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JST発 新技術説明会(1)

日時:2014年03月06日(木)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 情報

1)ユーザの意図を結果に反映させられる類似画像検索システム

大阪市立大学 名誉教授 濱 裕光
大阪市立大学 産学連携推進本部 新産業創生研究センター 倉田 昇

新技術の概要

TPO によって変わるユーザの要求を検索結果に反映させられるシステムの開発を目指す。これまでは類似の判断はシステムに委ねられており、ユーザの欲しいものとのギャップが生じる可能性があった。そこで、画像を使った類似画像検索システムにおいて入力した画像とフィードバックから、ユーザの意図を反映する類似画像検索システムを提案する。ここでは形状特徴量を用いるので、商標のような白黒画像にも使えるという利点がある。

従来技術・競合技術との比較

これまでの類似画像検索システムの問題点として、類似の判断はシステムにゆだねられており、ユーザの考える類似の判断とのギャップが起こる可能性があった。提案システムではTPO に応じて変わるユーザの要求に追従していける。

新技術の特徴

・医療画像診断における病変の検知
・類似画像候補の鑑定

想定される用途

・画像による一般の情報検索および類似画像検索
・市場から要求の強い「商標や意匠等の商用画像データベース検索」への応用
・模倣品の発見と鑑定

  • 情報

2)スマホ/タブレットにおける拡張現実感コンテンツの視認性改善技術

大阪大学 基礎工学研究科 システム創成専攻 助教 池田 聖
大阪大学 基礎工学研究科 産学連携室 特任教授 宮川 勝彦

新技術の概要

カメラ内蔵のスマートフォンやタブレットにおいて拡張現実感(AR)コンテンツを表示する際、利用者の視点位置に応じてカメラ映像を幾何変換することで、利用者視点からはガラスのように画面が透けて見える表示法を開発した。この表示法を用いることにより、様々なARアプリケーションにおいて広告などのCGコンテンツが示している実環境中の対応箇所を利用者が素早く探すことができるようになる。

従来技術・競合技術との比較

二つの従来技術があり、一方はKinectなどのアクティブタイプの距離画像センサによる環境計測が必要なもの、もう一つは環境計測をしない代わりに環境の変化に対応できないものがあった。我々の技術は、距離画像センサでは難しい太陽光下や遠景のようなシーンにおいても利用できる。

新技術の特徴

・情報端末の視認性が向上する
・目前の風景に素早くカメラの画角を設定できる
・情報端末の画面が透明になったような不思議な体験ができる

想定される用途

・拡張現実感による広告表示
・拡張現実感による販売促進情報の提示
・その他様々なスマホやタブレットを用いた拡張現実感

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

  • 情報

3)物理的な伝送限界を超える超高速ストリームデータ圧縮技術

筑波大学 システム情報系 情報工学域 准教授 山際 伸一
筑波大学 産学連携本部 客員教授 技術移転マネージャー 畠山 靖彦

新技術の概要

データに出現するシンボルの傾向を静的に設定しておくことでリアルタイムでのデータ圧縮が可能な技術である。メモリとハードウェアの量を、圧縮率の間でコントロールできる。ギガビットクラスの高速なデータ伝送も可能な圧縮技術であり、データを圧縮することで、伝送路メディアのピーク性能を越えた転送性能を実現することができる技術である。

従来技術・競合技術との比較

LZWやBZIPといった、これまでのデータ圧縮技術は一定時間での圧縮処理ができず、さらに、実装に必要なハードウェアサイズが入力データの傾向に左右されてしまう弱点があり、データストリームをリアルタイムに圧縮し、コンパクトで高速なハードウェアに実装することができなかった。

新技術の特徴

・リアルタイム圧縮が可能であり伝送路のピークスループットを越える伝送性能を実現できる
・無線通信路を高速化することができる
・工場内や大型設備(通信インフラ)を変更することなく、倍以上のデータ伝送性能が実現できる

想定される用途

・Gigaビットクラスの超高速伝送路の実装技術として(基板間制御データ伝送、RocketIO の高速化など)
・インフラが施設された伝送路を変更できない場合の伝送データ量を増加させる技術として(CANや工作機械の制御データなど)
・高精細画像データ伝送技術として(高速カメラにおけるフレーム圧縮、デジタルサイネージへのデータ伝送、3Dポリゴンデータ伝送など)

関連情報

・サンプルの提供可能(圧縮率評価のための試行をデータサンプルを提供していただくことで可能)
・展示品あり(シリアル伝送路におけるデータ圧縮デモ、画像圧縮デモ(開発中))

  • 電子

4)ノイズ拡散帯域選択スペクトル拡散クロック発生技術

群馬大学 理工学研究院 電子情報部門 教授 小林 春夫
群馬大学 群馬大学TLO TLO長 大澤 隆男

新技術の概要

全デジタル回路で実現可能な高速クロックのノイズ拡散帯域を制限できるスペクトル拡散クロック発生技術の研究成果を報告する。スイッチング電源回路、デジタルプロセッサ等に用いることができる。

従来技術・競合技術との比較

高速クロックに対し、スペクトル拡散クロック発生を全デジタル回路で実現でき、ノイズスペクトル拡散ができるのが本技術の従来技術に対する優位点である。

新技術の特徴

・医療機器
・車載
・環境技術

想定される用途

・スイッチング電源 (Switching Regulator)
・チャージポンプ電源 (Charge Pump Power Supply Circuit)
・デジタルプロセッサ (Digital Processor)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 電子

5)光伝搬制御可能なプラズモン導波路~光・電子集積回路から光センシングへの応用~

香川大学 工学部 材料創造工学科 助教 山口 堅三
株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部 ライセンスアソシエイト 矢野 慎一

新技術の概要

NEMSアクチュエータで変調可能な金属ギャップ型プラズモン導波路を構成し、単一試料・単一構造でプラズモン(SP)共鳴波長及びその伝搬距離を電気信号でアクティブに可変可能なプラズモン導波路素子を開発した。SP共鳴波長を外部変調により自由に可変できることから、光素子の更なる小型化や、伝搬距離も制御可能であることから、より高機能な光情報処理・センシングデバイスを提案する。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、ギャップ型プラズモン導波路をアクチュエータ構造とすることで、単一試料、単一構造でSP共鳴波長及び伝搬距離を可変化し、従来のプラズモン導波路の金属の種類やサイズ、形状、周囲の屈折率に依存するものではない。また、小型化、省電力化(1Vからの駆動を確認)の実現に成功している。

新技術の特徴

・医薬投薬用微小流路
・機能材料複合素子
・マルチチャンネル単一ナノ光学センサ

想定される用途

・ナノ光集積回路のための光導波路
・局所センサ(ガス、バイオ、微量分析)
・集光器(信号光増幅器)、検出器

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

6)集積化光合波器及び超小型レーザ画像投影装置

福井大学 大学院工学研究科 電気・電子工学専攻 教授 勝山 俊夫
福井大学 産学官連携本部 コーディネータ 宮川 才治

新技術の概要

カラー・レーザ・ディスプレーの超小型化に必須な、レーザビームを合波する合波器として、光導波路を用いるものを考案し、合波効率が平均96%、サイズが6×0.06mmと、世界で初めて高効率かつ超小型の両者を同時に実現した。本合波器は、可動部分がないため高安定動作が実現でき、また半導体レーザとのハイブリッド集積化が可能で、3原色半導体レーザ光原を有する極めてコンパクトな光合波器が実現する(合波光源全体で7×1mm以下)。

従来技術・競合技術との比較

従来の合波器は、ミラー等を組み合わせたものがほとんどであり、小型化及び特性の経年変化の点で問題が多い。これに対し、本提案の合波器は、光導波路を用いて部品をモノリシックに集積化しているため、小型化、経年変化に関し大きなメリットがある。

新技術の特徴

・光導波路を用いて部品をモノリシックに集積化したことによる合波器の超小型化と特性の経年変化の大幅な改善
・光導波路型スイッチの最適な配置により合波効率が三原色平均で96%と高効率を実現
・今まで光通信用デバイス作製のために用いられてきた実績のある作製プロセスを転用するだけで作製可能

想定される用途

・携帯型レーザプロジェクターやめがね型網膜走査ディスプレー等の超小型ディスプレー
・超小型ディスプレーを組み込んだ省力化システム全般
・イルミネーション用三原色合波器

関連情報

・サンプル作製について共同研究希望
・展示品あり

  • 計測

7)溶液中の水素ガス量検知用シール型水素センサ

新潟大学 工学部 機能材料工学科 教授 原田 修治
新潟大学 自然科学研究科 特任准教授 反町 和則

新技術の概要

起電力型水素センサの動作原理とこれまで開発してきたセンサから、溶液に溶解する水素ガス量が検知できるセンサや水素貯蔵合金中の水素量が検知可能なセンサなどについて紹介する。

従来技術・競合技術との比較

原理は、検知側電極との水素の濃淡電池反応と酸素との燃料電池反応である。従って、酸素濃度が変化する環境ではEMF値が変動する。シール型とすることで、従来技術に無い、『溶液に溶解する水素ガス量の評価』が可能となった。

新技術の特徴

・酸素の存在が無い環境での水素ガスの検知が可能
・ガス環境が大きく変化する環境下での水素ガス量の検知が可能
・飲料水、食塩水や各種オイルなどの各種溶液に溶解する微量な水素ガス量の検知が可能

想定される用途

・医療健康分野:水素水などの溶存水素量検知
・トランスオイルなどのオイル劣化検知
・宇宙など無酸素環境下での水素漏れ検知

関連情報

・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 電子

8)スピンポラライザー/アナライザーから構成する論理演算ゲート

埼玉大学 理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 教授 酒井 政道
埼玉大学 研究機構オープンイノベーションセンター 特命教授・知的財産部門担当シニアコーディネータ 北島 恒之

新技術の概要

排他的論理和ゲート(EXOR)は、暗号通信における情報の暗号化及び復号化に必須の論理演算ゲートとして、その重要性が益々高まっている。新技術の狙いは、スピンポラライザー/ アナライザーと非磁性導体の電子スピン?軌道相互作用を利用することによって、単一の電流チャネル中で、論理演算プロセスが完結するという従来には無かった新しいタイプのEXORゲートを提供することである。この新技術によって、EXORゲートを構成する回路部品数を、従来品に比べて格段に少なくすることが原理的に可能である。

従来技術・競合技術との比較

例えば排他的論理和ゲート(EXOR)を従来技術によって構成する場合には、10個程度のトランジスタが必要であるのに対して、我々の新技術では、強磁性体?非磁性体接合を2箇所含むだけである為、その回路構成を頗る単純化でき、製造費用のみならず動作電力の低減化が期待できる。EXORのみならず、ANR, OR, NOTなどの万能論理演算ゲートも構成可能である。

新技術の特徴

・デバイス材料(物質)が先天的に有している論理演算能力を、どのような外的条件によって引き出すかが技術のポイントである
・排他的論理和ゲート(EXOR)のみならず、ANR, OR, NOTなどの万能論理演算ゲートも構成可能
・デジタル回路への応用を想定しますが、アナログ回路への対応も原理的に可能

想定される用途

・論理演算ゲート:AND, OR, NOTなどの万能論理関数の提供
・記憶素子:不揮発性でなく、むしろ、揮発性のDRAM への応用
・スピン偏極度メーター(アナライザー)およびスピン偏極子(ポラライザー)と云うスピンデバイス要素

  • 情報

9)印刷物や映像を撮影するだけで気軽に情報を取得できる電子透かし技術

大阪府立大学 工学研究科 電気情報系専攻 助教 岩田 基
大阪府立大学 地域連携研究機構 統括コーディネーター 阿部 敏郎

新技術の概要

電子透かしを用いて、透かしが埋め込まれた画像を印刷した印刷物や、液晶モニタなどに流れる透かし入り映像から透かしを読み取り可能とする。専用の装置を必要としないため、読み取り機器として携帯端末を用いれば、フライヤーやプロモーション映像などから直接その携帯端末へ情報を伝達できる。

従来技術・競合技術との比較

類似の目的を持つQR コードに比べて、見た目の品質を損なわないという利点がある。画像検索を使うと、印刷物の特徴をサーバに送信して対応する情報を取得することが可能ではあるが、本技術では同じ見た目の印刷物に別々の情報を埋め込んで活用したり、オフラインでも利用できたりする利点がある。

新技術の特徴

・同じイラストや写真などを使った別々の印刷物に、それぞれ異なる情報を関連づけることができる
・CMやプロモーションビデオなどの最後で検索語を使った誘導をしなくても、直接Web上のページを関連づけられる

想定される用途

・印刷物や映像から携帯端末へ直接データを伝達することが可能となる
・情報を埋め込む対象の見た目を損なわない
・専用の装置を必要としない

  • 情報

10)3D CADデータベースからの高精度な検索エンジン

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 情報・知能工学系 教授 青野 雅樹
豊橋技術科学大学 産学連携推進本部 特任准教授 白川 正知

新技術の概要

三次元CADデータベース(たとえば機械部品データベース)に対する高精度な検索機能を提供できる。この技術は国際会議で2013年10月にベストペーパー賞を受賞した。特に、「穴」「凹凸」、ギアなどの「突起」に対してロバストに検索できる。必要なのは、STLのようなデータファイルだけで、事前に検索インデックスを作っておけば、すぐ検索できる。ただし、検索インタフェースは別途作成する必要があり、相談により別途作成可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術としては、画像特徴量で有名なSIFTを改良した手法が最も高精度として知られている。ただし、この手法では、事前学習が必要である。一方、我々の手法では、事前学習を必要としない。3Dデータベースを与えるだけでよい。また、ドイツ製の3D検索を行う製品が知られているが、これも精度が出ない問題を抱えている。

新技術の特徴

・医療分野で与えられた腫瘍の形状と類似するものをCTやMRIから3D再構築して探索する
・外から見えない3D内部のキズ、不良品、特定物体をエコー・センサ画像時系列データから探索(製造業、飲食業、漁業等)
・拡張現実のアプリとして、現実世界に3D CG物体を瞬時に探索して大きさを調整して配置する(観光、建築、ゲーム等)

想定される用途

・3D CADデータベースと組み合わせて、製品番号などのクエリとは別な形で、類似する形状を検索できるフロントエンドとして使う
・本来は3D検索であるが、2Dの特許図面や各種CAD製品の2D図面なども検索対象にチューニングできるため、図面検索に使用する
・スケッチから、簡便に3D形状を検索できるインタフェースをつけ、タブレット・モバイルと組み合わせて使用する

関連情報

・外国出願特許あり

  • 製造技術

11)超広帯域アクロマティック軸対称波長板の開発

埼玉医科大学 保健医療学部 医用生体工学科 准教授 若山 俊隆
埼玉医科大学 医学研究センター知財戦略研究推進部門 助教 菅原 哲雄

新技術の概要

内部フレネル反射に基づいたアクロマティック軸対称波長板を開発した。この素子を使えば、UVからTHzの各帯域で広帯域なアクロマティック軸対称波長板を作製できる。この方法はアクロマティックな縦電場さえも発生することができ、光物理における興味と共にレーザー加工やレーザー計測などにも応用展開することができる。

従来技術・競合技術との比較

現在までに軸対称波長板は液晶や微細周期構造そしてフォトニック結晶を使用した手法が製品になっている。しかしながら、これらの方法は波長依存性が強かったり、空間的にセグメント構造であったり、偏光散乱が起こっている。これらの問題点を解決する手段としてアクロマティック軸対称波長板を提供することができる。

新技術の特徴

・ベクトルビームを生成するのに波長依存性を有さないこと
・ベクトルビームを生成するのに空間的な分散を有さないこと
・ベクトルビームに変調をもたらすこと

想定される用途

・アクロマティックな縦電場の発生
・アクロマティックな光渦の発生
・レーザー顕微鏡やレーザー加工の分解能向上

関連情報

・展示品あり(ASTEPで試作した軸対称波長板)
・外国出願特許あり

  • 製造技術

12)3Dゲルプリンター: ソフト&ウェットマテリアルのオーダーメード立体造形法の開発

山形大学 大学院理工学研究科 ライフ・3Dプリンタ創成センター(LPIC)センター長 教授 古川 英光
山形大学 国際事業化研究センター 矢萩 義和

新技術の概要

破断応力10MPa、90%圧縮-1000%伸張可能な高強度低摩擦ゲル材料の立体造形を可能にする3Dプリンタ技術の説明。溶媒の種類や網目分子の化学構造を調整することにより、環境応答性、生体適合性、物質透過性など多種多様な機能を付加することが可能であり、機械部品から細胞培養足場まで幅広い範囲での応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

高強度かつ低摩擦なゲル材料は従来に無い新材料である。そのため、従来材料で一般的な加工法(切削、プレス、鋳造、3Dプリンタ)をゲル材料に適用することが不可能である。

新技術の特徴

・食品分野。高齢者向けの食事や宇宙食はゲル状の物が多く、印刷によって食感と味を制御可能
・情報分野。ゲルによってタッチパネルに触覚を与えることにより新たなアプリケーション、ユーザー体験の創出が可能
・放射線防護。製品重量の95%が水のため遮蔽効果が期待できる。廃棄時は水を蒸発させることで簡易かつ大幅な減容量が可能

想定される用途

・すべり軸受
・ヘルスケア製品
・細胞培養関連

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(ゲル造形物、100×100×10mm)

  • 材料

13)印刷できる有機-無機ハイブリッド熱電材料の開発

九州工業大学 工学研究院 機械知能工学研究系 教授 宮崎 康次
九州工業大学 産学連携推進センター 助教 荻原 康幸

新技術の概要

これまで発電モジュールの加工が煩雑だった無機熱電材料を微粒子とし、導電性有機材料を混ぜてペースト状のインクにすることで、印刷可能な有機?無機ハイブリッド熱電材料とした。さらに熱電特性を測定したところ、室温で無次元性能指数ZT=0。3を示し、比較的高い特性をもつことも確認した。

従来技術・競合技術との比較

印刷技術で微細構造を生成できるため、形状が複雑な熱電発電モジュールを微細加工技術を用いないで低コストで作製できる。さらにフレキシブルな基板を用いれば、フレキシブルな薄膜型熱電発電モジュールも実現可能である。

新技術の特徴

・導電性デバイスの印刷による作製
・印刷によるフレキシブルデバイスの作製

想定される用途

・熱電発電モジュールの作製
・マイクロジェネレーターの作製
・小型ペルチェ素子の作製

関連情報

・展示品あり(印刷した熱電薄膜をお見せします)
・外国出願特許あり

  • 製造技術

14)完全なガラス製マイクロ流体チップにおけるバルブ・ポンプの開発と応用

理化学研究所 生命システム研究センター 細胞デザインコア ユニットリーダー 田中 陽
理化学研究所 社会知創成事業 連携推進部 実用化コーディネーター 井門 孝治

新技術の概要

髪の毛や蚊の針の太さと同じかそれ以下の微細流路を加工したガラス基板「マイクロチップ」はMicroTASともよばれる分析・合成など化学・生化学操作の集積・高効率化を可能とするが、ガラスは非常に硬いため、その中で試料操作するために必要なバルブやポンプの組み込みが難しく、集積性が十分に生かせていなかったため、厚さ数ミクロン以下の超薄板ガラスの柔軟性を生かしたオンチップバルブおよびポンプを新規開発・実証した。

従来技術・競合技術との比較

通常のバルブ材料はシリコンゴムなどの高分子材料を材料としており、その柔軟性を活かしてバルブが実現されているが、有機溶剤・標的分子の使用は吸着や吸収の問題で難しく、本技術はガラスを用いておりこの点が克服されており、MicroTASに限らず一般的な流体バルブやポンプとしても様々な産業・工業用途に展開可能である。

新技術の特徴

・有機溶媒や気体の透過性がほとんどない
・マイクロ流体チップに限らず一般的な流体バルブとしても使用可能
・軽量・薄板化・小型化が可能

想定される用途

・有機溶媒を用いた集積化学システム
・ポータブル分析機器
・生体分子合成チップ

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 製造技術

15)チタンやステンレス鋼にも適用可能な新しい炭素・窒素拡散処理法

熊本大学 大学院自然科学研究科 マテリアル工学専攻 准教授 森園 靖浩
熊本大学 産学連携ユニット 研究コーディネーター 東 英男

新技術の概要

ステンレス鋼の優れた耐食性は、その表面に存在する不動態皮膜に起因する。しかし、この存在が鋼中への炭素や窒素の拡散浸透、いわゆる浸炭や窒化といった表面改質を困難にする。我々は、鉄粉を含む混合粉末にステンレス鋼を埋め込み、窒素フロー中で加熱・保持するだけで、鋼中に炭素や窒素を容易に拡散できることを見出した。この新しい炭素・窒素拡散処理法(鉄粉パック法)は、チタンやタングステン等の表面改質にも適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

不動態皮膜を有するチタンやステンレス鋼に対しては、これまでにプラズマ浸炭やプラズマ窒化による表面改質が報告されているが、特殊な設備が必要で、処理工程が複雑であった。我々の技術は窒素導入可能な電気炉があればよく、費用負担が少なくて済む。

新技術の特徴

・カーボンナノチューブの製造法に「炭素透過法」がある。この炭素源として利用できる
・絶縁性の陽極酸化チタン皮膜を還元・炭窒化することによって、導電性を付与できる(電極材料)
・最も高融点の化合物として知られる「炭化タンタル」を1000℃の温度域でも生成可能である

想定される用途

・表面処理全般
・粉末製造(炭素熱還元)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 製造技術

16)チタン合金の制振性向上技術による振動や騒音の低減化

鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 講師 万谷 義和
鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科・共同研究推進センター 教授・産学官連携コーディネーター 井上 哲雄

新技術の概要

生活や生産の場で生じている「振動や騒音」は大きな問題である。チタン合金で本技術の組成・熱処理・弱加工の組み合わせ組織設計制御法を用いることにより、既存制振合金に匹敵する高い制振性が得られ、「振動や騒音」の低減が可能となる。本来備わっている軽量・高強度・高耐食性といった特徴をはじめとして、高生体適合性や非磁性という点でも優れた制振合金として応用展開が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

チタン合金の従来技術では、制振性は金属材料の中でも特に低いと位置づけられていた。本技術を用いることにより、汎用制振合金と同等以上の制振性がチタン合金で得られ、軽量高強度化が図れる点が最大の特徴である。

新技術の特徴

・軽量高強度なチタン制振合金の利用により、装置や機器の小型軽量化が可能になる
・チタン合金のもつ軽量・高強度・高耐食性などの優れた特性をそのまま活かして、制振性の向上が可能である
・制振材料の中でも耐久性・耐熱性などの点で優位性の高い、オール金属製の制振合金がチタン合金で作製できる

想定される用途

・高性能化が必要な精密機器
・自動車、船舶、鉄道車両、飛行機などの輸送機器
・生体材料や福祉材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(チタン制振合金と他合金の比較サンプル)

  • 機械

17)回転機構を磁気支持することによってジャイロセンサとする技術

埼玉大学 理工学研究科 人間支援・生産科学部門 教授 水野 毅
埼玉大学 研究機構 オープンイノベーションセンター 産学官連携シニアコーディネーター 須田 均

新技術の概要

ジャイロセンサは、物体に働く慣性効果を利用して、角速度や姿勢角を計測する機器である。本技術は、回転式ジャイロのジンバルを磁気支持機構に置き換えることによって、振動式ジャイロでは検出できない低周波領域においても高精度の検出が可能なマイクロジャイロを実現する。具体的には、回転円板とそれを駆動するモータを内包する浮上体を磁力によって非接触支持することによって、ジャイロセンサとする。

従来技術・競合技術との比較

振動式ジャイロより、特に低周波領域において高精度に角速度を検出することができる。光ファイバー式ジャイロと比べると低コスト化が容易である。

新技術の特徴

・回転するものがあれば、何でもジャイロとして利用することを可能とする技術
・汎用的なハードディスクドライブの技術や部品を利用できるので低コスト化が容易

想定される用途

・ロボット
・自動車
・パーソナルモビリティ

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科学技術振興機構 産学連携展開部 研究支援担当 事業調整グループ

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