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福井大学 新技術説明会

日時:2012年09月04日(火) 10:30~15:50

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)中性子捕捉治療(BNCT)と光線力学治療(PDT)の併用と両用増感剤

福井大学 医学部 医学科 病因病態医学講座 腫瘍病理学領域 助教 三好 憲雄

新技術の概要

中性子線捕捉癌治療の捕捉剤であるボロンが使用されているが、今回光線力学治療(PDT)と併用のため、光増感剤であるポルフィリン誘導体にボロンを付加した誘導体を使用して、実験腫瘍モデルで併用治療効果を実証化した。

従来技術・競合技術との比較

従来のボロン中性子捕捉療法(BNCT)は光線力学療法(PDT)とはそれぞれ独立して単独治療が行われていたが、もしその併用を目指すにはBNCTとPDT共通の増感剤が求められるが、今までは開発合成はなされていなかった。

新技術の特徴

・BNCTとPDTの併用治療とその併用順序のノウハウ
・BNCTとPDTの両用増感剤の合成技術

想定される用途

・悪性癌治療
・悪性肺癌
・悪性脳腫瘍

  • 医療・福祉

2)体外受精に用いる良質の卵子選別のためのペプチドマーカー

福井大学 医学部 医学科 生命情報医科学講座 分子生体情報学領域 教授 宮本 薫

新技術の概要

被験者から採取された卵子について、体外受精において使用した場合に妊娠成立に至る可能性が高い卵子であるか否かを予測する手段。

従来技術・競合技術との比較

体外受精に利用する卵子の質については、従来は医師が顕微鏡下でその形態を観察して判断しており、客観的な根拠となるマーカーは存在していなかった。本発明により、体外受精時の卵子の選択マーカーとして臨床応用が可能となる。

新技術の特徴

・本マーカーは卵子の成熟に必須の因子である。
・本ペプチドを利用して、卵子の成熟を誘導できる可能性がある。
・本マーカーの高感度ELISA開発が可能であり、一般での利用が容易になる。

想定される用途

・体外受精時の良質の卵子選択のためのマーカー
・卵子の成熟を誘導するための薬剤
・不妊の原因解明のための診断法

  • アグリ・バイオ

3)冬虫夏草を用いた生理活性物質コルジセピンの製造方法

福井大学 大学院工学研究科 生物応用化学専攻 准教授 櫻井 明彦

新技術の概要

生理活性物質コルジセピンを効率よく生産するために、イオンビーム照射により冬虫夏草変異株を作出し、この変異株を用いたコルジセピンの生産方法を確立した。さらに、生産したコルジセピンを効率よく精製する方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来のコルジセピン生産では、野生の冬虫夏草菌糸体を大量に採取し抽出する必要があるため、生産量が少なく非常に高価である。一方、本技術では変異株を用いて人工培養を行うため、著量のコルジセピンが容易に安価に得られる。

新技術の特徴

・これまでに遺伝子組み換えが成功していない冬虫夏草において、イオンビーム照射により高性能変異株を作出した。
・通常、虫を固体の栄養源として増殖する冬虫夏草を液体表面培養し、液中にコルジセピンを分泌させる。
・有機溶媒などを用いずに、簡便にコルジセピンを精製することが可能である。

想定される用途

・医薬品原料
・健康食品原料
・化粧品原料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(当日サンプル展示予定)

  • アグリ・バイオ

4)酢酸中に含まれるギ酸の高感度特異的定量法

福井大学 大学院工学研究科 生物応用化学専攻 教授 内田 博之

新技術の概要

酢酸中のギ酸を、ギ酸オキシダーゼを用いて定量する方法であり、酢酸中にギ酸が0.001wt%以上含まれていれば、再現性良く定量できる。希釈した酢酸をギ酸オキシダーぜと反応させ、生成する過酸化水素を定量するだけであり、操作も簡単で、高価な装置が不要である。

従来技術・競合技術との比較

ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを用いた方法による酢酸中のギ酸の定量法がある。しかし、これらの方法では、酢酸に含まれるギ酸の濃度が0.05wt%以下の場合、測定できない。また、これらの方法では、高価な装置が必要である。

新技術の特徴

・高感度、特異的
・高価な装置が不要
・操作簡単で、短時間で終了

想定される用途

・酢酸の品質保証
・酢酸再生工程中のモニタリング

  • 環境

5)反応状態分析方法及び装置、並びに土壌中油分の分析方法及び装置

福井大学 大学院工学研究科 材料開発工学専攻 准教授 内村 智博

新技術の概要

レーザーイオン化飛行時間型質量分析法を、反応開始から終了までの過渡的な化学反応状態を解析する手法として応用した。また、ガソリン等で汚染された土壌の分析法として応用した。

従来技術・競合技術との比較

「化学反応の解析手法」については、レーザー脱離法と組み合わせて、反応途中の中間体や生成物を、その発生直後に観測できる。また「土壌中の油分分析」については、汚染土壌の粗抽出液から、ガソリン成分を迅速かつ高精度に分析できる。

新技術の特徴

・化学物質の迅速・高精度分析が可能
・わずかなサンプル量で反応の観察ができる
・リアルタイム計測に応用可能

想定される用途

・分子の反応解析
・環境試料中の化学物質の分析

  • 環境

6)トップヒートとボトムヒートを切替可能なヒートパイプ

福井大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授 永井 二郎

新技術の概要

弁の切替あるいは逆止弁設置により、トップヒート状態(上部で吸熱、下部で放熱)とボトムヒート状態(下部で吸熱、上部で放熱)を切替可能なヒートパイプ。作動液の沸騰気泡浮力に誘起される液循環により作動。全長は数mまで可。熱輸送量は温度差に依存するが、数十~数百W。

従来技術・競合技術との比較

簡易構造のヒートパイプとして、全長が数mのトップヒート状態で初めて数百Wの熱輸送量を実現。そのトップヒート状態とボトムヒート状態を、簡単な弁切替操作や逆止弁設置により初めて切替可能とした。

新技術の特徴

・廃熱利用
・地中蓄熱

想定される用途

・地表から数m下の地中熱源利用(地上室内:夏季の冷却、冬季の加熱)
・地表から数m下の地中熱源利用(路面:夏季のヒートアイランド対策、冬季の融雪・凍結防止)

関連情報

・ラボ装置有り
・地中熱利用の試作品有り
・各種用途の試作可能・展示品あり(厳密には本技術の切替可能ヒートパイプではないが、同原理で作動するガラス製展示物)

  • 情報

7)集積化光合波器及び超小型レーザ画像投影装置

福井大学 大学院工学研究科 電気・電子工学専攻 教授 勝山 俊夫

新技術の概要

カラー・レーザ・ディスプレーの超小型化に必須な、レーザビームを合波する合波器として、光導波路を用いるものを考案し、合波効率が平均96%、サイズが6×0.06mmと、世界で初めて高効率かつ超小型の両者を同時に実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来の合波器は、ミラー等を組み合わせたものがほとんどであり、小型化及び特性の経年変化の点で問題が多い。これに対し、本提案の合波器は、光導波路を用いて部品をモノリシックに集積化しているため、小型化、経年変化に関し大きなメリットがある。

新技術の特徴

・光導波路を用いて部品をモノリシックに集積化したことによる合波器の超小型化と特性の経年変化の大幅な改善
・光導波路型スイッチの最適な配置により合波効率が三原色平均で96%と高効率を実現
・今まで光通信用デバイス作製のために用いられてきた実績のある作製プロセスを転用するだけで作製可能

想定される用途

・携帯型レーザプロジェクターやめがね型網膜走査ディスプレー等の超小型ディスプレー
・超小型ディスプレーを組み込んだ省力化システム全般
・イルミネーション用三原色合波器

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

産学官連携本部 知的財産部

TEL:0776-27-9725FAX:0776-27-9727
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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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