北東・地域大学コンソーシアム 新技術説明会
日時:2012年10月23日(火)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 材料
1)瞬間接着剤と超音波マイクロバブルから作る中空マイクロカプセル
山形大学 大学院理工学研究科 機械システム工学専攻 助教 幕田 寿典
新技術の概要
供給気体を一瞬で微細な気泡にできる超音波によるマイクロバブル発生手段と、水と接して瞬間的に硬化する樹脂の蒸気を組み合わせることで、数μmオーダの中空マイクロカプセルを容易に生み出すことに成功した。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、既存技術では困難な10μm以下の中空マイクロカプセルを容易に生成できる上、安全性の高いポリマーを用いて毛細血管以下のサイズとすることで、工業用途だけでなく超音波造影剤などの医療への応用も期待できる。
新技術の特徴
・発生するマイクロバブルのサイズによりカプセルの制御が可能
・マイクロバブル成分を変えることで様々な気体のカプセル化が可能
・芯物質除去工程を省くことによるプロセスの簡便化・低コスト化
想定される用途
・超音波造影剤・ドラッグデリバリーキャリアー
・光学材料・塗料
・断熱材・防音材
- 創薬
2)眼科疾患を引き起こす網膜の視細胞変性を抑制するカルパイン阻害ペプチド点眼薬
弘前大学 大学院医学研究科 眼科学講座 助教 尾崎 拓
新技術の概要
網膜色素変性症モデル動物の1つであるRCSラットにおける網膜視細胞変性(視細胞死と視機能低下)に対して、ミトコンドリアμ-カルパイン阻害ペプチド(Tat-μCL)の硝子体内投与または点眼投与が有効であることが認められた。
従来技術・競合技術との比較
本疾患に対してビタミン類、神経栄養因子、抗酸化剤などが用いられたが、顕著な保護効果は認められていない。最近では、再生医療や遺伝子治療などの開発が進められているが、製品化までは多くの課題が残されている。本ペプチド療法では、コストが安く大量合成も可能であり、さらに点眼でも効果を示すことから患者さんの肉体的、精神的負担を最低限に抑えることができる。
新技術の特徴
・緑内障モデル動物においてカルパインの関与が報告されているため、緑内障にも対しても効果を示す可能性が高い
・脳虚血モデル動物においてカルパインの関与が報告されているため、脳虚血に対しても効果を示す可能性が高い
想定される用途
・網膜色素変性症患者へのペプチド点眼(1日2~6回)によって、網膜変性を遅延させる効果があると想定される
・網膜色素変性症患者への硝子体内ペプチド投与によって、網膜変性を遅延させる効果があると想定される
- 創薬
3)マラリアを効果的に予防または治療する薬の開発とそのスクリーニング方法
帯広畜産大学 原虫病研究センター 教授・センター長 鈴木 宏志
新技術の概要
α-トコフェロール(ビタミンE)の血中濃度を低下させる化合物を有効成分として含有するマラリア予防または治療法を開発した。また、ビタミンEの細胞外への放出を指標するマラリア予防薬または治療薬のスクリーニング方法を開発した。
従来技術・競合技術との比較
マラリア特効薬のキニーネよりも副作用の弱いクロロキンが開発されたが、耐性原虫が増えていること、抗原が一定でないためワクチン製造が困難などの理由で決定的な治療法は確立されていない。本発明では副作用が低く有効性の高い予防・治療薬を提供可能である。
新技術の特徴
・本有効成分は、α-トコフェロール(ビタミンE)の血中濃度を低下させる
・宿主の生理機能を修飾することによる病原微生物の排除方法
・薬剤抵抗性病原体出現の抑制
想定される用途
・マラリア予防または治療法の開発
・マラリア予防薬または治療薬のスクリーニング方法の開発
- アグリ・バイオ
4)新規ドラッグデリバリーシステム(DDS)のための機能針の開発
岩手大学 地域連携推進センター 地域イノベーションクラスタープログラム 特任教授 首藤 文榮
新技術の概要
微小特殊加工により、薬物保持用有孔構造を有し、癌などターゲットに対し直接的に所期の物質を輸送できるDDS機能を有する機能針を開発した。この機能針は、患部の温熱療法の機能と電気泳動法により効果的に薬剤を溶出する機能を併有する。
従来技術・競合技術との比較
従来のDDSは、組織細胞の親和性や外部磁力による磁性薬物を特定部位に限局させるものであったが、本技術では、特定部位に直接的に薬物や生理活性物質を輸送することができる。また、従来技術の針によるDDSよりも、本技術は、電気泳動法により効率よく薬物伝達が可能となる。
新技術の特徴
・電気泳動法により薬剤を患部に効果的に泳動が可能
・CoCrMo合金の組成イオンが通電により溶出し、局所的に癌細胞等のターゲットに対し強い細胞毒性を示すこと
・体内には生理的な影響を及ぼさないこと
想定される用途
・癌細胞など特定部位への治療用機能針の開発
・新しいドラッグデリバリーシステムの開発
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり
・外国出願特許あり
- アグリ・バイオ
5)無線伝送式ルーメンpHメーターによる家畜飼料管理システムへの応用
岩手大学 農学部 共同獣医学科 教授 佐藤 繁
新技術の概要
近年、濃厚飼料の多給等によりルーメンアシドーシスに起因する牛の疾患が課題となっており、ルーメン内pH管理が必要となっている。そこで新規に開発した無線伝送式ルーメン監視システムの牛飼養管理への応用を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では正確かつ連続的な把握が困難であったルーメンの内部状態を外部から検出できる技術であり、ルーメンpH及び温度管理が可能となり牛疾患予防に留意し人的作業コストを軽減した飼養管理技術が可能となる。
新技術の特徴
・連続的なデータ把握が可能であること
・無線伝送式であること
・回収機器と連動して回収が可能であること
想定される用途
・牛飼養管理システムへの応用
・ルーメンアシドーシス等の疾病予防システムへの応用
・牛個体情報管理システムへの応用
関連情報
・サンプルの提供可能(条件協議の上提供可能)
・展示品あり
・外国出願特許あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
国立大学法人帯広畜産大学 地域連携推進センター
TEL:0155-49-5771FAX:0155-49-5775Mail:crcenterobihiro.ac.jp
URL:http://www.obihiro.ac.jp/~crcenter/index.html
新技術説明会について
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