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文京区3大学 新技術説明会

日時:2011年10月27日(木)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)ベシクルを用いたマイクロメートルサイズの物質輸送システム

お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 先端融合系 教授 今井 正幸

新技術の概要

温度により孔の開閉を制御できる2成分脂質ベシクルを用いて、ベシクルに内包された物質の輸送・放出・回収を行うシステム。用いる脂質を選択することにより、孔が開閉する温度や新たな機能を付与できる。

従来技術・競合技術との比較

ドラッグデリバリーとして、ベシクルを用いたシステムは数多く提案されているが、本手法は温度を制御することにより、的確にターゲットの近くで内包する薬剤を放出する事ができる。ベシクルも生体膜由来であり、制御温度も体温近傍で取り扱いが容易。

新技術の特徴

・水の循環系を用いて、希望の場所に少量の化学物質を輸送できる
・温度で孔の開閉ができるので、不必要なところでの化学物質の漏洩を最小限にできる
・膜構成分子を調整することにより、温度や他の機能(センサーや接着など)を付加する事が可能である

想定される用途

・ドラッグデリバリーシステム
・化粧品や食品加工分野
・微量金属や油の回収システム

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

2)生活習慣をモニタリングするためのバイオセンサの開発

東洋大学 生命科学部 食環境科学科 准教授 宮西 伸光

新技術の概要

生活習慣と相関がある生体内分子に着目し、この分子を特異的に検出するタンパク質を利用して生活習慣をモニタリングする。

従来技術・競合技術との比較

従来法では、測定した時点での限定した情報しか得る事ができなかったが、本センサを用いる事によって、過去にさかのぼって生活習慣を評価する事ができる。

新技術の特徴

・畜産動物への適応
・新規生活習慣関連分子の検索
・製薬

想定される用途

・定期健康診断
・薬局等
・POC(ポイントオブケア)

  • 医療・福祉

3)アミノ基分子‒非硫酸化糖類の複合体形成による新抗HIV活性化合物

お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 自然・応用科学系 教授 小川 温子

新技術の概要

アミノ基を複数持つ直鎖高分子と非硫酸化多糖から、天然プロテオグリカンを模倣したシュードプロテオグリカンを合成したところ、極めて高い抗HIV‒1活性が出現することを発見した。新規阻害機構を持つ薬剤開発へ活用できる(特願2008‒301811)。

従来技術・競合技術との比較

本技術の新規化合物は、薬剤耐性ウイルス(硫酸化多糖耐性、逆転写酵素阻害剤耐性、プロテアーゼ阻害剤耐性)に対しても有効である。ウイルス接着・侵入だけでなく、細胞にも作用する新規阻害機構をもつと期待できる。

新技術の特徴

・タンパク質精製用リガンドになる  例:ウイルス内部タンパク質等
・細胞の増殖、接着、移動を調節する基質となりうる
・ウイルス内部タンパク質とも結合する新規な作用機構をもつ可能性がある

想定される用途

・HIV‒1感染抑制用薬剤(軟膏など)
・抗ウイルス、抗菌加工用被覆(特に患者血液に接する医療器具:注射針、カニューレ、手袋、採血用バッグなど)
・リンパ節など、臓器標的指向性をもつ糖鎖を用いて合成した集積性のある抗ウイルス剤

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

4)レーザー誘起で発生する微小気泡を用いた表面集積法

中央大学 理工学部 応用化学科 教授 芳賀 正明

新技術の概要

水溶液中で基板表面のレーザー局所加熱を行うと、微小気泡が生成する。この気泡の周囲の対流に伴う物質の移送現象を利用した、ナノ物質(ナノ粒子、DNA、低分子)のマイクロ・ナノパターン集積化技術を見出すことに成功した。

従来技術・競合技術との比較

真空技術を用いる従来技術と比較し、溶液プロセスとして基板とレーザー光だけで物質のナノ集積化が達成できる優位性がある。気泡周辺の溶液の流れを利用しているので、集積する材料は溶媒に分散させればよく、適用可能な範囲が大きい。

新技術の特徴

・溶液プロセスによるテンプレートを必要としない、その場観察が可能な物質の集積
・生体分子の単一分子操作と集積
・高分子、ナノ粒子、低分子等、幅広い材料に適用可能

想定される用途

・DNA単一分子解析
・ナノ粒子、分子を集積したデバイス作製
・分子パターン電極による電気化学分析

  • アグリ・バイオ

5)貴金属ナノ粒子を利用した光学的測定法の高感度化

東洋大学 生命科学部 生命科学科 教授 竹井 弘之

新技術の概要

基板に吸着されたシリカ粒子に金、銀等を蒸着し、貴金属ナノ粒子を調製した。ラマン散乱を始めとし、比色法、蛍光測定法の高感度化に有効であり、粒子径、形状、組成の変更により特定の応用に対して最適化できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の表面増強基板よりも、簡便かつ迅速に調製することができる。また、曲面やウェルの底等、平坦面以外にも容易に形成できることから、使い勝手に優れた基板として提供することが可能である。

新技術の特徴

・錠剤の品質検査
・犯罪科学
・他の分析法との複合化

想定される用途

・環境モニタリング
・原料の品質管理
・臨床検査

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

  • アグリ・バイオ

6)新規遺伝子検出用マイクロアレイを利用した有用遺伝子探索法

お茶の水女子大学 お茶大アカデミック・プロダクション 特任助教 小倉 淳

新技術の概要

ここで使うマイクロアレイは、DNA‒DNAハイブリダイゼーションの曖昧さと分子進化学を応用した遺伝子配列高保存領域の推測手法によって、ゲノム未知の生物における遺伝子探索が可能である。有用遺伝子の網羅的探索に最適である。

従来技術・競合技術との比較

次世代シーケンスによる網羅的探索よりもコストが安く、多サンプルを用いた探索が可能である。ターゲットを絞り込んでから探索を行うので、スクリーニング後の機能解析の手間が競合技術よりもかからない。

新技術の特徴

・相同性を基本とした新規遺伝子を探索可能
・ターゲットは遺伝子配列のわかっているもの、サンプルはDNAが抽出できるもので、広範に応用可能
・従来既知の遺伝子と、相同であって少し違うところを持つ新規遺伝子を探索するため、既存の機能評価ラインで機能性評価を行うことができる
・マイクロアレイの特徴から、まったく異なる配列の新規遺伝子を探索することはできない

想定される用途

・医薬:新規抗生物質の探索
・環境:高効率な難分解性物質分解関連遺伝子の探索
・食品:新規香気成分関連遺伝子の探索

  • エネルギー

7)電力負荷平準化とモーダルシフトのための氷による食品冷蔵

中央大学 理工学部 精密機械工学科 教授 松本 浩二

新技術の概要

深夜電力で生成した蓄熱能力の高い氷の、食品冷蔵での普及が電力負荷平準化に貢献できる。開発したオゾンマイクロバブル含有氷は、その殺菌力により食品の貯蔵・輸送可能期間を長くでき、トラックから鉄道輸送へ転換するモーダルシフトに貢献する。

従来技術・競合技術との比較

残留性のないオゾンをマイクロバブル化することで効率的に氷中に固定化でき、使用後の廃水の環境負荷もゼロにできる。また、開発した製氷システムは、外力や熱を加える装置なしに氷の回収ができるので、効率的にオゾン含有氷の連続生成が可能となる。

新技術の特徴

・生鮮食品の鉄道による大量輸送
・保冷車による食品の輸送
・従来長時間輸送が困難であった生鮮食品・切り花等の鮮度保持

想定される用途

・食品の冷蔵・殺菌・消臭
・製氷機
・温度変動が不適な食品冷蔵

関連情報

・展示品あり(連続製氷システムの動画)

  • 機械

8)大幅な省エネルギーを可能にする可変定数モータドライブ

東洋大学 理工学部 電気電子情報工学科 教授 堺 和人

新技術の概要

小型・高出力の永久磁石モータにおいて、永久磁石の磁力や極性を可変でき、さらに極数を可変できる。低速域では高磁力で多極のモータ、高速域では低磁力で少極のモータに変換して運転できるモータである。速度や出力に応じてモータ特性を変換できるので全運転範囲で高効率が得られる。

従来技術・競合技術との比較

永久磁石モータは高磁力のレアアース磁石の発明と実用化によって、小型・高出力で高効率のモータとしてハイブリッド自動車やエアコンなどに適用されている。しかし、永久磁石の磁力は一定であるため定格点のみ効率はよいが、可変速運転の全範囲では効率は低下する。すなわち、全運転範囲で優れたモータがあれば消費電力量を大幅に低減できる。電気自動車では省エネによりバッテリー容量を削減できる。

新技術の特徴

・可変速度で運転する装置
・磁力や極数を任意に可変したい装置
・永久磁石の磁力のオン・オフや磁力の可変ができれば新機能が得られる装置

想定される用途

・電気自動車やハイブリッド自動車用駆動モータ
・高速鉄道や省エネの通勤電車用駆動モータ
・家電製品(エアコン、洗濯機、冷蔵庫、掃除機)用モータ
・エレベータ・エスカレータ用モータ
・風力発電用発電機
・省レアアースのモータや脱レアアースのモータ

  • 材料

9)自己発熱機能を有する固体型炭酸ガス吸収材料

中央大学 理工学部 応用化学科 教授 大石 克嘉

新技術の概要

金属線の表面上に、二酸化炭素吸収能をもつリチウム複合酸化物を形成させた吸収材料。吸収層の厚さを制御し効率よく吸収させる。吸収した炭酸ガスは、中心金属に電流を流し材料の温度を上昇させ放出可能。好みの形状に作る事が可能。

従来技術・競合技術との比較

従来の粒子形状の吸収材料は、表面のみがCO 2 と反応(吸収)するため、内部は未反応のまま残ってしまう。また、繰り返し利用するためには、高温の電気炉中で加熱し放出する必要があった。本技術では反応性を高く保ち、放出も容易としている。

新技術の特徴

・形状を変化させる事が容易である
・網目状、渦巻き状などに変形可能なため、CO2を含む混合ガスとの接触が非常に良い
・自己発熱型のため、CO2放出用の電気炉が不要で、電源さえあれば使用場所が限定されない

想定される用途

・常温で、低濃度(400~500 ppm)のCO2を除去するための使用として、電気自動車用金属-空気バッテリー用CO2吸収材料
・発電所の排出口用CO2吸収材(吸収層を厚く形成させることにより)
・鉄工所の排出口用CO2吸収材(吸収層を厚く形成させることにより)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

お茶の水女子大学 研究協力・社会連携チーム

TEL:03-5978-5162FAX:03-5978-2732
Mail:s-kenkyoアットマークcc.ocha.ac.jp
URL:http://www.ocha.ac.jp/research/

中央大学 研究支援室

TEL:03-3817-1603FAX:03-3817-1677
Mail:k-shienアットマークtamajs.chuo-u.ac.jp
URL:http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/clip/index_j.html

東洋大学 学長室 研究協力課

TEL:03-3945-756FAX:03-3945-7906
Mail:ml-chizaiアットマークtoyo.jp
URL:http://www.toyo.ac.jp/ciit/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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