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くまもと発 新技術説明会

日時:2012年07月27日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • デバイス・装置

1)ビジュアルサーボ機構による遠隔ポインティングシステム

熊本高等専門学校 専攻科 電子情報システム工学専攻 教授 大塚 弘文

新技術の概要

操作者の指先に装着された撮影装置の取得画像の特徴点に、操作者とは独立に設置するパンチルトカメラに装着されたレーザポインタの照射点を追跡させる遠隔制御システム。操作者とレーザポインタとを物理的に分離して手振れを完全除去。各種自動制御による多機能化が行える。

従来技術・競合技術との比較

手ブレ対策機能を有する実空間ポインタ装置に関する検討事例は種々あるが、定点保持や移動体追従に対しては利用者による手動操作に依存するため、照射点の著しい振動や追従誤差増大が生じ得る。本システムでは、この問題点を解決可能で、かつ使用施設を限定せず可搬性に優れる。

新技術の特徴

・レーザー光の照射位置の制御や照射位置の制御にかかる装置レイアウトの自由度を向上した点
・2つのカメラの間で特徴点マッチングを行うことにより両カメラの画像を相関させる点

想定される用途

・遠隔制御機械への指示装置
・各種大規模展示施設における説明者用可搬型ポインティングシステム
・各種屋内外移動作業におけるインストラクション補助装置

関連情報

・サンプルの提供可能(試作可能)

  • 計測

2)ホール素子を感圧感温受容器として利用した触覚センシング

熊本高等専門学校 機械知能システム工学科 准教授 湯治 準一郎

新技術の概要

ホール素子と磁石を弾性材料に埋め込み、磁石とホール素子の距離の変化で接触力を検出し、またホール素子の温度依存性を利用して温度も検出する触覚センシング技術である。

従来技術・競合技術との比較

磁石とチップインダクタを用いた磁気式触覚センサと比較して、磁界変化を利用する点は同じであるが、本手法はホール素子を用いているため静的な接触圧が検出でき、更に温度検出機能が追加されている。

新技術の特徴

・単一または二種類のホール素子で感圧感温機能を実現(単一構造のセンサを多機能的に利用する)
・様々な形状や大きさに加工可能

想定される用途

・材料や食品等の品質検査や材質識別
・触覚情報を伝送し、ハプティクス装置による触感の再現や保存
・義手や義足で取得した触覚情報を電気刺激で神経へ伝える

  • 医療・福祉

3)脳波を利用した意志伝達システム

熊本大学 大学院自然科学研究科 情報電気電子工学専攻 教授 村山 伸樹

新技術の概要

操作者が運動イメージを行うと、脳波の中の13Hz〜30Hzの成分のパワースペクトルがイメージ開始直後に減少し、1秒後に大きく増強することが知られている。本技術は、このイメージの頻度を変化させることにより、直後のパワースペクトルの変化と1秒後のパワースペクトルの変化が異なることを利用して種々の機器を制御する。

従来技術・競合技術との比較

運動イメージのイメージ頻度による脳波の13Hz〜30Hzパワースペクトルの変化の差異を利用した脳・コンピュータ・インターフェイス(BCI)システムは未だ開発されていない。

新技術の特徴

・簡単なフィルターを用いることで、実現できていない4次元(前後左右)の動きを制御可能

想定される用途

・ゲーム機器
・運動障害者のための意思伝達システム
・車いすの制御
・義手や義足の制御

  • 情報

4)非接触型高速高精度ドライバー顔モニタリングシステムの構築

熊本大学 大学院自然科学研究科 情報電気電子工学専攻 准教授 胡 振程

新技術の概要

ドライバーの覚醒状態を非接触で計測し、必要に応じて警報を出すことは先進安全自動車(ASV)技術の一環として注目されている。本技術では、RGB-D奥行きカメラを利用して、事前登録(レジストレーション)無しで、リアルタイムにドライバーの3次元顔向きを検出することが成功した。更に、顔表情など計26個のパラメータを同時に追跡するカーネルを作っており、世界最速の顔表情追跡システムの実現を目指す。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、光学器具の使用により、影やサングラス等影響を解決し、また、RGB-D奥行きカメラを用いて、顔回転際の特徴点遮蔽問題を解決した。先験知識に基づいた手法とテンプレートマッチング法を結合し、高速の特徴点検出を実現した。

新技術の特徴

・事前学習が必要としない顔検知と表情解析
・外乱光に影響されない室外環境にも対応
・リアルタイム性

想定される用途

・自動車ドライバー漫然運転防止システム
・先進マンマシンインタフェース
・ゲームや新型電器製品のユーザーインターフェース

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(ノートパソコンでの実演予定)

  • 材料

5)簡単、低コスト、無色透明な高屈折率ポリマー材料

熊本大学 大学院自然科学研究科 複合新領域科学専攻 教授 伊原 博隆

新技術の概要

汎用性高分子と金属塩からなる、低コストな高屈折率ポリマー材。製法はきわめて簡単で、屈折率を段階的に、精密に調節することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、原子屈折の高い(ハロゲン・硫黄・芳香環)原子を導入した高分子材料の開発や、金属酸化物微粒子をポリマー材と複合させる方法が一般的。当然、コスト高となる複雑な合成経路や製造プロセスの開発が必要となる。また、屈折率のチューニングも面倒。本法は汎用性ポリマーをベースとする点、製法が単純である点で画期的。

新技術の特徴

・市販の安価な材料から簡単に作製できるので、材料、プロセスの両面で低コスト化を実現可能
・高屈折率を達成できるだけでなく、屈折率を精密に調整することが可能
・可視領域の透過率にほとんど影響を与えないため、透無色かつ明性の維持が容易

想定される用途

・光学レンズ
・ディスプレイの反射防止層
・太陽電池、OLEDの光閉込め、取出し層

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(ガラス基板を展示予定)

  • 製造技術

6)逆運動学に基づいた膝伸ばし2足歩行

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 助教 國松 禎明

新技術の概要

本技術では、ヤコビ行列の特異点問題を従来法よりも簡単に回避できる手法を導入し、片足6回転関節を持った2足歩行ロボットが膝を伸ばして歩行できるアルゴリズムを提案する。

従来技術・競合技術との比較

片足6回転関節を持ったロボットに対してヤコビ行列の特異点回避による2足歩行を行う研究において、特異点付近で別の軌道を用意し回避する手法があるが複雑である。本技術は、別の軌道を用意する必要がなく、アルゴリズム的にも簡単である。

新技術の特徴

・直感的で簡単な特異点回避
・付加的な機構を必要としないコストのかからない特異点回避

想定される用途

・2足歩行ロボットの膝伸ばし歩行
・ロボットアームの実可動範囲拡大
・同一平面内に3つの回転関節を持つ機構に対する逆運動学計算

関連情報

・展示品あり(PCでのシミュレーション動画提示予定。)

  • エネルギー

7)磁性的なノイズが殆ど出ない小形・軽量・高効率の多機能電源

熊本高等専門学校 制御情報システム工学科 助教 寺田 晋也

新技術の概要

最小の素子(キャパシタとスイッチのみ)数で制御方式の変更のみで、きめ細かく昇降圧比を変更できる。広範囲の入出力電圧において、電力変換効率の向上させることができる。本回路は電源だけでなくインバータや高効率のデジタル増幅器としても応用できる。

従来技術・競合技術との比較

コイルを用いたスイッチング電源と比較して、磁性素子を含まない本回路は小形軽量で磁性的なノイズが殆ど出ない。また、従来のスイッチトキャパシタ電源と比べて、同じ仕様を満たすために必要な素子数が飛躍的に少ない。

新技術の特徴

・モバイル機器用超小型IC電源
・スマートグリッド用の電力変換装置
・電気自動車やハイブリッド車の電力変換装置

想定される用途

・DC‒DC、DC‒AC、AC‒DC、AC‒ACコンバータ
・デジタルパワーアンプ
・DAコンバータ

  • 材料

8)層状セリウム化合物蛍光体

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 助教 谷口 貴章

新技術の概要

本技術は、高い量子収率で紫外発光を示す蛍光体であって、Ce(OH)x層あるいはCeO2-y層の間に有機物が挿入された層状有機無機ハイブリッド蛍光体に関するものである。

従来技術・競合技術との比較

かかる蛍光体にとって、発光効率は最も重要な特性の一つである。しかし、例えば90%程度の高い量子収率で紫外発光を示す固体の有機蛍光体材料は非常に少ない。窒化物・酸化物の作製には高温・高真空・高コストが必要だが、本蛍光体は低温・低コストな溶液プロセスで合成可能で、高い発光効率を示す。

新技術の特徴

・高い発光効率
・紫外発光
・簡便・低温・安価な製造プロセス

想定される用途

・紫外発光デバイス(波長変換)
・紫外発光ELデバイス

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

9)むだ時間を有するシステムに対する適応制御系設計のための並列フィードフォワード補償器の設計法

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 准教授 水本 郁朗

新技術の概要

本技術は、むだ時間を有するシステム(車両のトルクコンバータシステムやプロセス系など)に対して、安定な出力フィードバック形式の適応制御系を構成するために必要とされる並列フィードフォワード補償器(PFC)の設計法を示したものである。

従来技術・競合技術との比較

現在までに提案されているPFCの設計法は、むだ時間を陽に含まないシステムに対する設計法であり、むだ時間を有するシステムに対して直接PFCを設計することはできなかった。本技術により、むだ時間を有するシステムへの適応制御系設計が可能となる。

新技術の特徴

・むだ時間(遅れ要素)を持ったシステムの制御が可能
・不確かなシステムへの制御系設計が可能
・パラメータの調整の不要な制御系が設計可能

想定される用途

・油圧・空圧メカニカルシステムの制御
・プロセス系の制御

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

熊本大学イノベーション推進機構 マーケティング推進部 産学連携ユニット

TEL:096-342-3145FAX:096-342-3239
Mail:liaisonアットマークjimu.kumamoto-u.ac.jp
URL:http://www.kumamoto-u.ac.jp/organizations/kico

熊本高等専門学校 総務課産学連携係

TEL:096-242-6433FAX:096-242-5503
Mail:tizaiアットマークkumamoto-nct.ac.jp
URL:http://www.kumamoto-nct.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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