測定デバイスの最高周波数での測定が可能である(周波数フリーの測定技術)
・構成が簡明なため小型化(MMIC化)、低価格化が可能となり、結果、持ち運び可能な測定器の実現性を有する

想定される用途

・教育用高周波アナログ回路実験装置
・高周波テスタ
・ETC車載レーダ

関連情報

・外国出願特許あり、試作機公開可能

  • 情報

8)共感覚能力を利用した楽曲推薦システムと言語イメージ判定システム

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 総合情報学専攻 准教授 坂本 真樹

新技術の概要

音楽から情景を想起し色彩をイメージする人の共感覚能力を利用し、音楽から想起される情景が反映される歌詞と色彩の想起確率を利用した楽曲推薦システムを開発した。また、言語音から五感イメージが喚起される人の特性を利用し、言語イメージを判定するシステムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

楽曲推薦の従来技術は、アーティストなどの属性情報や感性語やハミングなどをクエリとして送信するものが主であり、本技術のように色彩をクエリとして送信するものは少ない。歌詞を利用した技術も少ない。特に、歌詞と色彩の想起確率を利用した楽曲推薦は従来ない。また、言語イメージ判定については競合技術はない。

新技術の特徴

・クエリとして送信される色彩と認知的相関のある楽曲を推薦する(楽曲推薦技術)
・色彩と歌詞(テキスト情報)の想起確率を用いる(楽曲推薦技術)
・現存しない新しい言語表現が人に喚起するイメージを予測できる(言語イメージ判定技術)
・言語(特に擬音語や擬態語)を構成する個々の音韻から、その言語表現が意味することを定量的に評価できる(言語イメージ判定技術)

想定される用途

・色彩そのものや写真などの画像を携帯電話などで送信し、イメージに合った未知の楽曲に出会える。(楽曲推薦技術)
・楽曲に合った色彩で構成される画像を自動的に提供できるため、カラオケ店などで利用できる。(楽曲推薦技術)
・携帯小説など電子書籍の内容に合った色彩で脚色できる。(楽曲推薦技術)
・広告コピー(食品の味を効果的に伝えられる言葉など)や文芸作品など創造的な言語の発案支援(言語イメージ判定技術)
・症状を擬音語や擬態語で表現することが多い医療現場での利用(言語イメージ判定技術)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

9)ホタル生物発光系をモデルとした人工発光系の創製

国立大学法人電気通信大学 大学院情報理工学研究科 先進理工学専攻 助教 牧 昌次郎

新技術の概要

ホタル生物発光系を発光基質の側からモデル化して、高輝度かつ多色発光系の創製を目指して材料開発を行った。

従来技術・競合技術との比較

ホタル生物発光系は古くからイメージング材料として、世界的に利用されているが、輝度向上と発光色のバリエーションが乏しく、課題となっていた。

新技術の特徴

・多彩な発光色
・生体機能をモデル化した高輝度化技術
・発熱を伴わない発光システム

想定される用途

・バイオイメ―ジング材料(生体内深部可視化に資する)
・発光材料
・酸素モニタ材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

電気通信大学 産学官連携支援部門

TEL:042-443-5780FAX:042-443-5108
Mail:onestopアットマークkikou.uec.ac.jp
URL:http://www.kikou.uec.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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