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南九州発 新技術説明会

日時:2011年06月28日(火)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 電子

1)蓄電機能を持つ太陽電池:ロッキングチェア型光蓄電池

鹿児島大学 大学院理工学研究科 電気電子工学専攻 助教 野見山 輝明

新技術の概要

従来の太陽電池と蓄電池の組合せではなく、光発電能と蓄電能を合わせ持つ光蓄電極を用いた「蓄電機能を持つ太陽電池」を開発している。ここでは、高効率化の手段としてp型とn型の光蓄電極によるpn相補ロッキングチェア型を提案している。

従来技術・競合技術との比較

従来はn型の光蓄電極と対極で光蓄電池を構成していたが、本技術では,対極をn型と相補的に機能するp型光蓄電極とし、イオンが両極間を行き来するロッキングチェア型とすることで大幅な効率向上が得られた。

新技術の特徴

・1セル2電極(p型とn型の光蓄電極)のシンプルな電極構成で太陽電池に蓄電機能を付与している
・ロッキングチェア型のイオン移動のみによるシンプルな蓄電反応を太陽電池に組み込んでいる
・主たる電極材料として導電性高分子を用い,電解質組成はロッキングチェア型で単純となるため,形状の自由度が高いフィルム太陽電池となり得る

想定される用途

・小電力小型電子機器(センサや電子タグ等)の電源
・配電線や充電作業を必要としないメンテナンスフリーなスタンドアロン電源
・日中の間欠的な太陽光の照度変化による発電量の変化を補うことのできるバッファ機能付太陽電池

  • 機械

2)軽量化を目指した家庭用樹木等細断機

鹿児島工業高等専門学校 機械工学科 准教授 引地 力男

新技術の概要

樹木等を投入し装置内部に送り出すための導入部と、導入部から送り出された被細断物を、往復直線運動を行うカッターおよび固定カッターによる剪断作用で切断する細断部と、装置内で細断されたチップを堆積させて回収する排出部とを供えている。

従来技術・競合技術との比較

従来技術ではカッターの回転による風圧で吹き飛ばされたりして細断部まで到達しない場合があったが、本装置では固定カッターと、円筒カムの回転運動に伴い往復直線運動を行うカッターによる剪断で被細断物の確実な細断が可能になる。

新技術の特徴

・段ボールの細断
・断熱ボードの裁断
・家畜等の餌の細断

想定される用途

・会社や学校の敷地内の庭木や垣根、および道路沿いの植樹等の剪定
・杉や檜等の高木類の枝処理
・家庭や公園の庭木や垣根の剪定

  • 製造技術

3)スパッタリング法を用いた機能性薄膜の高速低温結晶化成膜技術

都城工業高等専門学校 物質工学科 准教授 野口 大輔

新技術の概要

薄膜構造制御のための新たなエネルギーとしてラジカルに注目し、スパッタリング法を応用した2段階ステップ成膜手法を開発した。本技術を用いて作製したTiO2光触媒薄膜は高速(金属Rateと同等)低温(100℃以下)条件下で成長界面領域から高い結晶性を有しており、光触媒特性結果からその有効性が示された。

従来技術・競合技術との比較

本技術は従来のスパッタリング法における薄膜結晶構造制御技術が抱えていた基板温度の低温化と成膜速度の高速化を克服できる新技術であり、物質と基板を選ばず、また処理時間が短いことから広い工業分野の製造ラインに組み込むことができる。

新技術の特徴

・物質と基板を選ばず、処理時間が短い
・高速(金属Rateと同等)低温(基板温度100℃以下)条件下で結晶性薄膜の作製が可能
・スパッタリング法としてはRAS(Radical Assisted Sputtering)法を応用

想定される用途

・光触媒応用製品
・金属化合物薄膜の高速低温成膜技術
・樹脂基板上への各種機能性薄膜の製造技術

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 情報

4)非回折高位ボロノイ図に基づいた、監視カメラシステムの死角の提示と軽減

鹿児島大学 大学院理工学研究科 情報生体システム工学専攻 准教授 佐藤 公則

新技術の概要

監視カメラシステムにおいて、監視可能な領域と死角領域を、非回折ボロノイ図に基いて定量的に評価し、より死角が低減された最適なカメラ配置を求めるシステム。非回折ボロノイ図は母点から死角となる領域には含まれないボロノイ図して、本技術において新たに定義したもので、監視可能領域・死角領域を高速かつ詳細に調べることができ、視覚的にも表示できる。これに基きカメラ群の最適な配置を適応的に求める。

従来技術・競合技術との比較

監視カメラの設置に関して明確な基準がなく、設置業者の経験的なものに頼ることが一般的であり、監視領域や死角領域の評価に関しても定量的に評価する基準がない。先行調査の結果、本技術と競合する従来技術を発見することはできなかった。非回折ボロノイ図の代わりに、レイトレーシング等により、同等のシステムを構築することは可能であるが、実行速度・アルゴリズムの簡便さ等により、本技術がより優位である。

新技術の特徴

・非回折高位ボロノイ図の描画アルゴリズム
・非回折高位ボロノイ図による、多視点監視システムの構築と評価
・非回折高位ボロノイ図に基いた、死角領域の評価値の導入とその応用

想定される用途

・携帯電話基地局の配置問題への応用
・市街地の街灯配置問題への応用
・自律移動監視ロボットの監視ルート計算

  • 創薬

5)軟体動物から発見された神経ペプチドがヒトの苦痛を軽減する?

宮崎大学 医学部 医学科 准教授 池田 哲也

新技術の概要

軟体動物由来神経ペプチドXは糖尿病ラットにおいて神経因性疼痛軽減効果を示す。また、正常ラット大脳皮質への投与によってセロトニン量を増大させる。これらのことから、Xは鎮痛薬や抗うつ薬の開発に有用である。

従来技術・競合技術との比較

神経因性疼痛に対して既存の鎮痛薬は効果が乏しく、鎮痛薬以外の選択薬の1つである抗うつ薬は、取扱いが困難で、必ずしも安全性が高いとはいえない。既存薬では神経因性疼痛においては、十分な治療効果があげられていないのが現状である。

新技術の特徴

・食欲抑制薬剤
・害虫忌避剤
・殺虫剤

想定される用途

・抗アロディニア薬剤(神経因性疼痛治療薬剤)
・抗うつ薬剤
・慢性疼痛治療薬剤

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

6)甲殻類の催熟及び産卵促進に効果がある栄養因子は?

鹿児島大学 水産学部 水産学科 養殖分野 教授 越塩 俊介

新技術の概要

ゴカイ類抽出物から単離された中性脂質画分及び/又は遊離アミノ酸・ペプチド画分を含む組成物が甲殻類の催熟及び/又は産卵を促進させる。

従来技術・競合技術との比較

養殖エビ生産のための親エビ育成に要求される栄養成分及び飼料が存在せず、生餌が多く使われている。これには病原菌混入、品質のバラツキ、価格の高騰など多くの問題点が存在する。そこで本技術では配合飼料中の機能性成分としてゴカイ類抽出物の有用性を発見した。

新技術の特徴

・親エビ催熟、産卵用飼料中機能性成分
・甲殻類の催熟、産卵の向上
・得られた幼生及び稚エビの品質向上

想定される用途

・親魚育成用飼料
・催熟、産卵用配合飼料
・種苗品質向上のための飼料添加物

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

7)人工抗体ライブラリーを用いたRNA結合抗体の作製技術

宮崎大学 フロンティア科学実験総合センター RI分野 教授 剣持 直哉

新技術の概要

RNAを認識して特異的に結合する抗体(抗RNA抗体)を、人工抗体ライブラリーを用いて製造する技術を開発した。抗RNA抗体は、リサーチツールとしての高い需要が見込まれ、また医薬品としての実用化も期待できる。

従来技術・競合技術との比較

抗体作製で一般的な動物に免役する従来の方法では、RNAに対する抗体を作製することは困難であった。ファージ提示型の人工抗体ライブラリーとRNAに特化したスクリーニング方法を用いることでこれを解決した。

新技術の特徴

・RNAに結合する抗体の作製技術
・ファージ提示型人工抗体ライブラリーのスクリーニング
・組換え発現ベクターを用いた人工抗体の製造

想定される用途

・RNAの検出・定量
・ノンコーディングRNAの解析ツール
・医薬品としての応用

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

鹿児島大学 産学官連携推進機構 知的財産部門

TEL:099-285-3881FAX:099-285-3886
Mail:tizaiアットマークkuas.kagoshima-u.ac.jp
URL:http://www.rdc.kagoshima-u.ac.jp/ipo/index.html

宮崎大学 産学・地域連携センター 知的財産部門

TEL:0985-58-7592FAX:0985-58-7793
Mail:chizaiアットマークof.miyazaki-u.ac.jp
URL:http://www.crc.miyazaki-u.ac.jp/

鹿児島工業高等専門学校 総務課

TEL:0995-42-9020FAX:0995-43-5450
Mail:souhosaアットマークkagoshima-ct.ac.jp
URL:http://www.kagoshima-ct.ac.jp/

都城工業高等専門学校 総務課

TEL:0986-47-1305FAX:0986-38-1508
Mail:kikakuアットマークjim.miyakonojo-nct.ac.jp
URL:http://www.miyakonojo-nct.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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