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京都大学 新技術説明会

日時:2011年08月05日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • エネルギー

1)無線電力供給システム -電子機器充電&非常用無線送電-

京都大学 生存圏研究所 生存圏電波応用分野 助教 三谷 友彦

新技術の概要

無線電力供給システムは、電磁波を生成する装置、電磁波を放射するアンテナ、電磁波を受信し電力に変換する受電システムから成る。小型電子機器への無線充電や災害時の非常用無線送電などへの利用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

無線電力供給システムは、有線送電では実現不可能あるいは困難であった電力供給を可能にする。特に移動体に対する電力供給、送電インフラが寸断された状況下での非常用送電、超遠距離送電に威力を発揮する。

新技術の特徴

・電線が要らない(コードレス)電力供給
・電池切れに対する解決手段
・地上利用にとらわれない無線電力供給の可能性(宇宙太陽光発電など)

想定される用途

・小型端末機器ワイヤレスネットワーク機器への無線充電
・電気自動車等への移動体に対する無線充電システム(移動中を含む)
・災害復旧のための非常用無線電力供給システム

  • エネルギー

2)真空溶融塩電解法/純度の高い金属製錬が効率よく行える

京都大学 工学研究科 材料工学専攻 准教授 宇田 哲也

新技術の概要

真空中にて溶融塩電解を行うことで、再酸化の発生または不純物による汚染を抑制する技術である。

従来技術・競合技術との比較

例えばチタンにおいて、従来、隔膜では防止することが困難であった炭酸ガスや炭酸イオンに由来する炭素汚染を抑制でき、長期にわたって安定して純度の高いチタンを製造できる。また、チタンだけではなく、希土類などの金属も効率よく高純度で製錬することが期待できる。

新技術の特徴

・純度の高い金属の製造
・金属製錬の効率化(電力損失の軽減)
・装置が簡便である

想定される用途

・チタン製造
・溶融塩電解法を用いている金属製錬
・希土類の製錬

  • エネルギー

3)β-FeSi2薄膜を利用した分光選択赤外線源

京都大学 工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 准教授 鈴木 基史

新技術の概要

環境半導体として注目されているβ-FeSi2をフィルターとして利用し,熱光起電力発電や環境モニタに必要な近・中赤外域の高効率分光選択光源を実現した。太陽熱発電の選択吸収膜への応用も期待できる。

従来技術・競合技術との比較

β-FeSi2の高屈折率による構造の単純化→低コスト・大面積化が容易、β-FeSi2の安定性→熱的・化学的に高い耐久性・機械的に高強度、豊富な資源→低コスト・環境に優しい

新技術の特徴

・β-FeSi2の高屈折率による構造の単純化
・β-FeSi2の安定性
・豊富な資源

想定される用途

・廃熱を利用した光熱起電力発電
・環境モニタ、プロセスモニタ用赤外線源
・太陽熱発電用選択吸収膜

関連情報

・サンプルの提供についてはご相談下さい

  • エネルギー

4)光触媒水素発生/精製分離を一体化した機能性薄膜の開発

京都大学 工学研究科 電子工学専攻 助教 野田 啓

新技術の概要

アルコール等の燃料源を導入し、太陽光及び紫外光を照射することで、水素発生と精製分離を同時に行う機能性薄膜(メンブレンリアクター)を開発しました。小型かつ低温で動作する改質器の創成を可能とする技術として期待されます。

従来技術・競合技術との比較

水素生成部である半導体光触媒と水素透過機能を有する金属薄膜を一体化したもので、従来、別々のユニットとして存在する水素生成部と精製分離部を、同一ユニット内に収めることができ、小型化・簡便化が見込めます。また、光照射に伴う水素製造を利用するため、改質器の低温動作化につながります。

新技術の特徴

・光照射による高純度水素生成が可能
・改質器の小型化が可能
・改質器の動作温度の低減が可能

想定される用途

・燃料電池用改質器
・水素ステーションでの水素発生源
・高純度シリコン半導体製造プロセス分野

  • 環境

5)植物由来抽出物から成る硬化物

京都大学 生存圏研究所 生存圏開発創成研究系 准教授 梅村 研二

新技術の概要

植物由来抽出物を熱圧するだけで耐水性に優れた硬化物ができることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来、バイオマス由来の硬化物の作成には化石資源由来の物質が必須とされてきたが、新技術では植物由来抽出物のみから硬化物が得られる。

新技術の特徴

・原料が植物由来成分である
・人体や環境に優しい硬化物ができる
・耐水性に優れている

想定される用途

・各種成形材料
・建築材料
・内装材料

関連情報

・植物由来成形物
・外国出願特許あり

  • 材料

6)多孔質シリコンへの物質充填と金属ナノ構造体の作製

京都大学 エネルギー理工学研究所 エネルギー利用過程研究部門 准教授 作花 哲夫

新技術の概要

シリコンをフッ酸溶液中で陽極酸化することで得られる多孔質シリコンは、孔径が数ナノメートルから成る多孔質材料である。半導体である多孔質シリコンを電極として電解めっき法により、金属ナノ構造体を作製することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

ナノポーラス電極を用いると、金属ナノ構造体がポーラス内で作製できる。しかし、一般的には物質輸送の有利な開口部で析出が進行し、期待通りに金属ナノ構造体を作製することができない。多孔質シリコンを有機分子で修飾することにより開口部での析出を抑制し、ナノポーラス電極内で金属ナノ構造体を作製することに成功した。

新技術の特徴

・めっき法を用いることで、金属ナノ構造体を安価に作製することが可能
・ナノポーラス内でナノ構造体を作製するため、ナノ構造体の凝集が抑制される
・めっき法による金属ナノ構造体作製法であるため、金属の種類を問わず、本手法を用いることができる

想定される用途

・触媒
・電極材料
・湿式太陽電池

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

7)高効率色素増感型太陽電池のための色素材料の設計と開発

京都大学 化学研究所 物質創製化学研究系 准教授 若宮 淳志

新技術の概要

分子内B‒N配位結合をもつホウ素修飾型含窒素π電子系骨格を鍵構造に用いた分子設計により、電子構造の精密制御が可能となる。本分子設計に基づいていくつかのモデル化合物を合成し、これらを用いた色素増感型太陽電池は高い光電変換効率を示した。

従来技術・競合技術との比較

これまでに報告されている色素は、従来の電子供与性の色素にシアノアクリル酸基などの強い電子求引性のTiO2へのアンカー骨格を導入しただけのようなものがほとんどである。これに対して本発明は、分子内B-N配位結合の形成を鍵とする独自の電子構造修飾法を用いた有機色素のための新たな分子設計を提案し、その有用性を実証するものである。

新技術の特徴

・有機色素の電子構造の精密制御
・有機色素の光吸収特性の制御,長波長化
・光電荷分離

想定される用途

・色素増感型太陽電池
・有機薄膜太陽電池
・水素製造(可視光を用いた水の光分解)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

8)クリーンなエネルギー資源の有効利用法

京都大学 工学研究科 物質エネルギー化学専攻 教授 陰山 洋

新技術の概要

安全で豊富な資源を使用し、水素の有効利用法の実現をめざす。

従来技術・競合技術との比較

空気中や水中でも安定な新材料を用い、従来法に比べ、水素を効率的に利用する。

新技術の特徴

・新規電池材料

想定される用途

・電池材料
・水素貯蔵材料
・水素センサー

  • 材料

9)光沢アルミニウムめっきとマクロポーラスアルミニウム電析

京都大学 エネルギー科学研究科 エネルギー応用科学専攻 助教 三宅 正男

新技術の概要

平滑で美しい金属光沢をもつアルミニウム膜を電気めっきで形成する技術を開発した。この電析法を応用すると、アルミニウムのマクロポーラス構造体を簡便に作製することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来のアルミニウムめっき膜は、表面粗さが大きく無光沢であったが、これを平滑化し、光沢化することができた。また、アルミニウムのポーラス構造体を室温付近での簡便なプロセスで形成できた。

新技術の特徴

・安全かつ安価なアルミニウムめっき浴
・高耐食性を示す光沢めっき
・シンプルなプロセスによるマクロポーラス構造体の製造

想定される用途

・亜鉛めっきやクロムめっきの代替
・金属表面の装飾
・二次電池の電極集電体などの電極材料

  • エネルギー

10)リン蒸気圧の精密な制御方法と半導体プロセスへの応用

京都大学 工学研究科 材料工学専攻 助教 野瀬 嘉太郎

新技術の概要

リン系化合物半導体の原料としてすずと三リン化四すずを平衡させたものを用い、これを不活性ガス雰囲気中で加熱することで発生したリンの蒸気と金属とを反応させることによりリン系化合物半導体を製造する方法

従来技術・競合技術との比較

従来は、リン系化合物半導体の原料として毒性の気体であるホスフィンなどを用いる。また、赤リンを用いた場合は高圧に加圧が必要である。本技術では、これらを用いない安全で簡易なシステムにより、リンの供給が可能である。

新技術の特徴

・リン蒸気圧の精密制御

想定される用途

・リン化物半導体の成膜
・リン系化合物のバルク結晶作製
・シリコン等へのリンドープ

  • 材料

11)キラル触媒を用いない常温での不斉合成~混み合ったキラル分子を簡単につくる~

京都大学 化学研究所 物質創製化学研究系 教授 川端 猛夫

新技術の概要

不斉合成の低コスト化・省エネルギー化を目指して、キラル触媒を用いず室温で行える不斉合成法開発に取り組んでいる。通常、構築が困難な隣接する不斉4置換炭素を持つβ-ラクタムを高光学純度で、キラル触媒を用いず常温で合成する方法を確立した。本発明では、入手容易なアミノ酸を原料として用い、複雑な置換様式を持つβ-ラクタムを安価に大量供給することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

隣接する不斉4置換炭素の構築は困難なことが知られている。発明者らは、隣接する2つの不斉4置換炭素を持つβ-ラクタムの高光学純度での合成に初めて成功した。しかも本法は、入手容易なアミノ酸を原料としてキラル触媒を用いず室温で行えるため、安価に大量供給が可能である。生成物は極度に混み合った高ひずみβ-ラクタムで、官能基密集型新規アミノ酸の前駆体として、また特徴的なキラルビルディングブロックとしての用途が期待できる。

新技術の特徴

・安価な医薬中間体の合成方法
・新規アミノ酸
・キラルビルディングブロック

想定される用途

・新規医薬中間体
・ペプチドライブラリー構築
・キラルビルディングブロック

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

関西ティー・エル・オー株式会社 (京都大学産官学連携本部 知的財産室内)

TEL:075-753-9150FAX:075-753-9169
Mail:tloアットマークkansai-tlo.co.jp
URL:http://www.kansai-tlo.co.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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