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静岡大学 新技術説明会

日時:2011年06月10日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)化学気相によるAlN単結晶微粒子の合成と応用

静岡大学 電子工学研究所 国際ナノビジョン研究推進センター 教授 原 和彦

新技術の概要

AlN粉末は、これまで電子素子の基板や高温・高耐食性構造材用セラミックスの原料に用いられてきた。本発明は単結晶のAlN粒子の製造を可能とするものであり、新たな応用の展開が期待される。

従来技術・競合技術との比較

現在AlN粉末は主に還元窒化法と燃焼法により製造されているが、これらにより得られる粒子は多結晶である。本発明は塩化アルミニウムを原料とする化学気相法により、単結晶のAlN微粒子の作製を達成した。

新技術の特徴

・単結晶のAlN微粒子を高い割合で含む粉末の製造方法
・六角柱または六角鼓状の対称性の高い粒子形状
・連続合成が可能な気相法をベースとした製造法であり、量産への応用が容易

想定される用途

・我々が提案するナノ構造埋込型蛍光体粒子のコア
・AlNを母体とする蛍光体
・大型単結晶育成用の種結晶

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 計測

2)シリコンプロセスで作る小型高精度磁気センサ

静岡大学 電子工学研究所 准教授 香川 景一郎

新技術の概要

CMOSチップに多数の微細センサを配置し、同一チップに集積化した回路により統計演算を行うことで、取得した磁界分布から角度を検出する。これにより、小型・高精度かつ耐環境性の高い磁気アブソリュートロータリエンコーダを実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来の光学式・磁気式ロータリエンコーダにおいて、高分解能のまま小型化するためには、検出ターゲットの微細化、小型・高感度のセンサ素子、高い組み立て精度などの問題があった。特に光学式は粉塵に弱く、耐環境性も課題であった。本技術は、これらの問題を解決する。

新技術の特徴

・小型・高精度かつ耐環境性の高い磁気アブソリュートロータリエンコーダ
・回転する磁石の作る磁界パターンから、回転の絶対角を高精度に計測
・CMOSチップに多数の微細センサを配置し、同一チップに集積化した回路により統計演算を行う

想定される用途

・車の電子制御
・ロボットのモータ制御
・産業機械のモータ制御(粉塵の多い環境)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 計測

3)インピーダンス変化型センサの無電源・ワイヤレス化

静岡大学 創造科学技術大学院 ナノマテリアル部門 教授 近藤 淳

新技術の概要

温度、湿度、圧力などをインピーダンスの変化として検出するセンサは我々の生活に欠かすことができない。これらはインピーダンス変化を、例えば電源を接続し電圧変化として測定する。本技術は、このようなインピーダンス変化型センサを無電源・ワイヤレス化し、かつシンプルな構成で直接インピーダンス変化を検出する手法である。本技術は、弾性表面波素子を利用することにより実現可能となる。

従来技術・競合技術との比較

センサネットワークやスマートグリッドにおけるセンサ部の無電源化が可能となる。このため、電池の廃棄による環境問題や省エネ化を解決することができる。弾性表面波素子とインピーダンス変化型センサの組合せにおける従来技術との差は、配線の引き回しを変更したことにある。このことにより、これまで問題であった共振現象を低減することができた。

新技術の特徴

・インピーダンス変化型センサの無電源・ワイヤレス化
・認識機能の付加による多点同時計測可能(センサネットワーク)
・簡単な回路構成でセンサネットワーク用センサの無電源化・省エネ化が可能

想定される用途

・センサネットワークやスマートグリッド用センサ
・遠隔地、人が入れない空間における環境センシング
・タイヤの空気圧センサ

  • 計測

4)非接触非破壊ハンディ型硬さ測定器

静岡大学 工学部 電気電子工学科 教授 犬塚 博

新技術の概要

我々は既に圧縮空気とレーザ非接触距離センサを組み合わせた手法で、接触針による硬度計と同程度の精度で硬さ測定が非接触でできることを確認している。さらに、ニーズが高い食品やゴム・プラスチックの硬度測定を行う実用的なその場測定が行えるハンディタイプの計測器を提案している。

従来技術・競合技術との比較

圧縮空気を使って測定対象を変形させて測定対象の圧力や硬さの情報を得る方法は眼圧測定器等で行われているが、ハンディ型(可搬型)非接触硬さ計測器を世界で初めて実現する。測定段取りは、より簡便になり、柔らかい測定対象物を固定しなくとも、無傷で速やにその柔らかさを測れる。

新技術の特徴

・非破壊で硬さを測定するので抽出検査ではなく全数検査が可能
・非接触で硬さを測定するので測定対象物に傷が付かない
・非接触で硬さを測定するので衛生的

想定される用途

・農産物の硬さ測定・歯応え保証・鮮度管理・食べ頃や出荷時期の見極め
・ゴムやプラスチックの経年劣化の見極め
・工業製品の硬さ管理

  • 機械

5)低電圧駆動と高分解能位置決めを実現するインチワーム機構

静岡大学 工学部 機械工学科 教授 大岩 孝彰

新技術の概要

低電圧で駆動できる電磁アクチュエータを用い、電流遮断時にも保持が可能なインチワームを開発した。変位縮小機構の縮小率を変化させることにより、粗動時の移動速度と微動時の位置決め分解能の向上を実現した。

従来技術・競合技術との比較

圧電素子を用いた従来のインチワーム機構では、高電圧駆動回路や電源遮断時のクランプ機構が必要であった。さらに位置決め分解能と移動速度を同時に高めるのは困難であった。本課題は以上の問題点を解決できる。

新技術の特徴

・圧電素子を用いずに高い位置決め分解能と高速位置決めを達成できる
・移動とクランプのためにそれぞれ1台の少ない台数のアンプで駆動できる。また電源遮断時もクランプが維持される
・電磁アクチュエータを用いるため低い電圧で駆動できる

想定される用途

・ポータブル機器の精密位置決め用アクチュエータ
・マイクロマシン用アクチュエータ
・細胞操作などのマイクロマニピュレータ用のアクチュエータ

  • 機械

6)AFMで観察しながら操作可能な力覚ナノマニピュレータの開発

静岡大学 工学部 機械工学科 教授 岩田 太

新技術の概要

AFMによるナノスケール微細加工や顕微解剖の様子をその場で観察しながらマニピュレーション操作が可能なシステムについて紹介する。ナノデバイス開発やバイオ分野など幅広い応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

走査型プローブ顕微鏡はこれまで微細加工に用いる場合、その過程を観察することができなかった。本技術は微細加工や顕微解剖における様子を観察しながら操作できる特徴を有する。

新技術の特徴

・走査型プローブ顕微鏡によるマニピュレーションをリアルタイム観察下で操作可能
・力覚フィードバックによりマニピュレーション中の力学的応答を指に感じながら操作可能
・大気中、液中、真空中での動作が可能であり、幅広い応用分野に期待

想定される用途

・微細デバイス加工、修復
・顕微解剖
・細胞操作、ナノサージェリー

  • 医療・福祉

7)人工内耳のための音楽作成方法

静岡大学 情報学部 情報科学科 教授 北澤 茂良

新技術の概要

人工内耳の装用者が、音楽などを楽しむ際に、人工内耳の蝸牛電極への信号を処理し、聴感を著しく改善した。歌の歌詞も音程を楽しむことができるように、音楽データを処理する音楽情報処理装置とシステム。

従来技術・競合技術との比較

①人工内耳の蝸牛電極への対応周波数に合致させた音階を生成することで、人工内耳装用者に音高を伝達する。電極の対応周波数に合致させた音階は、原曲の音程を変えることと、音楽理論に合致しないため、音痴気味に聴こえ、楽曲の生成には適していなかった。 ②原曲の主旋律の音程を保持しつつ電極の対応周波数に合致させた音階を生成することで、人工内耳装用者に音高を伝達する。電極の対応周波数に合致させた音階を用いるため、楽曲の生成には従来は不充分であった。

新技術の特徴

・楽曲が有する音程を維持した上で、できるだけ多くの音程が異なる電極を刺激するように移調する
・異なる音程が同一の電極に重なってしまった場合には最小の音程の移動で異なる電極に対応付ける
・異なる電極に対応付ける場合、電極間をまたがるように、隣り合う電極で音階が連続するように音階を定める

想定される用途

・人工内耳装用者のための楽曲集:日本の童謡130曲の編曲を試聴していただき好評価
・人工内耳装用者のための楽曲作成:人工内耳音階を用いた人工内耳装用者向けの新しい楽曲
・人工内耳の子供たちと共通に学べる曲集:先天聾の子供たちが楽しく学べる楽曲集

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

8)パワー/シグナル解析用高速回路/電磁界シミュレータ

静岡大学 工学部 システム工学科 教授 浅井 秀樹

新技術の概要

高周波帯での電子機器設計に対応可能な回路/電磁界シミュレーション技術を開発した。特に、電源/グラウンド・プレーンの高速ノイズ解析を可能としており、SPICE比で二桁の高速化を実現している。

従来技術・競合技術との比較

新しい解析手法に基づくシミュレーション・エンジンを実装しており、電源/グラウンド・プレーンを含む基板解析をSPICE比で二桁程度高速に実現できるシミュレータである。ハードウエア加速器(GPU等)の利用により、更に一桁以上の高速化が可能である。

新技術の特徴

・新しい解析アルゴリズムの実装によるシミュレーションの大幅な高速化
・電源/グラウンド・プレーン込みの電気回路シミュレーション
・ハードウエア加速器(GPU)上のでの高並列シミュレーション

想定される用途

・プリント板、パッケージのシミュレーション
・電子機器のノイズ最適化設計への利用
・三次元形状からなる構造物の電気的プロファイルの抽出

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

静岡大学 知的財産本部

TEL:053-478-1414FAX:053-478-1711
Mail:sangakucdアットマークadb.shizuoka.ac.jp
URL:http://www.cjr.shizuoka.ac.jp/intellectual/index.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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