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山口大学発 新技術説明会

日時:2012年03月09日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)スマートフォンを用いた果樹における樹体生産力の推定技術の開発

山口大学 農学部 生物資源環境科学科 教授 山本 晴彦

新技術の概要

カメラ付き携帯電話「スマートフォン」を用いて、ブドウやキウイフルーツなどの棚仕立て落葉果樹のデジタル画像から、瞬時に葉の茂り具合、果実量、枝梢量を表示して、樹木生産力の見える化(可視化)を行い、篤農家(熟練技術を持つ農家)と同レベルの診断エキスパートシステムとして提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来の光学的樹体構造測定装置による高価な推定法と比較して、安価なカメラ付き携帯電話(スマートフォン)を用いて魚眼レンズを装着した撮影装置からの画像データから演算処理により樹体総葉面積を求める手法であるため、高精度で推定誤差は±10%である。

新技術の特徴

・市販のカメラ付き携帯電話(スマートフォン)を利用するため安価
・樹体生産能力(葉面積、葉面積密度、樹冠体積)を高精度推定(誤差±10%)
・魚眼レンズを装着した撮影装置からの画像データから演算処理により樹体総葉面積を推定

想定される用途

・ブドウ、ナシ、キウイフルーツなどの棚仕立て落葉果樹の収穫量・品質の向上、篤農家の技能伝承ツールの利用による新規参入者・後継者にも早期に安定した高品質果実生産の実現
・他の作物種、植物種でも利用可能
・都市街区における開空度の簡易・迅速測定による建物密集度分析への展開

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

2)画像を用いた培養細胞塊の非破壊定量評価技術

山口大学 農学部 生物資源環境科学科 教授 荊木 康臣

新技術の概要

本技術は、培地上の植物培養細胞塊(カルス)の状態(friable or compact)を、非破壊的かつ定量的に評価することを可能にする画像解析法と画像取得法(装置)からなる。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、培養器外から、培地上の細胞塊のmacroscopic画像を取得し、その画像から細胞塊の情報を取得するもので、サンプリングや煩雑な作業を必要とせず、rouitne workでの定量的な評価が可能となる。

新技術の特徴

・透明容器内に入った物体のテクスチャ評価
・結露が問題となる容器内の物体の評価

想定される用途

・苗生産のための植物細胞培養系の維持管理
・有用物質生産のための植物細胞培養系の維持管理
・質の評価に基づく細胞培養系の増殖(生産)効率化

  • エネルギー

3)フレキシブル太陽電池向け微結晶シリコン薄膜の低温成長

山口大学 工学部 電気電子工学科 技術専門職員 河本 直哉

新技術の概要

フレキシブル基板上の高効率なタンデム、もしくはハイブリッドSi系太陽電池の実現のため、可視、及び紫外レーザを用いて高品質な微結晶シリコン薄膜を非真空中において低温結晶成長させる技術である。

従来技術・競合技術との比較

新技術により、従来より用いられてきた熱には強いが比較的高価なポリイミドに比べ、熱には弱いが遥かに安価なエンジニアリングプラスチック基板上に高効率太陽電池の形成が可能とした。

新技術の特徴

・真空を使わないプロセス、エンジニアプラスチック基板が使えることから、安価にフレキシブル太陽電池の形成が可能
・タンデムやハイブリッドとすることで高効率なフレキシブル太陽電池が期待される
・太陽電池パネル内にICやLSIなどを直接形成が可能なため、スマートグリッド等に付加装置なしで対応可能
・CIGS系等の他の薄膜系太陽電池への展開も可能

想定される用途

・建築基準法準拠ポリカーボネート製屋根材(カーポートやアーケード)等への太陽電池直接作製
・災害時等の非常電源用太陽電池
・精密機器や家電製品への組み込み用太陽電池

  • エネルギー

4)安全かつ高機能な二次電池用ポリマーゲル電解質の開発

山口大学 大学院理工学研究科 物質工学専攻 助教 山吹 一大

新技術の概要

包接構造を有する新規ネットワークポリマーを用いて調製したポリマーゲル電解質は、従来より少ない電解液使用量(ポリマー重量:電解液重量=1:1.5)で、高いイオン伝導度を示した(1.01×10-3S/cm(50℃))。

従来技術・競合技術との比較

既存のポリマーゲル電解質の電解液使用量はポリマー重量に対して5?10倍である。本技術では使用する電解液量を最小限に抑えた状態でも高いイオン伝導度を示すため、電池からの液漏れの危険性を著しく低減できる。

新技術の特徴

・ネットワークポリマーの簡便な合成法
・稼動範囲が広くて安定な架橋点
・接着性・密着性の高い薄膜

想定される用途

・電気自動車用二次電池
・住居用蓄電池
・PC・携帯電話等の小型リチウムイオン二次電池

関連情報

・講演後に希望があれば合成したネットワークポリマーをお見せします

  • 材料

5)ダイヤモンドライクカーボン(DLC)をベースとした半導体および導電性薄膜材料

山口大学 大学院 理工学研究科 環境共生系専攻 准教授 本多 謙介

新技術の概要

炭素ベースの不導体であるDLCにホウ素、窒素などのドーパントを添加することで、DLC本来の高硬度や耐摩耗性など優れた機械的性質を損なうことなく、導電性を自在にコントロール可能な新しい導電性炭素材料の創製に成功した。また、シリコン添加により光学ギャップも制御可能であり、太陽電池などの光電変換デバイスへ応用可能な新しい半導体薄膜である。

従来技術・競合技術との比較

導電性DLCは、電気化学電極として用いると、水電解による酸素・水素発生反応が起きにくく、理想的な分極特性を示す。この特性で有名な電極材料として、導電性ダイヤモンドがあるが、成膜時間が非常に長い、成膜可能な基板がSi等数種に限られる、等の課題がある。それに対して、導電性DLCは、アルミナやPET表面など、種々の基板に短時間(数10分)で分極特性を与えられる低コストな薄膜である。

新技術の特徴

・高い物理的・化学的安定性と高い導電性を兼ね備え、光学ギャップを1.8~0.5 eVに自在にコントロール可能なアモルファス半導体薄膜

想定される用途

・電気化学電極材料(電気化学センサー、レドックスフロー電池用電極材料)
・太陽電池用半導体材料
・コンデンサー材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・当日サンプル展示予定

  • エネルギー

6)電界紡糸法による極細無機繊維の調製とそのエネルギー貯蔵デバイスへの応用

山口大学 大学院 医学系研究科(工学系) 応用分子生命科学専攻 教授 堤 宏守

新技術の概要

電界紡糸法と他の手法(例:無電解めっき等)を組み合わせることで、材質や、中空など、形状に特徴のある繊維径20μm~100nmの極細無機繊維を調製する技術であり、硫黄、各種金属(Ni、Cu等)、各種金属酸化物からなる極細無機繊維が調製可能。

従来技術・競合技術との比較

中空形状の繊維も作成可能であり、比表面積を有する極細無機繊維(酸化ニッケル極細中空繊維、極細硫黄繊維等)からなる不織布も作製可能である。そのまま電極に用いることができるため、エネルギー貯蔵に寄与しない結着剤などの添加が不要。

新技術の特徴

・多くの種類の金属に対応可能
・微粒子のような凝集が起こりにくく、高比表面積を安定に保持可能
・長尺方向の長さは無制限

想定される用途

・高容量電池あるいはキャパシタ用電極材料
・触媒あるいは触媒担体
・各種フィルター用材料

  • アグリ・バイオ

7)機能性色素の開発につながるアズレン系ホウ酸試薬

山口大学 大学院医学系研究科(理学系) 応用分子生命科学系専攻 教授 村藤 俊宏

新技術の概要

アズレンやグアイアズレンから成る有機ホウ酸試薬を開発した。この試薬は、クロスカップリングなどの変換反応を経てさまざまな呈色化合物へ誘導できるため、工業用色素や有機半導体の原料など、アズレンの多彩な発色性を活かした機能性色素の原料になり得る。

従来技術・競合技術との比較

クロスカップリングの手法を用いてアズレンのさまざまな誘導体を簡便に合成する手法を新規に開発した。アズレンはそれ自体が発色団であるので、幾つかの官能基を付与する事で様々な新規呈色材料に展開できる。また、出発材料のグアイアズレンはアズレン系の中でも安価である。

新技術の特徴

・新しい食用色素(薬理活性があり人体への害がないため)
・医療品、化粧品の着色
・玩具、おもちゃ、ポリマー、プラスチック、樹脂などの着色料

想定される用途

・工業用色素の原料、顔料
・有機半導体の原料
・精油や医薬の原料 抗菌剤

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 情報

8)先端情報処理技術を用いた外観品質検査の自動化技術

山口大学 大学院理工学研究科 環境共生系専攻 准教授 河村 圭

新技術の概要

目視外観検査の分野では、検査者の熟練が要求される例が多い。本技術は、目視外観検査に代わる新しい自動検査装置の構築また既存装置の精度向上を支援するものである。画像センサを利用した外観検査装置の開発では、ライティング手法および画像処理アルゴリズムの設計が精度やコストへ大きく影響し、時間を要する作業である。本技術は、特に、画像処理アルゴリズムの合理的な設計を可能とするものである。

従来技術・競合技術との比較

外観検査装置は、技術者の経験や勘を頼りとして試行錯誤的に設計されてきた。これに対して、本技術では、検査対象欠陥を検出するための高精度な画像処理アルゴリズム(画像処理手順やパラメータ調整)の決定を、客観的かつ高速に分析することができ、効率的な外観検査装置の設計および改善を可能とする。

新技術の特徴

・熟練(画像処理の知識・ノウハウ)を要せずに、検査対象欠陥の検出手法が検討できる
・画像処理パラメータの試行錯誤的な検討が不要となり、大幅な時間短縮が期待できる
・画像処理パラメータの有効範囲が明示でき、現場での調整が容易となる

想定される用途

・画像検査を高精度化させ、外観品質特性の検査精度を向上させる(外観検査の効率化・製品の外観品質の向上)
・限度見本を基にした外観品質検査を自動化する。ライティング手法から画像処理アルゴリズムまで一貫した装置の検討ができる
・検査機器の画像処理パラメータ調整範囲を特定する

  • 通信

9)IEEE802.11やFeliCa等の汎用無線技術を用いた被災情報提供システムの開発

山口大学 大学院理工学研究科 自然科学基盤系専攻 教授 松野 浩嗣

新技術の概要

安否情報や被災情報を避難所間で共有し、さらに対策本部に伝えることで適切な指示が出せるようにするためのシステムを無線LANやRFIDなどの技術を用いて開発した。地元地域での実証実験により、提案するシステムの有用性を確認中である。

従来技術・競合技術との比較

IEEE802.11やFeliCaなどの汎用技術を積極的に使うため安価であり、地震等でダメージを受けてもすぐに回復が可能なシステムとなっている。インターネットと同じ技術のため、音声や画像情報伝送を含むアプリの開発が容易であり、さらにGIS等の既存システムとの連携も可能である。

新技術の特徴

・中山間地域における安価な情報伝達システム
・観光地などでのローカル情報の発信システム
・サルやイノシシなどの行動のモニタリング(RFIDタグの装着と無線LANによる行動情報伝送)

想定される用途

・被災後の安否情報の伝達と共有
・避難所の状況のデータをきめ細かく伝達でき、必要な物資を無駄なく効率的に配送するシステムの確立など
・平常時における地域のコミュニティ情報の伝達と共有

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

山口大学 産学公連携・イノベーション推進機構

TEL:0836-85-9961 FAX:0836-85-9962
Mail:yuicアットマークyamaguchi-u.ac.jp
URL:http://www.sangaku.yamaguchi-u.ac.jp/
新技術説明会について

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