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イノベーションフェア関西 【大阪開催】

日時:2012年12月06日(木)

会場:グランキューブ大阪(大阪市北区中之島)

参加費:無料

発表内容一覧

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)がん免疫治療のためのpH応答性ナノワクチンキャリア

大阪府立大学 大学院工学研究科 応用化学分野 助教 弓場 英司

新技術の概要

pH応答性ポリマー・アジュバント素子をナノサイズのリポソームに集積化することによって、腫瘍を消滅させるほど強力な抗腫瘍免疫を誘導できるpH応答性ナノワクチンキャリアを開発した。本技術は有効性の高いがん免疫治療のための新しい運搬体として極めて有望である。

従来技術・競合技術との比較

本研究で開発したpH応答性ナノワクチンキャリアは、固形腫瘍を縮退・消滅させるほど強力な抗腫瘍免疫誘導活性を持ち、しかも、生体由来多糖や、脂質をベースに作製されているため安全性も高い。

新技術の特徴

・特定の細胞内部に、生理活性物質を効率良く運搬可能
・動物実験において、がんを消滅させるほど強力な抗腫瘍免疫を誘導可能
・pH応答性ポリマーの構造最適化により更なる高性能化が可能

想定される用途

・がんワクチン
・感染症ワクチン
・細胞内への運搬が必要な生理活性物質(核酸、タンパク質など)のデリバリー担体

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

2)ホウレン草糖脂質MGDGの抗がん補助食品開発

神戸学院大学 栄養学部 栄養学科 准教授 水品 善之

新技術の概要

ホウレン草糖脂質MGDGは、DNA合成酵素阻害活性に基づいた抗がん作用を示す。抗がん剤ゲムシタビンによる「がん化学療法」と「がん放射線療法」において、MGDGとの併用による抗がん活性の相乗効果を見出した。

従来技術・競合技術との比較

食品由来成分(健康食品)による抗がん作用は多くの報告があるが、ホウレン草糖脂質MGDGに着目した技術は皆無である。DNA合成酵素阻害活性を有する食品成分をがん化学療法や放射線療法へ応用する技術は、これまでに報告がなく新規である。

新技術の特徴

・ホウレン草MGDGは、リン酸化ゲムシタビン(GEM)のDNA合成酵素阻害活性に相乗効果を与える
・ヒト膵臓がん細胞増殖において、ホウレン草MGDGはGEMの増殖抑制活性に相乗効果を与える
・ホウレン草MGDGは、放射線照射による担がんマウスの抗腫瘍活性に相乗効果を与える

想定される用途

・MGDGを高含有するホウレン草糖脂質画分をがん対策(予防・治療)補助食品として開発する
・ホウレン草由来MGDGを抗がん医薬品として開発する

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

3)新規マクロファージ抑制剤の炎症病態改善効果

京都府立大学 生命環境科学研究科 食環境安全性学 教授 南山 幸子

新技術の概要

様々な炎症病態において、その炎症の惹起にマクロファージが関与している。今回、新規に考案したS-allyl-glutahione (SAG)がマクロファージの活性化を抑制することを見出したので紹介したい(特許出願済み)。本機序は、SAGが種々の慢性炎症疾患治療に有効である可能性を示唆する。関連する疾患としてはアテローム性動脈硬化、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、肝硬変、肺線維症、腎硬化症、生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症)など多くの疾患が挙げられる。

従来技術・競合技術との比較

本発明は、S―アリルグルタチオン、S―アリルグルタチオン誘導体、及びそれらの塩からなる群から選ばれる一又は複数を含有することで、白血球の活性化や炎症性サイトカインの産出を抑制し、炎症反応、特に慢性炎症の抑制に効果がある。また、炎症を原因とする様々な疾患の抑制にも用いることができる。また、本発明が、グルタチオン誘導体であることから、高い安全性が期待できる。

想定される用途

・動脈硬化、腫瘍、リウマチ、アトピー性皮膚炎等の治療及び/又は予防
・健康食品

  • アグリ・バイオ

4)蛍光性リポソームを用いた簡便な酵素活性阻害剤の評価方法

龍谷大学 理工学部 物質化学科 教授 宮武 智弘

新技術の概要

本技術は、酵素、基質および阻害剤を含む酵素反応溶液に、蛍光色素を封入したリポソーム、カチオン性ポリマー、両親媒性アニオンをそれぞれ添加し蛍光強度の測定を行うもので、酵素反応の迅速な評価が可能となる、様々な酵素反応に適用可能な汎用性の高い評価システムである。

従来技術・競合技術との比較

プロテインキナーゼやコリンエステラーゼなど、様々な酵素およびその阻害剤の活性を、目視によって迅速に検出することができる。基質分子を蛍光標識する必要が無く、簡便に行える点が先行技術よりも優れている。

新技術の特徴

・簡便かつ迅速な酵素活性の評価が行える。
・原理上さまざまな酵素反応に利用でき、汎用性の高い評価システムである。
・市販の合成試薬をそのまま使用できるため、安価なシステムを提供することができる。

想定される用途

・医薬品開発における酵素阻害剤のスクリーニング
・酵素活性を利用した食品検査キット
・酵素活性を利用した臨床検査キット

  • 環境

5)汚染水から放射性物質を除去できる「ゼオCa漆喰」

近畿大学 薬学部 医療薬学科 講師 多賀 淳

新技術の概要

「ゼオCa(カルシウム)漆喰(しっくい)」はカルシウムイオン水で強度を上げた漆喰に、放射性物質を吸着するゼオライトの粉末を混ぜて作成されており、放射性セシウムが含まれる水をろ過し浄化することができる。

従来技術・競合技術との比較

放射性物質の除染方法としては高圧洗浄、土壌除去が一般的である。その他人工ゼオライトとセメントのブロックを使用し汚染水から吸着する方法がある。またゼオライトに代わり、プルシアンブルーを用いた吸着剤もある。

新技術の特徴

・Caにより従来の漆喰より3~5倍ほど強度がある
・水を透過しやすく、匂いも吸着しやすい
・セシウムを効率よく吸着する

想定される用途

・汚染土壌・廃材の貯蔵施設
・セシウムで汚染された水や物質を浄化するフィルター兼建材

関連情報

・展示品あり

  • 情報

6)マーカを用いた背景によらない三次元物体モデルの生成

甲南大学 知能情報学部 知能情報学科 准教授 梅谷 智弘

新技術の概要

画像特徴を用いた三次元モデルを作業する場所で用いると、物品の管理、追跡、複合現実感アプリケーションなど様々な応用が考えられる。マーカを併用して、複雑な背景が写り込む場所でも画像特徴を利用した三次元物体モデルを構築できる手法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

マーカを併用した三次元物体モデルを構築する場合、通常少なくとも1個のマーカを常に撮像する必要がある。画像特徴で三次元物体モデルを構築するため、モデル利用時にはマーカの撮像の必要がない。また、本手法は一般的な単眼カメラで利用できるので、装置の小型化、利用できる機器の範囲が広い。

新技術の特徴

・背景として映り込む別の物体の画像との区別を行いながら、対象物体を撮影できる。
・複数の視点から動きうる物体の画像特徴モデルを作ることができる。
・画像特徴モデルを用いて対象物体の裏側の情報を得ることができる。

想定される用途

・製品の組み立て作業での直観的な情報提示
・エンターテイメント
・作業現場での物品管理・追跡

  • 情報

7)ページを中心としたユーザ間情報交換と情報一斉送信技術

京都産業大学 コンピュータ理工学部 ネットワークメディア学科 准教授 秋山 豊和

新技術の概要

自治体や大学、医療機関等のサーバが重要な情報を必要な人へ迅速に伝達できる通信技術ならびに、各ユーザの状況に合った情報とユーザを同時発見でき、それらと即時情報交換可能な検索技術。

従来技術・競合技術との比較

情報検索技術との融合により、FacebookやTwitterというソーシャルメディアでは成しえなかった、ページ(情報)を中心とした動的なユーザ間ネットワークを構築できるため、効果的な情報伝達が可能となった。

新技術の特徴

・自治体や大学、医療機関等が重要な情報(災害や商品情報)を必要な人に迅速に伝えられる
・ユーザレビューの効果的な取得

想定される用途

・講習や授業でページやPPT等のコンテンツ上での効果的な指導
・カーナビでの情報提示や情報交換
・TVやラジオ放送のコンテンツと連動した情報配信

  • 情報

8)類似画像検索において検索結果のランキングを改善させる方法

大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻 教授 鳥生 隆

新技術の概要

類似画像検索において検索結果のランキングの妥当性を向上させるための基礎技術として、2枚の画像の類似度を適切に定義する新しい手法と、ランキング結果を基にさらにランキングすることを繰り返すことで結果を向上させる方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

類似画像検索において検索結果のランキングの妥当性を向上させるための従来技術と比較すると、新しく提案する方法はデータベース内のそれぞれの画像を仮りにクエリとして事前にランキングして置き、その結果を利用するので高速処理が可能である。

新技術の特徴

・画像をクエリとした検索において、高速にランキング性能を向上させる。
・検索結果に対するユーザ満足度を向上させる。
・より適切な画像間の類似度算出法を提供する。

想定される用途

・インターネットにおける画像をクエリとした検索
・個人のパソコン内に蓄えた写真の検索(電子アルバムソフトの付加機能)
・著作権侵害調査

関連情報

・サンプルの提供可能(処理例の提供可能)
・展示品あり(処理例を講演中に紹介)

  • 情報

9)静止画像分類の指文字認識への応用

関西大学 システム理工学部 電気電子情報工学科 教授 肥川 宏臣

新技術の概要

画像に含まれる形状分類技術を利用した、指文字認識を行うICの開発。認識システムのIC化により、認識機能を「部品」として提供できるため、高速CPUを使用できない機器にも簡単にリアルタイム認識機能を追加できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のジェスチャ認識はソフトウェアによるもので、リアルタイム処理には高速コンピュータを必要とする。本技術は、認識システムのハードウェア化で、小形・低消費電力・高速認識システムを「部品」として提供できるようになる。

新技術の特徴

・小形・低消費電力
・高速リアルタイム処理
・認識機能のコンポーネント化

想定される用途

・機器操作のためのインタフェース
・指文字によるテキスト入力
・カメラ画像による位置推定

関連情報

・展示品あり(講演時のデモ)

  • 情報

10)心電・筋電を含む絆創膏型生体活動モニタリングシステム

兵庫県立大学 工学研究科 電気系工学専攻 教授 前中 一介

新技術の概要

絆創膏のように生体に貼り付ける活動モニタリングシステムであり、生体に貼り付ける電極付き絆創膏(消耗材)と、センサや無線・電源システムを分離して、絆創膏のみの取り替えによって常時衛生的でかつ経済的な活動モニタリングシステムを構築する。

従来技術・競合技術との比較

生体に貼り付けることによって、心電や体表温度を精度良く検出するシステムである。従来、使い捨て心電パッチを用いて胸にぶら下げるような形態の心電検出システムなどが提案されているが、本技術では専用の絆創膏電極を構築し、小型薄型でありながら心電のみならず体表面温度、湿度、気圧、気温、騒音など多数の物理量を同時に検出しつつ、生体貼り付け型デバイスを構成できる点が最大の優位点である。

新技術の特徴

・家畜の健康管理、生殖管理
・建築・構造物の継続的ヘルスモニタリング
・野生動物の行動モニタリング

想定される用途

・健康管理(一般の人、被災などで一時避難所で生活する人、寝たきりの病人、過疎地の老人、入院中の人など)
・安全管理(プロドライバの行動履歴収集、運転中のドライバなどの急な疾患の早期発見とそのリアルタイムでの対処、など)
・安心管理(独居者の遠隔見守り、地域住民の健康・活動状態の相互認識、など)

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(当日サンプルを展示予定)

  • 情報

11)バイナリコードの特定部分を加速するCPUアクセラレータの自動合成

関西学院大学 理工学部 情報科学科 教授 石浦 菜岐佐

新技術の概要

あるCPU上で実行される機械語プログラム (バイナリコード)があって、実行速度を改善したい部分が特定できている時に、その部分を高位合成技術によりハードウェアに変換する。機械語を変更しないままで、CPUは機械語とハードウェアの実行を切り替えられる。

従来技術・競合技術との比較

Cプログラムや機械語プログラムからコプロセッサを自動合成する手法では、コプロセッサの起動にオーバヘッドが必要だが、本手法はハードウェアへの切り替えにオーバヘッドがゼロである。CPUに特殊命令を追加する方法ではあらたなコンパイラが必要となるが、本手法では機械語プログラムはそのまま使用できる。

新技術の特徴

・機械語プログラム中の実行が遅い部分を自動的にハードウェア化して高速化できる。
・機械語プログラムの実行とハードウェアの実行の切り替えのオーバヘッドは0~1サイクル。
・機械語プログラムは全く修正の必要がないので、ROM上にあるものでも良い。

想定される用途

・画像・音声処理等の組込みソフトウェアの高速化

  • 医療・福祉

12)情報を指で触ることを可能にする小型な人工触覚提示装置

大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 助教 吉元 俊輔

新技術の概要

本技術は人工的な触覚を電気刺激で生成するものである。指に電極を取り付けるだけで、触って感じることができなかった情報を指で感じることが可能になり、人の触に関する技能を向上させるために使うことができる。

従来技術・競合技術との比較

従来の触覚提示装置は大掛かりで使用状況が限定されていた。これに対して本技術では、指の第二関節付近に電気刺激を与えることで指先に触覚を生成し、使用者に装置の存在を感じさせないほど小型な触覚提示装置を実現した。

新技術の特徴

・指先で感じる様々な触感を再現可能
・装置による妨害がなく、道具操作の支援にも利用可能
・運動を生じることなく、触覚のみを生成可能

想定される用途

・外科手術支援
・福祉器具
・触感インタフェース

関連情報

・展示品あり(講演後、電極付手術用手袋および電気触覚提示装置の展示・デモを実施予定)

  • エネルギー

13)しなやかな熱電変換材料

奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 物質創成科学専攻 特任助教 野々口 斐之

新技術の概要

本技術は、軽量かつ柔軟性を備え、従来のカーボンナノチューブを用いた熱電変換材料よりも熱電変換効率の優れたカーボンナノチューブと半導体ナノ構造体からなる熱電変換材料を提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来開発されてきた熱電変換材料は主に高温用で希少重金属を含む重い固体材料がほとんどであることに加え柔軟性が得られない。本技術は、生活廃熱等の中低温で動作し軽量かつ柔軟性を備える熱電変換材料である。

新技術の特徴

・壁、変電所等の産業および生活廃熱による中低温で動作するため生活シーンで発電が可能となる。
・軽量で柔軟性を備えるためウェアラブル用途に適している。
・フィルム、シート等への加工も可能なためウェアラブル用途はもとより、壁面等への大面積展開に適している。

想定される用途

・環境発電
・緊急・災害時用電源
・小型機器電源

  • 製造技術

14)エッチングを利用した太陽電池Siのダメージフリー切断

立命館大学 理工学部 機械工学科 助教 村田 順二

新技術の概要

太陽電池パネルの製造コスト低減の為、Siインゴットからより多くの基板を切出す新規切断技術を開発している。従来の機械加工による切断に代わり、薬液の化学作用を用いた加工によりダメージのない切断を実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来の機械加工による切断では、Siにダメージが発生することや、切断溝幅が大きくなる問題があった。本技術は化学的な作用による加工のため、ダメージを発生させず、低切断溝幅で極薄基板の切出しが実現できる。

新技術の特徴

・化学的作用による切断技術であり、Siウェーハにダメージを与えない
・極細ワイヤの採用により、100μm以下の切断溝幅とウェーハ厚みが実現可能
・従来の機械加工技術と同等の速度で切断が可能

想定される用途

・太陽電池用Siの切断加工
・LED用材料、その他機能性材料の切断加工

関連情報

・外国出願特許あり

  • 環境

15)未利用排熱利用を実現する潜熱輸送スラリー

神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 鈴木 洋

新技術の概要

潜熱保有微粒子を懸濁したスラリーによって、熱輸送媒体の熱密度および温度維持性が向上し、遠方への熱輸送が可能となる。特に本発明はこれまで困難であった50℃から80℃の未利用排熱の面的利用を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

これまで50℃から80℃の高温域での熱輸送において、潜熱を輸送するシステムは提案されていなかった。本技術は粘度の高く、かつ水に対して溶解度が高い無機水和物を、界面活性剤で抵抗低減し、かつ無機水和物が溶解しない媒体と混合することで、輸送技術を確立した。

新技術の特徴

・高密度で熱が輸送できる。
・温度管理が容易となる。
・30℃から80℃程度までの熱を回収し、再利用できる。

想定される用途

・空調設備
・化学・醸造プロセス
・熱供給システム

  • 計測

16)電池駆動モバイル走査電子顕微鏡の開発

摂南大学 理工学部 電気電子工学科 教授 井上 雅彦

新技術の概要

子供たちに自然科学の面白さを体感してもらうための教育用走査電子顕微鏡を開発した。小学生でも簡単に操作できて、屋外に持ち出して現場で観察が可能である。また、教室に持ち込んで、教卓の上で実験しながら大型ディスプレイに出力することもでき、多人数対象のデモ実験も可能である。

従来技術・競合技術との比較

小学生でも持ち運びが可能で、電池駆動のため屋外でも使用できる走査電子顕微鏡。

新技術の特徴

・キャンプ場での顕微鏡観察が可能となった。
・大教室での全生徒同時観察が可能となった。
・環境視察で、高倍率での野外測定が容易となった。

想定される用途

・小中学校,高校,大学等での理科・物理教育。
・微化石などの採取現場での現地観察。
・科学捜査における、事故現場などでの現地調査。

関連情報

・展示品あり(当日顕微鏡とパソコンを展示/実観察可能)

  • 情報

17)単純文字列変換によるインテリジェントな対話型数式デジタル化技術

武庫川女子大学 生活環境学部 情報メディア学科 教授 福井 哲夫

新技術の概要

ユーザが数式を読むのと同じ、単純な文字を入力すれば、デジタル化された数式を容易に構築できる技術を発明した。システムが機械学習型辞書を使って候補を算出するので、所望する数式要素を対話的に選択するだけでよく、操作が単純である。

従来技術・競合技術との比較

LaTeXやMathML形式に比べて入力時の表記法が単純であり、2次元的な実際の数式を確認しながら構築できる。また、市販のワードプロセッサに附属する数式エディタなどに比べて2次多項式を入力するタスクの場合、タスク達成時間が約1.75倍速いことを確かめた。

新技術の特徴

・数式構築のための指示文字列が容易
・候補を選択すればよいので、操作が単純
・数式辞書の機械学習機能により入力効率が向上

想定される用途

・文書作成・Webページ作成・LMS・デジタルノートのための数式エディタ
・数式をキーワードとするWeb情報検索ツール
・数式処理システムのためのフロントエンド

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(ポスター展示および担当者によるデモを予定)

  • アグリ・バイオ

18)分光イメージング技術の医療応用

京都府立医科大学 大学院医学研究科 統合医科学専攻 教授 髙松 哲郎

新技術の概要

生体組織からのラマン散乱分光を利用して、構成する様々な組織や細胞のコンポーネントを検出しイメージングする方法を開発した。この方法は心筋梗塞や末梢神経の非侵襲的な検出に応用が期待でき、治療成績の向上に寄与しうる。

従来技術・競合技術との比較

CT、MRI、PETなどは、リアルタイム性が低く、大掛かりな設備が必要となるなどの問題点を持つ。ラマン散乱分光を用いたイメージング技術は、非侵襲的にリアルタイムで分子イメージングができ、かつ大掛かりな設備が不要である。

新技術の特徴

・ラマン散乱光の持つ分子情報をもとに、切り取ることなく組織の同定が可能
・正常心筋細胞、心筋梗塞領域、動静脈を同定することが可能
・無髄神経を含む神経を特異的に検出することが可能

想定される用途

・虚血性心筋症に対する外科治療
・癌摘除術における神経温存術
・形成外科・整形外科等における神経形成術(神経縫合術、神経移植術、神経剥離術)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

19)発光ガラス薄膜の製造方法

京都大学 化学研究所 材料機能科学研究系 助教 正井 博和

新技術の概要

本発明は、透明性と発光特性を兼ね備えた希土類元素フリーのガラス薄膜を簡便に製造する手法である。従来の溶融急冷法やゾルゲル法では、高効率な発光を示す薄膜を製造することが困難であった。本発明の方法によって、大面積で多様な形状の透明蛍光体を作製することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

本発明者らは、溶融法を用いたガラス蛍光体を提案したが、この手法では薄膜を形成することは困難である。また、ゾル-ゲル法を用いた既存の報告では、還元雰囲気下でアニーリングするという複雑な工程で発光ガラス薄膜を製造しなければならず、得られた薄膜の発光効率も満足できるものではなかった。

新技術の特徴

・通常は透明、紫外光照射により発光
・大面積のガラスや金属にコート可能
・500度程度で製造可能

想定される用途

・透明発光ガラス
・LED
・光源

関連情報

・展示品あり(講演中のデモンストレーション実施予定)

  • 材料

20)特定金属イオンを認識するキノリン誘導体の開発

奈良女子大学 共生科学研究センター 准教授 三方 裕司

新技術の概要

キノリンおよびイソキノリンの持つ金属イオン親和性および認識性を最大限に活用した分子デザインにより、亜鉛や水銀などの特定金属イオンに応答する蛍光センサーを開発した。

従来技術・競合技術との比較

現在市販されている蛍光ラベル化剤は、フルオレセインなどの蛍光団に認識部位を結合させたものが多く、本研究のように蛍光団が認識部位を兼ねた化合物によって、これほど優れた特性を発揮する例は非常に珍しい。

新技術の特徴

・発光材料
・特殊インク
・環境浄化材料

想定される用途

・生体試料の分析
・環境試料の分析
・医療診断

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 材料

21)籾殻活性炭を用いたサステイナブル建築資材用多機能ボードの研究開発

滋賀県立大学 工学部 材料科学科 准教授 徳満 勝久

新技術の概要

籾殻表面の「プラントオパール」量を制御することにより、高比表面積と力学特性の最適化を図り、高いVOC吸着特性や吸音性、吸放湿性能等を有する多機能性建材ボードの製造技術に関する基礎研究。

従来技術・競合技術との比較

建材分野で一般的に使用されている壁構造用断熱材はグラスウール建材が主流であるが、湿度の調整機能(吸放湿性)やシックハウス症候群の原因として指摘されている化学物質等の吸着機能等は殆ど無い。

新技術の特徴

・籾殻活性炭ボードの製造に関する技術であり、高比表面積とボードとしての力学的特性を満足する材料開発技術
・籾殻より調製した材料の特徴として、周波数域2000Hz近傍に吸音特性を有し、室内環境の静寂性を保持する新規材料
・農業用廃棄物である籾殻由来の活性炭であり、最終的には農業用土壌改良材として完全循環できる新規材料

想定される用途

・住宅・オフィスビル用建材ボード
・自動車用内装部材(デッキボード等)
・農業用土壌改良材

関連情報

・サンプルの提供可能(事前打ち合わせ後、調整要)
・展示品あり(籾殻活性炭ボード、クン炭ボード、籾殻成形体等展示予定)

  • 材料

22)任意形状の貫通孔を有する金属成型体

大阪工業大学 工学部 機械工学科 教授 羽賀 俊雄

新技術の概要

従来のポーラス材の作製方法とは異なる製法により作製した貫通孔を有する素形材で、断面形状が円以外でも、孔位置も任意に設定でき、リサイクルアルミニウム合金も使用可能である。

従来技術・競合技術との比較

本研究の貫通孔を有する金属成型体は、従来の通孔型ポーラス材と比較して以下の利点を有している。孔が貫通している、孔径が長手方向で均一である、孔形状が任意である、孔の位置が任意である、装置とランニングコストが安価である。

新技術の特徴

・貫通孔の面粗度は、材料によって異なる。
・Al-SiCp複合材のようなドリルによる穴あけが不可能な材料にも貫通孔

想定される用途

・ヒートシンク
・軽量材

関連情報

・展示品あり(任意形状の貫通孔を有する金属成型体を展示予定)

  • 材料

23)固体で発光するマレイミド系蛍光色素

京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 物質工学部門 教授 中 建介

新技術の概要

本発明はアミノマレイミド分子で構成される炭素、窒素、酸素と水素からなる比較的単純な構造の凝集誘起発光性を示す有機化合物とその製造法を提供するものである。このとき、イミド側N?置換基およびアミン側の置換基を替えることで電子状態と立体効果によって発光波長を変えられることができる。これにより発光色を500nm付近の可視領域で精密制御可能となる。

従来技術・競合技術との比較

蛍光性マレイミド化合物は報告されているが、アミノマレイミドに関しては合成の報告はあるものの蛍光性に関しては記述はない。また凝集誘起発光性を示すマレイミド化合物はこれまでになく化合物として新規性が高い。また、製造法もこれまでにない極めてユニークなものである。

新技術の特徴

・置換基の種類によってその電子効果や立体効果により発光色を可視領域で精密制御可能な新規有機蛍光体
・炭素、窒素、酸素と水素からなる比較的単純な構造の新規有機蛍光体
・これまでの有機蛍光体の高濃度条件では濃度消光するという問題点を克服するとともに、凝集誘起発光性を示す

想定される用途

・太陽電池用光波長変換材
・有機EL用発光色素
・色素センサー

  • 材料

24)毛細管内の送流による多成分混合液の分離現象とその応用

同志社大学 理工学部 化学システム創成工学科 教授 塚越 一彦

新技術の概要

特定の条件を満足する混合溶液、たとえば、水-親水性/疎水性有機溶媒三成分混合溶液を、微小空間内に送液すると、溶媒分子が流れに対して管径方向に分配する。このような現象を、「管径方向分配現象(Tube Radial Distribution Phenomenon;TRDP)」と呼ぶ。TRDPを利用して、特色あるクロマトグラフィー、抽出、混合、マイクロリアクターなどの開発を行っている。

従来技術・競合技術との比較

管径方向分配現象を利用したキャピラリークロマトグラフィーは、未処理のキャリラリーチューブを使用し、特殊な分離カラム(パックドカラムやモノリスカラム)を使用しない。また、キャピラリー電気泳動のように高電圧を印加する必要もない。

新技術の特徴

・等速度で流れる動的な液-液界面の創出
・医療関連計測システム
・環境浄化

想定される用途

・クロマトグラフィー
・抽出
・マイクロリアクター

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連携・ライセンスについて

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滋賀県立大学 地域産学連携センター

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FAX:0749-28-8620
Mail:rlabアットマークmech.usp.ac.jp
URL:http://sangaku.office.usp.ac.jp/

大阪大学 産学連携本部 総合企画推進部

TEL:06-6879-4206
FAX:06-6879-4208
Mail:contactアットマークuic.osaka-u.ac.jp
URL:http://uic.osaka-u.ac.jp/

大阪府立大学 地域連携研究機構 シーズ育成オフィス

TEL:072-254-7943
FAX:072-254-7475
Mail:seedsアットマークiao.osakafu-u.ac.jp
URL:http://www.osakafu-u.ac.jp/

大阪市立大学 新産業創生研究センター

TEL:06-6605-3550
FAX:06-6605-2058
Mail:sangaku-ocuアットマークado.osaka-cu.ac.jp
URL:http://www.osaka-cu.ac.jp/cooperation/index.html

関西大学 社会連携部 産学官連携センター

TEL:06-6368-1245
FAX:06-6368-1247
Mail:syakairenkeiアットマークml.kandai.jp
URL:http://www.kansai-u.ac.jp/renkei/

近畿大学 リエゾンセンター

TEL:06-6721-2332
FAX:06-6722-0300
Mail:klcアットマークitp.kindai.ac.jp
URL:http://www.kindai.ac.jp/liaison/

大阪工業大学 研究支援推進センター

TEL:06-6954-4140
FAX:06-6954-4066
Mail:l-centerアットマークofc.oit.ac.jp
URL:http://www.oit.ac.jp/japanese/sangaku/index.html

摂南大学 研究支援センター

TEL:072-800-1160
FAX:072-800-1161
Mail:shienアットマークofc.setsunan.ac.jp

奈良女子大学 社会連携センター

TEL:0742-20-3734
FAX:0742-20-3958
Mail:liaisonアットマークcc.nara-wu.ac.jp
URL:http://www.nara-wu.ac.jp/liaison/

奈良先端科学技術大学院大学 研究協力課 産官学推進係

TEL:0743-72-5930
FAX:0743-72-5015
Mail:k-sangakuアットマークad.naist.jp
URL:http://www.naist.jp/

神戸大学 連携創造本部

TEL:078-803-5945
FAX:078-803-5389
Mail:hicd-ccrd3アットマークoffice.kobe-u.ac.jp
URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/

兵庫県立大学 産学連携機構

TEL:079-283-4560
FAX:079-283-4561
Mail:sangakuアットマークhq.u-hyogo.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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