日本大学 新技術説明会
日時:2013年06月11日(火)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 製造技術
1)局所円偏光を利用した超高速磁気記録
日本大学 理工学部 電子工学科 教授 中川 活二
新技術の概要
情報記憶を支える磁気ディスクの速度限界を超える「局所円偏光による磁気記録」により、将来の高速度・高密度磁気記録を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来の磁気記録の記録スピードは、磁気共鳴による物理限界で制限され、高速度化が難しい。円偏光を使った光直接記録で10,000倍程度高速化できる研究が進められているが、高密度化が難しかった。本特許は、円偏光を10nm程度に局所的に発生でき、高速化と高密度化の両方に技術が発展した。
新技術の特徴
・高速磁気ディスク
・偏光顕微鏡の高分解能化
・化学分析手法への発展
想定される用途
・光を用いた磁気記録ヘッド
・局所的に円偏光を生成する光源
・光学異性体のセンサー
- 製造技術
2)ナノ・マイクロバブルの粒径を均一に可変制御する吐出ノズルと発生装置の開発
日本大学 理工学部 電気工学科 教授 鈴木 薫
新技術の概要
圧電素子に数百ナノから数十ミクロンの穴を貫通させたノズルを直接/接続して作製し、微細なバブルを均一に可変制御して発生させるために印加電圧や周波数を適正化した。ノズル部位を圧電材料にしてノズル全体を振動させることで、ノズル先端部に滞在している気泡の離脱効率向上を狙っている。穴の微細加工は集光したYAGレーザーの照射と集束イオンビームによる穴の直径や形状の最適加工を行った。
従来技術・競合技術との比較
従来の方法では微小バブルの粒径を均一かつ可変に制御することは不可能である。なぜなら、マイクロバブルの径よりも小さいノズルを精密に加工することは困難であり、それを振動させる場合に振動のモードを制御することも不可能である。更に、粒径が元々バラツキのある分布を有する微小気泡に外部から物理的刺激として超音波照射や放電などを与えても、粒径にバラツキのある分布は解消されない。
新技術の特徴
・ノズル部位を圧電材料にしてノズル全体を振動させることで、ノズル先端部に滞在している気泡の離脱効率向上
・数百ナノから数十ミクロンの穴を貫通させたノズルをYAGレーザと集束イオンビームで直接/接続して作製
・バブルを均一に可変制御して発生させるために印加電圧や周波数を適正化
想定される用途
・バブルの圧壊時におけるゼータ電位やソノケミカル効果による水質改善・殺菌・脱臭
・バブルの表面電位や超音波発生による洗浄効果
・毛細血管の造影剤、細胞活性化
- 製造技術
3)磁化プラズモイドの繰り返しパルス生成による新奇製膜法の提案
日本大学 理工学部 物理学科 准教授 浅井 朋彦
新技術の概要
磁場構造を持った比較的高温のプラズモイドを生成・加速することができる磁化同軸プラズマガンを繰り返しパルス制御することで、高融点金属による合金薄膜などを容易に形成することができる手法を提案する。
従来技術・競合技術との比較
同軸電極部で生成後、軸方向に加速・射出されるプラズモイドを用いることで、製膜領域とプラズマ生成部を分離でき、また、イオン化された原子のみが加速されることから、ドロップレットなどのない緻密で良質な膜を生成できる。
新技術の特徴
・電磁加速による金属イオンの基板への垂直入射
・基板への低熱負荷化ならびに高い膜厚制御性
・高い膜付着強度の実現
想定される用途
・高融点金属膜および合金膜の生成
・酸化金属・窒化物薄膜の高速生成
・難付着性基板への合金膜の生成
- エネルギー
4)水素吸蔵合金カプセルの共存による生物的水素生産の効率化
日本大学 理工学部 一般教育 化学系列 教授 淺田 泰男
新技術の概要
生物的水素生産は、効率の改善法とともに、生成した水素の回収方法が課題とされる。本発明は、カプセル化された水素吸蔵合金を生物的水素生産システムと共存させることによって、水素回収の容易化と生産効率の向上をめざすものである。
従来技術・競合技術との比較
生物的水素生産は、生産速度および水素収率さらに回収方法が課題とされる。本発明によって、少なくとも、水素回収効率および水素収率を大きく改善するのみならず、水素生産速度にも貢献できる。
新技術の特徴
・酸素を含む好気的ガス雰囲気においても、水素ガスを回収できる
想定される用途
・様々な水素ガス含有物からの水素の回収
・光化学的水分解、ないし様々な水素生産システムからの水素分離
- 医療・福祉
5)タンパク質の寿命を延ばす方法の開発~遺伝的に安全かつ簡易なiPS、分化細胞誘導法の開発に向けて~
日本大学 生物資源科学部 応用生物科学科 専任講師 舛廣 善和
新技術の概要
本新技術のスタビロンモチーフは細胞内のプロテアソームやセリンプロテアーゼによるタンパク質分解を阻害する。
従来技術・競合技術との比較
従来の細胞膜透過性タンパク質は細胞内導入後、早期のタンパク質分解により低機能であったが、本モチーフを融合すれば細胞内に長く存在し、長期間機能を発揮することが期待できる。
新技術の特徴
・タンパク質のプロテアソーム分解を阻害する
・タンパク質のセリンプロテアーゼ分解を阻害する
・尿素/グアニジン塩酸変性タンパク質の透析によるリフォールディング時の再凝集を防ぐ
想定される用途
・細胞膜透過性タンパク質によるiPS細胞や種々の組織細胞分化誘導
・白血病や癌、炎症の予防
・リウマチや全身性エリテマトーデス等の膠原病の改善
・アトピーや喘息等のアレルギー性疾患の改善
・個体の長寿命化
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
- 創薬
6)新規バイオ医薬ピロール・イミダゾールポリアミドの創薬開発
日本大学 大学院総合科学研究科 生命科学専攻 教授 福田 昇
新技術の概要
PIポリアミドは新規遺伝子制御薬であり、核酸医薬に比し生体で安定で副作用が少なく、自由に設計できる。我々はヒトTGF-β1遺伝子抑制PIポリアミドを開発し、マーモセットで腎不全、皮膚瘢痕、iPS誘導するバイオ医薬として創薬開発している。
従来技術・競合技術との比較
PIポリアミドの発明者CALTECのDervanらはPIポリアミドのDNA結合、合成法の基本特許を保持しているが、5年後に特許権が消失する。遺伝子抑制核酸医薬siRNAやDecoyはRNA、DNA構造にて生体内で分解される欠点があるが、PIポリアミドは安定である。
新技術の特徴
・線維性疾患の新規バイオ医薬
・DDSを必要としない
・独自の合成方法
想定される用途
・進行性腎障害
・皮膚肥厚性瘢痕
・iPS細胞の高効率誘導
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
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