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公立大学法人首都大学東京 新技術説明会

日時:2011年07月01日(金)

会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 機械

1)プラズマアクチュエーターによる気流制御

首都大学東京 大学院理工学研究科 機械工学専攻 准教授 小方 聡

新技術の概要

気流流れを制御するアクチュエータとして近年注目されている誘電体バリア放電プラズマアクチュエータに関して、印加電圧だけを変えることだけで誘起流の速度および方向を制御することを可能とした。

従来技術・競合技術との比較

従来のプラズマアクチュエータは一方向のみの表面に沿った気流しか発生させることが出来ず剥離制御に不向きであったが、本技術は表面からある程度離れた位置に気流を発生させることが出来、効果的な剥離制御が出来る。

新技術の特徴

・(流体を制御するアクチュエーターの中では)小型、軽量、安価、構造が単純である
・印加電圧の制御で流れの方向を変えることが出来るので、1つのアクチュエーターで吸い込みと吐き出しが可能
・空気流だけでなく、表面に空気イオン(特にオゾン)が発生

想定される用途

・翼などの剥離制御
・自動車などの空力性能向上
・渦発生の抑制 

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 環境

2)水質浄化・モニター用分子組織スライム(含ホウ素高分子ゲル)

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 教授 久保 由治

新技術の概要

理科教材で馴染みの深いスライム(含ホウ素高分子ゲル)を,分子組織化技術によって合目的に改変する。排水処理用重金属イオン吸着ゲルや重金属イオンモニター用蛍光性ゲルフィルムが提案される。

従来技術・競合技術との比較

ポリビニルアルコールに,架橋剤や重金属イオン結合剤としての機能性ボロン酸を温和な条件で組み込むことができる。多彩な機能性ボロン酸の選択により,用途に応じた水質浄化剤やモニター用ゲルフィルムが提供できる。

新技術の特徴

・回収用途に応じたボロン酸誘導体を容易に組み込むことができるので、汎用性の高い水質浄化剤を提供できる
・当該スライムは、その機能を維持したままフィルム化できる
・重金属イオン回収にとどまらず、放射性セシウムイオンやリン酸イオン類回収にも適用できる

想定される用途

・水質浄化剤
・排水に対するオンサイトモニター用ゲルフィルム
・放射性セシウムイオンやリン酸イオン類の回収処理剤

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

3)着座認証システム

産業技術大学院大学 産業技術研究科 創造技術専攻 准教授 越水 重臣

新技術の概要

座席に人が着座したときに得られる座面圧力分布より、本人認証する技術を発明した。座席に座るだけなのでユーザーに負荷をかけることなく認証することができる。車の運転座席におけるドライバー認証などへの応用を想定している。

従来技術・競合技術との比較

本人認証の方法として、「知識認証」「所有物認証」「生体認証」がある。知識認証と所有物認証は、紛失やなりすましの危険性がある。生体認証は、ユーザーに物理的・心理的な負担をかけることが多い。本技術は、ユーザーに負担をかけることなく、高い認証率を実現した。

新技術の特徴

・認証時にユーザーの負荷が小さい
・周囲環境の明るさ、騒音やセンサ面の汚れなどの影響を受けにくくロバストな技術と言える
・自然に立った状態で計測される「足裏の圧力分布」を用いても本人認証ができる

想定される用途

・自動車のドライバー識別に着座認証を応用することで、盗難防止に役立てることができる
・オフィスにおいて着座認証を応用することで、PCのオートログインなどの用途が想定できる
・座面圧力分布による認証はソフトバイオメトリクスと呼ばれ、他の認証方式を組み合わせて使用してもよい

  • 医療・福祉

4)乳児・高齢者のための小型レーダーを用いた安否モニター

首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 経営システムデザイン学域 教授 松井 岳巳

新技術の概要

人体にやさしい小電力のマイクロ波レーダーを使用して、乳児や高齢者を対象とした非接触かつ非拘束な呼吸・心拍数モニタリングシステムを開発した。寝具用マットレスの下部に2つの小電力マイクロ波レーダー装置を設置し、呼吸・心拍に伴う体表面の微振動を計測する.得られた波形を信号処理し、呼吸と心拍をモニターすることにより安否確認を行う。

従来技術・競合技術との比較

本システムは既に特別養護老人ホームで試験運用している。圧電体を用いたマットによる安否モニターでは、体が完全にマットに接触している必要があり、乳児では事故も起きている。本システムでは、マットレスの下に小型レーダーを設置しており、はじめから体との接触を必要としていない。本システムは、安否確認に加え、体動モニター、さらに心拍数振動指標による自律神経活性モニターに応用できる可能性がある。

新技術の特徴

・非接触
・安全
・低コスト

想定される用途

・乳児の安否モニター
・高齢者の安否モニター
・高齢者の体動モニター

  • 材料

5)エタノールを原料にアセトアルデヒドと酢酸をつくり分ける触媒

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授 武井 孝

新技術の概要

触媒の種類と反応温度を制御することで気相エタノールから、酸素を酸化剤として常圧において140℃-280℃で、アセトアルデヒドあるいは酢酸を高い収率で得ることができる技術。バイオエタノールの利用や脱石油原料を視野に入れた技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来、アセトアルデヒドと酢酸は石油資源由来のエチレンの酸化によって生産されているが、塩素系副生物の発生、容器の腐食(強酸性反応条件)、高圧反応であるなどの課題がある。本技術は、脱石油資源、温和な反応条件、副生物がほとんどないという利点を持つ。

新技術の特徴

・脱石油資源
・エコ反応
・バイオエタノールの利用

想定される用途

・アセトアルデヒド製造
・酢酸製造
・VOC分解

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

6)金属型単層カーボンナノチューブを用いたレアメタルフリーの画像素子開発

首都大学東京 大学院理工学研究科 物理学専攻 准教授 柳 和宏

新技術の概要

単層カーボンナノチューブを高純度で分離精製すると、その電子構造に由来した鮮やかな色を示す。本研究では、金属型単層カーボンナノチューブの、良導電性、発色性、ドーピング特性、を利用することでレアメタルフリーで色制御が可能な画像素子のモデル開発を行った。

従来技術・競合技術との比較

従来のエレクトロクロミック素子は、ITOといったレアメタルの使用がある。しかし、本開発では、発色要素と配線に金属型単層カーボンナノチューブを用いることで、レアメタルフリーの画像素子となっており、ポリマー系と比較してカーボン系に由来する高寿命という特徴を備える。

新技術の特徴

・レアメタルフリー
・全カーボンデバイス
・色変化

想定される用途

・電子ペーパー
・ディスプレイ
・キャパシタ

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

7)触覚をインタラクティブに表示できる触視覚ディスプレイの開発

首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 インダストリアルアート学域 教授 串山 久美子

新技術の概要

従来技術である視覚のみ触覚のみのディスプレイに対し、本技術では、表示部材の表示面を触ることによって、視覚情報に適した冷温覚表示や硬軟表示を視覚と同一箇所に表現を感受することができるディスプレイ装置を提供できる。

従来技術・競合技術との比較

競合技術である【特開2005-234881】、【特開2003-91233】は冷温感覚の表示はできるものの、視覚によって感受できる表示部分と温感提示部が別の箇所にあり、本発明が目的としている両機能が同一箇所で可能なことに比較して劣る。また【特開平11-156062】は加熱または冷却部によりパネルの画像形成をするもので、冷温感覚の表現を提示するものでなく、目的効果が異なる。

新技術の特徴

・リハビリテーション、アクセスブルデザイン
・理科教材
・触覚コミュニケーションボード

想定される用途

・デジタルサイネージ
・福祉リハビリ機器・幼児知能開発
・ゲーム

関連情報

・デモ可能

  • 製造技術

8)非極性溶媒を利用した低極性分子質量分析法

首都大学東京 大学院理工学研究科 分子物質化学専攻 助教・科学技術振興機構(さきがけ) 高見澤 淳

新技術の概要

本技術は質量分析法において特に測定するのが困難だとされる炭化水素化合物等の低極性分子を溶液試料とし、イオン化する方法である。溶媒には非極性溶媒を利用し、特殊なカチオン化剤を用いて目的イオンを非破壊で生成する。

従来技術・競合技術との比較

エレクトロスプレー等の競合技術は主に極性分子をイオン化する方法であり、低極性分子を非破壊でイオン化する方法は皆無に等しいが揮発性の高いジクロロメタン等の利用により電圧を印加せずに非常にソフトなイオン化が可能となる。

新技術の特徴

・非極性分子利用により低極性分子を溶解させることが可能→液体クロマトグラフィーとの接続可能
・特殊なカチオン化剤使用により炭化水素等の非極性分子にカチオン付加が可能
・電圧印加等の物理的衝撃がないために非常にソフトなイオン化が可能→熱不安定分子分析

想定される用途

・農薬等環境影響物質の非破壊測定
・原油等低極性分子混合物の成分分析
・食料品等の非破壊成分分析

  • 製造技術

9)電磁圧接によるアルミニウム薄板の金属円筒表面への接合

東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科 電気電子工学コース 教授 岡川 啓悟

新技術の概要

金属薄板同士の電磁圧接は、放電回路内の平板状ワンターンコイル上面に置かれた二枚の金属薄板を固定して行われる。新技術は、円形状の金属表面への平板状の金属薄板の重ね接合に際し、円形状金属と金属薄板の固定法に関するものである。これにより、大きな電磁力を衝突面に作用させ、両金属を強固に接合する。

従来技術・競合技術との比較

電磁圧接は固相接合法であり、適切な回路条件などで得られた電磁圧接板は接合部のはく離でなく、母材で破断する引張せん断強さを持っている。また、約200℃の温間でも母材破断する。原理的にシーム接合に適しており、大きな引張せん断強さと低い接合抵抗の圧接板が得られる。

新技術の特徴

・一方が円形状金属で他方が平板状の金属薄板のシーム接合
・大きな引張せん断強さを必要とするシーム接合部
・低い接合抵抗を必要とするシーム接合部

想定される用途

・円筒状金属構造物の腐食防止を目的とした犠牲防食板のシーム接合
・銅やアルミニウムなどの導電材料を使用し、かつ電気電子回路の一部として接合部に電流が流れる接続板
・薄いめっき材へのシーム接合

  • 材料

10)高安全性リチウム二次電池用セパレータ

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 教授 金村 聖志

新技術の概要

三次元的に規則化された細孔を有するセパレータを用いることで、これまで使用することができないとされてきたリチウム金属負極の使用を可能した。このセパレータを用いることで、リチウムイオン電池におけるリチウム金属析出時の安全性低下の問題点を飛躍的に解決できる。

従来技術・競合技術との比較

ポリオレフィン系の微多孔膜や不織布がセパレータの素材として使用されてきたが、これまでのセパレータの構造ではリチウム金属に対する耐性がない。そのため、リチウムイオン電池に使用できてもリチウム金属負極を用いることができない。また、電池の安全性担保も完全ではない。

新技術の特徴

・構造が規則化されたセパレータを提供している
・細孔の構造制御を行うことで目的に応じた膜を作製できる
・どのようなポリマーでも応用可能である

想定される用途

・電池用セパレータ
・分離膜
・多孔質膜応用全般

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

公立大学法人首都大学東京 産学公連携センター 連携担当

TEL:042-677-2727FAX:042-677-5640
Mail:info-chizaiアットマークcc.tmit.ac.jp
URL:http://www.tokyo-sangaku.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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