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科学技術コモンズ 新技術説明会(2)

日時:2012年02月17日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 情報

1)実物大・実操作可能な3Dスケッチに基づく設計支援環境

電気通信大学 大学院情報システム学研究科 情報メディアシステム学専攻 教授 田野 俊一

新技術の概要

目の前の3次元空間に実物大にスケッチすることによりデザインし、さらにその実物大のスケッチを3次元空間で人間が体を屈めたりしながら操作し、評価し、即座に3次元空間へのスケッチで修正できる3Dデザイン空間を提供する。

従来技術・競合技術との比較

バーチャルリアリティ技術を用いて、立体画像によるデザイン支援システムが多く研究開発されているが、実際のデザイン活動に使われることがない。単なる表示の美しさのみであり、エンターテイメントになっている。本システムは、3Dデザインに「実物大」「実操作」の2特性を付加することで、世界で初めて、デザイン現場での適用を可能とした。

新技術の特徴

・立体視を用いて3次元空間に実物大に手書きスケッチでデザイン可能
・スケッチがどのように動くか(操作するとどのように反応するか)が定義可能
・実物大のスケッチを実際に体を動かして操作・評価し、修正することが可能
・複数人による協調的なデザインが可能

想定される用途

・自動車、航空機、船舶、宇宙船などの操縦者が操作するコックピットの設計
・発電所、製鉄所、化学プラント等のコントロールルームの設計
・コピー機、駅券売機、洗濯機、冷蔵庫、食洗機、家具、キッチンなど一般ユーザが体を動かして使う物・空間の設計
・その他、人間が体を動かして操作する物、空間などの設計

  • 材料

2)強誘電体セラミックスの電気的脱分極方法とその利用

北九州工業高等専門学校 電気電子工学科 准教授 油谷 英明

新技術の概要

熱的方法のみであった強誘電体の「脱分極」処理を電気的に可能にした。圧電性・誘電性をはじめ強誘電体デバイス内の材料特性を電気的にコントロール可能とし、圧電性状態と脱分極状態の両方を用いたデバイスの高機能化・新規デバイスの実現が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

これまで電気的脱分極方法は存在しなかった。本技術では強誘電体の圧電性のリアルタイム検出により、効果的な電気的「脱分極」方法を確立した。従来のデバイスで利用できなかった圧電性状態と脱分極状態の両状態の利用可能としている。

新技術の特徴

・1つの強誘電体材料で異なる残留歪、誘電率、分極値等が選択的に利用可能
・強誘電体の分極―脱分極状態の繰り返し導入と脱分極→分極状態への復帰過程でのディジタル変位等が利用可能
・強誘電体材料の一部を圧電性のリアルタイム検出に用いる簡易構造

想定される用途

・ディジタル変位を用いたアクチュエータ、機械式リレー、クランパーへの応用
・圧電デバイスの圧電性制御による多機能・スマート構造化(異なる圧電性、誘電率等)
・可変容量コンデンサ、強誘電体メモリの安定した記録状態への適用

  • デバイス・装置

3)積層型ポリ塩化ビニル(PVC)ゲルアクチュエータの構造と諸特性

国立大学法人信州大学大学院 総合工学系研究科 生命機能・ファイバー工学専攻 教授 橋本 稔

新技術の概要

可塑剤によりゲル化したポリ塩化ビニル(PVC)を用いて、伸縮駆動の可能な高分子アクチュエータの構成法を確立した。さらに、その高分子アクチュエータをブレーキへ応用するための構造を考案し、従来型の電磁ブレーキに比べ、軽量、小型、静音なブレーキが実現できることを示した。

従来技術・競合技術との比較

従来の電磁アクチュエータに比べ、小型軽量、柔軟で静音なアクチュエータが構成できる。応答性も7Hz程度得られ、フィードバック制御可能である。アクチュエータの剛性を可変にできる。提案した高分子ゲルアクチュエータを利用したブレーキは、従来型の電磁ブレーキに比べ、軽量、小型、静音なブレーキである。

新技術の特徴

・ソフトで静かなアクチュエータ
・軽量で小型なアクチュエータ
・剛性が電場により変化するアクチュエータ

想定される用途

・静音ブレーキ
・高分子ゲルマッサージ器
・ロボット用人工筋肉

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

4)分泌膜小胞を用いた新規RNA分子搬送システムの構築

岐阜大学 連合創薬医療情報研究科 創薬科学 教授 赤尾 幸博

新技術の概要

細胞が分泌する膜小胞に目的のRNA分子を包埋させる最適化を試みた。さらに膜小胞に内包されたRNA分子が機能していることをin vitroにおいて確認でき、新規DDSの可能性が示された。

従来技術・競合技術との比較

RNA医薬のDDSはリポゾームやナノ分子ポリマーにRNAを包埋して試行されているが異物反応、肝臓や腎臓に対する障害など問題が多い。我々はこれらの副反応がない、目的のRNA分子を包埋した膜小胞をキャリアーにして搬送するシステムを提案する。

新技術の特徴

・ヌクレアーゼ耐性
・これまでのRNA医薬DDSに比べて異物反応が少ない
・RNA分子を導入する細胞が分泌する膜小胞によってキャリアーの標的臓器が特定される可能性がある

想定される用途

・RNA医薬のデリバリーシステム
・核酸のデリバリーシステム
・RNA医薬の膜小胞ライブラリー

関連情報

・外国出願特許あり

  • 創薬

5)新規アレルギー性鼻炎モデルマウスを用いた抗アレルギー薬の開発

兵庫医科大学 先端医学研究所 アレルギー疾患研究部門 善本 知広

新技術の概要

ブタクサ花粉点鼻直後の頻回なくしゃみ(早期相)と鼻粘膜への好酸球と好塩基球の著明な浸潤(遅発相)を特徴とする新規アレルギー性鼻炎モデルマウスを樹立し、その発症機序として花粉刺激による鼻粘膜から産生されるIL-33が必須の因子であることを発見した。

従来技術・競合技術との比較

欧米における花粉症の原因アレルゲンの約7割がブタクサである。本モデルマウスは作製法と鼻炎のモリタリングが簡便であり、症状は強く、病理組織学的にもヒトのアレルギー性鼻炎に極めて似ている。更に鼻炎の責任因子を解明したことから、抗アレルギー薬の開発と効果判定に有効である。

新技術の特徴

・ヒトのアレルギー性鼻炎に良く似たブタクサ花粉特異的アレルギー性鼻炎モデルマスの樹立
・くしゃみと鼻炎膜への好酸球浸潤のモリタリングが簡便
・鼻炎の発症機序として花粉によって誘導された鼻粘膜由来のIL-33と好塩基球が必須の因子

想定される用途

・抗アレルギー薬の効果判定
・アレルギー性鼻炎の新規診断技術の開発
・IL-33を標的とした治療技術の創出

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

6)光学活性α-アミノホスホン酸類の効率的合成法の開発

名古屋工業大学大学院 工学研究科 未来材料創成工学専攻 准教授 中村 修一

新技術の概要

光学活性α-アミノホスホン酸類の合成において、現状で困難とされている幾つかの問題点を、保護基、不斉触媒を改良し使用することにより克服し、簡便かつ高立体選択的な合成法を確立した。

従来技術・競合技術との比較

α-アミノホスホン酸類の合成は近年盛んに研究されているものの、環境にやさしい三成分連結型合成、また、四置換不斉炭素を有するα-アミノホスホン酸類の合成は、非常に困難とされていた。本技術では、これらのことを可能とする。

新技術の特徴

・光学活性α-アミノホスホン酸類を簡便に入手できる
・光学活性α-アミノホスホン酸類を分子内に持つ医薬品類の開発が行える
・これまでに入手出来なかった四置換不斉炭素を有するα-アミノホスホン酸類を入手できる

想定される用途

・医薬品への展開
・化成品への展開
・光学活性物質の効率的不斉合成

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

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TEL:03-5214-8477FAX:03-5214-7626
Mail:commonsアットマークjst.go.jp
URL:http://www.jst.go.jp/chizai/commons.html
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