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名古屋大学 新技術説明会

日時:2011年11月11日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 創薬

1)ミクログリアを標的とした革新的な神経変性疾患治療薬

名古屋大学 環境医学研究所 ストレス受容・応答研究部門 神経免疫学 教授 錫村 明生

新技術の概要

活性化ミクログリアに特異的なグルタミン酸放出機序の抑制作用をもつグリチルレチン酸誘導体を合成した。この化合物(INI0602)は培養系で神経細胞死を抑制し、モデル動物でも神経変性を抑制した。

従来技術・競合技術との比較

従来の神経変性疾患治療薬は障害神経の機能低下を遅らせようとするものであり、神経変性自体を抑制する薬剤はない。本化合物は活性化ミクログリアの神経傷害因子放出のみを抑制し、神経変性を抑制する薬剤である。

新技術の特徴

・虚血、炎症、変性など多種の病態の治療薬に応用可能
・活性化ミクログリアのグルタミン酸放出のみを抑制するため、副作用が少ない
・従来のギャップ結合阻害薬になかった脳移行性を有する化合物である

想定される用途

・アルツハイマー病治療薬
・筋萎縮性側索硬化症治療薬
・パーキンソン病治療薬

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 創薬

2)異なる脂肪酸を組み合わせることで強力にがん細胞を死滅させる

名古屋大学 大学院生命農学研究科 応用分子生命科学専攻 助教 北浦 靖之

新技術の概要

中鎖脂肪酸と不飽和脂肪酸を組み合わせることで強力ながん細胞死誘導効果が得られることを見出した。この効果はがん細胞に特異的であることが示唆されており、将来的に副作用の少ない抗がん剤の開発に繋がることが期待される。

従来技術・競合技術との比較

抗癌剤の多くは単に細胞死を誘導するもので副作用が問題となる。中鎖脂肪酸や不飽和脂肪酸は食油に多く含まれており、これらを組み合わせる方法は副作用がなく安全で画期的ながん抑制法として期待される。

新技術の特徴

・がん細胞死誘導効果が顕著である
・効果はがん細胞に限定的であることが期待できる
・安全である

想定される用途

・抗がん剤
・健康食品
・サプリメント
・軟膏剤

  • 創薬

3)GABABアゴニスト-新たな抗肥満薬-

名古屋大学 大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌内科学 准教授 有馬 寛

新技術の概要

動物実験でGABABアゴニストが抗肥満作用を示すことを明らかにし、臨床研究においてもGABABアゴニストであるバクロフェンが肥満患者において体重を有意に減少させることを確認した

従来技術・競合技術との比較

これまでに開発された抗肥満薬は副作用の問題からその実用化が難しかったが、バクロフェンは痙性麻痺などの患者に長年使用されていてその安全性が既に確認されている。

新技術の特徴

・肥満状態においてのみ体重を減少させる
・中枢神経に作用する
・安全性が確認されている

想定される用途

・肥満状態の改善

関連情報

・展示品あり(論文のPDFファイル)
・外国出願特許あり

  • 創薬

4)創薬に向けた短鎖機能性ペプチドの探索

名古屋大学 大学院工学研究科 化学生物工学専攻 教授 本多 裕之

新技術の概要

機能性ペプチド探索は治療用原薬や機能性食品添加物の開発につながる。我々はペプチドの配列情報と機能の相関を明らかにするツールを開発している。探索で得られたペプチドとして、乳酸菌接着ペプチドやコレステロール吸収抑制ペプチドなどについて紹介する。

従来技術・競合技術との比較

ペプチド探索はライブラリーの網羅探索で行われる。通常は、なぜそのペプチドが機能を発揮するのか、そのペプチド以外の候補がないのか、については解答が得られない。我々の方法は機能発揮のルールを獲得できるため他に例のない探索法である。

新技術の特徴

・目的タンパク質と相互作用するペプチドの探索による目的タンパク質の機能解明や診断装置開発
・微生物と相互作用するペプチドを用いた生分解性農薬
・金属微粒子と結合するペプチドを使った重金属回収(除去)

想定される用途

・機能性ペプチド(乳酸菌接着ペプチド)そのものを使った機能性食品
・機能性ペプチド(コレステロール吸収抑制ペプチド)そのものを使った医薬原薬
・ペプチドと生体タンパク質の相互作用を利用した分析装置

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 創薬

5)エステル、ラクトン、カルボン酸無水物の新しい触媒的製造法

名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 教授 石原 一彰

従来技術・競合技術との比較

第3級アルコールのエステル、光学活性α‒置換カルボン酸エステル、α,β‒不飽和カルボン酸エステル、α‒アシロキシカルボニル化合物、カルボン酸無水物等、従来技術では効率的製造が困難であったエステル類を、安全安価に高効率的に製造する新触媒技術を開発した。

新技術の特徴

・エステル製造コスト削減
・エステル収率の向上
・従来製造困難だった新規エステル類の製造

想定される用途

・医薬品中間体エステルの製造
・エステルを着脱容易な保護基として利用
・アクリル酸系有機材料の製造

関連情報

外国出願特許あり

  • 創薬

6)低反応性官能基の水素化と脱水素化を可能とする多機能性ルテニウム錯体触媒

名古屋大学大学院理学研究科 物質理学専攻および高等研究院 准教授 斎藤 進

新技術の概要

様々な官能基の触媒的水素化および脱水素化を可能とする新しい多機能性ルテニウム錯体の開発に成功した。本ルテニウム錯体は単結晶として純品を得ることができ、熱安定性に優れ固体であれば空気中でも保存できる。本ルテニウム触媒を用いる初期的な水素化や脱水素化の検討では高温(160°C以下)と高圧(60気圧以下)を必要としているが、今後の開発を経てより省エネルギーでの触媒反応へと展開できる可能性を大いに秘めている。

従来技術・競合技術との比較

野依型触媒では不可能な各種官能基の水素化が可能となった。そのなかには各種カルボン酸誘導体(アミド、エステル、カルボン酸、炭酸エステル、ウレタン、ウレア)、ニトロ基、ニトリル基、ニトロソ基、イミン、キノリン、イソキノリン、インドール、ベンゾフラン、炭素ー炭素二重結合、炭素ー炭素三重結合などの水素化を含む。このように同一の触媒前駆体錯体から多機能性が発現し、多彩な用途に使えるという高機能性については、他の遷移金属錯体では全く明らかでない。

新技術の特徴

・ほぼ中性pH条件下でアミドを水素化。中性pH条件下におけるアミド基の脱保護の処方の提供
・触媒前駆体であるルテニウム錯体に作用させる添加物(塩基やそれ以外)を変えることによって触媒活性種の反応性をコントロール可能
・多彩な官能基の水素化に使えるため、様々な用途への展開が可能
・今後の可能性:バイオマス化合物群の水素化。無保護糖類(単糖やセルロースなど)の水素化などへの応用

想定される用途

・アルツハーマー型認知症抑制治療薬Aricept®のワンポット合成(4連続反応を一反応容器で行える。塩廃棄物なし)
・天然アミノ酸由来のバリノールを原料とするコレステロール合成酵素阻害剤Lipitor®のピロール環の1段階合成
・天然由来の各種脂肪酸エステルの水素化から長鎖飽和脂肪族アルコールを合成できる可能性あり
・ε‒カプロラクタムから高分子合成開始剤の原料「6‒aminohexanol」を合成できる可能性あり
・ω‒Laurinlactamの水素化によってω‒アミノアルコールを合成できる可能性あり

  • アグリ・バイオ

7)RNAを用いた非GM型新奇害虫防除法の開発

名古屋大学 大学院生命農学研究科 生物機構・機能科学専攻 助教 新美 輝幸

新技術の概要

害虫の生存必須遺伝子由来の二本鎖RNAを害虫に摂食させることにより、速効的な摂食停止と致死に至ることを発見した。この原理を利用した安全で耐性昆虫の出現を許さない非GM型新奇農薬の開発を行っている。

従来技術・競合技術との比較

既存の化学農薬の大きな問題点は、安全性および殺虫剤耐性昆虫の出現にある。これに対し、全く異なる原理に基づく本特許は、化学農薬のあらゆる問題点を克服した、害虫防除法に革新をもたらす画期的な技術である。

新技術の特徴

・生体高分子であるRNAの利用による安全性
・標的RNA配列の選択により標的害虫の特異性を自在に設計
・生命に必須のメカニズムに基づくため、耐性昆虫の出現の可能性が極めて低い

想定される用途

・農業害虫防除
・衛生害虫防除
・ダニ、線虫など広範な生物の防除

関連情報

・サンプルの提供可能(共同研究によるサンプル提供可能)
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

名古屋大学 研究協力部 社会連携課

TEL:052-789-5545FAX:052-788-6146
Mail:sangakuアットマークpost.jimu.nagoya-u.ac.jp
URL:http://www.sangaku.nagoya-u.ac.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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