長岡技術科学大学 新技術説明会
日時:2011年05月10日(火)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
1)構造と組成を同時にセンシングする光計測システム
長岡技術科学大学 工学部 電気系 准教授 塩田 達俊
新技術の概要
表面形状や内部構造をCCDでリアルタイムに撮像して分析でき、記録した画像から材料分析を行うこともできる光計測システム。層構造を持つ対象には、層毎のスペクトルを分離して計測できる。つまり、構造解析と材料分析を同時に可能にする。
従来技術・競合技術との比較
断層画像がムービーとして見られる。つまり、光学系へのコストや信頼性に影響した機械的走査を取り去ることに成功した。また、取得した画像から構造毎のスペクトル情報を抽出する。層毎の材料を分離して解析する機器は存在しない。
新技術の特徴
・高速な形状計測を実現する
・1/1000ミリメートルの深さ分解能と30ミリメートル以上の計測範囲を併せもつ
・スペクトル解析を同時に行える
・構造毎のスペクトルを知ることができる
・つまり「どんな材料がどんな構造で積層されているか」
想定される用途
・製品評価、欠陥評価
・構造診断
・セキュリティ
・医療
・モニタリング
関連情報
・試料持込み可能。試作品の製作も行います。
・外国出願特許あり
- アグリ・バイオ
2)芳香族含フッ素非対称アシロインの安価で簡便な製造法
長岡技術科学大学 工学部 物質・材料系 准教授 前川 博史
新技術の概要
この技術では安価なベンズアルデヒドを還元し、比較的安価な含フッ素化合物であるトリフルオロ酢酸エチルとクロスカップリングさせることにより、通常アシル化が難しいカルボニル炭素に選択的にトリフルオロアセチル基を導入して、合成が困難な含フッ素非対称アシロインを簡便に製造することができる。
従来技術・競合技術との比較
一般にフッ素の部分導入には高価なモノフッ素化剤やトリフルオロメチル化剤が使用され、禁水や極低温などの条件が必要であるが、本技術では極性変換を伴ってトリフルオロメチル基だけでなく、カルボニル基を同時に導入するトリフルオロアセチル化を温和な条件で安価かつ簡便に行うことができる。
新技術の特徴
・含フッ素新規化合物の生理活性及び新たな物性の発現
・含フッ素液晶材料合成への応用
・カルボニル基を利用した含フッ素有機材料中間体合成
想定される用途
・含フッ素医農薬合成への利用
・含フッ素機能性色素合成への利用
・含フッ素材料合成プロセスの短縮
- 材料
3)単結晶と同じ機能をもつ多結晶配向セラミックス材料
長岡技術科学大学 産学融合トップランナー養成センター 特任准教授 田中 諭
新技術の概要
単結晶の機能を多結晶で達成しようとする製造技術である。回転高磁場成形を用いると酸化亜鉛粒子の磁化困難軸であるc軸を一軸配向させることができる。結晶軸を揃えた多結晶セラミックスは単結晶級の優れた特性を発現する。
従来技術・競合技術との比較
既存のテンプレート粒子を応力で配向させて焼結させる技術に対して、緻密質を得やすい。また、従来プロセスへの組込みが容易である。回転高磁場を利用することで磁化困難軸の配向が可能である。
新技術の特徴
・非常に制御された微構造をもつ機能材料の試作が可能
・異方的な物質機能の高効率利用に有利
・フィラー粒子あるいは繊維も自由な方向へ並べることが可能
想定される用途
・電子デバイス分野(圧電体、強誘電体、バリスタ)
・熱電変換材料(Al添加酸化亜鉛)
・有機フィラーおよび無機フィラー配向複合材料
関連情報
・試作可能
- エネルギー
4)排熱利用発電を目指したフレキシブル熱電変換素子
長岡技術科学大学 工学部 機械系 准教授 武田 雅敏
新技術の概要
本技術は、薄く、折り曲げ可能なシート状の熱電変換素子を実現するためのものです。熱電変換素子は、熱エネルギーを電気に直接変換することが可能な素子であり、未利用排熱からの電力回収への応用が期待されます。本発明のフレキシブル熱電変換素子は、パイプなどの曲面にも容易に設置することが可能です。
従来技術・競合技術との比較
従来の熱電変換素子は、ブロック状に切り出した材料を2枚のセラミックス板に挟んだ構造をしております。従って、基本的には平面に設置する必要があり、また機械的強度も必ずしも高くありません。本発明のフレキシブル熱電変換素子は、この点で従来素子とは全く異なっております。また,本フレキシブル熱電変換素子は、薄膜プロセスを利用して作製するため、大面積化、量産性という点からも従来素子よりも優れていると考えております。
新技術の特徴
・薄型の熱発電素子
・フレキシブル性を有する熱発電素子
・大面積化が可能な熱発電素子
想定される用途
・産業分野等から排出される低温排熱
・太陽熱を利用した発電
・自動車などからの排熱利用発電
- 製造技術
5)強アルカリ水中切削技術/高速・自動鏡面加工技術/それを支えるツール
長岡技術科学大学 工学部 機械系 教授 田辺 郁男
新技術の概要
強アルカリ:チタン合金、ニッケル基合金などの難削材をバリバリ切削できる高効率・極低価格強制冷却システムの開発/高速・自動鏡面加工:あらゆる工業製品をRz0.1μm以下に仕上げる自動鏡面加工技術/ツール:それらの開発を支えるイノベーション・リッチのための開発補助ツール
従来技術・競合技術との比較
強アルカリ:極高効率・極低価格強制冷却システムはまさにイノベーションの極み的存在/高速・自動鏡面加工:ポリシング&ラッピング技術の最高峰に位置づけられる/ツール:前代未聞のイノベーション専用の開発補助ツール
新技術の特徴
・強アルカリ水中切削技術:複雑形状のチタン合金、ニッケル基合金の高速切削
・高速・自動鏡面加工技術:大型~超小型、超硬~プラスチックスまで、高速で、しかも自動でRz0.1μm以下に加工
・それを支えるツール:品質工学ソフト、ハイブリット新素材創生ソフト等
想定される用途
・強アルカリ水中切削技術:航空宇宙産業部品加工、難削材加工、環境に配慮した加工ジャンル
・高速・自動鏡面加工技術:あらゆる工業製品をRz0.1μmの鏡面にしてみせます。しかも、高速で!さらに、自動で!
・それを支えるツール:あらゆる産業分野で使用可能
関連情報
・サンプルの提供可能
- 計測
6)超音波を用いた新しい非接触センシング手法
長岡技術科学大学 工学部 機械系 教授 井原 郁夫
新技術の概要
超音波の特徴を生かした二つの新しい非接触センシング手法を紹介する。(1)レーザー超音波法による物体の温度プロファイリング(2)空気超音波センサーの改良とその非接触材料評価への適用
従来技術・競合技術との比較
(1)熱電対、赤外線に次ぐ第3番目の温度計測法であり、非接触で物体表面および内部の温度分布をリアルタイムで評価できる。(2)簡便かつ安全な非接触超音波計測を提供する空気超音波センサーの改良に関する提案。
新技術の特徴
・熱電対法や赤外線法が適用できない測定対象物の温度測定が可能となる
・超音波の特徴を生かすことで材料内部と表面の温度を測定できる
・測定対象を限れば、比較的高精度な非接触超音波パルス計測が可能となる
想定される用途
・加熱材料の非接触温度分布モニタリング
・材料の内部および表面の同時温度計測
・スポット溶接部などの非接触材料評価
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
長岡技術科学大学 総務部 産学・地域連携課
TEL:0258-47-9279 FAX:0258-47-9040Mail:patentjcom.nagaokaut.ac.jp
URL:http://www.nagaokaut.ac.jp/j/annai/honbuHP.html
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