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お茶の水女子大学・関西学院大学 新技術説明会

日時:2012年11月30日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)加工時に黄変しないダイコンの開発:加工食品への応用例と生理機能

お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 自然・応用科学系 准教授 森光 康次郎

新技術の概要

本技術では、黄変しないダイコンの新品種を開発した。たくあんなどの漬物や大根おろし、この種子を使ったスプラウトなど加工食品への、特徴を活かした応用例を確認している。さらに、ダイコンの辛味成分が残存する性質に由来する生理機能性も明らかになっている。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、低温加工によりダイコンの加工食品の白色性を維持してきた。本技術によれば、温度管理や添加物の付加等によらず、ダイコン加工品の白色を維持できるため、工程の削減や効率化、省コスト化が図れる。

新技術の特徴

・従来品種のダイコンと成分組成が全く異なる
・黄変しない漬物や大根おろし等が製造可能になった
・加工したものにダイコンの辛味成分が残存する性質から高い生理機能性が期待される

想定される用途

・加工後、黄変しない、異臭を発しないダイコン加工食品の製造
・新たなダイコン加工食品へ開発やサプリメント素材への応用
・残存する辛味成分を生かした健康食品

関連情報

・展示品あり(当該技術によるダイコン(収穫状況による。無しになる可能性もあり。)
・外国出願特許あり

  • 創薬

2)上皮分化異常に対する高効能で低副作用の治療・予防薬

関西学院大学 理工学部 生命科学科 教授 平井 洋平

新技術の概要

形態形成因子であるエピモルフィンやその類似物質のアンタゴニストを創製し、それらの優れた不全角化改善効果と経皮吸収性を病変モデルマウス等で確認した。

従来技術・競合技術との比較

EPn1で代表される本技術のペプチドは、表皮や角膜における病変での原因因子の発現変動、遺伝子強制発現、および遺伝子破壊マウスでの表現系を基にしてエピモルフインの活性中心を特定した上、それらを修飾して環状ペプチド構造を策定することにより創製したものであり、従来の治療・予防薬に比べて効果が高く副作用が低いと期待できる。

新技術の特徴

・ペット用皮膚保護薬品
・医薬・医薬部外品スクリーニングのコントロール剤
・食品添加剤

想定される用途

・化粧品の原料
・医薬品(皮膚疾患・角膜疾患治療の外用剤等)
・試薬

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

3)3次元空間を利用したペプチド パラレル合成法

お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 自然・応用科学系 教授 千葉 和義

新技術の概要

本技術は、20種類のアミノ酸を用い、20X20X20=8000種類のトリペプチドをわずか20+20+20=60工程で合成する新手法である。本手法では(1,1,1)から(20,20,20)の(x,y,z)座標上に位置する反応器に8000種類のペプチドが合成される。

従来技術・競合技術との比較

従来ではX・Y・Z(掛け算)回の工程を要した反応が、本技術ではX+Y+Z(足し算)回の反応数で実現できる。このため、適用する反応を圧倒的に簡便かつ安価に行うことができ、かつ合成の組み合わせを網羅的に実行できる手法である。

新技術の特徴

・多種類のコーティング剤のコーティングや糖類の合成等を網羅的に処理することができる
・三次元に配置した各反応器で合成されるものについて、反応の順序を制御できる(化合物の構造やコーティングの層の順序を制御できる)
・三次元の各「面」に配置した反応器をそれぞれ独立かつ一度に処理することにより、X+Y+Z(足し算)回の工程でX・Y・Z(掛け算)個の反応を実現できる

想定される用途

・プロテアーゼ基質の網羅的合成
・抗原決定のための網羅的ペプチド合成
・より高い生理活性をもつペプチド探索のための網羅的合成

関連情報

・展示品あり(反応器、反応装置)

  • 医療・福祉

4)細胞がん化の原理に基づいた真にがん細胞特異的アプローチ法

関西学院大学 理工学部 生命科学科 教授 大谷 清

新技術の概要

細胞ががん化する際、必ずがん抑制遺伝子産物RBの機能が障害される。これに伴い、RBの標的である転写因子E2Fが、がん抑制遺伝子を活性化する特異な転写活性をもつ。この特異な活性はがん細胞特異的に存在し、がん細胞特異的アプローチの指標となる。

従来技術・競合技術との比較

既存のがん細胞特異的アプローチ法は、多少なりとも正常細胞にも存在するものに基づくものが多い。これらの方法は、がん細胞優先的ではあるが、真に特異的とは考えがたい。本法はがん化の原理に基づいており、真にがん細胞特異的かつ普遍的と考えられる。

新技術の特徴

・細胞がん化の原理に基づく
・真にがん細胞特異的と考えられる
・がんの種類を問わず、普遍的に有効と考えられる

想定される用途

・がん特異的治療
・がん診断

  • 創薬

5)安全で効果的な疼痛治療薬の開発

お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 自然・応用科学系 教授 室伏 きみ子

新技術の概要

本技術では、環状ホスファチジン酸(cPA)の誘導体2ccPAにC繊維の活性化を介した強い鎮痛作用があることを示し、その薬効、安全性などを確認した。また繰り返し投与による神経障害性疼痛の抑制と治癒効果も確認され、安全で効果的な鎮痛剤としての開発に期待が持たれている。

従来技術・競合技術との比較

cPAと2ccPAは、従来の代表的麻薬性鎮痛剤であるモルヒネにも劣らない鎮痛効果があり、かつ生体物質であるため、麻薬のような耐性や依存性は見られない。

新技術の特徴

・様々な神経障害性疾患の治療(cPAは神経の保護作用を持ち、特に2ccPAで効果が高い)
・がんの治療(cPAはがん細胞の浸潤・転移を抑制し、特に2ccPAでその効果が高い)

想定される用途

・がん性疼痛の緩和医療
・変形性関節症患者の治療薬
・その他痛みに関連する疾病領域における鎮痛剤

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

6)人為的かつ領域選択的DNA脱メチル化誘導法の開発

関西学院大学 理工学部 生命科学科 専任講師 関 由行

新技術の概要

生殖細胞のみで働く因子PRDM14に領域選択的なDNA脱メチル化誘導活性があることを発見した。この知見をベースに、PRDM14のDNA結合領域を改変することで、目的領域選択的なDNAM脱メチル化誘導法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

現在、臨床試験が行われているDNA脱メチル化剤は、複製時のメチル化維持の阻害が標的となっており領域選択性がない。一方で我々が開発中の方法は複製に依存しない能動的脱メチル化誘導法であり、領域選択的に脱メチル化できる点が大きなアドバンテージである。

新技術の特徴

・非増殖細胞への応用も期待できる
・DNA結合領域を改変することでDNA脱メチル化領域を自由自在に決定することができる
・エピゲノム変異に基づく疾患への応用

想定される用途

・癌抑制遺伝子の再活性化および抗癌療法
・高品質iPS細胞の樹立
・細胞の分化転換

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

お茶の水女子大学 研究協力・社会連携チーム

TEL:03-5978-5162FAX:03-5978-2732
Mail:s-kenkyoアットマークcc.ocha.ac.jp
URL:http://www.ocha.ac.jp/research/

関西学院大学 研究推進社会連携機構

TEL:079-565-9052FAX:079-565-7910
Mail:ip.renkeiアットマークkwansei.ac.jp
URL:http://www.kwansei.ac.jp/kenkyu/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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