関西学院大学 新技術説明会
日時:2011年12月02日(金)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 情報
1)感性情報(ビジュアルインパクト・イメージスケール)を利用した製品開発事例
関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 教授 長田 典子
新技術の概要
QOL(Quality of Life)向上の一つに、ヒトの感覚や感性に即した製品開発が挙げられる。ユーザの感性・嗜好の分析結果に基づいた、科学的裏づけのある製品・コンセプト設計を行う。
従来技術・競合技術との比較
ヒトの感覚・感性を計測し、尺度化することにより、ユーザ特性を客観的に評価することができる。また視覚と聴覚のように感覚間の相互作用を考慮することで、ヒトの感覚特性をさらに深く理解できる。
新技術の特徴
・心理実験・脳計測実験によるヒトの特性・感性の客観的評価
・ヒトの嗜好の違いに基づくユーザクラスタリング
・複数感覚・感覚間相互作用を考慮した、ヒトの感覚・感性のモデリング
想定される用途
・さまざまな製品の機能・外観・ユーザインタフェースなどのデザイン・設計
・メディアコンテンツの制作支援
・ユーザの嗜好調査やマーケディング
- 情報
2)心理科学を基盤とするインタラクション評価システムの開発と応用
関西学院大学 文学部 総合心理科学科 教授 三浦 麻子
新技術の概要
人とモノ、人と環境、人と人といった多岐にわたるレベルをもつ人間のインタラクション(相互作用)について、心理科学の知見に基づき、個人の意識できる心的過程だけではなく、意識されない心的過程についても計測できるシステムを開発する。
従来技術・競合技術との比較
心理科学および隣接諸領域の知見を積極的に取り込むことにより、これまでにない多面的なインタラクション評価システムを構築できると同時に、心理科学の最先端の知見と技術を、先端技術や社会へ還元することができる。
新技術の特徴
・潜在的な心的過程の活動の計測が可能
・日常場面における多様なインタラクションの評価に応用が可能
・遠隔地間コミュニケーションへの応用が可能
想定される用途
・企業内コミュニケーションの円滑化
・面接やカウンセリング場面における個人特性のより正確な推定
・遠隔地間コミュニケーションの円滑化
- 機械
3)ニューロ・ロボット~神経再接続のための小さな脳‒身体モデル
関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 准教授 工藤 卓
新技術の概要
培養した生体神経回路網にロボットの身体を接続し、センサからの出力を感覚として神経回路網に入力・神経回路網の電気活動パターンを出力としてロボットのモーターを制御した。ロボットの入出力を備えた「小さな脳」は、そのまま神経‒機械接続の良いモデルとなり、生体神経回路網と電子機器をどのように接続すべきかを検証する系として大変有効である。
従来技術・競合技術との比較
神経側の入出力をになうBrainServer、ロボット側の入出力をになうClientの2つの制御プログラムをプログラム間通信で接続してユニット構造にした。これにより、様々な神経信号の変換アルゴリズムを試すことが出来る。
新技術の特徴
・分散培養神経回路網は生体部品であり、自己組織的に生成した神経ネットワークである
・制御プログラムはユニット構造になっており、組み合わせを変更して多様なシステムを構築できる
・ロボットの行動パターンには神経自発活動の揺らぎのある活動を反映することが出来る
想定される用途
・神経再接続技術のテスト環境
・生体模倣型の情報処理装置
・生きた脳細胞を持つペットロボット
- 情報
4)かかわりが実感できる身体的コミュニケーション・視線インタラクション技術
関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 准教授 山本 倫也
新技術の概要
人と人のかかわりを支援する基盤技術として、CGやロボットをメディアとする身体的コミュニケーション技術と、身体のはたらきを活かすために開発された視線インタラクション技術について述べる。
従来技術・競合技術との比較
Nintendo WiiやMicrosoft Kinectなど、身体動作を計測し、情報機器とインタラクションする技術が確立されてきた。ここでは、より実感できるコミュニケーション・インタラクションを目指して、CGキャラクタへのなりきり技術、視線を含めた新たなインタラクション技術について述べる。
新技術の特徴
・技能伝承
・工業デザイン
・福祉
想定される用途
・プレゼンテーション
・エンタテインメント
・教育
- 通信
5)劣通信環境における情報共有のためのネットワーク制御・設計技術
関西学院大学 理工学部 情報科学科 准教授 巳波 弘佳
新技術の概要
通信インフラが大規模な損傷を受ける災害時において、被災情報の共有のために現実的な情報流通手段が必要である。本技術は、震災時のような劣悪な通信環境においても、複数の救援者が個々に得た情報を効率的に共有し統合するための通信制御に関するものである。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、至近距離通信機能のみを利用する蓄積搬送型通信において、人間などノードの移動経路に必然的に生じる偏りなどの特性を抽出し、それを利用して中継経路を選択することにより、効率的に情報流通を行うものである。そのため、より現実的な状況に対応している。
新技術の特徴
・劣通信環境における蓄積搬送型通信に基づく情報流通
・複数のノード(救援者・救援ロボット)の協調による情報流通の効率化
・被災者、被害情報、各種センサ情報の収集と制御
想定される用途
・震災などの大規模災害時における、屋内外の被災状況の把握
・山中、水中など劣通信環境における各種センサ情報の収集や制御
・駅構内や郊外型大規模ショッピングモールなど屋内の人の移動パターンの把握
- 医療・福祉
6)起立・着座支援機能を有するリハビリ歩行器
関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 専任講師 中後 大輔
新技術の概要
歩行器に平行リンク機構を用いた起立・着座支援用マニピュレータを組み合わせることで、起立~歩行~着座動作を連続して支援する介護歩行器システムを提案する。
従来技術・競合技術との比較
家庭等で介護を必要とする高齢者が求める日常的な移動(起立?歩行?着座)動作を連続して支援できる。また、支援動作は高齢者の自発的な動作意志に沿う形で行われる。
新技術の特徴
・高剛性:剛性が高くシンプルで軽量な構造、低コスト化に貢献
・安全性:被介護者はパッドにおぶさる姿勢をとるため、危険が少ない
・汎用性:日常的な移動に必要な全ての要素を支援可能、被介護者の体格に合わせた調整も可能
想定される用途
・高齢者介護現場における使用
・リハビリテーション用途(高齢者に限らず)
・人間協調型の移動ロボット制御法への応用
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
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