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筑波大学 新技術説明会

日時:2012年07月24日(火) 13:00~17:10

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)LiおよびNaイオン電池正極材料としてのネットワークポリマー

筑波大学 数理物質系 教授 守友 浩

新技術の概要

ネットワークポリマーは三次元的な隙間の多い構造を示すため、(1)大きなリチウムイオン拡散係数、と、(2)高い構造安定性、を示す。実際、リチウムイオンに対して3000C、ナトリウムイオンに対して100Cという驚異的な放電速度を示す。また、この材料は、リチウムイオンの挿入/脱離に対して構造相転移や相分離を示さない。

従来技術・競合技術との比較

既存材料(LiCo2、LiFePO4、等)は、リチウムイオンの挿入/脱離に対して構造相転移や相分離を示す。また、許容範囲を超えてLiを脱離すると不可逆な化学反応を示してしまう。また、リチウムイオンに対する放電速度は最高で400Cであり、我々の材料の8分の1位置である。ナトリウムイオンに対する最高値は数Cである。

新技術の特徴

・元素戦略的なナトリウムイオン電池の創成
・教材用リチウムイオン電池
・電池機能付き表示機

想定される用途

・薄膜電極の特徴を生かしたカラー電池(色で電池座量が分かる)
・高速充電機能を活かしたICカード用電源
・スケルトン型電池として小型家電への組み込み

関連情報

・サンプルの提供可能(要相談)
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

2)抗老化・抗ストレスシーズとしての神経機能調節成分

筑波大学 生命環境系 教授 礒田 博子

新技術の概要

CQAが神経細胞のエネルギー代謝を促進し、A-betaによる誘発される神経細胞傷害の保護作用を見出した。CQAを投与した老化促進モデルマウスであるSAM-P8マウスに著しい学習・記憶障害の改善効果が見られた。

従来技術・競合技術との比較

CQAがマウスの脳において解糖系酵素を活性化し、神経細胞の保護を誘導する。その後、学習・記憶に深く関与するLTPの形成障害を抑制し、老化による学習・記憶障害を抑制すると考えられる。

新技術の特徴

・神経細胞におけるATP産生促進
・抗酸化・神経可塑性遺伝子発現
・サツマイモ皮・煮汁等の利用(ふりかけ、飴など)

想定される用途

・機能性食品
・薬用化粧品
・医薬品シーズ

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • エネルギー

3)新材料BaSi2による薄膜太陽電池開発の現状

筑波大学 数理物質系 教授 末益 崇

新技術の概要

変換効率25%超を狙える薄膜太陽電池を、BaSi2との新しい半導体を用いて、動作原理が単純明快なベタ膜のpn接合で実現する技術。

従来技術・競合技術との比較

変換効率25%超を狙える薄膜太陽電池を、太陽電池に相応しい禁制帯幅をもち、且つ、光吸収係数が大きな、資源の豊富な安全・安心な元素で構成される半導体で実現する技術。

新技術の特徴

・資源が豊富で、安全、安心な元素で構成される薄膜太陽電池
・ガラス基板へも高品質な薄膜形成が可能な太陽電池

想定される用途

・薄膜太陽電池
・受光素子

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

4)ナノ/マイクロサイズに制御された高効率物質内包リポソームの製造技術

筑波大学 生命環境系 教授 市川 創作

新技術の概要

薬品や食品機能成分をリポソーム(脂質ベシクル)などの脂質カプセルに高効率で内包化すると共に、そのサイズを制御できる量産化が可能な新規製造技術『多相エマルション法』と『脂質被覆氷滴水和法』を開発した。

従来技術・競合技術との比較

エマルション水滴をリポソーム内水相へと移行する製造技術により、親水性物質を高効率(~98%)で内包化すると共に、初期エマルション水滴のサイズを反映したリポソームが作製できる。また、作製操作が比較的簡便であり量産化が可能である。

新技術の特徴

・穏やかな乳化技術による物質の効率的な内包化技術
・エマルション水滴を脂質膜で被覆するカプセル化技術
・使途に応じたプロセス/システムの適応性

想定される用途

・薬剤・食品機能成分のキャリア
・分析・診断のメディア
・コンパートメント化された脂質小胞構造⇔細胞類似のマイクロリアクター

関連情報

・技術相談を行った上で試作可能
・外国出願特許あり

  • 材料

5)ユビキタス元素で構成された磁気記録媒作製技術

筑波大学 数理物質系 准教授 柳原 英人

新技術の概要

垂直磁気記録方式のハードディスクには、記録層材料として白金族元素が不可欠です。我々はスピネル型酸化物の配向制御を行うことでPtを含まずに垂直磁気異方性を示す材料と、Ruを含まずに強い反強磁性結合を示す複合構造を見出しました。

従来技術・競合技術との比較

白金族を用いずに十分な機能を示す酸化物薄膜の成膜方法を確立したことで、磁気記録材料の安定供給と原価の抑制が期待されます。

新技術の特徴

・ルテニウム不要の反強磁性的層間交換結合
・白金族を用いない酸化物による垂直磁化膜
・安価な材料で実現する高機能磁性膜

想定される用途

・ハードディスク用垂直磁気記録層
・磁気センサー用固定層
・磁気メモリ用垂直磁化膜

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

6)超高速デジタル信号の品質と損失を改善する技術

筑波大学 システム情報系 教授 安永 守利

新技術の概要

プリント基板上の配線を複数のセグメントに分け、各セグメントの特性インピーダンスを個別に調整する方法を提案する。これにより故意に反射信号を生成し、これらを重ね合わせることにより信号品質と信号損失の改善を行う。

従来技術・競合技術との比較

従来は配線の特性インピーダンスを整合することで信号の品質を改善した。これらの従来技術は、GHz級の領域では適用が困難となる。また、従来はLSIを付加することで信号の損失を回復した。本技術によれは、GHz領域でも信号の品質改善が可能であり、また、LSIも不要となる。

新技術の特徴

・特性インピーダンスの不整合を利用(従来とは発想を180度逆転した手法)することで波形を整形する
・従来とは逆に、設計パラメータを増やすことで所望の設計解を得る
・設計解を得るために、遺伝的アルゴリズム(生物の進化を模した最適化手法)を用いる

想定される用途

・情報通信機器(パソコン、サーバ計算機、スマートフォンなど)のプリント基板配線やケーブル
・LSI内の配線構造

関連情報

・試作コンサルティング可能
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

7)リン酸カルシウム複合化自家腱を用い、骨孔との固定性を向上させた新規膝靱帯手術

筑波大学 医学医療系 整形外科(次世代医療研究開発・教育統合センター) 准教授(センター長) 坂根 正孝

新技術の概要

交互浸漬法により、手術中にリン酸カルシウム複合化自家腱を用いた膝前十字靭帯損傷の再建術で、骨孔との固定性を向上させた。

従来技術・競合技術との比較

従来法に比べて、骨孔拡大の程度が少なく、膝安定に優れ、膝の機能評価の一部にも有意な差がみられた。

新技術の特徴

・手術中に可能
・生体軟組織なら任意の部分に可能
・無機物のみでリスクが少ない

想定される用途

・関節靱帯手術
・肩腱板手術
・縫合糸そのものの複合化

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

筑波大学 研究推進部 産学連携課 (産学交流)(阿久津)

TEL:029-853-2906FAX:029-853-6565
Mail:tloアットマークilc.tsukuba.ac.jp
URL:http://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/jp/kigyo.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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