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大阪府立大学・大阪市立大学 新技術説明会(1)

日時:2012年10月18日(木)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)トンネル電流計測に基づくDNA単一分子の検出・診断法

大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ナノ科学・材料研究センター 特別講師 西野 智昭

新技術の概要

走査型トンネル顕微鏡(STM)において、プローブDNAを固定した探針を用いた簡便な電流計測によって、迅速に、かつ単一分子レベルの高感度にてDNAが検出でき、ミスマッチ・メチル化塩基の識別も可能である。

従来技術・競合技術との比較

DNA単一分子が検出できる極めて高い感度を有するため、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法等による増幅が不要である。ラベル化・検出試薬による情報変換を介さず著しく迅速・簡便にDNA検出ができる。小型で安価な装置開発が可能である。

新技術の特徴

・DNA単一分子検出
・生体分子の電気伝導計測
・電流検出型化学センサ

想定される用途

・遺伝子診断(SNPsタイピング、がん診断)
・ゲノム創薬における疾患遺伝子同定
・ゲノム情報に基づく生体認証

  • アグリ・バイオ

2)簡便で短行程なレスベラトロールと関連誘導体の合成

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 教授 谷森 紳治

新技術の概要

パラジウム触媒下、ボラン酸とスチレンを出発物質とするハロゲンフリーの、植物ファイトケミカルレスベラトロールと制がん活性物質DMU-212など関連誘導体の簡便で短行程、収率のよい合成法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

出発原料は入手容易であり、簡便で収率もよく、穏和な反応条件であるため官能基許容性があり、かつハロゲンフリーであるなど、環境調和性を配慮している。

新技術の特徴

・穏和で、ハロゲンフリーの反応条件
・出発物質が入手容易であり、反応操作が簡便
・全行程が短く(1~2段階)、ライブラリー構築が容易

想定される用途

・制がん剤としての開発が期待されるレスベラトロール脂溶性誘導体の一段階合成法
・非天然型誘導体やケミカルプローブを含めたレスベラトロール関連化合物ライブラリーの構築
・レスベラトロールの機能開発、特に制がん剤・抗老化薬等の開発

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

3)分子鋳型を用いる化学センサの開発と応用

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 教授 長岡 勉

新技術の概要

導電性ポリマを用いる分子鋳型センサ作製法を開発した。対象物質として、ナノからマクロに至る広い範囲の物質の検出が可能である。(アミノ酸、コレステロールなどの小分子、たんぱく、細菌、etc.)

従来技術・競合技術との比較

ほとんどの化学センサは酵素などのバイオリガンドを用いて構築されている。これに対して我々は導電性ポリマからなる分子鋳型を開発した。開発したセンサ膜は経済性に優れ、かつ容易に対象物質を変更できる特徴がある。

新技術の特徴

・ナノ粒子メッキセンサ電極作製方法(ディスポーザブル,レーザープリンタによる電極のパターニング)
・分子鋳型技術により、簡単に対象物質に適合するセンサ膜が開発できる
・バイオ分離磁性ビーズの開発

想定される用途

・バイオセンサ
・センサ電極作製技術
・機能性バイオリガンドの樹脂表面への高効率固定

  • 材料

4)臭気物質を吸着させるミクロ孔セラミックス材料の創製と活用

大阪市立大学 大学院工学研究科 機械物理系専攻 教授 横川 善之

新技術の概要

低分子であるVSCを液相中、気液共存中、気相中、いずれでも効果的に除去でき、化学的に安定な形状保存反応型ミクロ孔セラミック材料を開発した。例えば、気相中で吸着量は300μl/gに及び、また吸着したVSCは室温でほとんど脱離せず、200℃以上で脱離し始め、500℃でも脱離量は30~40%程度に止まる特長を有する。一旦吸着すれば外部に漏れることがないため、口腔内のVSC除去剤として有望である。

従来技術・競合技術との比較

口中殺菌・消臭剤では、効果が一時的であり、殺菌してもVSC等の内毒素が残存し、歯周組織の障害または金冠の黒化等が問題となっている。

新技術の特徴

・口臭除去剤
・悪臭除去剤

想定される用途

・歯科材料
・脱臭剤

  • 材料

5)導電性磁性マイクロビーズを用いたワンステップ検査法の開発

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質化学系専攻 准教授 椎木 弘

新技術の概要

プローブと高い親和性を有する金ナノ粒子で磁性ビーズを被覆することで、微量試料からのターゲットの分離、濃縮と高感度な検出、定量とが同時に達成される新しい検査法である。

従来技術・競合技術との比較

従来の磁性ビーズではプローブ導入量が低く、検出までに多くの処理工程を要する。本技術では、従来の10倍以上のプローブ導入が可能になり迅速で高感度な検出が達成される。

新技術の特徴

・導電性・磁性マイクロビーズ
・省資源・少工程での薄膜形成
・マルチアレイ

想定される用途

・免疫検査
・環境有害物質の高効率回収・分離
・電子材料

関連情報

・サンプルの提供可能(プラスチックの金属ナノ粒子被覆については相談に応じます)
・展示品あり(金ナノ粒子被覆したビーズの展示)

  • 材料

6)高温高耐摩耗性に優れた新型Ni基金属間化合物合金

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 准教授 金野 泰幸

新技術の概要

Ni3AlとNi3Vの金属間化合物相が微細かつ整合よく配置された2重複相組織を特徴とするNi基超々合金に、析出強化あるいは分散強化を付与することにより、硬さ特性を一段と向上させることに成功した。開発合金は従来合金を超える優れた高温高耐摩耗性を示し、耐熱部材や高温工具の適用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

耐摩耗材料として汎用される工具鋼や超硬合金は、高温になると組織変化を起こしたり、結合剤である金属相が軟化するため、耐摩耗特性が劣化してしまう。これに対して、開発材は高温まで金属間化合物構造が安定なため、900℃の高温でも高い硬さと良好な耐摩耗性を有する。

新技術の特徴

・硬さや強度の耐熱性が高い
・耐酸化性や耐腐食性も良好である
・溶解鋳造法や粉末冶金法など従来製造技術が利用できる

想定される用途

・高温用ダイス、高温金型、摩擦攪拌接合用ツールなどの耐熱工具
・高温用ボルト・ナットなどの耐熱締結要素部品
・高温用軸受などの耐熱摺動部品

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

7)カーボンナノチューブによる高感度熱量計

大阪府立大学 大学院工学研究科 電子・数物系専攻 電子物理工学分野 教授 秋田 成司

新技術の概要

カーボンナノチューブは極めて小さな熱容量しかもたない。ここでは、1fJ以下という極微少な熱量測定が可能な超高感度センサを提案する。この技術は、微細な領域での気体の圧力や流速センサへの応用が可能である。

従来技術・競合技術との比較

本提案の熱量センサは既存の熱量センサの1000倍以上の高感度化が期待できる。このため従来のセンサでは測定不可能であった一個のナノ粒子や生体分子の熱量が計測可能となる。また、センサの体積が1ピコリットル以下と極めて小型である。

新技術の特徴

・流量センサー
・新規触媒開発
・高機能ナノ粒子材料開発

想定される用途

・熱量センサ
・熱分析装置
・圧力計、流量計

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

8)非レアメタル系有機無機ハイブリッド高効率固体発光材料

大阪市立大学 大学院理学研究科 物質分子系専攻 講師 舘 祥光

新技術の概要

独自に開発した三脚型配位子と金属の組み合わせにより、特徴的な構造を有する配位高分子の開発に成功した。開発した配位高分子は構造に由来した発光特性を示し、金属と配位子の組み合わせにより非常に高い発光量子収率を達成した。

従来技術・競合技術との比較

本発光材料は安価に製造でき、固体状態で高い発光特性を示す特徴を有する。その配位子は化学的修飾が容易であるため、配位子による発光特性の制御が容易である。また、本発光材料は固体粉末であり新材料への加工が容易である。

新技術の特徴

・化学的修飾が容易であり、発光特性の制御が可能
・固体発光を活かした新材料への加工が容易
・配位高分子に由来する高い耐久性

想定される用途

・LED用発光体素子材料
・液晶バックライト、EL等の表示デバイス用材料
・蛍光塗料、バイオマーカー等各種用途の発光材料

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

9)磁性・誘電材料における電磁場分布の定量解析法の開発

大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ナノ科学・材料研究センター 特別准教授 戸川 欣彦

新技術の概要

物質中の電場や磁場により微小に偏向される電子線を利用し、磁性材料の磁気特性や誘電材料の誘電特性を局所的かつ定量的に解析することを可能とする“小角電子線散乱法”を開発した。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、従来の電子線回折法を用いた電磁場解析技術の検出感度を3桁近く向上させ、磁性材料や誘電材料などの物質中の電場、磁場分布の定量解析を可能とする。超格子構造体などの長周期構造解析にも有効である。

新技術の特徴

・自己組織化材料
・多孔質触媒材料
・光学材料

想定される用途

・磁気材料
・誘電材料
・超格子構造体

  • 環境

10)都市鉱山からのレアメタル・貴金属のリサイクリングに挑戦

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 化学工学分野 教授 小西 康裕

新技術の概要

都市鉱山(使用済み家電製品・自動車など)からのレアメタル(インジウム、白金族金属、レアアース等)の回収・再利用を、簡便で迅速に達成するバイオ技術。コンパクトな設備で実行可能なバイオ技術は、レアメタルの地域分散型リサイクルに貢献。

従来技術・競合技術との比較

競合技術(化学的、物理的方法)に比べて、バイオ技術をベースにしたレアメタル等回収は、エネルギーや化学薬品の消費量が少ない低エネルギー型技術である。その上、都市鉱山からのレアメタル回収に適用できる“効率の良い、経済的なバイオ技術”である。

新技術の特徴

・白金族金属や金の分離・濃縮・ナノ粒子化までをワンステップで、室温において迅速に達成
・希薄溶液からインジウム、ガリウム、レアアース等を、迅速・高効率で、微生物細胞に吸着分離・濃縮
・微生物の還元作用(バイオミネラリゼーション)で、細胞表面に創出される白金族金属ナノ粒子
・レアメタル・貴金属の分離・回収に有効な微生物を内包したシームレスカプセル

想定される用途

・都市鉱山(使用済み液晶パネル、プリント基板、自動車排気ガス触媒)からのレアメタル・貴金属のリサイクル
・微生物細胞を反応場・担体として活用する工業用触媒(燃料電池の電極触媒、自動車排気ガス触媒)の開発
・鉱工業廃水等からの低濃度レアメタル・貴金属の回収・再資源化

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

11)溶液塗布型有機EL素子を指向した有機材料および有機金属材料の開発

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 応用化学分野 准教授 八木 繁幸

新技術の概要

有機EL素子の低コスト量産化プロセスとして溶液塗布法による素子作製が注目されている。本研究では、溶液塗布型有機EL素子に対応した有機材料(りん光性発光材料およびホスト材料)を新規開発した。

従来技術・競合技術との比較

有機EL素子は従来、真空蒸着法で作製されてきたが、素子作製の低コスト化・量産化を実現するには溶液塗布法への技術シフトが必須である。本開発では、溶液塗布型素子作製に特化した有機EL用有機材料の新規設計・開発に成功している。

新技術の特徴

・発光インクの調製を可能にする有機りん光材料の創製
・溶液塗布法による発光性有機薄膜の作製
・有機薄膜太陽電池用有機材料の創製

想定される用途

・有機ELディスプレイ
・薄型ディスプレイ用バックライト
・面発光型照明機器

  • 環境

12)有機性廃棄物及び未利用バイオマスの資源・エネルギー化

大阪府立大学 21世紀科学研究機構 特認教授 吉田 弘之

新技術の概要

有機性廃棄物及び未利用バイオマスを亜臨界水加水分解により低分子に分解、特許の連続分離装置により乳酸、糖、DHAなどの有価物を得る。水相の無価値物はメタン発酵によりエネルギーに転換。固体残渣は亜臨界水熱分解により重油代替油に転換する。

従来技術・競合技術との比較

従来は、ほとんどが資源化のみあるいはエネルギー化のみの技術である。本技術は、亜臨界水により低分子化、有価物を回収後エネルギー化し、ほとんどを使い尽くすというもので、低コスト化が可能である。亜臨界水を前処理とするメタン発酵では、単純なメタン発酵に比べ、反応速度が数倍早くなり、メタン発生量も2倍前後になる。

新技術の特徴

・生分解性プラスチックが安価に製造できる
・メタンガスの製造が従来より高速化しメタン生産量も倍前後になる
・木を原料にした場合、重油代替油が乾燥基準で約50%の収率で得られる

想定される用途

・生分解性プラスチックの製造
・下水汚泥や生ごみなどから高効率メタン発酵プロセス
・廃木材や間伐材から生分解性プラスチックの原料である乳酸の製造と重油代替油の製造

関連情報

・サンプルの提供可能(サンプル提供については可能なものと不可能なものがありますので相談してください)
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪府立大学 地域連携研究機構 シーズ育成オフィス

TEL:072-254-7943FAX:072-254-7475
Mail:seedsアットマークao.osakafu-u.ac.jp
URL:http://www.osakafu-u.ac.jp/

大阪市立大学 産学連携推進本部 新産業創生研究センター

TEL:06-6605-3550FAX:06-6605-3552
Mail:sangaku-ocuアットマークado.osaka-cu.ac.jp
URL:http://www.osaka-cu.ac.jp/ja
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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