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大阪府立大学・大阪市立大学 新技術説明会(2)

日時:2011年10月14日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)新規デバイスによるカンピロバクター属菌の簡便分離法

大阪府立大学 大学院 生命環境科学研究科 獣医学専攻 教授 山崎 伸二

新技術の概要

カンピロバクターの分離・培養を現状の抗菌薬を含む選択培地を用いる代わりに、特殊なフィルターを通過させることで他菌を排除し、カンピロバクターを選択的に選別し、現状の培地で分離できない抗菌薬感受性の菌の分離も容易となる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、現在知られている21菌種中のC. jejuni とC. coli を対象とし、抗菌薬によって他菌を排除する。新技術は、カンピロバクターの運動性と細菌形状の特性を生かし、フィルターを特異的に通過させることにより抗菌薬に耐性な菌も含めて、カンピロバクターの分離を容易にする。

新技術の特徴

・細菌の運動性と形状の特性をフィルターの孔径によって振り分けすることから、カンピロバクター以外の菌にも適用可能
・従来の選択培地と比べ、得られるコロニーがより特異的で数が少なくなるため、単離と鑑別が容易
・抗菌薬を含まないため、冷凍による損傷菌や当該抗菌薬の感受性カンピロバクター菌の増殖が良い

想定される用途

・臨床現場におけるカンピロバクター属、アルコバクター属等のらせん菌の分離培地
・食生産現場におけるカンピロバクター属、アルコバクター属等のらせん菌の分離培地
・上記の菌以外で運動性のある菌種を含め細菌の大きさ、運動性に基づく新規細菌の分離、精製法

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

2)低コスト有機栽培実現のための緑肥活性型微生物剤の開発

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 植物バイオサイエンス分野 准教授 東條 元昭

新技術の概要

緑肥等を栄養源にして増え、有害菌の生息場所を奪うことによって連作障害を抑える糸状菌ピシウム・ナンを利用し、低コストで有機栽培を行うための緑肥活性型微生物剤を開発する。

従来技術・競合技術との比較

ピシウム・ナンは、既知の生物防除微生物(ピシウム・オリガンドラムやトリコデルマ属菌など)と異なり、緑肥を栄養源にして増殖し有害菌の棲みかを奪う。そのため有機農業の施肥作業の中に低コストで組み入れることができる。

新技術の特徴

・ピシウム・ナンは、国内の畑土壌などに広く生息しているので、微生物製剤として導入しても生態系への影響が少ない
・上記の特質を利用し、個々の畑地に既に生存している菌株を製剤化したオーダメードの連作障害対策が可能
・ピシウム・ナンは、通常の手法ではほとんど分離できないが、独自技術を既に開発し、土壌から分離を可能にした

想定される用途

・畑作物、とくに野菜などのハウス栽培の連作障害対策としての利用
・有機栽培作物の連作障害対策
・食品廃棄物などの未分解有機物の有効利用

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 情報

3)数学「結び目理論」を応用した電子ゲーム装置

大阪市立大学 大学院理学研究科 数学研究所 所長 河内 明夫

新技術の概要

数学の結び目理論を応用した結び目射影図の領域を選択するゲームである。直感や想像力が試され、難易度も変えることができる。結び目理論のアルゴリズムによって問題が必ず解けるので、ゲームが終了できないといったトラブルもない。

従来技術・競合技術との比較

数学を応用したゲームとして、ルービックキューブや数独が知られているが、このゲームは現在国際的に注目を浴びている「結び目理論」を応用したゲームである。3次元の結び目の原理を平面の電子ゲームに置き換えたもので、必ず解けることを数学的に証明した理論そのものに既に独創性を有している。

新技術の特徴

・数学を応用した頭脳ゲームであるが、数学の知識、文字や数字を必要としない
・結び目の3次元の操作を平面上で読み変えたものである
・操作・ルールは簡単でありながら、直感力や数手先を読む思考力が試されるゲームである

想定される用途

・タッチパネルを用いるスマートフォン等のための電子ゲーム装置
・就学前児童や小学校低学年児童の図形教育のための電子ゲーム装置
・高齢者の視空間認識機能のリハビリテーションのための電子ゲーム装置

関連情報

展示品あり(このゲームを搭載したスマートフォンを持参できる見込みである。)

  • デバイス・装置

4)金属ナノ粒子による樹脂メッキ技術とその応用

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 教授 長岡 勉

新技術の概要

金属ナノ粒子を用いたプラスチック上への密着性・柔軟性に優れた金属薄膜の作製に成功した。この技術は電子材料・バイオ分離材料(マイクロビーズ等)への応用が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の樹脂メッキではクロムなどの有害物質を使用する必要があるが、本技術ではこの問題がない。金属ナノ粒子を直接樹脂表面に導入できるので省ステップであり、またメッキ層は柔軟性に優れておりストレスに強い。

新技術の特徴

・クロム、シアンなどを用いないグリーンな樹脂メッキ技術
・フレキシブルな金属メッキ層
・省工程技術

想定される用途

・電子材料(導電性マイクロビーズ、プリント基板、など)
・バイオ用途向け分離材料(金被覆磁性マイクロビーズ)
・触媒などの機能性物質担持材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(常時展示・公演中・公演後展示のいずれでもかまいません。)

  • 情報

5)大規模実時間文書画像検索を用いた新メディアの展開

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 知能情報工学分野 教授 黄瀬 浩一

新技術の概要

カメラでページを撮影することによって、5000万ページの文書画像データベースを実時間で検索する手法を紹介すると共に、これを用いて印刷物に様々なサービスを付加して新しいメディアにできることを述べる。

従来技術・競合技術との比較

我々が提案した従来技術では、2万ページまでのデータベースしか扱うことができなかった。本技術では精度や処理時間を保ったまま、大規模化が可能となった。我々の従来技術に触発されて開発された海外企業の技術と比較しても精度、速度、規模の面で大幅に優位である。

新技術の特徴

・5000万ページという極めて大規模な文書画像データベースを扱える
・単一CPUで140ms/queryを実現
・精度も98%以上

想定される用途

・印刷物を対象とした拡張現実感
・電子文書と印刷文書の統合
・文書の印刷面をバーコード化可能

関連情報

・展示品あり(ノートPCで100万ページデータベースの実時間検索のデモを行います。)
・外国出願特許あり

  • 情報

6)履歴情報の分類と匿名化に基づく個人好みの情報推薦モデル

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 知能情報工学分野 准教授 本多 克宏

新技術の概要

インターネット上でユーザの履歴情報に基づいて個人好みのおすすめ情報や商品を提示する協調フィルタリングにおいて、履歴情報の分類・要約により、個人情報の保護(匿名化)とシステムの軽量化を同時に実現する。

従来技術・競合技術との比較

嗜好の類似したユーザの履歴をクラスター化(匿名化)し、個人情報を保護することで、ネット通販のAmazonなどで活用されている協調フィルタリングを、より安全で気軽に運営できる。同時に、データのコード化により推薦システムが軽量化され、アウトソーシングを容易にしている。

新技術の特徴

・情報要約によるパターン識別性能の向上
・情報のコード化によるサーバ負荷の軽減
・履歴情報の匿名化によるユーザ保護

想定される用途

・ネット通販での商品推薦(広告提示)
・特許検索の支援インタフェース(関連性の自動検索)
・携帯型ナビゲーションシステム(掘出し物への自動誘導)

関連情報

・サンプルの提供可能(ホームページで実装事例を紹介中)
・展示品あり(講演中に実装事例を紹介)

  • 情報

7)24時間安全・安心監視・見守りシステム実現のための要素技術

大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻 教授 鳥生 隆

新技術の概要

監視・見守りシステムを実現するためにのカメラなどのセンサ情報を基に異常事態を発見するシステム、および、距離センサーの情報とカメラの情報を統合し、画像上に距離情報を付加するシステムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

予め異常事態が起こりうると予想できる場合に限らずに異常事態の可能性の指標として顕著性を算出できる。また、画像上の距離情報を付加することで、対象物体の切り出しが容易になるなど、監視・見守りシステムの信頼性を向上できる。

新技術の特徴

・対象を限定せずに普通でない状態としての異常を検知できる
・距離画像データと通常のカメラ画像のデータの位置合わせができる
・距離画像データと通常のカメラ画像のデータを組み合わすことで、より高度な認識ができる

想定される用途

・独居老人などの家庭内における事故やその他の異常事態の早期発見
・地域における子供の見守りや防犯。テロ対策。防災
・事故や病気の予知、予防

  • 医療・福祉

8)機能性リポソームの開発とバイオメディカル応用

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 教授 河野 健司

新技術の概要

種々の機能をもつ合成高分子や天然高分子をリポソームに複合化することによって、pHなどの刺激に鋭敏に応答する機能性リポソームを開発した。このような機能性リポソームは、免疫治療用ワクチンなどへの応用が可能である。

従来技術・競合技術との比較

本発明リポソームは、機能性高分子をリポソームに複合化するという、独自の手法によって、鋭敏なpH応答機能など高い機能性を実現している。このような機能性リポソームを用いることで体内や細胞内への高効率な生理活性分子のデリバリーを行い、高い生理活性を得ることが可能である。

新技術の特徴

・機能性化粧品

想定される用途

・免疫治療用ワクチン
・癌化学治療(ドラッグデリバリーシステム)
・siRNAデリバリー

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 創薬

9)回転式流動層を用いた医薬品製剤の革新的微粒子プロセッサーの開発

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 助教 仲村 英也

新技術の概要

粒子に強い遠心力を作用させながら粒子を流動化させる回転式流動層型微粒子プロセッサーを新たに発明した。回転式流動層を用いることで、従来の流動化技術では極めて困難であった付着性微粒子(粒子径10μm以下)のコーティングおよび微細造粒を可能とする新技術を確立した。さらに、一次粒子径が十数ナノメートルのナノ粒子をも均一流動させることにも成功した。

従来技術・競合技術との比較

重力場において操作する従来型の流動層では、粒子径が10μm以下の微粒子を均一に流動化することは極めて困難であった。一方、開発した回転式流動層は容器を回転させながら高遠心力場において粒子を流動化させることから、付着凝集性の強い微粒子を均一に流動化することができる。

新技術の特徴

・従来型の流動層では極めて困難であった微粒子(粒子径10μm以下)の均一流動化が可能である
・付着性微粒子の単一粒子コーティングおよび微細造粒が可能である
・一次粒子径が十数ナノメートルのナノ粒子を均一に流動化させることが可能

想定される用途

・医薬品製剤分野における微粒子コーティング
・医薬品製剤分野における微細造粒物の調製
・化学工業分野におけるナノ触媒を用いた固気接触型リアクター

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

10)矩形板状ケイ酸化合物粒子の迅速合成とその応用事例

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 准教授 岩﨑 智宏

新技術の概要

矩形板状ケイ酸化合物(アイラアイト)粒子の合成において、原料溶液のボールミル処理や固液界面での不均一核生成を利用することで、合成時間の大幅な短縮(約半分)と粒子径制御(とくに大粒子の生成)を実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来の合成法では原料溶液を水熱条件下で数週間加熱するだけであったために結晶核の生成や結晶成長は制御できなかったが、新たに開発した手法によってこれらの制御が可能となり、化粧品や塗料などでの応用可能性が見いだされた。

新技術の特徴

・合成時間の短縮による製造コストの低減および粒子径制御による高付加価値化
・粒子の形状が非常に規則的で表面が平滑であるため光の透過・反射を利用した用途に最適
・複合材料の基材や前駆体などとしても利用可能

想定される用途

・化粧品や塗料の体質顔料
・触媒、吸着剤、イオン交換体などの環境浄化材料
・充填材(フィラー)、ガスバリア添加剤

  • 医療・福祉

11)カーボンナノチューブ上での骨細胞の分化誘導

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 教授 北村 進一

新技術の概要

水溶性キシランの濃度を高めていくとある濃度を境にしてCNTの溶解度が急速に低下する現象を見出した。これを利用すれば細胞培養用の器具にほぼCNTのみからなるCNT薄膜を形成することができ、可溶化剤等に影響を受けることなく細胞の増殖を促進し、あるいは幹細胞を分化させることができる。

従来技術・競合技術との比較

CNTの高度利用には可溶化・分散が不可欠であるが、今回発表の水溶性キシランは従来用いられる界面活性剤などに比べ、可溶化・分散化力が優れている。この多糖類は、人体及び自然に対して安全で、環境汚染物質にもならない素材である。

新技術の特徴

・製薬
・再生医療
・幹細胞の増殖

想定される用途

・再生医療機器
・帯電防止透明フィルム
・細胞培養の足場
・CNTの安全性評価サンプルの提供
・電磁波遮蔽フィルム

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
・展示品あり(帯電防止透明フィルム、培養細胞ディッシュ)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

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大阪市立大学 産学連携推進本部 新産業創生研究センター

TEL:06-6605-3550FAX:06-6605-3552
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URL:http://www.osaka-cu.ac.jp/
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