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東京工業大学 新技術説明会

日時:2012年07月03日(火) 12:40~16:30

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)氷を利用する光学分離-機能性固体材料の簡便調製法

東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 教授 岡田 哲男

新技術の概要

光学分離は種々の有用物質の分離に必須の技術である。通常固体上に光学認識部位を化学的に結合したものを用いるが、本技術では溶液を凍結して得られた氷を用いて行う。容易にかつ安価に機能性固体材料が調製できる。

従来技術・競合技術との比較

従来法では複雑な合成反応が必要であるために、光学分割用固体は極めて高価である。また、新たな光学認識部位を導入するために合成技術や時間を要した。本技術では、これらが不要で極めて安価な光学分割用固体材料を調製できる。

新技術の特徴

・機能性固体材料の簡便調製
・機能性分子の固体表面固定
・光学分割材料の大量調製

想定される用途

・医薬品などの有用物質の光学分割・分離
・光学活性な反応触媒
・光学活性物質のセンシング

  • 材料

2)太陽光エネルギーの変換効率向上を実現する光アップコンバーター

東京工業大学 グローバルエッジ研究院 テニュア・トラック助教 村上 陽一

新技術の概要

太陽電池・水分解光触媒・人工光合成等の太陽光エネルギー変換技術において、これまで利用されていないスペクトル部分を利用可能にする、従来技術の問題を解決した不揮発性・難燃性・長期安定性を有する革新的な光アップコンバーター。

従来技術・競合技術との比較

【従来方式】希土類元素を用い、効率0.01%~0.1%程度【本技術の方式】三重項-三重項消滅(TTA)を用い、太陽光強度に近い弱励起で希土類方式より遥かに高効率【従来TTA方式の問題点】媒体に揮発性・可燃な有機溶媒を用いるのがボトルネック【本発明】この問題を解決、現状の試験的段階で効率10%

新技術の特徴

・アップコンバージョン効率の高い,ここ数年で急速に注目を集め始めている三重項-三重項消滅(TTA)方式
・エネルギーキャリア分子の流動性媒体として,独自の着想と技術により不揮発・難燃なイオン液体の使用に成功
・従来のTTA方式の問題を解決した不揮発・難燃・長期安定(>18カ月)・高効率(現状10%)な革新的アップコンバーター

想定される用途

・太陽電池(特にアモルファスSi太陽電池・色素増感太陽電池)における太陽光エネルギー利用効率向上
・水素発生光触媒における太陽光エネルギー利用効率向上
・様々な人工光合成技術における太陽光エネルギー利用効率向上

関連情報

・来訪者に対するサンプル開示とデモンストレーション可
・外国出願特許あり

  • 材料

3)絶縁体ナノ薄膜の新しい電子エミッタ―構造

東京工業大学 応用セラミックス研究所 准教授 須崎 友文

新技術の概要

絶縁体2重積層構造を利用し、2.2 eV という低仕事関数を実現しています。最表面が安定な絶縁体であり、低真空で安定に動作する電子エミッターとなると考えられます。デバイス内部に組み込み、電子注入部位としての利用も考えられます。

従来技術・競合技術との比較

典型的な低仕事関数材料であるアルカリ金属、アルカリ土類金属、またそれらの化合物は化学的にきわめて不安定です。一方、安定度にすぐれているためエミッターに使われているタングステンの仕事関数は大きく、動作時のエネルギー損失は小さくありません。本発明は、化学的に安定な低仕事関数デバイス候補として、重要なものと考えられます。

新技術の特徴

・低仕事関数
・化学的に安定
・(特殊な天然の構造ではないので、)さらに工夫する自由度が多くある。

想定される用途

・電子エミッター、特に二次電子放出電極
・電子注入電極
・CVD基板

関連情報

・サンプルの提供可能・サンプルの作製には少し時間と実費がかかるので、相談により決めさせて下さい。
・外国出願特許あり

  • 材料

4)がん治療や診断に使われる機能性ナノ粒子の簡便な製法

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物質科学創造専攻 准教授 和田 裕之

新技術の概要

液体中で固体に集光したパルスレーザー光を照射してナノ粒子の分散溶液を作製する「液中レーザーアブレーション法」により、機能性ナノ粒子を作製するもので、幅広い分野で応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

化学的合成法に比べて、シングルステップで複雑な組成のナノ粒子を作製でき、反応試薬等を含まないため広い分野での応用できる。気相合成法に比べて、簡便な装置で凝集を防止しながら高効率にナノ粒子を回収できる。

新技術の特徴

・複雑な組成のナノ粒子が簡便に作製可能
・反応試薬等が混入しないため得られるナノ粒子は高純度
・添加物により凝集制御が容易

想定される用途

・がん治療や診断(バイオメディカル分野)
・量子ドット増感太陽電池(エネルギー分野)
・白色LED(エレクトロニクス分野)

  • アグリ・バイオ

5)機能性物質含有微粒子を利用する高感度バイオセンシング

東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生命情報専攻 助教 坂本 聡

新技術の概要

蛍光物質や導電性物質などが内包された機能性物質包含微粒子を用い、抗原抗体反応などの生体分子の相互作用の後に微粒子から溶出させた機能性物質を高感度測定することで、微量の生体分子を検出するバイオアッセイシステムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

蛍光物質や導電性物質などの機能性物質が包含された微粒子を利用し、機能性物質の溶出によって生体分子を検出する点が従来技術と大きく異なる。また、多量の機能性物質を微粒子に包含させることができることから、センシングの高感度化が期待される。

新技術の特徴

・微粒子から機能性物質を溶出させる工程を含む生体分子の高感度検出
・蛍光分子や導電性物質、磁性体などの様々な機能性物質の利用

想定される用途

・血中がんマーカーなどの微量生体分子検出
・環境汚染物質の高感度検出(環境センサ)

  • アグリ・バイオ

6)細胞のエネルギーフリー長期保存を目指した新規乾燥保護試薬の開発

東京工業大学 バイオ研究基盤支援総合センター 教授 櫻井 実

新技術の概要

本試薬はネムリユスリカなどの耐乾燥生物が発現するLEAタンパク質の機能部位からヒントを得たペプチドである。このペプチドを添加しておくことにより、リポーソームに乾燥ストレスを与えたときに起こる凝集・融合が抑制されることが示された。

従来技術・競合技術との比較

従来、細胞試料は、冷蔵・冷凍もしくは凍結乾燥状態で保存されてきたが、その維持管理及び試料調製には多大な電力が必要であった。本ペプチド試薬を用いることにより、エネルギーフリー長期保存(自然乾燥+常温保存)が可能となる。

新技術の特徴

・既存の乾燥保護剤(例:トレハロース)との混合による相乗効果
・細胞膜やタンパク質表面の物理的シールディング
・ガラス化による細胞膜やタンパク質の包埋安定化

想定される用途

・リポソームを用いたDDSの保存・安定化
・検体試料や不安定タンパク質製剤の保存
・低開発国などの電源事情の悪い地域での生体試料の保存

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京工業大学 産学連携推進本部

TEL:03-5734-2445FAX:03-5734-7694
Mail:sangakuアットマークsangaku.titech.ac.jp
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