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福井大学 新技術説明会

日時:2013年08月06日(火)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 建築・土木

1)橋梁鋼床版の応答を利用した通行車両軸重算出手法

福井大学 大学院工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻(建築建設工学科) 講師 鈴木 啓悟

新技術の概要

道路橋の鋼床版における疲労損傷の支配的要因は重量車両の輪荷重による応力集中である。鋼床版を通行する重量車両の軸重を精度良く算出する技術を提案した。1レーンあたり3箇所の動ひずみ測定を行い、軸重を算出する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では鋼床版の縦リブに多数のひずみゲージを設置して、測定データを取得しているため、測定データの取得とデータ記憶部にコストがかかる。また1レーン3箇所の測定で車両重量を算出する手法は、軸重の算出を目的としていないため、軸重算出の精度は保証されていない。

新技術の特徴

・構造物の応答から外乱のレベルを定量的に算出する

想定される用途

・既設鋼床版において、疲労損傷の補修・補強を行う場合に、疲労設計に資する軸重頻度分布を定量的に提供する
・新設鋼床版において、疲労設計に資する軸重頻度分布を定量的に提供する
・軸重算出の結果から等価軸重を求めることにより、維持管理の指標を与える

  • 電子

2)金属導波路を用いたテラヘルツ波の高感度電気光学サンプリング検出

福井大学 遠赤外領域研究開発センター 教授 谷 正彦

新技術の概要

広帯域のテラヘルツ(THz)波の検出には現在光伝導サンプリングと電気光学(EO)サンプリングが用いられている。本技術は金属導波路構造を用いることにより後者の検出感度を約20倍に増強し,THz波の高感度検出を可能にした。

従来技術・競合技術との比較

従来技術と比較してTHz波検出感度を約20倍に増強することが可能。光伝導サンプリングと比較しても高い検出感度が得られる。また本手法はどのようなサンプリングレーザー波長にも適用できるという利点がある。

新技術の特徴

・従来比で約20倍の高感度THz波検出(EOS)
・ファイバーレーザーの発振波長1.55um帯で利用可能
・高感度THz波分光・計測に応用可能

想定される用途

・半導体、樹脂、薬剤等のTHz波による分光・分析、および非破壊検査
・THz波による透視イメージング

関連情報

・外国出願特許あり

  • 情報

3)ハミング符号の高速かつ省電力なシンドローム計算

福井大学 大学院工学研究科 情報・メディア工学専攻 准教授 岩田 賢一

新技術の概要

q元ハミング符号におけるパリティを符号長 (q^m-1)/(q-1)、情報点数(q^m-1)/(q-1)-mのとき、高々3((q^m-1)/(q-1)-m)回の2項演算の和と積で求めるとともにその回路設計アルゴリズムを示す。q=2である2元ハミング符号の場合,符号長n,情報ビット数sであるハミング符号におけるmビットのシンドロームを2s回のXOR演算回数で行う。

従来技術・競合技術との比較

符号長2^m-1ハミング符号におけるm ビットのシンドロームを 2(2m-m-1) 回のXOR演算回数で求める並列復号器の構成法の提案である。

新技術の特徴

・回路設計の最適化と低消費電力化が可能
・処理の高速化が可能

想定される用途

・電気・電子・情報分野
・物理・計測分野
・医療・福祉分野

  • 医療・福祉

4)陽子線治療用増感剤、及びそれを用いた陽子線治療法

福井大学 医学部 腫瘍病理学 助教 三好 憲雄

新技術の概要

ポルフィリノイド環にボロン、フッ素元素が多く修飾された化合物が開発され、その化合物の投与と陽子線照射によって抗腫瘍効果を増強した事を担癌マウス実験で実証化された。

従来技術・競合技術との比較

多くのボロンやフッ素元素がポルフィリン環に修飾されているために水溶性で、且つ陽子線照射により、よりイオン化されやすいためにオ?ジェー電子の生成が亢進されたものと考えられる。

新技術の特徴

・水溶性である
・腫瘍選択性に優れている
・中性子線照射に対しても捕捉療法(BNCT)が併用可能である

想定される用途

・癌のBNCT法にも応用可能である
・腫瘍親和性が高い
・水溶性であるので、濃度の確保も可能である

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

5)緊急被ばく救命処置薬の開発-放射線障害の回復促進-

福井大学 高エネルギー医学研究センター がん病態制御・治療部門 准教授 松本 英樹

新技術の概要

血圧降下剤であるニトロプルシドナトリウムに造血系細胞の回復促進・腸管細胞のアポトーシス抑制による放射線障害の防護および治癒作用があり、X線被ばくしたマウスの生存率を上昇させる効能があることを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

緊急被ばく救命処置薬は現存せず、ニトロプルシドナトリウムの緊急被ばく救命処置薬としての開発は急務である。既に製剤認可済の薬剤を緊急被ばく救命処置薬として転用するもので、基本的な安全性は担保されており、副作用として低血圧症誘発の有無を確認するのみでよい。

新技術の特徴

・既に製剤認可済の血圧降下剤の緊急被ばく救命処置薬への転用
・放射線障害の原因となる酸素ラジカルの窒素(NO)ラジカルによる消去

想定される用途

・緊急被ばく救命処置薬
・放射線業務従事者の放射線障害予防薬
・放射線がん治療患者の正常組織の放射線障害予防薬

  • 環境

6)Na系融剤の循環機構を備えた鉛ガラスの還元溶融技術

福井大学 産学官連携本部 博士研究員 岡田 敬志

新技術の概要

省エネルギー・低コストとなる鉛ガラスの脱鉛技術を開発した。従来の溶融温度(1200?1600℃)よりも低い1000℃でガラスを還元溶融し、鉛を除去した後、ガラスからNaを分相させ、これを水で抽出する。水中にCO 2 ガスを通してNa 2 CO 3 を再生し、溶融工程に再利用する。

従来技術・競合技術との比較

従来と比べて低い温度で溶融処理を行えることに加え、先行技術にはない融剤(Na 2 CO 3 )の循環機構を有している。このため、エネルギー消費量や薬剤コストを低減する点で、本技術は優位性がある。

新技術の特徴

・エネルギー消費量が少なく、融剤の循環機構も備えた還元溶融プロセス
・Na以外の金属についてもガラスからの相分離が可能
・分相物を洗浄除去することでガラスの組成制御が可能

想定される用途

・ブラウン管ファンネルガラスからの鉛除去
・光学ガラス等からの希土類金属の回収
・その他ガラス系廃棄物を原料とした高純度シリカの生成

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

7)セルロース系繊維材料を用いた導電性繊維の開発

福井大学 大学院工学研究科 繊維先端工学専攻 助教 島田 直樹

新技術の概要

セルロース系繊維内部に針状硫化銅ナノ粒子を形成することにより、体積固有抵抗値10-2~102Ω・cmの非常に高い導電性を有する導電性布帛を作製することができる。

従来技術・競合技術との比較

来技術によって形成される導電性繊維は、電気導通性能と熱安定性の両立が困難であった。しかし、本技術では高い導電性と熱安定性を兼ね揃えた導電性繊維材料を作製することが出来るため、面状発熱体としての利用が可能である。

新技術の特徴

・安価なセルロース系繊維材料に対し、低コストかつ簡単な工程で、高い導電性を付与することが可能である
・高い耐熱性、熱水安定性と可撓性を有する
・繊維内部に硫化銅ナノ粒子が析出しているため、耐摩耗性が良好である

想定される用途

・車用シートヒーター
・医療・介護現場での体温保持衣料
・電磁波シールド材

  • アグリ・バイオ

8)有害微生物の高感度バイオセンシングシステム

福井大学 大学院工学研究科 繊維先端工学専攻 教授 末 信一朗

新技術の概要

2種類のナノパーティクルにプローブを修飾することで目的の微生物DNAとハイブリダイゼーションさせて、ハイブリ産物を磁気で回収させ最終的には電気化学反応でハイブリ産物を検知する。

従来技術・競合技術との比較

従来のDNA検出技術では、途中の工程でPCRが必要であるが、本方法では遺伝子の増幅は不要でありフェムトモルオーダーのDNAを検出することができる。

新技術の特徴

・PCR不要、簡便
・高感度
・迅速

想定される用途

・食品検査
・テロ対策
・衛生管理

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

福井大学 産学官連携本部 知的財産部

TEL:0776-27-9725FAX:0776-27-9727
Mail:ttakaokaアットマークu-fukui.ac.jp
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