科学技術コモンズ 新技術説明会(1)
日時:2012年02月16日(木)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)早期開花技術による‘SEEDピーチ’生産
宇都宮大学 農学部 生物生産科学科 植物生産学コース 教授 山根 健治
新技術の概要
核割り、低温処理、早期播種、ホルモン剤やストレス処理などにより、1年程度でモモを開花させる。本技術により多様性に富む種子繁殖による花モモ‘SEEDピーチ’を早期開花させ、花色、花形、樹形を確認した苗木を生産・販売できる。本技術は樹木の育種年限の短縮にもつながる。
従来技術・競合技術との比較
通常、樹木は発芽から開花までに数年を要する。1年生の樹木における花芽着生と開花の報告はほとんどない。緑花木は接ぎ木など栄養繁殖で増やすという常識を覆し、種子から繁殖するという技術である。
新技術の特徴
・種子繁殖によるウイルスの感染確率が低く、長寿命の苗木
・コンパクトで扱いやすい苗木
・クローン繁殖でない多様性に富む花木
想定される用途
・庭木・公園緑花木・街路樹・ビオトープなど
・樹木の育種のための世代促進
・桃葉エキスなど素材の開発
・桃の節句用の商材
関連情報
・展示品あり(A0パネル、ちらし、花桃切り花)
- 創薬
2)レゾルシノール配糖体型チロシナーゼ阻害剤の研究
宇都宮大学 農学部 生物生産科学科 応用生物化学コース 准教授 二瓶 賢一
新技術の概要
酵素的褐変の防止を目的に、その原因であるチロシナーゼ(ポリフェノールオキシダーゼ)の阻害剤の研究を行った。その結果、複数のレゾルシノール配糖体が効果的な阻害剤として働くことを見出した。
従来技術・競合技術との比較
チロシナーゼ阻害剤としては、コウジ酸、アルブチンなどが現在まで使用されている。本レゾルシノール配糖体はアルブチンよりも強力なチロシナーゼ阻害活性を有し、かつそれに匹敵する水溶性を示す。
新技術の特徴
・チロシナーゼ阻害剤
・水溶性
・レゾルシノール
想定される用途
・化粧品(美白剤)
・抗酸化剤
・医薬品
関連情報
・調製可能(要相談)
- 材料
3)新規多孔質ナノ炭素材料の合成と応用
大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 宇山 浩
新技術の概要
貫通した孔と骨格から構成され、網目状の共連続構造をもつ一体型の炭素ナノ多孔体の合成技術を開発した。この多孔体は高い通気性・通液性、高強度、高比表面積といった特性を有し、前駆体構造や賦活化条件により機能を制御できる。
従来技術・競合技術との比較
既存の炭素材料と比して、前駆体の高分子多孔体を用いて自在な形状に成形できるため、電池やキャパシタ用の電極材料等の多様な用途に対応でき、用途により比表面積や多孔構造をチューニングできる。
新技術の特徴
・網目状の共連続構造をもつ一体型の多孔質ナノ炭素材料
・自在な形状への成形が可能
・白金等の様々な金属の固定化(複合化)が容易
想定される用途
・電池やキャパシタ用の電極材料
・吸着剤・分離剤(水処理、脱臭、二酸化炭素・水素吸蔵、ガス分離等)
・触媒担体
関連情報
・試作可能
・展示品あり(多孔質炭素ナノ多孔体)
- 材料
4)ホタル生物発光系をモデルとした人工発光系の創製と実用化
電気通信大学大学院 情報理工学研究科 先進理工学専攻 助教 牧 昌次郎
新技術の概要
イメージング用標識材料として利用されているホタル生物発光系のモデル化を行い、多色化技術を創製し、生体内深部可視化に資する長波長発光材料の市販化を達成した。
従来技術・競合技術との比較
ホタル生物発光系は、ライフサイエンス分野の標識材料として実用化されているが、多色化では3色、長波長化では630nmが世界最長であった。今回、世界最長となる675nmの長波長発光材料の創製と市販を実現した。
新技術の特徴
・生体内深部可視化に資する長波長発光
・長波長材料でも既存測定器でも可視化できる輝度
・インビボイメージングでの発光を確認
想定される用途
・インビボイメージング用材料
・レポータ活性用標識材料
・試薬は和光純薬工業株式会社にて販売中
関連情報
・試薬は和光純薬工業株式会社にて販売中
・外国出願特許あり
- 製造技術
5)絹織物への3D柄を迅速に形成できるシステム
滋賀県東北部工業技術センター 繊維・高分子担当 専門員 谷村 泰宏
新技術の概要
模様型と絹織物との高圧プレスにより織物表面に凹凸加工を行い偏光柄を形成する技術の実用化促進を目的に、任意の模様型をその場で作成し、織物に偏光調柄を迅速に作成するシステムの開発を行った。
従来技術・競合技術との比較
従来、模様型のコスト・製作期間・自由度や柄の安定的発現等に課題があったが、本技術開発により画像をプリントする感覚で、短時間に任意の模様型を作成し、織物に偏光調柄を容易かつ迅速、安定的に発現できるようになった。
新技術の特徴
・織物に、ほぼ恒久的な3D柄が形成できる
・模様の画像から、短時間でプレス用の型が作成できる
・偏光調効果のある3D柄も形成できる
想定される用途
・3D模様のある着物
・3D模様のある和装小物
・3D模様のある洋装衣料品
関連情報
・展示品あり
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