説明会の
お申込み

金沢大学 新技術説明会

日時:2013年10月22日(火)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)伝達テープセンサー ~患者の事故予防・意思伝達~

金沢大学 医薬保健研究域 保健学系 教授 加藤 真由美

新技術の概要

①センサー感知部分の長さは調整できる。 ②センサーの圧調整はでき、強い圧でなくとも作動できるので、麻痺のある患者でも使用できる。 ③薄く細いので動作の邪魔にならず、誤作動を減らせる。 ④安価につくれる。

従来技術・競合技術との比較

ユニバーサルなセンサーに視点をおいており、どのような患者・状況でもちょっとした工夫で使用できる。従来の転倒予防センサーは、マットに足がのった時用、手すりを把持した時用と用途が狭かった。このセンサーはさまざまな生活を送る患者の生活行動に合わせて転倒予防センサーを設置でき、また転倒予防以外にナースコールの役割を果たすことができる。

新技術の特徴

・ボタン式と異なり、患者の圧迫感が少ない
・センサと気づかれにくいため、患者の尊厳が守られる
・環境に応じて様々な形態、設置方法へ柔軟に対応可

想定される用途

・病院・施設で転倒・転落リスクの高い患者に使用し、身体拘束をせずに損傷・死亡事故を予防する
・残存機能に合わせてセンサーを設置し、麻痺等でナースコールを押せない患者の伝達手段として使用する
・在宅で生活している認知症高齢者に使用し、身体拘束をすることなく徘徊を早期に発見し、失踪・事故を予防する

関連情報

・展示品あり(伝達テープセンサー)

  • 環境

2)土壌・廃棄物中の重金属に対する低環境負荷型キレート抽出技術

金沢大学 理工研究域 物質化学系 教授 長谷川 浩

新技術の概要

土壌や廃棄物を対象とした湿式抽出法として、キレート剤を主成分とする洗浄液を用いて含有金属を抽出分離する技術を開発した。本技術は、環境・資源分野における低エネルギー低コスト型の新しい要素技術である。

従来技術・競合技術との比較

キレート抽出では、洗浄後の残留薬剤による汚染を防ぐために、アミノ酸型生分解性キレート剤を活用した。また、従来困難であったキレート溶液中金属の分離技術として、超分子型固相抽出材の新しい機能を発掘した。

新技術の特徴

・土壌・廃棄物中に含まれる金属に対して水による湿式洗浄よりも洗浄効果が高い
・酸を必要とせず、弱酸性からアルカリ性の条件で洗浄効果が期待できる
・生分解性薬剤を用いているため、環境にやさしい化学抽出である

想定される用途

・有害金属に汚染された土壌の無害化
・廃棄物中に含まれるレアメタルの資源化
・有害金属廃棄物の減容化

  • 環境

3)黒雲母を用いた溶液からの希土類元素回収

金沢大学 環日本海域環境研究センター 助教 福士 圭介

新技術の概要

希土類元素(ユーロピウム、ガドリニウム)を含む希薄水溶液(<10ppm)と天然に産出する黒雲母を接触させることにより、黒雲母中に希土類元素を濃縮させる。濃縮させた希土類元素は高い塩濃度の溶液と反応させることで容易に抽出できる。

従来技術・競合技術との比較

希土類元素を含む希薄溶液のpHが中性かつ、塩濃度が高くなければ、液性の調整を必要としない。接触させるだけでよいので煩雑な操作を必要としない。濃縮体の黒雲母は天然に無尽蔵に存在している。

新技術の特徴

・黒雲母は天然に無尽蔵に存在するので材料は安価
・接触させるだけのなので操作が簡単
・人体に有害な薬剤や物質を使用しない

想定される用途

・希薄希土類元素溶液からの希土類元素の回収

関連情報

・展示品あり(黒雲母を含む花崗岩およびその粉末)

  • 製造技術

4)センサ機能を併せ持つ磁気粘弾性エラストマと防振装置への応用

金沢大学 理工研究域 機械工学系 准教授 小松崎 俊彦

新技術の概要

外部より磁場を加えることによって、見かけの弾性的性質を可変にすると同時に、自己の変形量をセンサ出力可能な磁気粘弾性エラストマを開発した。外部センサを用いず自己完結型の可変剛性制御が可能である。

従来技術・競合技術との比較

柔軟さが要求される触圧センサとして、磁場を用いた類似技術が知られているが、センサ以外の用に供されない。また、アクチュエータ機能とセンサ機能をともに有する材料として圧電素子が広く知られている。

新技術の特徴

・受動要素としての信頼性を保ちつつ、剛性可変のため制御範囲・性能向上が期待できる
・主に弾性的性質が変化し、変化幅は最大5倍程度
・自ら感知した自己の情報をもとに特性を変化させ、システムの挙動を目標状態に近づけるための制御が自己完結的に可能

想定される用途

・ゴム材を利用した振動絶縁部品全般に適用可能
・動吸振器等の制振装置への適用とセミアクティブ化による性能向上
・触覚ヒューマン・インタフェース・デバイス等への応用

  • 医療・福祉

5)共焦点顕微鏡を用いた脳腫瘍判別システム

金沢大学 理工研究域 機械工学系 教授 米山 猛

新技術の概要

共焦点顕微鏡を用いて、悪性脳腫瘍の浸潤領域の境界を精密に診断する。5ALAを用いた蛍光診断法において、共焦点顕微鏡を用いて腫瘍領域をミクロに観察し、蛍光強度を分析することにより、腫瘍領域を精密に判別する

従来技術・競合技術との比較

手術顕微鏡を用いて、5ALAを用いた蛍光診断が用いられているが、悪性脳腫瘍の浸潤領域を精密に診断する方法がない。従来の手術顕微鏡では見分けにくい境界を精密に診断することができる。

新技術の特徴

・顕微鏡を用いたマイクロスケールの観察により、蛍光強度を、細胞レベルで分析することができる
・顕微鏡を走査した連続撮影により、広領域の蛍光強度マップを作成できる
・画面上の強度分布を正常時の強度分布と比較することにより、腫瘍である確率を定量的に評価できる

想定される用途

・悪性脳腫瘍手術における浸潤領域の精密な診断
・他の手術における蛍光診断法におけるマイクロスケール診断
・工業的な用途におけるマイクロスケールの形状診断

  • アグリ・バイオ

6)エコ・ユーザーフレンドリーな酸触媒トリアジン型ベンジル化剤

金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 助教 山田 耕平

新技術の概要

安価な塩化シアヌルを原料に用いて、酸触媒ベンジル化剤TriBOT・パラメトキシベンジル化剤TriBOT-PMを開発した。本反応剤は空気中安定な固体であり、触媒量の酸で活性化することでアルコールをベンジルエーテルへと効率よく変換することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来のベンジルトリクロロアセトイミダートは、原料が高価で、湿気や熱に不安定な上に、反応後に多量のハロゲン含有廃棄物(溶媒を含む)が生じる等の欠点がある。これに対し本法はこれらの問題点を全てクリアしている。

新技術の特徴

・塩化シアヌルとベンジルアルコール・アニスアルコールから一工程で合成できる為、安価に合成可能
・吸湿性のない固体であり、室温で長期間(1年以上)の保存が可能
・脱離基はベンジル基一つ当たり炭素・窒素・酸素各々一つであるため、アトムエコノミーに優れている

想定される用途

・農薬・医薬品などの中間体の合成
・精密電子材料の合成

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(TriBOT(2,4,6-tris(benzyloxy)-1,3,5-triazine))

  • アグリ・バイオ

7)触媒的光延反応 ~鉄触媒による空気酸化で再生可能な光延試薬~

金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 助教 谷口 剛史

新技術の概要

本新技術は鉄触媒と空気を用いることによって、光延試薬(アゾ試薬)を再生させる触媒系である。本技術を用いることで光延試薬を触媒量に減じた触媒的光延反応に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術ではヨードベンゼンジアセテートを再酸化剤として過剰量用いた光延試薬の再生法が知られているが、危険性や廃棄物の発生といった点が解決されていない。

新技術の特徴

・合成プロセスにおいて低コスト化に貢献できる
・安全である
・環境への負荷を低減できる

想定される用途

・実験室レベルでの有機合成研究
・医薬品の合成
・その他化学製品の合成

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

8)高密度マイクロ波水中プラズマによる環境調和型高速アッシング技術

金沢大学 理工研究域 サステナブルエネルギー研究センター 准教授 石島 達夫

新技術の概要

本技術は、液中の気泡内で平面的にプラズマが広がる特徴を有するため、固体表面の低温処理に好適である。水由来の活性種(OH, O, H)の生成により低環境負荷でレジスト膜等の有機物の高速除去処理が可能である。

従来技術・競合技術との比較

レジストなどの高分子膜は、硫酸・過酸化水素水等の薬液除去方式が用いられる。薬液方式は混ぜた瞬間に最大の活性力をもつため使用量が莫大となる。また薬液の再処理に膨大なコストがかかる。一方、本方式は薬液が不要である。

新技術の特徴

・低温で溶液由来の活性種を利用した高速プロセスが可能
・従来液中プラズマ生成が困難であった超純水においても高密度プラズマ生成が可能
・平面的なプラズマ生成であるため基板などの処理に適する

想定される用途

・半導体製造装置のアッシング工程
・水中での低温洗浄
・殺菌・滅菌処理

関連情報

・サンプルをご提供頂ければ処理テストの実施は可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

有限会社金沢大学ティ・エル・オー

TEL:076-264-6115FAX:076-234-4018
Mail:e-mail-toアットマークkutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp
URL:http://kutlo.incu.kanazawa-u.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top