東海国立3大学 新技術説明会(2)
日時:2011年05月27日(金)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 医療・福祉
1)歯科パノラマエックス線写真におけるコンピュータ診断支援システム
岐阜大学 大学院医学系研究科 再生医科学専攻知能イメージ情報分野 教授 藤田 廣志
新技術の概要
本技術は、過去に撮影したパノラマエックス線写真との類似性に基づいて検査対象画像の撮影の適切性と疾病のリスクを推定する機能を有し、さらに、人体解剖の位置に関する関心領域を自動的に規定する機能を有する。
従来技術・競合技術との比較
歯科パノラマエックス線写真の撮影の適切性をコンピュータで定量的に評価する技術は、これまで提案されていない。また、歯科パノラマエックス線写真における診断支援の従来技術は、関心領域を手動で入力する必要があった。本技術は、関心領域を自動的に規定する機能を有するため、全自動で病変の検出が可能である。
新技術の特徴
・下顎骨の輪郭に基づく類似画像検索技術
・画像データベースとの照合により、検査対象画像の撮影の適切性と疾病のリスクを評価
・類似画像検索技術を利用した関心領域の自動規定
想定される用途
・エックス線写真の撮影における適切性の評価
・歯科パノラマエックス線写真を用いたコンピュータ解析に基づく疾病のスクリーニング
・下顎骨の輪郭の評価
- アグリ・バイオ
2)キンギョを用いた新しい抗体生産系の開発
三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 准教授 田丸 浩
新技術の概要
魚類はマウスなどの免疫哺乳動物では作製が困難なGPCRなどの創薬標的となる膜タンパク質に対する抗体を作製することができる。そこで今回は、キンギョ(水泡眼)を用いた新しい抗体生産系を開発した。
従来技術・競合技術との比較
これまでゼブラフィッシュなどの小型魚類を用いた抗体生産系を開発してきたが、キンギョ(水泡眼)を抗体生産に用いることで簡便に免疫することができ、より多くの抗体を調製することが可能になった。
新技術の特徴
・キンギョ(水泡眼)
・抗体生産
・バイオテクノロジー
想定される用途
・検査用抗体
・研究用抗体
・機能回復やリハビリテーション訓練
・抗体医薬
- 医療・福祉
3)心拍変動を指標とする敗血症発症の検知
岐阜大学 工学部 応用情報学科 教授 横田 康成
新技術の概要
心電図から得られる心拍間隔データ列から、異常心拍、トレンドを自動的に除去する方法、及び前記手法を利用した自律神経モニタ装置並びに敗血症モニタ装置を提供する。
従来技術・競合技術との比較
自律神経由来の心拍変動は正規分布に従っていると仮定し、心電図データのRR間隔の時系列データから異常心拍とトレンドを除去する際、除去後の確率密度分布が正規分布に近くなるように除去し、HRVを算出することを特徴とする。
新技術の特徴
・統計的立場からの異常値の判定、および除去
・ホルター心拍変動計
・音声認識における突発雑音の除去
想定される用途
・心拍間隔データ列から、異常心拍とトレンドを自動的に除去する方法
・自律神経モニタ装置
・敗血症発症の兆候を捉える敗血症モニタ装置
- 創薬
4)メタボの新たな創薬ターゲットを提供するモデルマウス
三重大学 医学部大学院医学系研究科 機能プロテオミクス 助教 大隈 貞嗣
新技術の概要
発生工学を用いて血管血球系のシグナル伝達分子を特異的に抑制し、高脂肪食による肥満と高血糖およびインスリン耐性が抑制されるモデルマウスを作製した。
従来技術・競合技術との比較
高血糖やインスリン耐性が抑制されるモデルマウスはいくつか知られているが、肥満が同時に抑制されるものは少ない。また、改変部位が血管血球系である点も、メタボリックシンドローム治療の観点から有用である。
新技術の特徴
・マウス個体において、肥満と高血糖が顕著に抑制される
・血管血球系におけるシグナル伝達分子を特異的に抑制している
・慢性炎症系の抑制が効果を生んでいると考えられる
想定される用途
・メタボリックシンドローム治療のための創薬ターゲット探索
・メタボリックシンドローム予防診断のためのバイオマーカー
・肥満予防、治療のための健康食品スクリーニング
- アグリ・バイオ
5)薬物代謝の解明を目的とする生体高分子の簡易PETラベル化法
岐阜大学 工学部 生命工学科 教授 北出 幸夫
新技術の概要
本発明は、医薬品や生体分子などのアミノ基やチオール基の修飾剤として利用可能なエチニル基を含有する環状イミド化合物であり、これでプローブ化した分子と環状付加反応することでPETラベル化が容易に進行し、薬物代謝などの解明に使用出来る。
従来技術・競合技術との比較
抗体などの生体高分子のPETラベル化は従来容易ではなかったが、この試薬を用いれば生体高分子等のエチニル化が容易でき、更に18FなどでPET標識化されたアジド誘導体との間で容易に高速クリック反応が進行し、タンパクの高次構造を破壊することなくPETラベル体に変換することが出来る。
新技術の特徴
・タンパク質などの生体高分子の蛍光ラベル化が容易
・医薬品候補物質の体内動態の解析に利用可能
・遺伝子などの蛍光レベル化が容易にでき、遺伝子検査などに利用可能
想定される用途
・抗体医薬のPET標識化により薬物動態の解析
・生体高分子の各種標識化
・医薬品候補物質の体内動態解析
関連情報
・サンプルの提供可能
- アグリ・バイオ
6)植物土壌病害防除
三重大学 大学院地域イノベーション学研究科 地域イノベーション学専攻 教授 苅田 修一
従来技術・競合技術との比較
太陽熱消毒は天候に左右されるため、安定的な効果が得られにくい。土壌燻蒸剤は毒性が高いため環境面や安全性の面で問題が多い。熱水土壌消毒は、土壌の透水性や圃場の勾配に、消毒効果が左右されるために汎用性が低く、水や燃料コストがかかるという問題もあり普及が進んでいない。
新技術の特徴
・植物病害菌に対する耐病性の付与
・植物の活性化
想定される用途
・植物の病害に対する抵抗性の付与
関連情報
・サンプルの提供可能
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
名古屋工業大学 産学官連携センター
TEL:052-735-5627FAX:052-735-5542Mail:c-soccadm.nitech.ac.jp
URL:http://www.tic.nitech.ac.jp/
三重大学 知的財産統括室
TEL:059-231-5495FAX:059-231-5495Mail:chizai-mipcrc.mie-u.ac.jp
URL:http://www.crc.mie-u.ac.jp/chizai/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp