広域多摩地域の大学発 新技術説明会
日時:2013年07月02日(火)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)静水圧処理による果物・野菜に付着した疎水性農薬の効率的除去方法
創価大学 工学部 環境共生工学科 教授 清水 昭夫
新技術の概要
疎水性農薬が付着した野菜を静水圧処理することで効率良く除去する技術を紹介する。この方法では効率良く除去できると共に処理で有害物質は生成されなく除去した農薬を効率良く回収できる。
従来技術・競合技術との比較
疎水性農薬を効率良く取ることができると共に密閉容器内で処理するために除去された農薬を効率良く回収することができる。また、処理により有害物質は生成されない。
新技術の特徴
・除去された農薬(付着物を)効率的に回収可能
・洗浄液の削減
・表面に付着した疎水性物質の効率的除去
想定される用途
・野菜・果物の表面に付着した農薬等の洗浄
・通常では洗浄液が浸透しにくいような微細部位に付着した不純物除去
・洗浄液の拡散を押さえたい場合の洗浄(密閉容器内で処理)
関連情報
・試しの処理可能
- 情報
2)シーケンシャルカラー方式による高画質撮像・伝送・表示のための動画像信号処理技術
成蹊大学 理工学部 情報科学科 教授 杉山 賢二
新技術の概要
RGBをフレーム順次とするシーケンシャルカラー方式を用いると、空間解像度低下が一切無い高画質な撮像、伝送(符号化)、表示が可能になる。それを実現するためのフレーム間予測符号化処理、動き推定処理、画像構造変換処理である。
従来技術・競合技術との比較
シーケンシャルカラー方式は、その特殊な画像構造から通常の画像間予測・動き推定・変換処理では、良好な結果が得られない。本方式に適合した独自の処理構成や色予測などの新規処理により高画質・高能率を可能にする。
新技術の特徴
・シーケンシャルカラー画像を効率的に符号化するフレーム間予測符号化処理
・フレーム間予測符号化・画像構造変換のためのフレーム間動き推定処理
・シーケンシャルカラー画像をディスプレイ表示形態に変換する画像構造変換処理
想定される用途
・高精細ビデオカメラ(イメージセンサの能力を100%生かせる)
・高画質伝送(色解像度低下の無い符号化)
・高画質ディスプレイ(ディスプレイの解像度を100%生かせる)
- 材料
3)超音波振動を用いた高濃度・ナノバブルオゾン水製造装置
明星大学 教育学部 教育学科 教授 清宮 義博
新技術の概要
長時間水中に留まり続ける高濃度ナノバブルオゾン水の製造方法を提供する。オゾンガス発生部をオゾンガス溶解部に接続し、超音波を付加することで純水に濃縮オゾンガスを溶存させて、揮発しにくく極めて安定な高濃度溶存オゾン水を作り出す。
従来技術・競合技術との比較
従来のオゾン水製造装置に比べ机の上に乗る程度のコンパクトTypeで、いろいろな現場で応用可能である。また、 従来のオゾン水は15分ほどでオゾン濃度が半減するのに対し、本発明のオゾン水の濃度の減少は30分で10%ほど、半減時間は540分(9時間)である。
新技術の特徴
・揮発しない高濃度ナノバブルオゾン水の、製造方法
・オゾンガス溶解部の構造に特色
想定される用途
・医療器具の消毒ならびに滅菌
・病院等医療施設での滅菌入浴
・滅菌シャワー
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり(市販の瓶詰オゾン水と、本発明の瓶詰ナノバブルオゾン水)
- 材料
4)アルミニウム粉末表面の自然酸化被膜の分解物質を触媒とした、窒化アルミニウム複合材料の製造方法
明星大学 電子実装工学研究所 産学連携推進室担当 名誉教授・特別顧問・研究所ダイレクター 大塚 寛治
新技術の概要
低コストで作りだせる窒化アルミニウム含有物の製造方法を提供する。これにより、焼結材とは異なる取り扱い安いAl/AlN複合材料が得られる。その結果、高熱伝導率ならびに低熱膨張係数を有する材料が得られる。この技術はAlとAlNの界面の接着性に優れた複合材料を作り出す。
従来技術・競合技術との比較
本発明によれば、従来技術の製造条件1600℃、100気圧に比べて、850℃前後の比較的低い温度で、かつ常圧で窒化アルミニウム含有物を製造することができるため、従来技術に比べて極めて低コストで製造することができる。
新技術の特徴
・高熱伝導の窒化アルミニウム含有物
・製造条件が660℃以上900℃以下、常圧もしくは数気圧以下、と低コスト生産が可能
・反応温度を制御することでAlNの体積率の異なる複合材料を容易に作り出すことができる
想定される用途
・LEDなどの放熱基板
・ハイパワー半導体デバイスの放熱基板
・薄型ヒータの下地
関連情報
・サンプルの提供可能(窒化アルミニウムの体積率の異なるAl/AlN複合材料)
・展示品あり(窒化アルミニウム含有物(Al/AlN複合材料)のブロック)
・外国出願特許あり
- エネルギー
5)永久磁石ハルバッハ配列界磁の特徴と電気機器への応用
工学院大学 工学部 電気システム工学科 教授 森下 明平
新技術の概要
着磁方向に平行な断面が正方形の永久磁石を90°づつ回転させたハルバッハ配列を互いに対向させて界磁を構成する。その際、互いに対向するハルバッハ配列間のギャップ長を永久磁石正方形断面の一辺の長さの1.2?1.5に設定すると、ギャップ中において界磁の作る磁束に鎖交する電機子コイルの磁束鎖交数を最大にすることができる。
従来技術・競合技術との比較
従来のコアレスモータ/ジェネレータと比較すると出力/体積比が2倍になる。また、永久磁石埋め込み型同期電動機/発電機と比較しても出力/重量比が1.5倍になる。
新技術の特徴
・自己インダクタンスが数μHと小さい
・コギングトルクが発生しない
・滑らかなトルクを発生する(トルクリップルが1%程度と小さい)
想定される用途
・風力発電機
・大出力低音域スピーカの駆動装置
・インホイールモータ
関連情報
・外国出願特許あり
- 創薬
6)C型肝炎ウイルス(HCV)の細胞への侵入を阻止するC型肝炎予防・治療薬
いわき明星大学 薬学部 教授 田中 晴雄
新技術の概要
本発明のアクチノヒビン(AH)は、3つの糖鎖結合ポケットを持つレクチンの一種で、多くの高マンノース型糖鎖を持つ糖タンパク質にのみ結合することから、細胞への感染に高マンオース型糖鎖が関与しているHIV及びHCVに対して選択的で強い抗ウイルス活性を示す。従って、安全性の高いC型肝炎予防・治療薬となりうる。AH2量体はさらに強い抗HIV/HCV活性を示す。
従来技術・競合技術との比較
C型肝炎治療法としてはPeg-IFN/RBV併用療法等が開発されて治療効果の増大が計られているが、これまでHCVの細胞への接着・侵入を阻害する薬剤はない。接着・侵入を選択的に阻害するAHは、副作用が少なくウイルス除去率の高いC型肝炎の予防・治療薬として期待される。
新技術の特徴
・AHが抗HCV活性を示すことから、HCVの細胞への感染に高マンノース型糖鎖の関与が示唆された
・多くの高マンノース型糖鎖を持つ糖タンパク質にのみに結合することから、AHの安全性は高い
・HIVの細胞から細胞への感染を阻止することから、AHの利用により体内からのHIVの除去の可能性が考えられる
想定される用途
・C型肝炎の予防薬
・C型肝炎の治療薬
・HIVの体内からの除去
- 材料
7)透明⇔鏡⇔黒ならびに発光状態を有するスイッチャブルスマートウィンドウ
東京工芸大学 工学部 メディア画像学科 教授 内田 孝幸
新技術の概要
透明と鏡と黒を電気的に切り替えられる「透明電気化学素子」と非発光時に透明な特徴を有する「透明有機EL素子」を組み合わせた、6つの状態[ 1)透明、2)鏡、3)黒、3)両面発光、4)片面発光で背面が鏡、5)片面発光で背面が黒]を有する、スイッチャブルスマートウィンドウの構築と応用。
従来技術・競合技術との比較
現在までスマートウインドウは、透明⇔鏡もしくは 透明⇔黒に変化するものがほとんであり、鏡⇔透明⇔黒の3つの状態を電気的に切り替えられる素子は最近になって報告されたものである。この新奇な素子にさらに、非発光時に透明な特徴を有する「透明有機EL」を組み合わせることで、これまでにない6つの機能を有する多機能な窓の構築技術である。
新技術の特徴
・透明な窓が鏡になるため、夏の冷房負荷の軽減
・透明な窓が照明やディスプレイになるため、省スペースの実現
・透明な窓が黒になるため、ブラインド機能の実現。透明有機ELでの黒画像表示
想定される用途
・遮熱、光遮蔽の機能性を有した窓
・透明な窓から、面照明に変化する機能性を有した窓
・照明、画像表示、ブラインド機能をスイッチ一つで制御できる窓
- エネルギー
8)単結晶太陽電池モジュールのホットスポットの簡易診断法
神奈川工科大学 工学部 電気電子情報工学科 教授 板子 一隆
新技術の概要
本発明は、太陽電池モジュールの各セルの欠陥をモジュール単位で簡易的に診断し、太陽光発電システムのホットスポット現象によるモジュールの故障を回避するための方法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来、赤外線を用いて温度を測定してホットスポットの場所を特定することが行われている。電気的には、ホットスポットを除去する技術は公開されているが、ホットスポットを簡易にすばやく診断する方法はない。
新技術の特徴
・結晶欠陥の検出
・セルの欠陥をモジュール単位で検出
・部分影の自動作成
想定される用途
・太陽光発電システムにおけるホットスポットの簡易診断
・太陽電池モジュールの欠陥検出
- 情報
9)接平面機構に基づく触覚・力覚提示システム
創価大学 工学部 情報システム工学科 准教授 今村 弘樹
新技術の概要
本システムでは、物体表面を接平面機構を用いて表現することにより、力覚のみでなく、触覚も表現することが可能となることが期待できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の力覚提示装置は、点で力覚を表現していたため、触覚を表現することは困難であった。本システムは接平面を用いているために触覚表現できることが期待できる。
新技術の特徴
・接平面を用いているため触覚を表現できる
・台車と上下機構によりやや大きめの物体の力触覚表現ができる
想定される用途
・ゲームなどのエンターテイメント
・遠隔地への力触覚伝達
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