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北海道地域3大学 新技術説明会

日時:2012年02月28日(火)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)熱耐久性を有する分子性の希土類強発光体

北海道大学 工学研究院 物質化学部門 教授 長谷川 靖哉

新技術の概要

発光性の希土類錯体は発光印刷やセキュリティーインク、ディスプレイなどへの応用が可能な重要物質であるが、200℃で熱分解する欠点があった。本講演では300℃以上の熱耐久性を有する強発光希土類ポリマーを初めて報告する。

従来技術・競合技術との比較

今回報告する新物質は、従来の希土類錯体に比べて熱耐久性が高く、発光効率も世界最高値である。また、従来の色素系発光体に比べて発光色がきれいであり、RGB発光体を作ることによりフルカラー発光が可能である。

新技術の特徴

・フルカラー発光する本発光体の色は白色(無色)
・水に不溶
・大量合成可能

想定される用途

・セキュリティーインク関連
・ディスプレイや発光画像など(アート分野も含む)
・発光性の立体オブジェ

関連情報

・共同研究により試作可能
・展示品あり

  • デバイス・装置

2)空間直交振幅変調技術の光メモリ・位相イメージングへの応用

北海道大学 情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 准教授 岡本 淳

新技術の概要

空間直交振幅変調信号を用いて、ホログラフィックメモリなどの光メモリの容量を大幅に増大させる方法、ならびに、目に見えない位相や偏光を含んだ画像情報を高速・高精度に検出する新技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

ホログラフィックメモリなどの次世代光メモリにおいて、空間直交振幅変調による多値情報の一括記録再生を可能にし、従来の強度変調型メモリに比べて記憶容量を大幅に拡大可能である。また、画像計測・3D計測において、光の位相や複素振幅を高速かつ高精度に測定・可視化することができる。

新技術の特徴

・光の振幅と位相を組み合せることで非常の多くの情報を一括記録・再生できる。
・光の位相の計測において、複数の観測時刻・複数の観測点を必要とせず、高速・高精度な計測が可能である。
・空間並列的に位相差の異なる干渉縞を生成し、画像や3次元情報を一括に観測することができる。

想定される用途

・光メモリ・ホログラフィックメモリにおける多値位相信号および空間直交振幅変調信号の記録・再生
・3D計測や生体計測・バイオイメージング
・光伝送路における空間歪みの計測・空間モードを用いた光通信技術

関連情報

・外国出願特許あり

  • 製造技術

3)電池駆動の超軽量・ウルトラコンパクト液体クロマトグラフ

北海道大学 工学研究院 生物機能高分子部門 助教 石田 晃彦

新技術の概要

低消費電力の非機械式ポンプおよびカラム・検出器集積チップの開発により、B5サイズ、質量2kgの電池駆動式液体クロマトグラフを実現した。使用場所や設置場所を選ばないため、ラボからフィールドまで様々な場所で利用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来装置は、大型かつ大重量であるため、試料の採取現場での使用は困難であり、実験室においても設置場所が限定され使用上の制約があった。また、多量の溶媒使用量などコストの課題もあった。本技術によれば、それらの問題が解消され、新たな用途へ適用可能である。

新技術の特徴

・B5判、2kgという軽量・コンパクト設計、乾電池での24時間連続駆動を達成
・溶媒と試薬使用量の大幅削減と低消費電力による低ランニングコストの実現
・微量サンプル(注入量10nl)および様々な検出法(UV/Vis、ECD、蛍光、電気伝導度)に対応(一部対応予定)

想定される用途

・オンサイト分析(環境保全、品質管理、排水管理)
・臨床検査およびマイクロダイアリシスなどの医学的研究
・創薬などの開発研究での同時多系列分析

関連情報

・液体クロマトグラフの試作品および説明パネル(A4判、3枚)有り
・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

4)人間の視野と同等の広視野画像を取得・提示する簡易な装置

公立はこだて未来大学 システム情報科学部 複雑系知能学科 准教授 鈴木 昭二

新技術の概要

2台のカメラを組み合わせて画像を合成し、人間の静止視野と同等の水平方向200度、垂直方向180度の範囲の画像を取得する。取得画像は湾曲面に投影することにより奥行き感を持たせた提示が可能である。

従来技術・競合技術との比較

魚眼レンズや双曲面ミラーなどの特殊な光学系により、簡易な装置で広視野の画像を取得できるが取得画像全体の解像度は低くなる。本技術では、画像の中心部分が周辺部よりも高い解像度となる画像の取得が可能である。

新技術の特徴

・人間の視覚に類似した画像(視野範囲、周辺よりも解像度の高い中心部分)
・奥行き感のある画像の提示
・簡素で小型の取得および提示装置

想定される用途

・監視カメラ
・車載カメラ
・ロボットの遠隔操作

関連情報

・試作および試作機による実演可能
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

5)深海熱水噴出孔細菌由来のアルギン酸分解酵素

北海道大学 水産科学研究院 海洋応用生命科学部門 准教授  井上 晶

新技術の概要

深海熱水噴出孔に棲息する細菌の組換えアルギン酸分解酵素を生産した。本酵素は既知のものと比べて熱安定性に優れており至適温度も約70℃と高かった。さらに好酸性および高塩濃度耐性というユニークな特徴ももっていた。

従来技術・競合技術との比較

本酵素は市場で最も流通しているフラボバクテリウム由来のアルギン酸分解酵素と比較して、優れた熱安定性をもち、市販のものでは活性が著しく低下するpH5付近の酸性条件下や1M以上のNaCl存在下で高い活性を示す。

新技術の特徴

・室温で16時間インキュベート後も約90%の残存活性を示す
・生理的塩濃度下では分解活性が低いが、高い塩濃度(特に0.8 M以上のNaCl)下で活性化
・酸性条件下(pH 5-6)での安定性が高い

想定される用途

・アルギン酸からのオリゴ糖の生産
・バイオフィルムの分解、除去
・含アルギン酸溶液の粘度低下

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 製造技術

6)骨適合性TiおよびZr材料を簡便に製造できる新表面処理技術

北見工業大学 機器分析センター 講師 大津 直史

新技術の概要

本技術は、リン酸カルシウム系粉末試薬と水溶液を混練したスラリー状処理剤中にチタンを埋没させ、大気雰囲気下で焼成するという簡便な処理プロセスによって、剥がれにくい極薄皮膜を、チタンおよびジルコニウム表面に形成できるものである。

従来技術・競合技術との比較

従来技術で製造される生体活性皮膜は、体内において剥がれたり壊れたりするという問題があった。しかし、本技術で形成される皮膜は、金属基材との間に不明瞭な界面を持ち、剥がれにくい。また皮膜膜厚はナノメートルオーダーの極薄であるため、壊れにくい。

新技術の特徴

・極薄で剥がれにくい生体活性皮膜
・簡便な設備を用いて低コストで製造可能
・次世代金属材料として期待されるジルコニウムにも処理可能

想定される用途

・人工股関節用材料
・歯科インプラント用材料
・ボーンプレート

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

7)スマートウィンドウ用電極材料のスパッタ成膜技術

北見工業大学 工学部 マテリアル工学科 教授 阿部 良夫

新技術の概要

本技術は、水蒸気および過酸化水素を反応性ガスとして用いたスパッタ成膜技術であり、エレクトロクロミック現象を利用したスマートウィンドウ用電極材料である金属水酸化物薄膜を簡便に作製できる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、酸素ガス中で酸化物薄膜をスパッタ成膜した後、電解質中での電気化学反応により金属水酸化物薄膜を形成していた。しかし、本技術では、直接、金属水酸化物薄膜をスパッタ成膜することができ、製造プロセスを大幅に簡略化できる。

新技術の特徴

・水酸化物、および水和酸化物薄膜を均一かつ大面積に作製することができる
・水酸基を含む親水性コーティング膜を作製することができる
・ポーラスな低密度セラミックス膜を作製することができる

想定される用途

・透過率を電気的に制御でき、省エネルギー効果の高いスマートウィンドウ(調光ガラス)
・拡散反射光による表示のため、視野角依存性が無く、日光下でも見やすい電子ペーパー
・夜間の後方視界の明るさを制御する自動車用自動防眩ミラー

  • 電子

8)アクティブインダクタを用いたコモンモード低減フィルタ

北海道大学 情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 准教授 池辺 将之

新技術の概要

本発明は集積回路における、差動線路の信号線間に発生するコモンモードノイズをインダクタレスで除去する回路である。通常のフィルタ動作に加え、コモンモードノイズを除去し、信号増幅機能を有する。

従来技術・競合技術との比較

コモンモードノイズを除去できるコモンモードチョークコイルは非常に大きな装置である。集積化が可能な積層コイルが開示されているが、低周波では面積が大きくなり、かつ信号損失が大きい。本発明はそれらを解決する。

新技術の特徴

・コイルレスのコモンモードノイズフィルタ
・利得および周波数帯の可変特性機能を持つ
・面積・サイズの削減

想定される用途

・携帯電話用のアナログ回路
・無線LAN用のアナログ回路
・センサ用のアナログ回路

  • 材料

9)立方体形状をもつナノ多孔質性高分子ゲル

北海道大学 理学研究院 化学部門 教授 佐田 和己

新技術の概要

ナノ多孔質配位高分子を鋳型として合成される三次元ネットワーク高分子。外形は鋳型となる結晶の形状に依存した立方体であり、ミクロンからミリサイズのものが合成可能。堅い結晶性ナノ多孔質材料。鋳型である配位高分子の金属イオンを除くことで、カルボン酸を有するヒドロゲルへと変換できる。

従来技術・競合技術との比較

ミリ・ミクロンサイズで形状が立方体として規制されている高分子ゲルであり、ナノレベルの規則性の高い三次元網目構造を有している。脱金属イオン後はナノ空孔に多数のカルボン酸を有しており、イオン交換樹脂へと変換できる。

新技術の特徴

・ミリメートルからマイクロメートルサイズの立方体形状をした高分子ゲル・結晶
・三次元的なナノ空孔に多数のカルボン酸を有し、溶媒中膨潤する弾力性のあるソフト材料
・様々な分子を取り込むことができる多孔質性材料・高分子ゲル

想定される用途

・陽イオン交換樹脂(重金属イオンの除去・プロトン伝導体)
・ナノ多孔質性材料(有機物・ガスの吸着剤)
・ヒドロゲル・オルガノゲル(有機溶媒・水などの吸収材)

関連情報

・実物の展示有り

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

北海道大学 産学連携本部

TEL:011-706-9561FAX:011-706-9550
Mail:jigyoアットマークmcip.hokudai.ac.jp
URL:http://www.mcip.hokudai.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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