九州沖縄地区KOSEN 新技術マッチングフェア 【福岡開催】
日時:2013年11月13日(水)
会場:マリンメッセ福岡 2階 セミナー会場C
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)実用化可能な新規カイコ無細胞タンパク質合成系の開発
沖縄工業高等専門学校 生物資源工学科 教授 伊東 昌章
新技術の概要
後部絹糸腺が発達しないセリシンホープの交雑種を用いて極めて容易に中部絹糸腺を摘出する方法を見出した(作業性は10倍以上向上)。その方法で摘出した中部絹糸腺より抽出液を作製し、新たなカイコ無細胞タンパク質合成系を構築した。
従来技術・競合技術との比較
カイコ無細胞タンパク質合成系において、既存の後部絹糸腺を用いた抽出液調製方法(特許第4244625号)と比べて極めて簡便な抽出液調製方法であり、これまで実用化の障壁となっていた作業性の悪さの大幅な改善が達成できた。
新技術の特徴
・大量生産可能な動物細胞由来の無細胞タンパク質合成系
・創薬研究に用いるターゲットタンパク質の迅速生産
・生細胞での難発現タンパク質の迅速生産
想定される用途
・創薬研究等に用いる各種タンパク質の生産
・抗体の生産
・ワクチンの生産
関連情報
・サンプルの提供可能
- 材料
2)強誘電体の脱分極方法、および強誘電体デバイスへの応用
北九州工業高等専門学校 電気電子工学科 准教授 油谷 英明
新技術の概要
強誘電体の圧電性が消失する分域構造の特定により、効率的・効果的な脱分極状態を電気的に得る。分極状態と脱分極状態の双方の物性量(残留歪、誘電率、分極値等)の変化を利用する強誘電体デバイスが実現可能となる。
従来技術・競合技術との比較
1つの強誘電体材料で分極・脱分極状態での異なる残留歪、誘電率、分極値等が利用可能となる。従来のアクチュエータ素子・受動素子としての利用の他、デバイス構造への不活性部位の導入、強誘電体メモリ等への応用が可能である。
新技術の特徴
・PZTなどの既存の強誘電(圧電)材料に適用可能
・素子の一部を圧電状態検出に用いることができ、素子構造の変更なく利用が可能
・1つの強誘電体材料で分極・脱分極状態での異なる残留歪、誘電率、分極値等が利用可能になる
想定される用途
・脱分極状態から分極状態に復帰する過程の利用によるディジタル変位
・分極状態と脱分極状態の2つを利用する可変容量素子、メモリ素子
・圧電フィルタなどにおける不活性部位のコントロール
- アグリ・バイオ
3)パルス印加による魚類受精卵への高効率物質導入技術
有明工業高等専門学校 電気工学科 准教授 河野 晋
新技術の概要
産卵直後の魚類受精卵という刺激に対して極めて感受性の高い卵細胞を、電気パルスで傷つけることなく、卵内に数種類の化学物質を導入できるパルス印加システムを構築した。
従来技術・競合技術との比較
マイクロインジェクション法は、特別な装置、かつ、操作に高度な技術が必要で単位時間当たりのサンプル数にも限りがある。本発明では、ボタンを押すだけで受精卵に物質が導入でき、取り扱いサンプル数も多く高効率。
新技術の特徴
・パルスパワー領域の極短高電圧パルスと通常領域のパルスを組み合わせた高効率物質導入システム
・プログラム可能なバーストパルスによる導入効率の向上
・低抵抗溶液中での物質導入
想定される用途
・発生の各段階における種々の化学物質の影響調査
・遺伝子導入
- エネルギー
4)低ランニングコストを実現するデータセンタの冷却システム
都城工業高等専門学校 機械工学科 助教 白岩 寛之
新技術の概要
二次冷媒に二酸化炭素を用いた低ランニングコストのデータセンタの冷却システム。逆煙突効果を発揮する構造を設け、自然対流による効率的な冷却を可能とし、かつ外気条件により圧縮機を機能させない運転を実現。
従来技術・競合技術との比較
従来のシステムは、生成した冷気を送風装置で放熱機器に送る形式が主流で、多大な送風機電力が必要である。本技術では、送風装置を用いない構造を考案し、かつ季節制御を可能とし、低ランニングコストを実現できる。
新技術の特徴
・環境にやさしく安価な自然冷媒である二酸化炭素の有効利用
・送風装置を持たない冷却システムによるランニングコストの削減
・季節制御可能な冷却システムによるランニングコストの削減
想定される用途
・データセンタの空調
・空調全般
- アグリ・バイオ
5)麦焼酎粕を担子菌培養に用いるオルニチン含有食品素材
鹿児島工業高等専門学校 都市環境デザイン工学科 教授 山内 正仁
新技術の概要
未利用資源である麦焼酎粕をきのこ菌床栽培の培地に用いることで高タンパク質、アミノ酸を含むきのこ及び菌床培養物を得ることを見出した。更にオルチン変換乳酸菌で培養することで高含量オルニチン培養物を得る。
従来技術・競合技術との比較
麦焼酎粕は家畜の飼料や肥料として付加価値の低い用途で使用されている。オルニチンは食経験がない微生物を用いて製造されている。本発明では麦焼酎粕より、高付加価値の「きのこ発酵物及び菌床発酵物」を得た。
新技術の特徴
・麦焼酎粕成分によるきのこ中のタンパク質含量の増加
・担子菌培養による遊離アミノ酸量の増加、特にアルギニン量の増加
・新奇乳酸菌によるアルギニンからオルニチンへの変換
想定される用途
・きのこのブランド化
・未利用資源の新たな用途開発
・子実体形成直前の菌床の乳酸菌培養によるサプリメントの開発
- 計測
6)長時間露出撮影においてハレーション除去画像を出力するカメラシステム
久留米工業高等専門学校 制御情報工学科 助教 松本 光広
新技術の概要
カメラシステムは、ハレーションが発生する対象物を含む領域において長時間露出の撮影を行い、ハレーションの生じない対象物およびその領域の様子を画像として出力する。出力した画像から対象物の形およびその領域の様子を容易に判断できる。
従来技術・競合技術との比較
カメラへ入射する光量を制御するために重ねた2枚の偏光フィルタを用い、1枚のフィルタを固定して、もう1枚のフィルタを一定速度で無限回転させることで、カメラへ入射する光量を連続して減少させる。
新技術の特徴
・カメラへ入射する光量を制御する機構を用いる
・カメラが取得した光量の異なる2枚の画像を合成する
・画像領域全体の輝度値を圧縮することで画素値を再構成し画像とする
想定される用途
・外乱光によるハレーション除去画像の取得
・ハレーションが生じる環境における長時間露出撮影
・カメラのシャッタースピードの機能を減光以外に用いる撮影
関連情報
・展示品あり(試作品の展示)
- 情報
7)環境変動に頑健なリアルタイム目的信号抽出技術
熊本高等専門学校 情報通信エレクトロニクス工学科 准教授 石橋 孝昭
新技術の概要
本技術は複数の信号が混ざって観測された観測信号だけを用いて、目的信号を抽出する技術である。ロボットとのコミュニケーション、聴覚補助システム、特定話者音声の文字変換、故障診断、生体信号抽出など多くの分野でも応用できる可能性がある。
従来技術・競合技術との比較
これまでの技術では、雑音がエンジン音のような定常信号か周期的な信号でなければ機能しない問題や、雑音の特性に依存しない抽出法はリアルタイム化に問題があった。これに対し本技術は、雑音変動があってもリアルタイムで抽出できる技術を開発した。
新技術の特徴
・複数信号の混合した観測信号から、原信号の数を推定できる
・観測信号のみを用いて、原信号を分離し目的信号を抽出できる
・原信号の有無の判断や、原信号の発生区間の検出ができる
想定される用途
・騒音環境下での音声通話や音声入力
・機器の異音による故障診断や情報収集
・生体信号の特徴抽出による診断
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
久留米高専 企画情報係
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URL:http://www.kagoshima-ct.ac.jp/
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