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金沢大学 新技術説明会

日時:2011年08月19日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 計測

1)ピンホール型簡易分光器・バッテリーなしで動作する無線湿気センサ

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 准教授 北川 章夫

新技術の概要

(1)ピンホール型簡易分光器  CMOSイメージセンサの上に集積化できる超小型分光器(2)バッテリーなしで動作する無線湿気センサ  離れたところから電磁波で湿気変化を検知する電池のいらないセンサ

従来技術・競合技術との比較

(1)従来の分光器(回折格子、FT-IR)と比較して、精度や感度よりも小型化が必要なときに使用する。測定対象の光が強い場合は高精度なスペクトラム計測も可能である。(2)これまでの湿気センサは電源が必要であったが、センサ自体には電源が必要ないパッシブ型であり、離れた場所から非接触で湿気を測定することができる。

新技術の特徴

・RGBによる色ではなく実際の光スペクトラムを簡便に調べることができる
・センサを袋などに密閉したまま、または使い捨てで計測を行うことができる
・電池や導線を入れられない場所にセンサを設置できる

想定される用途

・発光素子のスペクトラム測定、物質の吸収特性、RGBよりも高精度な色の測定など
・結露、漏水の検出
・容器内の溶液残量の非接触計測

  • エネルギー

2)磁歪材料を用いた振動発電技術の実用化

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 准教授 上野 敏幸

新技術の概要

当大学では、鉄系磁歪材料Galfenolを用いた汎用的な振動発電技術を開発した。この技術により振動や人間の動作から高効率に電気エネルギーを作り出すことができる。この応用として、ワイヤレスセンサネットワークや発電スイッチがある。振動さえあれば電池不要でセンサや無線通信の回路を動作出来るようになる。

従来技術・競合技術との比較

従来の振動発電技術(圧電素子、エレクトレット、永久磁石可動型)に対して、シンプルで堅牢、高効率、高出力、低インピーダンス、広温度使用範囲である。

新技術の特徴

・人間や動物の行動モニタシステム
・流体を使った発電

想定される用途

・自動車用ワイヤレスセンサネットワーク(タイヤの空気圧モニタシステムなど)
・発電スイッチ(照明やテレビのリモコン)
・インフラ、プラント、工場のワイヤレスセンサネットワーク

関連情報

・磁歪発電素子を講演後にお見せする
・外国出願特許あり

  • 材料

3)グラフェン・オン・ダイヤモンドの開発 ~カーボンエレクトロニクス時代へ~

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 助教 徳田 規夫

新技術の概要

ダイヤモンドを用いたグラフェンの新規作製方法である。また、グラフェン・オン・ダイヤモンドのハイブリッド構造として、新規機能の探索を行い、カーボンエレクトロニクスの創出を目指す。

従来技術・競合技術との比較

グラフェンの作製方法として現在提案されているSiC熱分解法に比べて、(111)ダイヤモンドを用いた本技術は、格子不整合が小さく、同素体材料であることから、より高品質なグラフェンの作製が期待できる。

新技術の特徴

・高品質グラフェンの作製
・炭素同素体ハイブリッド構造
・グラフェン/ダイヤモンド積層構造の新規機能の創出

想定される用途

・超高速・高周波デバイス
・高感度バイオ・ケミカルセンサ
・MEMSデバイス

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

4)竹チップ発酵熱利用システム ~陸上養殖/土壌加温/穀物低温乾燥~

金沢大学 理工研究域 環境デザイン学系 教授 関 平和

新技術の概要

竹チップ層は発酵により高温状態が1~2年続く。この竹チップ層からの発酵熱回収プロセスの伝熱モデルを体系化した設計・計算技術を確立し、発酵熱の効率的回収装置と装置性能を評価するための計算式を開発した。

従来技術・競合技術との比較

固体-流体間熱交換プロセスに関連する伝熱工学的解析は、熱の回収と利用の間に生ずる時間遅れを考慮した蓄熱型熱交換器への応用に限られており、竹チップ層からの伝熱モデルの体系化はなされていない。

新技術の特徴

・竹チップ発酵層-熱媒体間伝熱計算の体系化とそれに基づく設計計算手法の確立
・発酵熱の効率的回収技術
・自然エネルギーを利用した「里山」、「里海」地域における農林水産業活性化の推進

想定される用途

・ドジョウ、ナマズ等の養殖システム
・栽培土壌加温システム
・穀物低温乾燥システム

  • 環境

5)リグノセルロース及びバイオマス処理

金沢大学 理工研究域 自然システム学系 准教授 髙橋 憲司

新技術の概要

イオン液体などを用いたリグノセルロースの酵素糖化前処理方法、および糖化後に残るリグニンの低分子化処理方法などについて最新の技術を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

酵素糖化前処理の従来法では、高温処理や強酸処理などが必要であるが、そのような必要がない。リグニンの低分子化も同様に室温で処理が可能な技術であり、消費エネルギーの少ないエコ技術である。

新技術の特徴

・水産廃棄物や難処理物質、プラスチックなどの有効利用
・家屋などの廃材処理

想定される用途

・木質系、草木系バイオマスからバイオエタノールを効率よく製造する技術
・上記処理後に残るリグニンの処理技術
・バイオマスからの化学エネルギー抽出

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

6)コンパクトなフィンレス気液熱交換器 ~低圧力損失/高伝熱性~

金沢大学 理工研究域 機械工学系 助教 大西 元

新技術の概要

ヒートポンプ機器の省エネ化の鍵となるのが、熱交換器の性能向上である。新技術として、チューブの細径・集積化により熱交換器からフィンを取り去り、形状に特徴のある微細なチューブのみで構成されたフィンレスコンパクト気液熱交換器を提案する。これにより、省ファン動力で伝熱量を増大させることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来気液熱交換器においては、熱抵抗の大きい気相側に多種多様なフィンが用いられてきたが、複雑な幾何形状は熱伝達が良くなると同時に、圧力損失も増大する。本技術により、圧力損失の低減を図りつつ、伝熱量を増加させるという非常に複雑な問題を解決できる。

新技術の特徴

・省ファン動力で伝熱量を増大させる技術
・形状に特徴のあるチューブの利用
・従来の熱交換器より大幅にコンパクト化が可能

想定される用途

・空調機器
・冷凍・冷蔵庫
・排熱回収等のエネルギー有効利用技術

  • エネルギー

7)冷凍システムで用いる磁気冷凍作業物質の開発

金沢大学 理工研究域 環境デザイン学系 准教授 大橋 政司

新技術の概要

物質の結晶構造が同じであれば、その磁気転移温度や保持力等の物質の磁性は格子体の関数として一元的に記述される。本課題は既存の磁性体に微量の軽元素を添加した材料を合成することにより、その磁気特性を制御するものである。

従来技術・競合技術との比較

磁気冷凍システムでは冷媒として磁気冷凍作業物質を用いるが、その能力は物質の磁性によって決まる。例えばエアコンとして使用する為には磁気転移温度が室温付近でなければならない。本技術は磁気転移温度の制御を容易にするものである。

新技術の特徴

・既存物質の磁性(保持力、磁化、磁気転移温度等)を容易に制御し、物質設計を行う事が可能
・物質合成は原材料を溶かして混ぜるだけで簡便に行う事ができる
・レアメタルを含まない磁性体を出発物質として選び本技術を適用することにより、低い材料コストを維持したまま目的とする高機能が得られる

想定される用途

・磁気冷凍作業物質の能力向上や材料コスト削減により、磁気冷凍システムの普及につながる
・カーエアコン等、小型化が必要な冷凍システムへの適用
・形状記憶合金や磁石など、他の磁性材料設計への応用

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

有限会社 金沢大学ティ・エル・オー

TEL:076-264-6115FAX:076-234-4018
Mail:e-mail-toアットマークkutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp
URL:http://kutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp/
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