静岡大学 新技術説明会
日時:2013年11月01日(金)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- デバイス・装置
1)小型高感度低ノイズ高ダイナミックレンジマルチアパーチャカメラ
静岡大学 電子工学研究所 准教授 香川 景一郎
新技術の概要
明るさと重さのバランスがとれたレンズと、高感度・低ノイズ・高ダイナミックレンジCMOSイメージセンサを多数用いることで、従来の単一レンズ系ではレンズが非常に大きく重くなるため実現が不可能であった、極めて明るく低ノイズのカメラを実現する。
従来技術・競合技術との比較
極低照度環境において、無照明・非冷却・低電圧動作で、ダイナミックレンジの広い自然なカラー動画像が得られることが、従来技術に対する本撮像技術の優位な点である。
新技術の特徴
・暗電流やアンプノイズなどイメージセンサ固有のノイズを補間なしに除去
・無照明またはわずかな照明で利用できるため、暗い環境でのカラー撮影に適している
・F/1.0を大きく下回る明るい光学系を、単一のレンズで同じ明るさを実現するよりも、はるかに小型で実現
想定される用途
・極めて暗い環境で使われる放送用カメラ
・無照明またはわずかな照明で利用できる監視カメラ
・天文応用カメラ
関連情報
・実写デモ可能
・展示品あり
・外国出願特許あり
- 材料
2)"21世紀のクリーン燃料"ジメチルエーテルを経済的に製造する触媒に関する研究・開発
静岡大学 大学院工学研究科 化学バイオ工学専攻 講師 武石 薫
新技術の概要
ジメチルエーテル(DME)は燃焼しても黒煙やSOxを出さないなど、LPガスや軽油に変わりうるクリーン燃料、そして、水素のキャリア・貯蔵体として期待されており、急速な需要の伸びが予想される。そのため、経済的な製造法や優れたDME製造触媒の開発が望まれている。
従来技術・競合技術との比較
数社から一酸化炭素または(および)二酸化炭素からのDMEを製造するための触媒が開発されている。実験室レベルでの比較になるが、より温和な反応条件下で、我々の開発した触媒は、それらの触媒に匹敵するか、それ以上のDME生成活性を示している。
新技術の特徴
・合成ガスや二酸化炭素から直接(一段で)経済的にDMEが製造できる
・従来よりも温和な反応条件下で効率的にDMEが製造できる
・本触媒を成型体の担体などに固定することができる
想定される用途
・この触媒で製造したDMEを自動車燃料として利用
・この触媒で製造したDMEを発電所のタービン用燃料として利用
・この触媒の利用およびDMEを媒体として自然エネルギーの貯蔵・液化
関連情報
・外国出願特許あり
- 計測
3)弾性表面波素子とインピーダンス変化型センサを組み合わせた受動型物理量計測システム
静岡大学 創造科学技術大学院 光・ナノ物質機能専攻 教授 近藤 淳
新技術の概要
弾性表面波素子とインピーダンス変化型センサを接続することにより、センサ部を無電源・無線化できる。一つの反射波波形からインピーダンスと温度の計測より、インピーダンス変化型センサの温度補償を行う方式を見いだした。
従来技術・競合技術との比較
従来は、反射器を複数設け、温度計測用とインピーダンス計測用を分離していた。しかし、一つの反射器で両者の計測が行えることにより、他の反射器は識別用TAG、他のインピーダンス変化型センサとの接続などに利用できる。
新技術の特徴
・インピーダンス変化型センサの無電源・無線化
・インピーダンス変化型センサの自己温度補償
・無電源センサネットワークの構築
想定される用途
・構造物ヘルスモニタリング
・トンネルなどの監視
・人の入れないまたは電池交換が容易でない場所でのセンシング
- 材料
4)超分子ヒドロゲルによるタンパク質電気泳動法
静岡大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 山中 正道
新技術の概要
タンパク質電気泳動は汎用される技術であるが、ゲル担体はポリアクリルアミドなど高分子ゲルに限定されていた。本新技術では、超分子ヒドロゲルを用いたタンパク質電気泳動法の開発に初めて成功した。
従来技術・競合技術との比較
従来のポリアクリルアミド電気泳動法は、電気泳動後のタンパク質の回収に問題点を有していた。本技術では、簡便な操作により電気泳動後の超分子ヒドロゲルから、タンパク質試料を回収することが出来る。
新技術の特徴
・生体高分子の分離
・化学センサー
・DDS
想定される用途
・タンパク質の分離
・タンパク質の精製
・タンパク質の機能解析
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
- アグリ・バイオ
5)新規微生物燃料電池に向けた蓄放電部材の開発
静岡大学 大学院工学研究科 化学バイオ工学専攻 教授 二又 裕之
新技術の概要
本技術は、クリーンエネルギーの1つとして有望視され得る。即ち微生物が、嫌気下で無機物と反応し蓄放電物質を形成する。これは、廃棄性有機物を処理しながら必要に応じた電力供給装置の開発を可能とする。
従来技術・競合技術との比較
リチウム等が利用されリチウムイオン二次電池は150-200 Wh kg-1のエネルギー密度を有する。本物質は現状数Wh kg-1に過ぎないが、能力の飛躍的向上の見込みは高い。また、環境負荷が極めて小さく極低コストの材料費と製造費という特徴を持つ。
新技術の特徴
・新規あるいは難培養性微生物の分離・培養
・生体内における電気信号授受装置素材
想定される用途
・排水処理や廃棄物処理との並用による、処理能力の向上と電気エネルギーの供給システム
・微生物燃料電池の二次電池化
・金属空気二次電池の材料
関連情報
・展示品あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
国立大学法人静岡大学 イノベーション社会連携推進機構
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