知財群活用事業 新技術説明会
日時:2012年01月24日(火) 12:40~16:50
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 医療・福祉
1)「スマート生体センサ」知財群の紹介
東京電機大学 産官学交流センター 産学連携コーディネーター 徳永 晶一
新技術の概要
健康で安全安心な社会の実現を目指して、元気な高齢者や介護を必要とする高齢者への、見守りと不調の兆候を管理して適切な健康管理を可能にする、生体情報を活用したシステムが望まれている。本知財群はそれを実現するため、日々、気軽に本人や介護者の負担なしに、生体情報を取得する「スマート生体センサ」とした。無意識、無拘束で長時間・複数同時に生体情報の計測できることに加え、取得データに付加価値を付けたアプリケーションや新たな安心安全を実現するサービス事業(ネットワーク)を視野に入れた知財群を構成する。自宅での健康見守り、介護施設も含めた介護見守り、スポーツ・運動での健康管理から体力強化への用途が想定される。
- 医療・福祉
2)シート型布電極による呼吸2種類と心電2種類の非接触同時計測
東京電機大学 大学院工学研究科 電気電子工学科 准教授 植野 彰規
新技術の概要
本技術は、ベッド用(あるいは布団用)シーツの下に設置した導電性布電極を用いて、胸部と腹部の呼吸運動(2種類)と心電(2種類)を、背面から非接触に同時計測する技術です。
従来技術・競合技術との比較
生体と電極の容量結合に基づき非接触で計測している点が従来・競合技術と大きく異なります。また、3箇所の電極から呼吸運動2種類と心電信号2種類を同時計測できるようになっている点も大きな違いです。
新技術の特徴
・胸背部の呼吸運動と腰背部(腹部)の呼吸運動を非接触で同時に計測できる
・胸背部からの心電信号と腰背部からの心電運動を非接触で同時に計測できる
・ベッドあるいは布団用のシーツの下に敷くだけで、無意識・無拘束で計測が行える
想定される用途
・睡眠時無呼吸の簡易スクリーニング装置
・遠隔見守りバイタルモニタ
・心疾患の簡易スクリーニング装置
関連情報
・NDA締結後に評価用装置の貸し出しが可能
- 材料
3)有機導電性繊維を用いたテキスタイルデバイス
信州大学 繊維学部 化学・材料系 機能高分子学課程 准教授 木村 睦
新技術の概要
湿式紡糸法により導電性高分子の連続的な繊維化に成功した。さらに、有機導電性繊維を用いた布帛が、センサおよびエネルギー変換機能を持つことを見いだした。有機導電性繊維による軽量かつ違和感のないテキスタイルデバイス創成が可能となった。
従来技術・競合技術との比較
金有機導電性繊維は軽量かつ従来型の編織プロセスによる布帛化が可能であり、着衣もしくはインテリア内の布帛内に容易に導入することが可能である。さらに、コーティングなどの後処理により複合機能化が可能である。
新技術の特徴
・有機物のみを使っているので省資源
・比重が金属に比べ1/7程度
・布帛化が容易
想定される用途
・生体センサ
・アクチュエーター
・太陽電池
関連情報
・サンプルの提供可能
- 医療・福祉
4)ヘルスモニタリングのための多変量生体信号処理
山梨大学 大学院医学工学総合研究部 生体環境医工学系 准教授 阪田 治
山梨大学 総合分析実験センター 助教 鈴木 裕
新技術の概要
生体信号・画像を解析し、人間の感性や情動、病変の診断方法を開発している。対象としては、脳波、筋電図、腸音、超音波断層像、血流音についてオリジナルの技術を用いてる。また同技術を応用した、拡声装置について開発を進めている。
従来技術・競合技術との比較
知能的多変量生体信号処理により、人間の感性・感覚に近い判断を行うことができる。ゆえに、熟練者の診断や、快適なユーザビリティを実現できる。
新技術の特徴
・機械学習による人間の感性モデル
・非侵襲計測
・安価に実現
想定される用途
・簡易スクリーニング装置
・異種センサ同時計測
・感性に適合した音声伝達システム
- アグリ・バイオ
5)「食品分析用バイオセンサ」知財群の紹介
農工大ティー・エル・オー株式会社 アソシエイト 桐迫 正
新技術の概要
近年、食中毒による被害は年間2万人以上に上ります。そして昨年4月には死亡者が出るほどの大きな被害が発生し、「食の安全・安心」がいっそう叫ばれるようになっております。しかしながら、これら食中毒の原因となる微生物や細菌を短時間で、簡便かつ低コストで検出する方法は必ずしも十分といえる状況ではありません。このような社会的なニーズに応えるために、われわれは知財群を構成し、食産業に受け入れられる「食品分析用バイオセンサ」の開発を企画いたしました。
- アグリ・バイオ
6)酵素-アプタマー複合体を用いたバイオセンシングシステムの開発
東京農工大学 大学院工学研究院 特任助教 吉田 亘
新技術の概要
酵素活性阻害アプタマーと標的分子結合アプタマーを連結することにより、酵素活性を指標とし、混合するだけで標的分子を検出できるセンサーシステムを開発した。これを用いれば検出のための煩雑な操作が不要となるため、迅速・簡便な検出システムに応用できる。
従来技術・競合技術との比較
ELISAなど、抗体を用いて標的分子を検出する方法は、標的分子に結合しなかった抗体を取り除く操作が必要になるが、本技術ではその操作が不要になる。つまり、これまでの方法と比較して迅速・簡便に標的分子を検出することが可能になる。
新技術の特徴
・分離操作を必要としないで標的分子を測定できる
・酵素活性を指標として標的分子を測定できる
・分子認識素子としてアプタマーを用いているため安定性に優れている
想定される用途
・迅速・簡便な疾病マーカーの検出法の開発
・自己診断キットの開発
・他の因子によって阻害能を制御できる薬剤の開発
関連情報
・外国出願特許あり
- アグリ・バイオ
7)診断・センシングのためのバイオインターフェース構築技術
筑波大学 数理物質系 教授 長崎 幸夫
新技術の概要
我々はポリエチレングリコールと抗体やオリゴ核酸を表面に共固定し、センシング能を向上させるとともにバックグラウンドを飛躍的に抑制する表面の構築に成功した。これらにより高度な免疫診断やバイオセンシングを可能にする。
従来技術・競合技術との比較
アルブミンのようなブロッキング剤に比べて①ロット間格差がない、②BSEの心配がない、③ブロッキング効果が飛躍的に高い、④非特異抑制効果に加えて抗体の配向、認識能向上が可能、⑤オリゴ核酸の配向制御が可能、⑥材料はすでに試験販売が始まっているという特徴がある。
新技術の特徴
・バイオインターフェース
・マイクロチップ
・再生医療
想定される用途
・免疫診断
・バイオセンサー
・DDS
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
- アグリ・バイオ
8)二層カーボンナノチューブ電界効果トランジスタによる超高感度バイオセンシング
東京理科大学 理学部第一部 応用化学科 教授 矢島 博文
新技術の概要
本バイオセンサーは、電界効果移動度が高く、また検出目的分子に対する分子識別素子を表面に修飾することを考慮して、二層カーボンナノチューブ(DWNT)をチャネル部とした電界効果トランジスタ(FET)からなる。これまでに化学酸化処理したDWNTを用いた結果、非特異分子・牛血清アルブミン(BSA)に対して、250aMの超高感度を記録した。
従来技術・競合技術との比較
従来のカーボンナノチューブ(CNT)FET型バイオセンサーには、単層カーボンナノチューブ(SWNT)が用いられ、約1pMの感度が報告している。また、バイオセンサーには他に、表面プラズモン法やSiナノワイヤー等があるが、いずれの方法に比べても、本センサーは優っている。
新技術の特徴
・再生工学
・フィラー
・放熱材
想定される用途
・細胞培養基板(人工血管)
・ゴム劣化防止
・強化・帯電防止
関連情報
・外国出願特許あり
- エネルギー
9)「電気化学キャパシタ」知財群の紹介
株式会社信州TLO 技術移転グループ 勝野 進一
新技術の概要
「クリーンエネルギー供給の安定確保」に関わる研究は、国が重要課題としており、大学における研究テーマとしても、大きな部分を占めている。特に電気に関しては、昨今の電力事情により、社会的な関心も高い。そこで、電気エネルギーを蓄える蓄電デバイスの中で、今後の発展が期待される「電気化学キャパシタ」について、知財群の形成を進めている。まだ、参加大学の知財を集め、企業ニーズの抽出を行い、知財群形成を進めている段階であるが、大学の関連知財の状況および知財群の概要について解説する。
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