豊橋技術科学大学 新技術説明会
日時:2011年07月12日(火)
会場:科学技術振興機構 JSTホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- エネルギー
1)風力発電ブレードの避雷方法
松江工業高等専門学校 電気工学科 准教授 箕田 充志
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学専攻 教授 長尾 雅行
新技術の概要
大型風力のブレード表面の沿面放電特性を利用し、高い確率で雷をブレードに設けられた受雷部へと導く方法を検討した。
従来技術・競合技術との比較
従来の発明はブレード表面へ金属を設け落雷の受雷面積を増やす方式であるがブレード重量の増加や加工の観点から実施が困難である。本発明は沿面放電を利用することで落雷を導くものであり施工コストの低減が期待できる。
新技術の特徴
・風力発電装置のブレードへの落雷を受電部へ誘導可能
・大型風力発電装置への落雷防止を低コストで実現
・沿面放電を応用した電気エネルギー利用
想定される用途
・風力発電装置(自然エネルギー)
・電気絶縁システム
・電子回路設計
- 創薬
2)ヒト血清中で分解されにくい天然型RNA配列
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 環境・生命工学専攻 助教 梅影 創
新技術の概要
ヒト血清中において分解されにくい天然型ヌクレオチドから構成されるRNA配列を提供する。また、テロメラーゼRNAの不活化能を付与させた形態での提供も可能である。
従来技術・競合技術との比較
通常の天然型RNAはヒト血清中において安定に存在させることはできない。今回提供するRNAは天然型であるにもかかわらず、ヒト血清中において少なくとも1時間は分解されない。
新技術の特徴
・ヌクレアーゼ耐性な天然型RNA配列
・テロメラーゼRNAを切断する機能の付与が可能
・分解されては困るRNAの保護剤としての使用(RNAの耐分解性向上)
想定される用途
・癌細胞を標的としたRNA薬剤
・ドラッグデリバリー用添加剤
・RNA薬剤の保護剤
- デバイス・装置
3)サブ波長格子を用いたMEMS/NEMS可変カラーフィルタ
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学専攻 助教 高橋 一浩
新技術の概要
本研究ではサブ波長格子に機械的変位を加えることにより、反射・透過光の波長を変化させる可変カラーフィルタを提案している。シリコンウェハ上にサブ波長格子と静電駆動NEMSアクチュエータを一体化したデバイスを作製し、構造色の変化を確認した。
従来技術・競合技術との比較
従来の静電アクチュエータと比較し、有効エリアが格段に大きく理想的なフィルファクタは60%が見込め、駆動電圧は10V以下で動作させることができ、共振周波数も300?500 kHz程度の高速動作が可能である。本研究ではすでに世界に先駆けて、構造色を可変とするナノメカニカル素子と集積回路の一体化に成功している。
新技術の特徴
・低電圧駆動のため標準MOSとの一体化が可能
・色素に由来しない発色機構を利用した可変フィルタ
・構造の周期、屈折率に依存した高い波長選択性
想定される用途
・ディスプレイ
・光通信
・蛍光フィルタ(バイオイメージング)
- 機械
4)産業機械・ロボットシステムの省エネルギー化と制振制御技術
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授 内山 直樹
新技術の概要
多くの産業機械装置は単純な動作軌道(台形・S字加減速軌道)により駆動されるが、このような装置を対象とした省エネルギー化および制振制御技術である。市販の自動搬送装置に応用した結果、約28%の省電力効果と制振性能の改善が確認された。
従来技術・競合技術との比較
従来の制御技術では任意の動作軌道の実装や力・トルク指令が可能な制御装置を必要とするため、応用可能な装置が限定されていた。本技術では、単純な動作軌道(台形・S字加減速軌道)により省エネルギー化および制振性能が向上でき、多くの装置へ応用可能である。
新技術の特徴
・単純な動作軌道(台形・S字加減速軌道)を用いて産業機械装置の省エネルギー化・制振が可能である
・機械系の基本的な運動方程式に基づく方法のため、多くの産業機械装置、ロボットシステム、移動装置に応用できる
・市販の自動搬送装置に応用し、大きな省電力効果・制振性能を確認している
想定される用途
・自動搬送装置
・ロボットシステム
・工作機械装置
- 材料
5)ナノ複合粒子を安価で大量に製造できる連続装置の提案
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学専攻 准教授 武藤 浩行
新技術の概要
粒子表面の静電相互作用を利用し、ナノ・ミクロサイズの微粒子を複合化する装置、および量産方法を提案した。従来法のような機械的混合装置を用いず、溶液中で連続的に微粒子表面の電位制御を可能としたため、ナノ複合粒子を連続的に製造でき、量産が可能となる。
従来技術・競合技術との比較
複合粒子の製造法として知られる機械的衝撃を利用した方法は、特別な装置が必要となること、またバッチ処理であるために大量生産に不向きである。提案する手法では、特別な装置を用いずに室温、常圧で材料種の制限無く大量の複合粒子を連続的に作製できる利点がある。
新技術の特徴
・室温・常圧にて大量の複合粒子を作製できる
・溶液中の処理であるため医薬品・食品等への安全面が重視される分野へも適用可能
・特別な装置を導入する必要が無く初期投資が安価
想定される用途
・医薬品・食品類の複合粒子製造
・電気、化学メーカー向けの機能性複合粒子の製造
・攪拌、混合装置製造メーカーによる製造装置の開発
関連情報
・製造装置の共同開発
- デバイス・装置
6)フィルタレス多波長ワンチップイメージセンサ
豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 電気・電子情報工学専攻 教授 若原 昭浩
新技術の概要
ワイドギャップ半導体による紫外線などの高エネルギーフォトン検出アレイをSiイメージセンサと一体化することで、ワンチップの多波長イメージセンサを実現する。
従来技術・競合技術との比較
Si-CMOS技術と化合物半導体光検出を組み合わせることで、高感度かつ小占有面積の高エネルギーフォトンと可視光を同時に検出を可能とする。
新技術の特徴
・紫外線イメージと可視光のイメージが同時に取得可能
・低消費電力
・小型
・量産化容易
・高信頼性
想定される用途
・火炎イメージと可視光イメージ同時検出による屋外・広域火災監視システム
・水素火災検知器
・放射線と可視光イメージ同時検出による放射線汚染検出カメラ
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