群馬県・群馬県内大学 新技術説明会
日時:2011年06月14日(火)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 環境
1)劣質バイオマスの低温ガス化技術の開発
群馬大学 大学院工学研究科 環境プロセス工学専攻 教授 宝田 恭之
新技術の概要
家畜排せつ物などの劣質バイオマスを650℃以下の極めて低温でタールフリーのクリーンガス化を実現した。更に含窒素化合物の完全分解も達成し、窒素分をほとんど全てN2ガスに転換することができた。また、廃液を利用して触媒を調製し、更に使用済み触媒から高機能材料を併産することができた。
従来技術・競合技術との比較
本技術は従来技術に比べて大幅に低温化することにより冷ガス効率が飛躍的に増加した。ニッケルメッキ廃液を利用した触媒調製により市販触媒に比べて極めて安価な触媒を調製できた。触媒残渣の利活用により、エネルギーと材料の併産プロセスを構築できる。
新技術の特徴
・家畜排せつ物などの劣質バイオマスを650℃以下の極低温でタールフリーのクリーンガス化を実現
・含窒素化合物の完全分解も達成し、窒素分をほとんど全てN2ガスに転換することができた
・廃液を利用して触媒を調製し、更に使用済み触媒から高機能材料を併産することができた
想定される用途
・電力供給
・ニッケル接合剤
・ニッケル電極
- 環境
2)鶏糞の低温炭化・灰化処理技術
群馬大学 大学院工学研究科 環境プロセス工学専攻 助教 佐藤 和好
新技術の概要
独自の触媒技術ならびに炉の設計により、タールによる装置トラブルが無く、600℃での鶏糞の炭化および灰化に成功した。低温での処理のため、エネルギーコストが低く、また触媒によってアンモニア等の窒素化合物も分解されるため臭気の問題もない。
従来技術・競合技術との比較
従来の高温での炭化処理では、鶏糞中の炭酸カルシウムが強塩基の酸化カルシウムに変化してしまい、その利用は困難であった。本技術では、炭酸カルシウムの熱分解が抑制でき、化学肥料等への応用が期待される。また、炭酸カルシウムの除去により、様々な分野への応用が可能な高比表面積の活性炭が得られる。
新技術の特徴
・高活性タール分解触媒を開発した
・高比表面積活性炭が作製可能
・低温での有機資源の熱分解やガス化が可能
想定される用途
・肥料・土壌改良剤
・脱臭剤
・電気二重層キャパシタ用電極
- 環境
3)低価格で環境にやさしい排水中のリンの除去・回収技術
群馬工業高等専門学校 物質工学科 特命教授 小島 昭
新技術の概要
畜産、メッキ、食品、水産加工業からは、我が国に産出しない戦略物質リンが大量に排出されている。リンを炭素材と鉄とを用い低価格で回収、工業材料・原料として再資源化、排水を浄化し、日本の美しい水環境を構築する。
従来技術・競合技術との比較
回収技術のないメッキ廃液中のリンを、化学薬品、電気エネルギーを使用しないで、ヒトに安全な鉄と炭のみで回収。生成物はリン酸鉄。鉄は完全リサイクル達成。リンは化学品、肥料、電極として再利用可能
新技術の特徴
・アオコやアカシオの発生防止
・リン酸鉄から電池用電極材料の生成
・無電解メッキ廃液からのリン回収
想定される用途
・産業排水(食品、めっき、水産加工、畜産)中のリン除去
・環境水中のリン除去によるアオコ、アカシオの発生防止
・畜産排水の高浄化処理
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
- 環境
4)色素成分の回収とCOD低減
日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 環境・産業応用研究開発ユニット 環境材料プロセシング研究グループ 研究副主幹 長澤 尚胤
新技術の概要
放射線グラフト重合技術を活用して作製した吸着材により、畜産二次処理水の主な色素成分である腐植物質を吸着・回収し、繰り返し使用可能であるとともに、CODの低減にも寄与する技術である。
従来技術・競合技術との比較
畜産二次処理水の主な色素成分を除去するには、活性炭、高分子凝集剤などを多量に分散させる方法が一般的であるが、色素成分である腐植物質を資源として有効利用することができない。
新技術の特徴
・吸着成分の回収
・繰り返し使用可能な吸着材
・色素成分の有効利用
想定される用途
・家畜排水の脱色処理
・食品工場、染色工場排水の脱色処理
・有害または有用化合物の除去・回収処理
関連情報
・共願者との協議の上、サンプル提供可能
- アグリ・バイオ
5)畜産施設の低コスト臭気対策としての軽石脱臭装置
群馬県畜産試験場 資源循環係 主任研究員 高橋 朋子
新技術の概要
畜舎や堆肥化発酵施設から発生する低濃度、大容量の臭気ガスを効率的に、かつ低コストで除去できる脱臭装置である。脱臭槽に充填する軽石は安価であり、通気抵抗が低く、散水により湿潤状態が維持され臭気成分が溶解する。軽石に保持されている微生物が臭気成分を酸化または分解する。
従来技術・競合技術との比較
軽石を利用することにより通気抵抗を小さくすることができるため、送風ブロアー等を小さくすることができ低コスト施設となる。また、使用する水を循環利用するため排水量が少なく処理コストも低減できる。
新技術の特徴
・畜舎等から発生する臭気ガスを効率的で低コストで除去できる脱臭装置
・充填材の軽石は散水により湿潤状態を保つことで臭気を溶解し保持されている微生物で臭気成分を酸化または分解する
・日常管理は、循環水量の確認、脱臭槽の温度確認のみで簡易であり、軽石の交換も7~8年は不要である
想定される用途
・アンモニアや低級脂肪酸の発生する施設の脱臭
・脱臭装置を通過した空気はホコリ等が除去され湿度を含んでいるため、畜舎に戻すことで畜舎環境を良好に維持できる
・施設に設置されている換気扇等を利用し低コストに脱臭できる
- アグリ・バイオ
6)米糠麹の製造方法
群馬県立群馬産業技術センター バイオ・食品係 独立研究員 関口 昭博
新技術の概要
清酒製造の副産物である米糠の有効利用を目的に米糠を麹に製造する加工技術を開発した。これまで、米糠のような粉体を麹にすることは難しいとされてきたが、本法は特別な装置や工程を経ずに、エネルギーの浪費を抑えて、麹を製造することができた。本法によって製造された米糠麹の酵素力は一般的な米麹に比べて高く、様々な食品素材として提供できる可能性がある。
従来技術・競合技術との比較
米糠を麹にする従来の方法は、特別な装置や工程を必要としていた。本技術は簡便な方法で麹を製造することが可能で、大幅なコスト削減が期待できる。
新技術の特徴
・特別な加工装置を必要としない
・一般的な米麹に比較して酵素力が高い
・麹にすることで、ビタミンB2が増加する
想定される用途
・焼酎、味噌など発酵食品の麹の代替品として
・その他食品素材として(酒饅頭、漬物など)
・化粧品素材
関連情報
・試作可能
- アグリ・バイオ
7)セルロースからの簡単なエコ・バイオマテリアル製造法
東洋大学 生命科学部 生命科学科 准教授 長谷川 輝明
新技術の概要
位置特異的かつ定量的な化学修飾により、セルロースの6位に様々な機能性基を自在に導入するする手法を開発した。導入する機能性基をデザインすることにより、様々な機能を有するセルロースマテリアルを得ることができる。
従来技術・競合技術との比較
従来の直接化学修飾法では修飾位置の選択性が低く、機能性基がランダムに導入された構造の不明確なセルロース誘導体しか得られない。一方で本手法では機能性基の導入位置は6位に限られ、しかも定量的な導入が可能であり、構造の明確なセルロース誘導体が得られる。
新技術の特徴
・様々な機能を有するセルロース誘導体が合成できる
・構造の明確なセルロース誘導体が合成できる
・セルロース誘導体が非常に簡便に合成できる
想定される用途
・ウィルス除去フィルター
・カーボンナノチューブ可溶化剤
・キラル分割剤
関連情報
・外国出願特許あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
群馬県 企画部 企画課 科学技術振興室
TEL:027-226-2321FAX:027-223-4371Mail:kagakupref.gunma.jp
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp