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広島大学 新技術説明会

日時:2012年05月18日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)粒子表面特性に基づいた分級操作とミクロン粒子の調製

広島大学 大学院工学研究院 物質化学工学部門 助教 山本 徹也

新技術の概要

サイクロンの流量等の操作条件を一定にした状態で、微粒子の分離径の制御に成功した。本手法はサイクロン内の粒子に静電引力を誘発することに特徴がある。また、有機溶媒、界面活性剤フリーでミクロンサイズの高分子微粒子の合成に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来は操作条件や機械的部品を取り付けることでサイクロンの分級性能の制御が行われてきたが、本手法は粒子表面の物性に変化を与えて分級する手法である。また水系で高分子微粒子のミクロン化に成功し、環境負荷の小さい合成方法を提案する。

新技術の特徴

・乾式サイクロンの操作条件一定の下での分離径制御が可能である
・粒子表面物性に応じた分級方法で有り、分離径を0.7μm程度変化させることができる
・有機溶媒、界面活性剤フリーでミクロン粒子が合成できる

想定される用途

・乾式サイクロンの捕集率を向上させる方法
・粒子表面改質を行いながら分級する方法
・環境負荷を低減したミクロン粒子の合成方法

  • 製造技術

2)CO2雰囲気下での太陽光誘起光触媒による基礎化学品合成

広島大学 大学院工学研究院 物質化学工学部門 助教 井出 裕介

新技術の概要

我々は太陽光エネルギーを利用した光触媒による有機化合物(ベンゼンやシクロヘキサン)の部分酸化が反応を二酸化炭素雰囲気下で行うと効率的かつ選択的に進行することを見出し、これをクリーンな基礎化学品の生産技術として提案する。

従来技術・競合技術との比較

光触媒による基礎化学品生産に向け新規触媒の設計が盛んに研究されているが未だ実用レベルの活性は得られていない。本技術は安価で汎用的な触媒でも優れた活性が得られるため、基礎化学品生産へのブレイクスルーとなり得る。

新技術の特徴

・二酸化炭素有効利用

想定される用途

・ベンゼンからのフェノールの直接生産
・シクロヘキサンからのシクロヘキサノン、シクロヘキサノール生産
・その他の有用酸化反応

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

3)対称性喪失レベルの定量的把握方法及び定量的把握システム

広島大学 大学院工学研究院 社会環境空間部門 助教 有尾 一郎

新技術の概要

新しい材料開発において、原子の構造や(ナノやマイクロを含む)粒子が規則正しく配置された材料組成において、その配列の乱れ方や質的な変化の把握は、物理的に重要で本質的な現象の変化を伴うことが多く、これを体系的に定量化する方法とシステム化を提案する。

従来技術・競合技術との比較

均一な物質の格子構造(ナノ&マイクロストラクチャーや規則的に配置されたコロイド粒子を含む)等において、その構造にある不完全を伴う場合にどの程度の格子欠陥状態にあるのかを定量化しがたい。特に、周期性を持つ不完全性は人間の認識では格子構造の自由度がとても小さい場合に限られ、通常解析しようとする問題の自由度ではもはや不可能である。

新技術の特徴

・多様な組成を持つ物質の対称性崩壊の多様なパターン変化を、その対称性の階層レベルから崩壊を予測する
・新しい材料開発のための指標化や予測を示唆する
・周期対称構造を有する対称性の種類や階層レベルを指標化でき、隠れた対称性を容易に見つけることができる

想定される用途

・新材料の開発(応力によって光る材料の微細挙動の予測や解析)
・周期的に微細な構造を有する材料の崩壊予測
・材料の品質管理技術の手段として

  • 製造技術

4)過渡応答を用いたPID制御器のオートチューニング

広島大学 大学院工学研究院 機械システム・応用力学部門 教授 佐伯 正美

新技術の概要

プラントの過渡応答データをひとつ計測し、PID制御器を直接設計するデータ駆動型の設計法である。安定度を指定するだけで、外乱抑制を最適的化する制御器がオフラインの自動計算で得られる。

従来技術・競合技術との比較

本方法に対比されるデータ駆動のモデル参照型の設計法では、制御対象の知識がより多く必要であり、システムが不安定化しやすい。本方法ではこれらの問題はあまり無く簡便に利用できる。

新技術の特徴

・データ駆動のため数式モデルの同定が不要なので、使いやすい
・制御の困難なむだ時間系や逆応答の制御対象にたいしても、良好な性能が得られる
・PID制御器より複雑なロバスト制御器のゲイン再調整にも利用できる

想定される用途

・制御や対象モデルの知識がなくても、PID制御器のゲイン調整を簡便に行いたい場合
・設定値の変更などがあっても、幅広い運転状態で十分なロバスト性能を得たい場合
・閉ループ運転のデータを用いて、簡便に制御器を再調整したい場合

  • 機械

5)密閉空間でも振動により動力を伝達し駆動できる小型・軽量バルブ

広島大学 大学院工学研究院 システムサイバネティクス専攻 准教授 高木 健

新技術の概要

本研究室で開発した動力伝達機構は構造材に振動を伝達できれば完全に密閉されている空間にも動力を伝達することができる。この技術を応用し、完全に密閉された配管内の弁を振動により開閉する小型・軽量なバルブを開発した。

従来技術・競合技術との比較

振動によりバルブを開閉するため、振動が伝われば振動発振器をバルブから離して設置することや、必要なときに振動発振器を接触させて駆動できる。また、構造がシンプルであり、密閉を保つのも容易である。

新技術の特徴

・小型・軽量(直径6mm、長さ30mm(振動源は含まない)のバルブで0.2MPaの空気を開閉ができている)
・構造がシンプル
・駆動源(振動発生器)をバルブから離して設置できる

想定される用途

・強腐食性、温度変化などの原因でパッキンなどではバルブの密閉を保つことが困難な用途
・密閉されている空間の内部にあるバルブを外部から開閉する必要がある用途
・実験動物などの体内にバルブを埋め込む必要がある用途

関連情報

・展示品あり(動作させることまではできないと思いますが、常時展示をすることは可能です。

  • 情報

6)ビルディングブロック型ストリーミングプラットフォーム技術

広島大学 情報メディア教育研究センター 准教授 近堂 徹

新技術の概要

多様化・高度化するインターネット上の映像配信サービスに対し、利用者の要望する映像の加工や品質変換などの機能拡張が容易なモジュール方式を採用したゲートウェイを広域分散配置する映像配信プラットフォームの開発を行っている。

従来技術・競合技術との比較

クラウド環境の計算機資源を活用することで、ネットワーク上に設置するゲートウェイにて利用者からの要求に応じた映像処理を柔軟に行うことができる。これを実現するためにゲートウェイの各モジュール(機能ブロック)の連携を管理・制御する。

新技術の特徴

・ネットワーク網上で配信と加工を同時に実現
・加工機能をモジュール化する方式により拡張性を確保
・配信規模に応じた柔軟なシステム構成が可能

想定される用途

・マルチアングル、パーソナライズ型の映像・ファイル配信システム
・異種メディア接続(ブロードバンド接続、WiFi、3Gなど)の特性に基づく映像配信の効率化

  • 環境

7)レアメタル回収のための微生物を用いたMn酸化物の高速生成

広島大学 大学院工学研究院 社会基盤環境システム専攻 教授 大橋 晶良

新技術の概要

マンガン酸化細菌により生成されるMn酸化物はレアメタル・レアアースの吸着性に優れており、Mn酸化物を高速に生成し、排水に含まれているレアメタルを吸着させて、吸着したMn酸化物を容易に回収するバイオリアクターおよび方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

自然開放形でマンガン酸化細菌を培養することは困難であり、Mn酸化物を人為的に製造することはできなかった。本開発によりマンガン酸化細菌を培養する方法が確立できたことで、微生物を利用した低コストの排水からのレアメタル回収が可能になる。

新技術の特徴

・生分解性プラスティック材料PHA(Polyhydroxyalkanoates)の生産
・排水中の重金属除去
・温室効果ガスのメタン・亜酸化窒素の分解除去

想定される用途

・排水からのレアメタル回収
・鉱山廃水からのレアメタル回収
・海水からのレアメタル回収

  • 環境

8)nanoカルシウム鉄を用いた土壌中の放射性セシウムの処理技術

広島大学 環境安全センター 助教 奥田 哲士

新技術の概要

NEDOの支援のもと開発した、放射性Cs含有土壌の濃縮・不溶化技術である。土壌を微粒子化してナノCa/Fe粒子を添加することでCsを微細土壌に強く付着させ、磁力分離で高比表面積の粒子を濃縮、リン系固化剤による不溶化を行うことで、濃縮・不溶化を行う。

従来技術・競合技術との比較

乾式法、処理時間が2時間程度と短時間である事が特徴。単独処理が可能でありながら、他の法との組み合わせが容易。POPs分解や重金属分離も可能な事を特徴とする。一方で、原材料費(2.5%混合時)が3千円/tと若干高いが、その分効果が高いと期待。

新技術の特徴

・セメント固化法
・土壌洗浄法
・覆土

想定される用途

・放射能(Cs)汚染された土壌
・土壌洗浄法により分級された放射性物質(Cs)が濃縮した微粒子画分
・放射能(Cs)汚染された土壌以外の粒子

  • 環境

9)太陽光発電を越える微生物燃料電池の実用化

広島大学 大学院工学研究院 社会環境空間部門 准教授 日比野 忠史

新技術の概要

従来実用化できていない微生物燃料電池(MFC)の実用化(LEDの点灯)に成功した。装置は極めてシンプルで電極2枚を棒状の絶縁体に貼りつけただけの物であり、数100円で作製可能である。開発されたMFCはヘドロを燃料としているため、ヘドロ地盤の浄化を同時に行なう。

従来技術・競合技術との比較

太陽電池を越える発電設備を構築する。従来の微生物電池とは発電の思想が異なっており、下水等の堆積ヘドロのみを燃料として発電できる。LEDの点灯程度では設備を必要としない。

新技術の特徴

・ヘドロのみを燃料として1.7Vの電圧を発生できる(赤色LEDを点灯できる)
・数ヶ月でヘドロ化した底泥を広範囲で改質できる

想定される用途

・太陽光発電に代わる発電設備
・沿岸域の土壌環境の再生(浄化)

関連情報

・展示品あり(机上でのLEDの点灯)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

産学・地域連携センター 国際・産学連携部門

TEL:082-421-3631FAX:082-421-3639
Mail:techrdアットマークhiroshima-u.ac.jp
URL:http://home.hiroshima-u.ac.jp/techrd/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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