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中部地区 医療・バイオ系シーズ発表会

日時:2013年12月12日(木)

会場:ウインクあいち6階・10階(愛知県・名古屋市)

参加費:無料

発表内容一覧

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)マイクロ波マンモグラフィの開発

静岡大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 教授 桑原 義彦

新技術の概要

マルチスタティックUWBレーダ方式のマイクロ波マンモグラフィを開発し、臨床試験を行った。本装置は、モノスタティックUWBレーダで開発された広帯域ビームフォーミングアルゴリズムMISTを、マルチスタティックUWB レーダに拡張し、高分解能、低アーチファクトを実現した。さらに、吸引固定型のセンサーを用い、被験者の撮像時のずれを抑えることによって、撮像ミスの少ないシステムを実現した。

想定される用途

・乳癌検診装置

  • 医療・福祉

2)抗炎症・抗加齢に働く内在性分泌型デコイタイプ受容体の機能解析技術

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 准教授 山本 靖彦

新技術の概要

内在性分泌型RAGE(endogenous secretory receptor for advanced glycation end-products、esRAGE)は炎症や糖尿病合併症、動脈硬化、アルツハイマー病等といった加齢関連疾患の発症進展に対して抑制的に働くデコイ(おとり)タイプの受容体である。恒常的にヒトesRAGEを過剰発現するマウスを用いることで、様々な病態への有効性の検証やその抑制メカニズムの解明等の機能解析が可能となる。

想定される用途

・医薬品
・化粧品
・機能的食品

  • 創薬

3)タンパク質の作用時機を厳密に制御できる生分解性高分子微粒子

富山大学 先端ライフサイエンス拠点 工学系テニュアトラック 特命助教 中路 正

新技術の概要

作用させたいタンパク質を、遺伝子工学技術で合成した生体高分子結合ペプチドで生体高分子に固定する(内層)。この内層の生体高分子を、さらに生分解性高分子で包んだ。 この二層型微粒子は、内層の生体高分子が特定の酵素で分解された時にのみタンパク質が徐放される。従って、内包タンパク質の初期漏出(バースト)によるロスを無くすことができ、また、タンパク質の放出時機を内層高分子の分解によって厳密に規定できる。

想定される用途

・タンパク質デリバリー
・細胞や微生物活性化剤

  • 医療・福祉

4)再生医療材料としてのエラスチン・フィブリリン素材の産業応用展開

三重大学 大学院工学研究科 分子素材工学専攻 准教授 宮本 啓一

新技術の概要

生体組織の弾性を担う弾性繊維を高純度で抽出し、再生医療用の組織足場材料に応用する研究成果のなかで見出した機能・効果に関する部分を、医薬品や医療器具に応用するだけでなく、健康食品、美容関連商品に展開することが可能な素材開発技術。具体的には、生体の弾性組織から特性の異なる5種類の水溶性エラスチンと、水溶性フィブリリンという弾性繊維の主成分を抽出し純度を向上する製造技術と、その素材のヒト皮膚細胞や血管細胞に対する効果的な反応を基に、スキンケア商品や健康補助食品を開発できる。

想定される用途

・研究用試薬、実験器具
・医療材料、薬品
・健康食品、美容、化粧品

  • 医療・福祉

5)協調作業型回診支援ロボットTerapioの開発

豊橋技術科学大学 人間・ロボット共生リサーチセンター 特任准教授 三枝 亮

新技術の概要

医師や看護師と協調して回診作業を支援するロボットTerapioについて紹介する。Terapioは、人物追従、パワーアシスト、診療、メンテナンスの行動モードをもち、医師が大局的に状況を判断して行動モードを選択することで、院内環境での安全な回診支援を実現する。また、Terapioは表情生成、映像音声記録、物品収納などの機能も搭載しており、周辺の人に安心感を与えながら、医療物品や患者情報を搬送する。

想定される用途

・病院内回診で医師に付き添う移動・回診支援ロボット
・看護師に代わって入院患者を確認する見守りロボット
・認知症患者に寄り添い表情生成する癒し系ロボット

  • 創薬

6)チオアミドを利用した水中での無触媒クリック型反応

富山大学 大学院医学薬学研究部 生体認識化学研究室 助教 千葉 順哉

新技術の概要

無触媒で効率よく進行するクリック型反応について報告する。チオアミドとスルホニルアジドをエタノール中、室温で撹拌するだけでスルホニルアミジンが収率良く生成した。脂肪族、芳香族、環状骨格などさまざまな置換基を導入しても反応は進行し、加熱することで短時間かつ定量的に反応が進行した。さらに、本反応は水中で最も効率よく進行することも確認できたため、無触媒下でのクリック型反応として生体分子への展開が期待できる。

想定される用途

・生体分子の直接修飾
・医薬品開発
・グリーン・コンビケム

  • 医療・福祉

7)マイクロ技術を用いたマイクロニードル&肺機能評価用気流センサ

名古屋大学 大学院研究科 附属マイクロナノメカトロニクス研究センター 准教授 式田 光宏

新技術の概要

MEMS 微細加工技術を用いた微細・小型医療応用デバイスを紹介する。具体的には、?経皮吸収剤応用を目的とした大きさmm以下の微細生分解性マイクロニードル、?A肺内部での呼気吸気計測を可能にする小型カテーテル気流センサ(外径2.0mm以下)、について、これまでの研究開発成果を報告する。

想定される用途

・気管支鏡をベースにした肺内部での呼気吸気計測を可能にするカテーテル型気流センサ
・動物実験用気道埋め込み式気流センサデバイス
・経皮吸収材用マイクロニードル

  • 医療・福祉

8)迅速がん診断用赤外顕微装置の開発

福井大学 医学部 腫瘍病理学領域 助教 三好 憲雄

新技術の概要

従来の癌の最終診断は形態学的組織染色像を光学顕微鏡にて病理診断医が診断している。提案の開発は、診る癌組織を染色せずに生鮮凍結薄切切片を、裸眼では不可視の中赤外線のスペクトル計測をマッピングすることで、組織内分子の振動構造のガンマーカー成分比の可視化を、鮮度保持セルホルダーと迅速計測顕微鏡の開発を試みたのでその成果を報告する。

想定される用途

・手術場での外科医によるスクリーニング計測
・生鮮組織内蛍光観測用サンプル鮮度保持ホルダー
・凍結薄切切片の凍結保持キャリーボックス

  • 医療・福祉

9)多剤耐性アシネトバクター流行クローンの簡便な鑑別法

名古屋大学 医学系研究科 基礎医学専攻 教授 荒川 宜親

新技術の概要

病院内で流行しやすい多剤耐性アシネトバクタークローンの同定には、複数の遺伝子の塩基配列の解読を要し、設備、時間、費用が必要となり、臨床現場で流行クローンを同定することは事実上不可能であった。本発明ではPCRを利用し、迅速かつ正確に多剤耐性アシネトバクターの流行クローンが迅速、簡便に鑑別できる。本法の活用によって危険なクローンの医療環境での蔓延防止に貢献できると期待される。

想定される用途

・臨床細菌検査におけるアシネトバクター国際流行クローンの検出と鑑別
・臨床現場における感染制御の向上
・我が国で分離される多剤耐性アシネトバクターの分子疫学解析による国内流行株の把握

  • 医療・福祉

10)血液の凝固付着を抑制する電気メスチップの開発

名古屋大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻 教授 梅原 徳次

新技術の概要

医療用メスとして用いられる電気メスの先端電極に付着する凝固血液の付着抑制を目的として、電気メス先端電極の振動及び冷却を行う凝固血液付着抑制電気メス先端電極を提案し、その効果を明らかにした。その結果、19μm以上の振幅で付着力が1/3に、チップ表面温度65℃以下で1/5に低減することを示した。

想定される用途

・電気メスチップ
・他の同様の医療器具

  • 医療・福祉

11)モノアミントランスポーターの代謝機構を標的としたうつ病の診断・治療薬開発

名城大学 薬学部 地域医療薬局学 特任教授 鍋島 俊隆

新技術の概要

うつ病ではモノアミン作動性神経機能が低下していると考えられている。我々は抗うつ薬の標的であるセロトニン(SERT)およびノルアドレナリントランスポーター(NAT)のユビキチン化を介した分解の低下による過剰発現が、うつ病様行動と関連していることを自ら開発した動物モデルから明らかにした。この変化がうつ病患者血液サンプルにおいても認められることから、うつ病のバイオマーカーとしての有用性を見出した。

想定される用途

・うつ病の診断薬
・うつ病の治療薬
・うつ病の動物モデル

  • 創薬

12)IER5/Cdc25Bを標的とする新規な分子標的リン糖抗腫瘍剤

静岡大学 創造科学技術大学院 研究部 ナノマテリアル部門 客員教授 山下 光司

新技術の概要

化学的手法、糖や複素環等をキーワードとし、従来技術に勝る新規な医用材料開発を行っている。擬似糖の一種の「リン糖」のライブラリーを構築し、医工連携により評価した。リン糖誘導体TBMPPは、現在臨床使用されている分子標的療法薬剤より活性が高くスペクトルが広い等の優れた特徴を示した。TBMPPはIER5の発現を亢進しCdc25Bの発現を抑制してアポトーシスを誘起し、様々な種類の腫瘍細胞増殖を抑制する。新規な糖修飾MRI造影剤、超親水性材料、潤滑性材料等の医用材料も紹介する。

想定される用途

・創薬(抗ガン剤)
・がん治療
・画像診断
・低侵襲性医療

  • 創薬

13)高機能性RNAオリゴマーの開発とRNA医薬への応用

岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 教授 北出 幸夫

新技術の概要

RNAi 経路で鍵因子となる短鎖二本鎖RNAの末端を化学修飾することで、機能向上を見出した。今回は、オフ・ターゲット効果の回避を目指した全く新しい概念の同手法を紹介する。

想定される用途

・核酸医薬
・医薬
・診断薬ツール

  • 創薬

14)去勢抵抗性前立腺癌治療薬を指向したアルドケト還元酵素阻害剤の開発

岐阜薬科大学 薬学部 生命薬学大講座 生化学研究室 助教 遠藤 智史

新技術の概要

最近、去勢抵抗性前立腺癌治療薬として欧米で承認されたCYP17A1阻害剤アビラテロンは、糖質コルチコイドの合成阻害を伴うため、その補充が必要とされる。アンドロゲン合成においてCYP17A1の下流に位置するAKR1C3は、腫瘍での高発現が報告され、その阻害剤は糖質コルチコイドの合成を阻害しない、より安全な抗癌剤になりえると期待される。我々は、選択的AKR1C3阻害を示す天然化合物をリードとし、強力な阻害剤の開発に成功した。

想定される用途

・抗がん剤
・AKR1C3関連疾患の治療薬
・AKR1C3の性状解析のための阻害剤

  • 創薬

15)抗アレルギー活性を有する新規化合物

岐阜薬科大学 薬学部 機能分子学大講座 薬理学研究室 准教授 田中 宏幸

新技術の概要

発表者らは抗アレルギー活性を有する新規化合物の創製を進めた結果、in vivoでIgE産生とI型アレルギー反応の両者を抑制する新規化合物を見出した。評価系として、マウス能動皮膚アナフィラキシーおよび受身皮膚アナフィラキシーモデルをそれぞれ用いた。その結果、被験化合物の中に両反応を抑制する化合物を見出した。さらに、抗原特異的IgE値をELISAにより定量した結果、その上昇を抑制する化合物を見出した。

想定される用途

・アレルギー治療の医薬品または医薬部外品のシーズ
・アレルギー治療の化粧料または食品のシーズ

  • 創薬

16)シスプラチンを超えた金属抗がん剤

金沢大学 医薬保健研究域薬学系 臨床分析科学 教授 小谷 明

新技術の概要

シスプラチンが体内に入って標的と形成する複合体をモデル化した白金、パラジウム錯体は、DNA、タンパク質と反応しないにもかかわらず、強力なプロテアソーム活性阻害に由来する抗がん作用を示し、低副作用の金属標的抗がん剤を開発した。高活性化合物の細胞増殖阻害IC50値は0.2μMとシスプラチンの40倍高く、in vivoでは、シスプラチン腎毒性や体重減少を示すことなく、シスプラチン同等以上の前立腺がん、乳がん転移骨がん、骨がんの腫瘍体積が縮小した。

想定される用途

・抗がん剤

  • 創薬

17)全てのパンデミックインフルエンザに適応する次世代抗インフルエンザ薬の創製

中部大学 生命健康科学部 理学療法学科 教授 鈴木 康夫

新技術の概要

次期ヒトインフルエンザパンデミック、高病原性鳥インフルエンザのヒト適応性獲得変異株を含めた全てのA, B型ウイルスに強い阻害活性を示す全く新しい機構を持つ創薬候補化合物を創製した。

想定される用途

・感染予防・治療の両機能性を持つ次世代抗インフルエンザ薬
・ヒトインフルエンザウイルス特異的吸着剤
・インフルエンザウイルス除去フィルター

  • 創薬

18)熱による新規骨形成促進法の開発:マグネタイト微粒子の応用

名古屋大学 大学院医学系研究科 整形外科学 准教授 西田 佳弘

新技術の概要

骨形成を促進する方法として骨移植、サイトカイン使用、骨髄細胞移植などが挙げられる。これまで熱によって骨形成を促進する方法については国内外で報告されていない。マグネタイト包埋リポソームを交番磁場によって加温することで著明に骨が新規に形成することを発見した。キャリアとして従来の人工骨やゲルを使用することにより、より有効な骨形成が得られる。

想定される用途

・骨折遷延治癒部、偽関節部
・骨腫瘍切除部
・切迫骨折部

  • 創薬

19)腫瘍新規発現蛋白質を標的としたペプチド抗腫瘍薬

浜松医科大学 医学部 腫瘍病理学講座 特任研究員 中村 悟己

新技術の概要

我々は、未分化癌と分化癌の細胞で遺伝子発現解析を行い未分化癌細胞で高発現している分子生物学的な機能は不明である新規遺伝子を同定した。該遺伝子の発現を抑制すると、癌細胞の増殖が抑制されることを確認した。さらに、該蛋白質のアミノ酸配列から、ある部位のペプチドを合成し、アッセイしたところ、リン酸化の抑制が確認された。このことから新規ペプチド化合物が、抗腫瘍薬になる可能性が高い。

想定される用途

・抗腫瘍薬

  • 創薬

20)多剤耐性緑膿菌に対してアミノ配糖体耐性阻害作用を示すシード化合物

愛知学院大学 薬学部 医療薬学科 微生物学講座 准教授 森田 雄二

新技術の概要

多剤耐性緑膿菌感染症は、有効な治療薬がほとんどなく深刻な問題となっている。漢方方剤繁用生薬の中から、多剤耐性緑膿菌の耐性克服作用の探索を行い、2種類の生薬が多剤耐性緑膿菌のアミカシン等アミノ配糖体耐性阻害作用を有することを見出した。アミノ配糖体耐性阻害作用は、多剤排出ポンプMexXY 依存的であった。また、それら生薬に共通して含まれる化合物でも、同様の作用を有し、アミノ配糖体の抗菌作用を増大することを見出した。

想定される用途

・多剤耐性緑膿菌感染症に対する治療薬
・多剤耐性緑膿菌の薬剤耐性機構に関する研究

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

「中部地区医療・バイオ系シーズ発表会」実行委員会事務局

Mail:chubu_seedsアットマークsangaku.nagoya-u.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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