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京阪神地区大学 新技術説明会 【大阪開催】

日時:2011年11月22日(火)

会場:大阪国際会議場 10階(グランキューブ大阪)

参加費:無料

発表内容一覧

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)無溶剤・高収率・シャープな粒径分布を特徴とするリポソーム製剤の連続製造方法

神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 鈴木 洋

新技術の概要

簡便な交差型マイクロ流路にリン脂質分散液と内包液と空気を異なる流路から送液し、一定の流体条件下において気液界面からリポソームがシェルとなり内包液がコアとなるリポソーム製剤の基本的な作成条件を確立した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術としてはバンガム法や超臨界圧法が知られている。バンガム法は溶剤にリポソームを溶解せしめて減圧下溶剤蒸発させつつ製剤化するため、溶剤毒性・低収率・広い粒度分布・バッチ法が課題である。超臨界圧の炭酸ガスを溶剤の代替とする方法は、有機溶剤レスの特徴はあるも、大規模装置・製法負荷が課題である。

新技術の特徴

・ハロゲン含有溶剤などの有機溶剤を使用することなく無溶剤で連続生産を可能とする
・粒径を制御した粒径分布のシャープなリポソーム製剤を交差型の簡便な小型装置で製造可能とする
・リポソーム製剤の高収率な製造を可能とする
・薬液の内包率を向上させられる可能性がある

想定される用途

・①病院・薬局等で簡便にリポソーム製剤を作成できる卓上型リポソーム製剤機
・②ガン細胞間隙に選択的に侵入可能となるよう粒径が調整されたDDS
・③経皮吸収性をコントロールした化粧品

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

2)ファイバープローブラマン分光分析法による脂肪、皮脂等のその場分析技術

関西学院大学 理工学部 生命科学科 准教授 佐藤 英俊

新技術の概要

光ファイバーを利用したラマンプローブを用い、生体内の脂肪分析を、無/少侵襲的にその場で実施する技術。多変量解析により、脂肪を構成する脂肪酸の組成を半定量的に取得する。体脂肪は生活習慣病、がん、加齢臭、禿などに広く関わっていると考えられており、診断/治療に有効なデータを与えることを目指す。

従来技術・競合技術との比較

クロマトグラフィーを利用する技術は脂肪の採取が必要で、かつ抽出等により組成の変化が生じる。従って、医療的な施術としてしか利用できない。本技術は無侵襲分析も可能であり、医療はもちろんのこと、美容や健康などの産業分野でも利用が可能である。

新技術の特徴

・皮膚表面からの無侵襲的な診断
・穿刺による微少侵襲的な検査
・高・低圧容器内での遠隔操作による検査

想定される用途

・生きた肉牛での肉質の分析(脂肪の分析)と肥育の最適/効率化
・頭皮の禿防止診断、整髪料、シャンプー等が合っているかどうかの診断(皮脂分析)
・皮脂や皮下脂肪の分析による、食習慣の改善や、最適な食品や化粧品等の選択

関連情報

・現有機器については見学および簡単な試料計測が可能

  • アグリ・バイオ

3)シール機能とプレジェット機能の両機能を備えた手術用自動縫合器補強材の開発

同志社大学 生命医科学部 医生命システム学科 教授 萩原 明郎

新技術の概要

従来品はシール効果かプレジェット効果を持つが、それ単独やそれらの組合せでも臨床的性能は不十分である。本品はシール効果とプレジェット効果を持ち両者が互いに効果増強して臨床的期待性能を初めて実現した。

従来技術・競合技術との比較

ヒトに近いイヌで実験した結果、代表的用途の肺切離縫合部の耐圧能は、本品は安全域とされる40を超え45cm水柱以上で、従来品(シール材、プレジェット材)やその組合せの耐圧能(27cm水柱以下)より有意に高かった。

想定される用途

・肺の手術における自動縫合器の補強
・膵臓を含む消化器に用いる自動縫合器の補強
・血管系に用いる自動縫合器の補強

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

4)チロシンキナーゼ阻害活性を有する環状ペプチドの開発

神戸学院大学 薬学部 情報薬学専攻 教授 赤穗 榮一

新技術の概要

チロンキナーゼはチロシン残基を特異的にリン酸化する酵素で、細胞増殖、細胞分化、癌化を制御するシグナル伝達経路で重要な役割を果たしている。本発明は、その酵素を特異的に阻害する環状ペプチドを開発したものである。

従来技術・競合技術との比較

環状ペプチドに制癌作用があるという論文は相当数存在する。しかしながら、その阻害活性がnMレベルのものは少ない。また、血管新生阻害剤との併用に関する技術もあるが、単独療法に関するものはなくその点において本発明は優れている。

新技術の特徴

・アミノ酸残基が、4-5の環状ペブチドは、極めてまれで、全て新規化合物である。
・アミノ酸の配列は、独自の理論に基いており、その特徴によりさまざまな応用範囲が期待できる。
・所有している環状プチドは、1つでなく29種類であり、さまざまな用途に利用できる可能性を有している。

想定される用途

・アミノ酸、ペプチドは、ヒトにとって必須の化学物質である。環状という新規性があり、新規健康食品の可能性がある。
・近年ペプチド化粧品は注目を集めており、新規化粧品となる可能性がある。
・制癌剤以外の医薬品の用途(アルツファイマー病等)が、コンピュータシミュレーションで確認されているものがある。

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

5)薬剤耐性を抑制する薬剤

大阪市立大学 大学院理学研究科 生物地球系専攻 准教授 藤田 憲一

新技術の概要

我々は植物由来成分フェニルプロパノイド類が、真菌、細菌、癌細胞等の薬剤排出ポンプ亢進による薬剤耐性化を抑制し、当該治療剤の薬効を増強あるいは持続させることを見いだした。効果減弱した薬効を植物由来成分で復活できる臨床医学的な意義は大きい。

従来技術・競合技術との比較

本植物由来成分が薬剤排出ポンプ遺伝子群の発現抑制し、薬剤耐性化抑制効果を発揮するという報告は我々が初めてである。薬剤排出ポンプに作用する薬剤耐性化抑制剤は、抗菌剤、抗真菌剤、抗がん剤などに応用でき、医療への大きな貢献が期待できる。

新技術の特徴

・木材防腐剤
・除菌剤
・化粧品

想定される用途

・創薬
・農薬
・食品保存料(食品添加物)

  • アグリ・バイオ

6)創薬のための肥満性2型糖尿病動物の戦略的開発

京都産業大学 総合生命科学部 動物生命医科学科 教授 松夲 耕三

新技術の概要

ヒトで肥満性2型糖尿病の原因遺伝子を特定することは多因子、多遺伝子支配のためかなり難しい。そのためモデル動物の戦略的開発、特に多遺伝子の遺伝子特定可能なモデル動物の開発について述べる。

従来技術・競合技術との比較

従来の糖尿病多因子性モデル動物の遺伝子研究はQTLによる遺伝子座の染色体マッピングのみで、それ以上の解析は出来ていない。特に肥満がなぜ糖尿病を発症せしめるのか、そのポイントに絞った系統開発がユニーク。

想定される用途

・肥満に伴い発症する2型糖尿病の真の原因遺伝子の同定
・肥満がなぜ2型糖尿病を引き起こすのか、その分子機構の解明
・2型糖尿病の遺伝子情報に基づく創薬の開発

  • アグリ・バイオ

7)リプログラミング技術を用いたテーラーメイド免疫細胞療法

京都府立医科大学 大学院医学研究科 免疫学 教授 松田 修

新技術の概要

癌患者の体細胞をリプログラムし、その途上で抗腫瘍免疫を賦活化するサイトカインの遺伝子を導入することで、移植に適した自家細胞製剤を作成するための基礎技術を提供する。安全で効果的な免疫療法を提供する可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

患者と同一のゲノムを有する移植用細胞製剤をテーラーメイドで樹立し、無尽蔵に増やすことができる。患者の体内に移植後、新生血管に依存せず、また分裂することなく長期間生存でき、また拒絶反応を起こさないと期待できる。

新技術の特徴

・サイトカインのみならず中和抗体や可溶性レセプターを分泌する細胞製剤も作ることができる
・悪性腫瘍のみならず他の疾患にも応用できる可能性がある
・ヒト以外の種でも応用できる可能性がある

想定される用途

・癌免疫療法
・癌遺伝子療法
・抗体療法

関連情報

・PCT出願あり

  • アグリ・バイオ

8)新規物質アシル-ジュグロンの抗がん・抗炎症活性

神戸学院大学 大学院食品薬品総合科学研究科 食品薬品総合科学専攻 准教授 水品 善之

新技術の概要

ビタミンK3の誘導体であるジュグロンに脂肪酸をエステル結合させたアシル-ジュグロン10物質(うち新規物質は8物質)を化学合成した。本物質は、哺乳類のDNA合成酵素(pol)阻害活性に基づくがん細胞増殖抑制活性と抗炎症活性を示した。

従来技術・競合技術との比較

哺乳類など高等真核生物のDNA合成酵素(pol)は、15種類のpol分子種が存在する。哺乳類のpol分子種選択的阻害活性に基づく抗がん・抗炎症作用を見出した。特に、従来の抗炎症剤は、pol阻害活性の作用機序によるものはない。

新技術の特徴

・DNA複製型のpolα阻害活性に基づく「抗がん活性」
・DNA修復・組換え型のpolλ阻害活性に基づく「抗炎症活性」
・哺乳類のpol分子種選択的阻害活性の測定技術を実施すること

想定される用途

・新規物質であるアシル-ジュグロン(特に「ジュグロン-オレイン酸エステル」)の「抗がん剤」としての開発
・新規物質であるアシル-ジュグロン(特に「ジュグロン-ラウリン酸エステル」)の「抗炎症剤」としての開発
・哺乳類のpol分子種選択的阻害活性を指標とする抗がん・抗炎症活性の一次スクリーニング法としての活用

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

9)高性能永久磁石の製造技術とモータへの応用

大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 町田 憲一

新技術の概要

通常の製造方法で作製した磁石の表面からDy等の高保磁力成分を、加熱により粒界部を経由して当該磁石主相粒子内へ高保持力成分が取り込まれることで、所望の保磁力と磁化、エネルギー積をもつ高性能永久磁石を提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来では原料合金の作製段階からDy等の高保磁力成分を添加するため、磁石主相にも成分が入り込み、磁化の低下を招いていた。これに対し本発明では、Dy等を主相粒子界面に局在させることで保磁力を効果的に発現し、磁化およびエネルギー積の低下が少なく、かつ高価なDy等の大幅な低減が可能となる。

新技術の特徴

・同程度の保磁力を有する市販磁石に対して、磁化およびエネルギー積の点で優位性を保持する
・Dy等を磁石組織内の粒界部分に局在させるため、市販磁石を上回る保磁力の付与が可能である
・同様の組織制御により、高い保磁力と磁化、エネルギー積を有する膜状小型磁石とすることが可能である

想定される用途

・高トルクモータ
・高耐熱性モータ
・小型モータ

関連情報

・改質前後の磁石試料あり
・外国出願特許あり

  • 材料

10)マイクロ波レーダーを用いた非接触生体信号計測技術

関西大学 システム理工学部 機械工学科 准教授 鈴木 哲

新技術の概要

医療現場や日常生活において簡便で即時性のある診断を行うため、被験者が意識することなくバイタルサインを非接触・無拘束で安定して計測できる小型マイクロ波レーダーのデバイスおよび信号解析技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術として歪ゲージや圧電センサがあるが、本センサユニットはセンサに触れなければ計測できなかった信号を、完全に非接触でセンシングできる。また、体動などノイズに強い新たな信号解析技術を採用した。

新技術の特徴

・衣類や寝具を透過できることから、着衣のまま生体信号を計測可能
・被験者に接触せず一定距離(数cm~数m)離れた地点から観察可能
・新しい信号処理技術を採用したことにより体動などアーチファクトの分離が可能

想定される用途

・睡眠時無呼吸症候群の簡易モニタ
・日常生活における自律神経系の変化とメンタルストレスモニタ
・医療現場における非接触によるバイタルサインモニタ

関連情報

・基本システムの展示

  • 材料

11)樹脂不織布付多軸多層クロスを用いたCFRTPの成形

同志社大学 生命医科学部 医工学科 教授 田中 和人

新技術の概要

炭素繊維強化熱可塑性樹脂基複合材料(CFRTP)の中間素材として開発した樹脂不織布付多軸多層クロス(Non-woven Stitched Multi-axial Cloth: NSMC)、および、その成形方法として、電磁誘導加熱を用いた高速プレス成形方法と新たに開発中の高周波直接通電抵抗加熱パイプ成形法を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

樹脂不織布付多軸多層クロスは、繊維方向の乱れが少ないノンクリンプファブリック(Non-crimp stitched fabric: NCF)の長所と、材料ハンドリングやドレープ性に優れる不織布状のマトリックス樹脂の長所を兼ね備える中間素材である。また、高周波直接通電抵抗加熱法を用いた成形は、電磁誘導加熱方式に比べて省エネルギな成形方法として開発を進めている。

新技術の特徴

・材料ハンドリングやドレープ性に優れている繊維強化熱可塑性樹脂基複合材料用の中間素材
・金型表面の高速加熱
・熱可塑性樹脂基複合材料のパイプ成形

想定される用途

・自動車用部材
・スポーツ用具
・義肢装具

関連情報

・樹脂不織布付多軸多層クロスと成形サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 材料

12)有機無機ハイブリッドデンドリマーによる固体導電材料

京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 物質工学部門 教授 中 建介

新技術の概要

有機無機ハイブリッドデンドリマーは、剛直なシリカ成分により有機分岐鎖とシェル層の空間的構造が保持され、分子レベルで熱運動性の大きな三次元的ナノ組織化ネットワークが構築された従来にないコンセプトの有機無機ハイブリッド型機能性固体材料を提供する。

従来技術・競合技術との比較

結晶性機能性固体材料(もしくは液体材料)と、成型加工性に優れた材料との相反する材料特性を融合させ、適度な流動性を有し、かつ機械的な強度に優れ、かつ分子構造を自在設計できる固体材料を作成する技術。

新技術の特徴

・高分子材料と低分子化合物の相反する特徴を合わせ持つ材料
・有機無機ハイブリッド分子型材料
・通常のデンドリマーより極めて剛直なコアを有することによる由来する様々な特徴

想定される用途

・固体電解質
・炭酸ガス吸収膜
・金属含有光学材料

関連情報

・数百mg程度ならサンプル提供可能 1g以上は要相談
・講演後サンプル開示

  • 材料

13)水素結合型液晶性有機電子材料、および光配向膜による複合体

兵庫県立大学 大学院工学研究科 物質系工学専攻 助教 近藤 瑞穂

新技術の概要

分子末端に水素結合基を具備する有機電子材料を、同じく水素結合基を有する光反応性の配向膜と結合させ、異方的な電気特性を有する複合膜を作製する。

従来技術・競合技術との比較

従来の光配向膜に水素結合を具備させ、有機電子材料との相互作用を高める事により、電子材料のモルフォロジーを光により間接的に制御する。

新技術の特徴

・水素結合を介す事により配向性・耐熱性を向上させた複合体を形成できる点
・光反応性の配向膜を用いる事により、非接触・均一に表層の状態を改質できる点
・光架橋性の配向膜を用いる事により、対溶媒性、耐熱性が向上する為、広範な条件に適用できる点

想定される用途

・有機トランジスタ
・有機発光材料
・有機太陽電池

  • 材料

14)分子接合素子を用いた新規ポリマー材料の作製法

甲南大学 理工学部 機能分子化学科 准教授 檀上 博史

新技術の概要

我々が設計・合成した分子接合素子を各種機能性低分子化合物と溶液中で混合するだけで、これらが自発的に交互連鎖し、自己修復能や刺激応答性などを有するポリマーの作製が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

上記にも示したとおり、本技術は新規物質創成に対する方法論を提示するものであり、化合物を限定しない。よってゲストとなる機能性低分子化合物を選択することで、様々な物性を生み出すことが可能となる。

新技術の特徴

・多様な機能性分子と溶液中で混ぜるだけでポリマー材料が調製可能
・ナノサイズのポケットをもっており、フラーレンを始めとするいろいろなナノ分子を捕まえられる
・分子ワイヤーが作製可能

想定される用途

・電気・電子材料
・電子ペーパー・光学材料
・センサー

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

15)ここにある素材をそのまま複合体へ ~ハイブリッドナノコンポジット~

京都大学 原子炉実験所 助教 川口 昭夫

新技術の概要

ヨウ素との包接構造を利用することで汎用的な高分子素材や生体組織をもハイブリッド化することが可能となった。これは小学校の理科で取り上げられる簡単な実験(ヨウ素-デンプン反応)の延長であり、化学的操作が容易であるにもかかわらず、広範な応用が見込まれる発想といえる。

従来技術・競合技術との比較

一般的な「有機?無機コンポジット」はマトリクスからの調製、つまり合成・溶融・溶解・混合・再形成などの過程を必要とする。これに対して我々のコンポジット調製法は親水性高分子の内部空間での拡散・析出を利用するために、コンポジットの形状自由度が高く、これまでコンポジット化が不可能とされてきた素材をマトリクスとして利用することが可能となる。

新技術の特徴

・形状・大きさにとらわれない「有機-無機ハイブリッドコンポジット」が調製可能
・マトリクスの溶融・再形成を必要としないので生体組織や繊維・布帛素材に対しても機能性を付与することが出来る
・原理的にイオンレベルからフィラーが析出するため、構造形成の初期段階からナノコンポジット構造となる

想定される用途

・形状や素材に対する自由度の高い機能性付与(電気、磁性、光学、衛生、力学など)
・これまでコンポジット化を想定していなかった素材をマトリクスとした新機能材料
・「擬・水和系」環境下でのサイエンス

関連情報

・試作可能
・外国出願特許あり

  • 情報

16)24時間安全・安心監視・見守りシステム実現のための要素技術

大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻 教授 鳥生 隆

新技術の概要

監視・見守りシステムを実現するためにのカメラなどのセンサ情報を基に異常事態を発見するシステム、および、距離センサーの情報とカメラの情報を統合し、画像上に距離情報を付加するシステムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

予め異常事態が起こりうると予想できる場合に限らずに異常事態の可能性の指標として顕著性を算出できる。また、画像上の距離情報を付加することで、対象物体の切り出しが容易になるなど、監視・見守りシステムの信頼性を向上できる。

新技術の特徴

・対象を限定せずに普通でない状態としての異常を検知できる
・距離画像データと通常のカメラ画像のデータの位置合わせができる
・距離画像データと通常のカメラ画像のデータを組み合わすことで、より高度な認識ができる

想定される用途

・独居老人などの家庭内における事故やその他の異常事態の早期発見
・地域における子供の見守りや防犯。テロ対策。防災
・事故や病気の予知、予防

  • 情報

17)不特定個数の信号ソースの位置を時系列で同定する技術

大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 教授 鈴木 貴

新技術の概要

本技術は、観測される信号を基に不特定個数の信号源の位置を時系列で特定する技術である。本技術は脳脊髄の神経機能イメージングや音源定位に適用され、複数の信号源の位置の特定に成功している。

従来技術・競合技術との比較

逆源探索法に関する技術を適用することにより、従来の技術では特定できなかった信号源を特定することができる。

新技術の特徴

・信号源の数が特定不可能な場合も適用可能
・瞬時の信号データを用いた時間分解能の高い分析が可能
・平行最適化理論等の数理的手法を用いた信号源の逆源探索

想定される用途

・電化製品や装置等の問題箇所の特定
・同時に発生した複数の地震源の位置や規模の特定
・脊髄や末梢神経機能のイメージング

  • 情報

18)ユビキタス情報社会のための新規光情報記録メモリ

神戸大学 大学院システム情報学研究科 システム科学専攻 教授 的場 修

新技術の概要

次世代光メモリ技術として、データサーバー用の低消費電力、アーカイブ利用可能なテラバイト級ホログラフィック光メモリの開発とユビキタス情報社会に役立つシール型の薄型光情報記録メディアの開発を行っている。

従来技術・競合技術との比較

反射型ホログラフィックメモリは反射型ホログラムの特長を生かした3次元多重記録や波長記録による1テラバイト超の大容量記録を実現する。また共通光路の利用が可能であり実装に有利である。薄型情報記録メディアでは、微小吸収体を用いた3次元化と波長情報による大容量記録に加え、セキュリティ機能を持たせることができ、安全なユビキタスメモリとしての利用が可能である。

新技術の特徴

・光技術による物理的セキュリティ機能
・ライン上での製品検査システム
・生体模擬材料の開発による生体・バイオセンシングシステム開発への利用
・3次元微細加工

想定される用途

・映像などのデータアーカイブ用途としての大容量データサーバ
・高速画像検索システム
・シールのようにどこにでも貼付け可能な非接触型メモリ
・空中に浮かぶ360°動画3次元ディスプレイ

関連情報

・試作については相談可能
・薄型光情報記録メディアのサンプルあり
・外国出願特許あり

  • 情報

19)画像へのデータ埋め込み

関西大学 システム理工学部 電気電子情報工学科 教授 前田 裕

新技術の概要

画像の画素値を直接加工することで、原画像に重畳情報を埋め込む本手法は、データの埋め込みや抽出が簡単な演算のみから構成されている。このため、実際の実装が極めて容易なデータ埋め込み手法となっている。

従来技術・競合技術との比較

画像へのデータ埋め込みでは、画像の周波数領域に重畳情報を埋め込む方式が多い。このような手法は、煩雑な処理を必要とし、情報の抽出時の処理手順に困難を伴う。本手法は、このような問題を解決した。

新技術の特徴

・画像に付加情報を埋め込むことで、その画像の関連情報やWEBページ情報などを提供することが可能となる
・画像に著作情報を埋め込むことで、画像の不正利用を防止する
・画像に情報を埋め込み、消去できることから、その画像の流通を制御する

想定される用途

・電子透かし、データ埋め込み
・著作権保護
・流通制御

  • 情報

20)無電源で人体の影響を低減する自己適応型高効率アンテナシステム

立命館大学 情報理工学部 情報コミュニケーション学科 教授 前田 忠彦

新技術の概要

携帯端末に内蔵されたアンテナは、アンテナに近接する人体による影響を受けてアンテナ特性の劣化を生ずる。本技術は人体の影響を低減できる無電源で動作し、アンテナの放射効率を改善できる自己適応型電力分配器を応用したアンテナ方式である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では人体の影響をセンサで検出し、アンテナを切り替えるなどの手法が用いられてきた。これに対して、本技術はアンテナに近接するスプリットリングフィルタにより近接の程度を検出しニ値的ではない自己適応制御により放射効率の改善をはかる手法である。

新技術の特徴

・人体の影響を低減し、放射効率の向上を図ることができる
・動作に必要な電源を必要とせず、無電源で動作が可能
・アンテナに近接する人体の存在を、アンテナに近接して設けられたスプリットリングフィルタで検出し、電力分配比を可変する

想定される用途

・タブレット型コンピュータ
・携帯無線端末
・人体装着型無線装置

関連情報

・試作品あり

  • 情報

21)大規模実時間文書画像検索を用いた新メディアの展開

大阪府立大学 大学院工学研究科 知能情報工学分野 教授 黄瀬 浩一

新技術の概要

カメラでページを撮影することによって、5000万ページの文書画像データベースを実時間で検索する手法を紹介すると共に、これを用いて印刷物に様々なサービスを付加して新しいメディアにできることを述べる。

従来技術・競合技術との比較

我々が提案した従来技術では、2万ページまでのデータベースしか扱うことができなかった。本技術では精度や処理時間を保ったまま、大規模化が可能となった。我々の従来技術に触発されて開発された海外企業の技術と比較しても精度、速度、規模の面で大幅に優位である。

新技術の特徴

・5000万ページという極めて大規模な文書画像データベースを扱える
・単一CPUで140ms/queryを実現
・精度も98%以上

想定される用途

・印刷物を対象とした拡張現実感
・電子文書と印刷文書の統合
・文書の印刷面をバーコード化可能

関連情報

・ノートPCで100万ページデータベースの実時間検索のデモを行います
・外国出願特許あり

  • 情報

22)ソフトウェアの盗用を防ぐ方法,発見する方法

京都産業大学 コンピュータ理工学部 コンピュータサイエンス学科 助教 玉田 春昭

新技術の概要

ソフトウェアの盗用を防ぐ2つの方法について紹介します。1つは盗用させないために、ソフトウェアの解析を困難にする方法です。もう1つは、盗用をいち早く発見することにより、盗用の抑止力にする方法です。

従来技術・競合技術との比較

従来はソースコードを対象とした技術が主でしたが、本技術は、バイナリを対象に盗用発見、盗用防止を行います。盗用された場合、ソースコードが手に入りにくく、また、バイナリは少しの変更で敏感に変わるためです。

新技術の特徴

・リファクタリング候補の抽出
・テストの優先度の決定
・ソフトウェアの読みやすさの測定

想定される用途

・ソフトウェアの盗用からの保護
・盗用されたソフトウェアの発見
・ソフトウェアへの攻撃からの保護

関連情報

・外国出願特許あり

  • 情報

23)仮想環境でのナビゲーションの神経機構

関西学院大学 文学部 総合心理科学科 准教授 佐藤 暢哉

新技術の概要

日常生活でおこなわれる移動は、現在地から直接見渡すことのできない目的地に向かうことがほとんどである。そのような場合において、環境の情報表現がどのような形で脳内に保持されているのかについて検討した。

従来技術・競合技術との比較

これまでの研究では、ある環境内での特定の場所の脳内情報表現、つまり「どこ」にいるのかという情報が着目されてきた。本研究では、特定の目的地に「どのように」至るかについての情報表現に着目した。

新技術の特徴

・大規模空間での移動行動の基礎メカニズム
・VR環境でのナビゲーション

想定される用途

・ナビゲーションツール
・ブレインマシンインターフェース

  • 情報

24)履歴情報の分類と匿名化に基づく個人好みの情報推薦モデル

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 知能情報工学分野 准教授 本多 克宏

新技術の概要

インターネット上でユーザの履歴情報に基づいて個人好みのおすすめ情報や商品を提示する協調フィルタリングにおいて、履歴情報の分類・要約により、個人情報の保護(匿名化)とシステムの軽量化を同時に実現する。

従来技術・競合技術との比較

嗜好の類似したユーザの履歴をクラスター化(匿名化)し、個人情報を保護することで、ネット通販のAmazonなどで活用されている協調フィルタリングを、より安全で気軽に運営できる。同時に、データのコード化により推薦システムが軽量化され、アウトソーシングを容易にしている。

新技術の特徴

・情報要約によるパターン識別性能の向上
・情報のコード化によるサーバ負荷の軽減
・履歴情報の匿名化によるユーザ保護

想定される用途

・ネット通販での商品推薦(広告提示)
・特許検索の支援インタフェース(関連性の自動検索)
・携帯型ナビゲーションシステム(掘出し物への自動誘導)

関連情報

・ホームページで実装事例を紹介中
・講演中に実装事例を紹介

  • 計測

25)高速度3次元動画像計測技術

京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 電子システム工学部門 准教授 粟辻 安浩

新技術の概要

物体の3次元情報記録技術である、ホログラムを撮像素子で記録し、コンピュータで3次元像を再生します。奥行き方向に数μmの範囲を数十nm精度、毎秒数十万コマ以上の動画速度で3次元計測が可能です。

従来技術・競合技術との比較

動く物体の3次元計測が可能です。

新技術の特徴

・静止物体でも動く物体であっても3次元形状の計測が可能
・静止物体でも動く物体群あっても3次元分布の計測が可能
・静止物体でも動く位相物体あっても厚み分布の計測が可能

想定される用途

・生産ラインを流れている部品の高精度検査
・粒子・流体計測
・3次元バイオ顕微鏡

  • 製造技術

26)高速電着ダイヤモンドワイヤ製造技術

立命館大学 理工学部 機械工学科 教授 谷 泰弘

新技術の概要

ソーラー用シリコン、LED用サファイヤ、磁石用ネオジムなどのインゴット切断に電着ダイヤモンドワイヤの需要が急速に伸びている。しかし、製造速度が遅く供給が追い付かない状態となっている。我々は高速めっき法を利用した付加価値の高い製造装置および製造技術を提供している。

従来技術・競合技術との比較

従来は沈降共析という手法で電着工具が作成されていたため、その製造速度は5m/min程度で、しかもマルチ製造が難しい状態であった。今回の手法は10m/min以上の製造速度を保証し、10本程度のマルチ化を可能にしている。

新技術の特徴

・高速製造
・高品位製造
・環境改善

想定される用途

・結晶材料の切断
・電着工具の製造
・金属フェルールの製造

  • 製造技術

27)超軽量マグネシウム合金の冷間多段深絞り加工技術

兵庫県立大学 大学院工学研究科 物質系工学専攻 准教授 原田 泰典

新技術の概要

マグネシウム合金の中において、軽量で比較的プレス成形の可能なベータ型マグネシウム合金を用い、冷間での多段深絞り加工によって極細極深の深絞り容器が得られる成形技術である。

従来技術・競合技術との比較

マグネシウム合金のプレス成形において、従来技術では温間加工によって成形されることがほとんどであるが、本方法では冷間において再絞りの連続加工である多段深絞り加工によって成形を行っている。

新技術の特徴

・冷間でのプレス成形
・極細および極深容器の成形
・薄肉容器の成形

想定される用途

・搬送機器の部材
・小型携帯用機器の筐体
・医療福祉関連の補助器具部材

関連情報

・成形品のサンプル数点あり

  • アグリ・バイオ

28)タンパク質のX線構造解析に適応できうる微粒子配向装置とその方法

京都大学 農学研究科 森林科学専攻 教授 木村 恒久

新技術の概要

微結晶の結晶軸を3次元的に高配向させることにより、あたかも大型単結晶を用いた場合と同様の回折像を与える複合試料(擬単結晶)の製造方法と複合材料の製造装置。

従来技術・競合技術との比較

微粉末結晶の懸濁液に楕円磁場を印加することにより、微粉末結晶を懸濁液中で3次元配向させ、X線回折測定、中性子線回折測定が可能になる。

新技術の特徴

・懸濁液を固化させることなく、直接、懸濁配向状態でX線回折像をとることができる
・対象物を制限しない
・紫外線硬化などのプロセスを省くことができる

想定される用途

・タンパク質の構造解析
・X線解析装置

  • 情報

29)無線位置推定を用いた屋内環境の複合地図の生成

甲南大学 知能情報学部 知能情報学科 講師 梅谷 智弘

新技術の概要

建設中の建物など仮設的な作業環境などを想定した、最近広く普及している無線LANの信号の強さ、携帯端末の移動した記録、移動時に取った画像情報を組み合わせて、移動ロボットや携帯端末が、複数種類のメディア情報を用いて検索できる情報地図をつくりあげる方法です。

従来技術・競合技術との比較

要素技術の一つとなる無線LANの信号の強さから特徴を抽出できる位置推定手法については、確率的な位置推定を実現しており、他のセンサ情報との組み合わせ、移動を伴って複数回推定した結果を統合することで、推定結果の改良が実現しています。

新技術の特徴

・公園や市街地での案内ロボット
・大型構造物の組み立てシミュレータ、設計支援ソフトウェアとの連動
・公共空間での案内サービス

想定される用途

・時々刻々と状況が変化する建設作業現場
・都市の地下街での案内、経路
・大規模工場でのメンテナンス作業

  • 材料

30)電圧駆動型電磁石 ~超低消費電力で電気的に磁界を発生させる~

京都大学 化学研究所 ナノスピントロニクス 助教 千葉 大地

新技術の概要

電流を用いずに電圧だけで電気的に磁石の磁力をオンオフする方法およびそれを用いた電磁石である。磁石、絶縁体、ゲート電極という電界効果型キャパシタンス構造を作成し、磁石に絶縁体を介してゲート電圧を印加する方法によって、強磁性-常磁性の磁気相転移を電圧で制御し、漏えい磁界をオンオフする。

従来技術・競合技術との比較

これまで磁石と半導体の性質を併せ持つ強磁性半導体においては、電気的に磁力の制御が可能であることや強磁性相転移の電圧制御が報告されている。しかし、これらは-250℃という低温で行われており、室温で電気的に磁気相転移を制御したという報告はない。

新技術の特徴

・絶縁体を介しているので電流がほとんど流れない
・一般的な電磁石で用いられている電流よりも格段に低い消費電力で磁界のオンオフが可能
・構成に液体を用いておらず、固体のみで素子を作成できる

想定される用途

・電磁石
・磁気メモリ
・磁気発生器、磁気装置

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

京都大学 産官学連携本部

TEL:075-753-5536FAX:075-753-5538
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大阪大学 産学連携本部 総合企画推進部

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神戸大学 連携創造本部

TEL:078-803-5427FAX:079-803-5389
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関西大学 社会連携部 産学官連携センター

TEL:06-6368-1245FAX:06-6368-1247
Mail:syakairenkeiアットマークml.kandai.jp
URL:http://www.kansai-u.ac.jp/renkei/

関西学院大学 研究推進社会連携機構

TEL:079-565-9052FAX:079-565-7910
Mail:ip.renkeiアットマークkwansei.ac.jp
URL:
新技術説明会について

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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