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岡山大学 新技術説明会

日時:2012年01月27日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)金属錯体触媒を超高活性化する新型リン配位子の開発

岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 機能分子化学専攻 助教 是永 敏伸

新技術の概要

本技術では、従来にない「高度に電子不足なホスフィン配位子」を新たに開発し、超高活性金属触媒反応を可能にしたものである。本配位子はロジウム、パラジウムなどの遷移金属触媒に適合し、さまざまな触媒的有機合成反応に適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の三級ホスフィン配位子の多くはトリフェニルホスフィンよりも電子供与性であり、既知の電子不足ホスフィンも触媒との配位に問題を抱えていた。今回開発した三級ホスフィン配位子は電子不足でありながら触媒と強い配位を形成し、金属触媒反応を高度に活性化する。

新技術の特徴

・三級アリールホスフィンとして最も電子不足であるが嵩高くないため様々な種類の金属と錯形成し電子的に制御可能
・トランスメタル化、挿入、還元的脱離などが律速段階である金属触媒反応に有効である
・ロジウム触媒によるアリールボロン酸の不斉1,4付加反応や不斉1,2-付加反応を極めて少ない触媒量で実施できる

想定される用途

・光学活性マイケル付加物の触媒的不斉合成
・光学活性二級アミン類の触媒的不斉合成
・その他金属触媒反応による有機化合物合成

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 材料

2)グラフェンの化学修飾技術とウェットプロセッシングによる材料作製

岡山大学 大学院環境学研究科(環) 資源循環学専攻 准教授 高口 豊

新技術の概要

従来溶液プロセスを用いた材料作製が困難であったグラフェン類について、効率の良い化学修飾法を開発した。これにより、水中だけでなく、有機溶媒を用いた材料作製を容易に行うことができる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術と比較して高い化学修飾率を達成し、高濃度安定分散が可能であるうえ、これまで導入例の無い官能基を導入することで材料応用の幅が格段に広まった。

新技術の特徴

・望みの官能基を高密度で導入できる
・他材料との複合化が容易になる
・1バッチあたりの処理量が増えればコスト減につながる

想定される用途

・ナノエレクトロニクス分野(太陽電池、トランジスタなど)
・ナノ医療分野(イメージング材料など)
・ポリマー・ナノコンポジット材料(強度、熱伝導、導電材料、ガスバリアなど)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

3)ワンポット水熱合成法によるゼオライトバルク体の作製

岡山大学 大学院環境学研究科(環) 資源循環学専攻 教授 三宅 通博

新技術の概要

機能性材料として有用なゼオライトは、一般に10μm以下の粉末状固体として得られる。本技術は、粉末状固体の作製と同様なワンポット水熱合成法により、センチメートルオーダーの機械易加工なゼオライトバルク体を提供する。

従来技術・競合技術との比較

ゼオライトバルク体は、従来、粉末状ゼオライトを有機系バインダーで固める方法、粉末状ゼオライトと粘土との混合焼結体を水熱処理する方法等により作製されている。しかし、これらのバルク体は数ミリ程度であり、機械加工性は不明である。

新技術の特徴

・出発原料ゲル組成を制御することで、バインダーを使用しないでバルク体を作製できる
・粉末状固体の作製と同様なワンポット水熱合成法で、ゼンチメートルオーダーのバルク体を作製できる
・機械加工が可能なバルク体を作製できる

想定される用途

・アルコール(バイオエタノール等)の濃縮、ガス(酸素等)の濃縮など
・石油精製用触媒、触媒担体
・浄化フィルター、分離フィルター、ろ過フィルターなど

  • 建築・土木

4)地震時の液状化はこうして守れる ―砂質地盤への1~2μmの極超微粒子セメントの注入

岡山大学 大学院環境学研究科(環) 資源循環学専攻 教授 西垣 誠

新技術の概要

将来発生する巨大地震に備えて、既設構造物直下の地盤を如何に強固にするかが課題である。本技術による極超微粒子セメントを地盤に注入することで、既設構造物直下の地盤を供用したまま耐震補強することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来、液状化対策には溶液型の薬液を注入する工法が用いられていたが、改良後の強度が小さく、耐震補強までには至っていない。本技術を用いることで、強度が高く、変形に強い地盤に改良することができる。

新技術の特徴

・20μm程度の空隙に充填できる
・硬化後は高強度が得られる
・耐久性に優れる
・剛性が高い

想定される用途

・救援物資の輸送経路や避難路となる道路・空港・港湾の耐震補強
・工場や石油タンクの基礎地盤補強
・災害発生時の拠点となる重要構造物の基礎地盤補強
・堤防・護岸・盛土・斜面の崩壊防止
・地下構造物周囲の地盤補強と遮水性向上
・地下埋設物の浮き上がり防止
・その他砂質地盤や岩盤の補強・止水・漏洩防止対策

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
・地盤改良体(φ5×h5cm程度)を展示予定

  • 創薬

5)核酸系抗生物質の飛躍的増産を可能にする転写調節技術

岡山大学 大学院自然科学研究科(農) 生物資源科学専攻 准教授 田村 隆

新技術の概要

抗ウイルス活性、抗原虫活性にすぐれた核酸系抗生物質を生産菌の転写制御調節機構を改変することにより飛躍的に増産させる新育種方法である。生合成遺伝子がクローニングされていなくても遺伝子工学的に生産性改善が可能で、普遍的に応用可能。

従来技術・競合技術との比較

従来の突然変異誘導によるランダムな育種よりもより合理的、省力的に有用物質の増産を図ることが出来る。

新技術の特徴

・核酸系以外の有用物質生産に適用可能
・転写制御の分子レベルでのコントロールが可能
・生育速度をコントロールできる

想定される用途

・医薬品製造
・発酵成分の増産
・自然界からの有用微生物の選抜

  • 医療・福祉

6)ハイスループット解析に適用可能なマスト細胞モデルの開発

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(薬) 創薬生命科学専攻 准教授 田中 智之

新技術の概要

マスト細胞は全身に分布し、化学物質に対する即時型アレルギーや接触性皮膚炎の発症において重要な役割を果たす。これまで適切な評価系がなかった成熟マスト細胞について、高収量で再現性の高い培養モデルを開発した。

従来技術・競合技術との比較

神経ペプチドやカチオン性化学物質に対して応答性のある培養マスト細胞モデルはこれまで報告されておらず、当該技術は従来の動物実験を部分的に代替するものである。

新技術の特徴

・神経ペプチド、ポリカチオンに対する応答性を有し、生体の成熟マスト細胞と類似している
・10E8レベルの細胞数を再現性よく供給することが可能であり、動物実験の一部を代替することができる
・IgEを介する抗原抗体反応の評価系としても有用である

想定される用途

・マスト細胞の活性化を標的とした医薬品の評価系
・過敏症を惹起する新規化合物のスクリーニング
・接触性皮膚炎を惹起する新規化合物のスクリーニング

  • 創薬

7)難治性胃がん“スキルス胃がん”に有効な治療薬の開発

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(薬) 創薬生命科学専攻 教授 宮地 弘幸

新技術の概要

本技術概要は、抗スキルス胃がん治療薬候補化合物ならびにその製造法である。発表者はスキルス胃がん細胞に対して増殖抑制効果を示し、一方正常細胞には影響の少ない新規なPPARγアゴニストの創製を検討し成功した。

従来技術・競合技術との比較

スキルス胃がんの治療は外科手術が主である。ては5?FUやTS-1が用いられているが効果は不十分である。対象化合物はこれら抗がん剤とは構造が異なり、従来技術・競合技術に対する優位性を有する。

新技術の特徴

・家畜肥育
・研究用試薬

想定される用途

・医薬用途(抗がん剤領域)
・医薬用途(抗炎症薬領域)
・医薬用途(糖尿病治療領域)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 医療・福祉

8)難治てんかんの早期発見・診断法、および、即効性の発作抑制剤

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(医) 病態制御科学専攻 准教授 大内田 守

新技術の概要

良性の熱性痙攣の中から難治てんかんDravet症候群を1歳未満の病初期に選別するスクリーニングテストと、てんかん発作を瞬時に押さえる即効性の発作抑制剤を開発した。早期発見と治療剤の総合的な技術開発である。

従来技術・競合技術との比較

従来のSCN1A遺伝子変異によるDravet症候群診断技術に比べ、9項目の危険因子判定によりDravet症候群発症の可能性を高精度に判定が可能。家庭での急な発作時に本治療剤を吸引することにより、即効的で簡便に発作を抑制可能である。

新技術の特徴

・遠隔地からの診断システムの開発
・スクリーニングテストのプログラムソフト、および、ソフトを内蔵した機器の開発
・本治療剤(混合ガス)を含む簡易卓上ボンベ、および、医療施設設置のガス吸引機器の開発

想定される用途

・Dravet症候群を早期に選別するスクリーニングテスト
・Dravet症候群の診断技術
・てんかん発作抑制剤

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

9)視覚・聴覚・触覚の認知検査による認知症早期診断技術

岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 産業創成工学専攻 教授 呉 景龍

新技術の概要

認知科学実験、脳波および機能的磁気共鳴画像(fMRI)などの手法を用いて認知脳科学の観点から認知症患者の認知能力と脳機能変化を研究し、人間の視覚、触覚および聴覚の多感覚モダリティの初期記憶特性を用いた認知症早期診断の技術である。

従来技術・競合技術との比較

我々が開発した認知症早期診断方法は、患者の生活環境などの主観的な影響をなくし、視覚・聴覚・触覚能力によって、従来の認知機能問診より客観的に認知症の診断できると言える。また、従来の診断方法より早期段階の認知症症状を検査できる。

新技術の特徴

・従来の検査方法より早期に認知症の発見はできる
・患者の生活環境などの主観的な影響をなくし、従来の認知機能問診より客観的に認知症の診断できると言える
・本装置は小型であり、病院・医院や医療福祉施設などに幅広く利用できる

想定される用途

・病院と福祉施設での認知症検査
・免許センターに設置し、高齢者の免許更新時の認知症検査
・一般家庭応用タイプの認知症診断装置

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立大学法人岡山大学 研究推進産学官連携機構 知的財産本部

TEL:086-251-7112 FAX:086-251-8467
Mail:s-renkeiアットマークadm.okayama-u.ac.jp
URL:http://www.okayama-u.net/renkei/
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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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