東海国立3大学 新技術説明会(1)
日時:2012年05月31日(木)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)CBIR手法を用いた色彩画像解析システム
国立大学法人三重大学 大学院生物資源学研究科 資源循環学専攻 教授 亀岡 孝治
新技術の概要
本技術は、対象物の①表面光沢が除去された高品質色彩画像の撮像装置、②色彩情報・形状情報・サイズ情報に基づく外観特徴解析手法からなるシステムであり、人の目に近い農産物の評価、栽培・品質管理を可能にする。
従来技術・競合技術との比較
農産物は表面の光沢・色むら・凹凸等が顕著であり、従来の拡散光源では高品質色彩画像の撮像が困難であった。また、分光測色計等の部分的評価や画像処理等のアルリズム処理が採用されていた。本技術は、それらを解消し、形状・サイズ情報も活用する人の目に近い外観特徴解析システムである。
新技術の特徴
・色彩情報・形状情報・サイズ情報に基づく人の目に近い外観特徴解析システム
・分光法による内観情報や遺伝・育種情報とリンクし、農産物の高精度栽培・品質管理、ハイスループットPhenotypingへの展開も想定
想定される用途
・農業の6次産業化・植物工場
・農産物の栽培・育成の診断・評価
・農産物の高精度栽培・品質管理
- 電子
2)CdTe/Si単結晶厚膜によるエネルギー識別型放射線画像検出器
名古屋工業大学 大学院工学研究科 機能工学専攻 教授 安田 和人
新技術の概要
放射線光子エネルギーを識別可能な高性能大面積の放射線画像検出器とその製造方法。有機金属気相成長法によるSi基板上のCdTe単結晶厚膜層を用いて製作した、ダイオード型検出器の2次元集積型画像検出器アレイ。
従来技術・競合技術との比較
本技術では従来のバルクCdTeでは実現不可能な、高集積や大面積の検出器が実現可能である。また本技術ではCdTe層電気特性制御や多層化が可能なため、新規構造実現による検出器特性の飛躍的な向上も期待できる。
新技術の特徴
・放射線環境の検査及び作業者安全確保
・生活環境の放射線汚染検査及び監視等
・食品検査(異物混入検査、放射性物質汚染検出、等)
想定される用途
・医療検査・診断
・貨物検査・製品検査(品質管理)
・テロ対策等の保安分野(核物質等の輸送監視)
関連情報
・展示品あり(8x8 2次元CdTe/Si放射線検出器アレイ、講演中及び講演後に公開予定)
・外国出願特許あり
- 機械
3)低電界強度で作動する微粒子水分散系エレクトロレオロジー流体
岐阜大学 工学部 応用化学科 准教授 木村 浩
新技術の概要
エレクトロレオロジー(ER)流体とは「外部電場によって可逆的に材料のレオロジー特性が変化する流体」である。本技術では脱塩したヘクトライト粒子水分散液を用いることにより数V/mm程度の低電界強度でER効果を発現させることが可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来のER流体におけるER効果の発現には数kV/mm程度の高い電界強度を必要とするが、本技術では数V/mm程度で充分である。
新技術の特徴
・初の水系ER流体である
・脱塩処理を必要とする
・低電場で作動する
想定される用途
・制震
・流路内の圧力制御
・液体中の対象物質の捕獲
関連情報
・展示品あり〔試験管2本:脱塩したサンプル(液状)と塩添加したサンプル(ゲル状)の各1本ずつ〕
- 環境
4)窒化物半導体デバイス用AlN基板の作製
国立大学法人三重大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 三宅 秀人
新技術の概要
本発明は、ハイドライド気相成長法(HVPE法)により、結晶品質のよいAlN厚膜を形成することができ、かつ長寿命化を図られたAlN系III族窒化物結晶の作製装置を提供することを目的とする。基板加熱を赤外線ランプを用いることで、反応管として石英を用いて1200℃以上でのAlN成長を可能にし、結晶品質の高いAlN膜を得ることができる。
従来技術・競合技術との比較
HVPE法を用いてAlN系のIII族窒化物結晶の厚膜成長を行う場合、基板を1200℃以上の高温に加熱することが必要となる。しかしながら、HVPE法の反応管として通常使用される石英管を用い、石英管の外周から抵抗加熱などにより加熱する方法では、1200℃以上では石英管の劣化を引き起こす。本発明は、加熱方式を赤外線ランプにすることで1200℃以上での成長を可能にする。
新技術の特徴
・ガス雰囲気制御を必要とする装置における1200℃以上での加熱
・ハロゲン化物など金属の反応管を用いることが困難な原料ガスを用いる熱処理や合成装置
・高純度ガスを原料とする高温の熱処理や合成装置
想定される用途
・窒化アルミニウム(AlN)基板作製装置
・窒化アルミニウム(AlN)基板の作製
・窒化物の高温熱処理装置
- 機械
5)二枚の共振平板間に進行波状の移動空間を生成する原理を利用した薄型送風機
岐阜大学 工学部 機械システム工学科 教授 松村 雄一
新技術の概要
単純支持平板を共振駆動すると正弦波状実稼働モードで振動する。この共振平板2枚をある条件で長手方向に対向させると、その隙間は一方向に移動する。この原理で空気を搬送すると、送風方向に対して薄形の送風機を実現できる。
従来技術・競合技術との比較
電子機器等の冷却には多くの風を送る軸流ファンと、高圧の風を送るシロッコファンが利用されている。これらは回転型モータを利用し、小型化に限界がある。提案する機構は圧電素子で駆動可能であり、小型・薄型化に適する。
新技術の特徴
・送風方向に対して薄形
・平板を圧電素子等で加振するだけのシンプルな構造、機構
・空気を送る以外にも、様々な粉体、流体等の搬送用や、攪拌搬送用の装置としての応用も可能である点
想定される用途
・LED電球や小型電子機器等の放熱対策に用いる薄型冷却ファン
・車両等の天井部、住宅等の窓枠部などの狭小空間に設置可能な送風装置
・空気以外の物の搬送(例えば、粒状体の攪拌搬送)
- 電子
6)透明電極GaN系FETを用いた低リーク高感度紫外線受光素子
名古屋工業大学 大学院工学研究科 機能工学専攻 准教授 分島 彰男
新技術の概要
GaN系トランジスタにおいて、ゲート電極に導電性透明材料(ITO)を用いることにより、表面からのUV光照射に対して感度の高い受光素子を実現。また、トランジスタをピンチオフ状態で用いることで、従来の光FETで問題となる高い暗電流を大幅に低減した。
従来技術・競合技術との比較
p-i-n接合形受光素子における低い受光感度を、増幅などを用いないシンプルな構造で改善。
新技術の特徴
・紫外線受光素子
・透明電極
想定される用途
・紫外線センサー
・紫外線通信
お問い合わせ
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