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鉄道総合技術研究所 新技術説明会

日時:2013年02月19日(火)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)シアノアクリレート樹脂を用いた希土類系高温超電導コイル含浸技術

鉄道総合技術研究所 浮上式鉄道技術研究部 低温システム研究室 研究員 水野 克俊

新技術の概要

エポキシ樹脂を希土類系高温超電導コイルの含浸に用いると、冷却時の熱応力で線材剥離が発生してしまう。線材の剥離強度よりも接着強度の低い含浸材を用いる必要があり、瞬間接着剤として広く知られているシアノアクリレート樹脂に着目した。

従来技術・競合技術との比較

希土類系線材の含浸にはパラフィンワックスが用いられているものの、接着強度が全くないためレーストラックコイルのように非円形コイルの含浸には使えない。シアノアクリレートも希土類系線材を傷めることはないものの、ある程度の接着強度は有しており、非円形コイルの含浸にも用いることができる。

新技術の特徴

・希土類系高温超電導線材を傷めることのない適度な接着強度
・粘性が極めて低いので、含浸時の浸透性に優れる

想定される用途

・超電導リニア
・MRI
・SMES

  • 材料

2)モバイル高温超電導磁石の開発

鉄道総合技術研究所 浮上式鉄道技術研究部 低温システム研究室 主任研究員 小方 正文

新技術の概要

従来よりも高温、高磁場環境で使用できるイットリウム系高温超電導線材を用いて、小型の超電導磁石を開発した。本磁石は励磁電源と冷凍システムを切り離しても1テスラ級の磁場を長時間にわたり発生することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来のニオブチタン線材製超電導磁石は極低温の液体ヘリウムで冷却する必要があったが、本技術は液体ヘリウムが不要で、さらに冷凍システムを切り離しても一定時間運用できるので、簡素な構造で信頼性の高い超電導磁石を実現することができる。

新技術の特徴

・小型軽量な超電導磁石
・冷凍システムを分離しても一定時間運用可能な超電導磁石
・励磁電源を分離しても一定時間運用可能な超電導磁石

想定される用途

・磁気浮上式鉄道用超電導磁石

  • エネルギー

3)鉄道総研における電力技術に関する研究開発

鉄道総合技術研究所 電力技術研究部 部長 奥井 明伸

新技術の概要

電力供給に係わる技術として、直流用超電導ケーブルの電気鉄道への適用方法や間欠負荷に対する電力貯蔵装置の制御手法、さらに高速走行列車の集電に使用される電車線の構造について概説する。

従来技術・競合技術との比較

負荷点の物理的位置が変わる状態において電力の供給または集電を行う地上設備に係わるもので、電気鉄道固有の技術といえるが、アーク炉等の間欠負荷に対する電力供給技術や搬送システムにおける集電技術と類似している。

新技術の特徴

・超電導ケーブル:一般的な電力用と異なり直流の低圧大電流送電に適している。
・電力貯蔵装置:移動する負荷に対して電力の供給・吸収を行うことができ、特に間欠負荷への適用を前提とする。
・電車線:高速走行列車の移動に対応するため波動伝搬速度の向上に加え低摩耗性を満たす構造である。

想定される用途

・電気鉄道および電気鉄道に類似した搬送システム
・直流送電やエネルギー貯蔵に係わる技術


  • エネルギー

4)電力貯蔵装置の制御システム

鉄道総合技術研究所 電力技術研究部 き電研究室 副主任研究員 小西 武史

新技術の概要

電力貯蔵媒体の充電状態に応じて充放電させることで、電気鉄道用の電力貯蔵装置の性能向上を図ることが可能な制御手法を開発した。その妥当性をシミュレーションならびに実機を用いた検証試験によって評価した。

従来技術・競合技術との比較

電気鉄道用の電力貯蔵装置の制御手法については、充電および放電の開始電圧 (充放電電圧)を固定した制御手法がほとんどであり、電圧降下対策と回生電力の有効利用を両立させて機能させることはこれまで容易ではなかった。

新技術の特徴

・直流電気鉄道の電圧変動の抑制
・直流電気鉄道の省エネルギー化
・電気二重層キャパシタの最大エネルギーの増大

想定される用途

・直流送電における電圧変動の安定化
・直流送電における省エネルギー化
・既存の制御ソフトを改良することで、電力貯蔵装置の省エネルギー効果向上

  • 製造技術

5)高速用電車線の構造

鉄道総合技術研究所 電力技術研究部 電車線構造研究室 研究室長 清水 政利

新技術の概要

電気車に電力を安定して供給するには、電車線とパンタグラフが安定した接触状態を保つ必要がある。新幹線の高速化時にもこの状態を維持するため、ダンパ機能や通電機能を有し、軽量化を図った吊架金具等を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

新幹線の300km/h超域における特性改善を目的とし、想定される架線の振動や金具に加わる応力に対応可能な性能を有しており、実線区での走行試験等により機能を確認している

新技術の特徴

・磁気吸着により摩擦力を得るダンパ機構により保守が容易
・導電部と支持部に異なる材質を利用することによる機能の向上
・強度確保と軽量化を両立した部材の形状

想定される用途

・電線類の振動抑制
・振動状況下での通電部材
・支持部材の軽量化

  • 材料

6)鉄道用超電導ケーブルの開発と今後の展開

鉄道総合技術研究所 材料技術研究部 超電導応用研究室 室長 富田 優

新技術の概要

超電導線材を鉄道の直流き電系に用いることにより、レール帰線を含むき電系の抵抗が極めて小さくなるため、電力損失や電圧降下が低減される。

従来技術・競合技術との比較

電気抵抗がゼロで送電できる超電導材を適用することで、これまでの銅線と比較し、回生効率の上昇、電力損失の低減、変電所の負荷平準化や集約化、レール電位の抑制などが期待される。

新技術の特徴

・大容量送電
・電力送電

想定される用途

・き電補助線
・レール帰線

関連情報


・試作可能
・展示品あり


  • 材料

7)高温超電導材で製作した小型マグネットの開発

鉄道総合技術研究所 材料技術研究部 超電導応用研究室 室長 富田 優

新技術の概要

NMRやMRI分析器などに利用できる超電導マグネットは液体ヘリウム温度までの冷却が必要となり、非常に大型な装置となる。液体窒素を注ぐだけで冷却でき、小型で持ち運びができる超電導マグネットを実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来の超電導マグネットは液体ヘリウム温度(-269℃)までの冷却が必要で、冷凍機・圧縮機を含め非常に大型であった。液体窒素温度(-196℃)で高磁場を発生できる高温超電導バルク材を用いた超電導マグネットを開発した。

新技術の特徴

・卓上高磁場空間
・軸受装置

想定される用途

・小型・可搬式の超電導マグネット
・簡易NMR、MRI装置
・超電導バルク材着磁装置

関連情報

・試作可能
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

鉄道総合技術研究所 情報管理部知的財産

TEL:042-573-7220FAX:042-573-7357
Mail:tokkyoinfoアットマークrtri.or.jp
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