秋田産学官共同研究拠点センター 新技術説明会
日時:2012年11月06日(火)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 環境
1)草本系バイオマスを用いた新しい窒素除去技術の開発
秋田工業高等専門学校 環境都市工学科 准教授 金 主鉉
新技術の概要
アルカリ処理を行った草本系バイオマスは、生物学的な窒素除去に不可欠な炭素源、リン源、さらに生物付着担体として機能し、地下水や埋立地浸出水の窒素除去に活用できることを確認した。
従来技術・競合技術との比較
カーボン・ニュートラルな草本系バイオマスを担体として反応槽に充填し、易分解性有機物やリン酸態リンを供給することにより、窒素除去におけるコスト削減とCO2排出の軽減が可能となる。また、薬注タンクが要らないため、水処理設備がコンパクトになる。
新技術の特徴
・草本系バイオマスをアルカリ処理し、脱リグニンを行う
・アルカリ処理を行った草本系バイオマスは、窒素除去のための炭素源・リン源としての機能性担体となる
・カーボン・ニュートラルな草本系バイオマスを用いることでCO2排出の削減や資源循環に貢献できる
想定される用途
・硝酸汚染地下水の浄化
・埋立地浸出水の窒素除去
・脱窒用付着担体
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり(草本系バイオマス担体をお見せします)
- 環境
2)レアメタル選択的抽出能を有する抽出剤の研究開発
秋田大学 大学院工学資源学研究科 生命科学専攻 講師 近藤 良彦
新技術の概要
架橋部位に硫黄を有する環状化合物(チアカリックスアレーン)は金属イオンとの親和性が高い特徴がある。本技術はこれを利用したレアメタル選択的抽出能力を有する新規抽出剤の研究開発を行った。
従来技術・競合技術との比較
従来の金属抽出剤では効率よく、高選択的に特定のレアメタル等を分離精製することは困難である。本抽出剤は特徴ある構造(環状構造)を有した、高効率・高選択的にレアメタルを分離できる抽出剤である。
新技術の特徴
・レアメタル高選択性
・高効率抽出特性
・環状構造抽出剤
想定される用途
・金属リサイクル
・環境浄化
・金属資源有効活用
関連情報
・外国出願特許あり
- 製造技術
3)複合材料化した微小試験片による金属間化合物の変形特性評価法の開発
秋田大学 大学院工学資源学研究科 材料工学専攻 准教授 大口 健一
新技術の概要
本技術は、同心円状のCu/Sn系金属間化合物層を試験部に有する複合材料型の微小はんだ試験片を作製する方法と、複合則を応用した試験データ処理方法からなる。これらを組み合わせることにより、2種類の金属間化合物、Cu3SnとCu6Sn5の引張変形特性の評価が可能となった。
従来技術・競合技術との比較
これまでに、曲げ試験やインデンテーション試験でCu/Sn系金属間化合物の変形特性を調査する方法は提案されている。しかし、これらの方法では電子パッケージの設計において必須となる引張変形特性を調査することはできない。本技術はこれを可能とすることから、従来技術に対して大きなアドバンテージをもつといえる。
新技術の特徴
・特別な装置を使用することなく、金属間化合物の引張特性評価用の試験片を作製することが可能である
・試験片がドッグボーン形状であることから、引張・圧縮繰返し負荷による疲労試験の実施も可能である
・変形特性を表すパラメータを未知変数とする連立方程式を導出し、これを解くことで変形特性を評価する
想定される用途
・Cu/Sn系金属間化合物の繰返し負荷特性および疲労特性の調査
・Cu/Sn系金属間化合物の変形特性データベースの構築とそれを活用した高信頼性電子パッケージの設計・開発
・Cu/Sn系以外の金属間化合物の引張変形特性評価
- 製造技術
4)磁場で制御するアークを利用した金属表面熱処理技術
秋田県立大学 システム科学技術学部 機械知能システム学科 准教授 杉本 尚哉
新技術の概要
エネルギー密度が非常に高いアークを、時間的に変動する磁場により高速振動させ、金属表面の加熱・高温処理に適用する。変動磁場を発生させるコイルに供給する電流パターンにより、必要に応じた箇所への加熱が可能である。
従来技術・競合技術との比較
アークを熱源として見た場合、加熱領域が狭いことが課題である。本技術はアークを電磁作用で高速振動させ広域加熱に適用させるため機械装置的には非常に簡素で済み、ガスバーナーや高周波電力加熱法に比べ、装置の自動化にも有利である。
新技術の特徴
・外部変動磁場によるアークの高速振動
・外部変動磁場コイルに供給する電流波形による加熱パターン制御
・外部変動磁場の空間配位変化によるアークの振動形状制御
想定される用途
・金属表面の広幅な領域への熱処理(焼入れなど)
・金属表面の部分的熱処理(焼入れなど)
・その他高温・高活性場を生かした有害物の分解処理等
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり
- 創薬
5)イリジウム錯体の光線力学治療薬としての可能性
秋田県立大学 生物資源科学部 応用生物科学科 教授 穂坂 正博
新技術の概要
我々は、生体の低酸素病態のがんで発光するイリジウム錯体が、人工脂質膜に内包して生体に投与した場合、がん組織特異的な光線力学治療薬として効果を持つことを見出した
従来技術・競合技術との比較
既存の光線力学治療薬と比較して、より広い光の波長領域でがん組織特異的な光線力学治療薬として効果を持つ。
新技術の特徴
・医療分野
・健康診断市場
・機器開発分野
想定される用途
・医薬品
・治療薬
・検査薬
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門
TEL:018-889-3020FAX:018-837-5356Mail:chizaijimu.akita-u.ac.jp
URL:http://www.crc.akita-u.ac.jp/
秋田県立大学 地域連携・研究推進センター
TEL:018-872-1557FAX:018-872-1673Mail:sticakita-pu.ac.jp
URL:http://www.akita-pu.ac.jp/index.htm
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TEL:018-847-6107FAX:018-857-3191Mail:kikakuakita-nct.jp
URL:http://www.ipc.akita-nct.ac.jp/
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