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東京理科大学 新技術説明会

日時:2013年11月15日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • エネルギー

1)ロスゼロ時代を支える新奇クロロフィルを用いたエネルギー創生

東京理科大学 理学部第一部 教養学科 准教授 鞆 達也

新技術の概要

これまで光合成では難しいとされていた、可視光よりも低い波長を用いて行う光合成の原理を明らかにし、そこから派生する新しいバイオマスや水素発生、光変換素子ついて報告する。

従来技術・競合技術との比較

本研究は、近赤外光を吸収する藻類由来の新奇クロロフィルを用いることで、これまで植物光合成や人工光合成では活用できなかった光の波長を利用する新しいエネルギー創成を可能とした。この技術と従来の色素とを組み合わせることで、太陽光を余すことなく利用できるようになり、光エネルギー変換の可能性が飛躍的に広がる。

新技術の特徴

・低エネルギーによる水分解反応
・波長の選択による光スイッチ

想定される用途

・水素等エネルギーキャリア
・光変換素子
・バイオ燃料

  • エネルギー

2)酸化物半導体を用いたインテリジェントウィンドウの開発

東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 講師 杉山 睦

新技術の概要

これまで使われていなかった太陽からの紫外線を積極的に利用し、可視光?赤外光を透過し紫外線のみ吸収する「透明な太陽電池」技術を足がかりに、「色が変わる窓」「センジング機能を備えた窓」など、酸化物半導体を用いたインテリジェントウィンドウの基礎技術を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

これまで、透明太陽電池、液晶技術等を用いた透過率可変デバイス、エネルギーハーベストデバイスは、別々の材料を用い、独立して研究開発が行われていた。本技術は、それら全ての特徴を安価で扱いやすい酸化物半導体を用いて実現するため、多彩な応用が期待できる。

新技術の特徴

・安価で耐久性の高い酸化物半導体を用いたマテリアルデザイン
・大面積に堆積可能なスパッタ技術を用いた、簡便な製造プロセスの提案
・透明故に広がる多彩なアプリケーション

想定される用途

・発電する窓ガラス・発電するビニールシート
・ブラインド機能を有する太陽電池付き窓・意匠性の高い窓
・見えないセンサ・電源不要のセンサ

  • 計測

3)サブミクロン深さ分解化学分析のための誘導ラマン光干渉計

東京理科大学 理学部第一部 化学科 教授 由井 宏治

新技術の概要

化学物質選択的な情報を有する誘導ラマン散乱光と光干渉技術を組み合わせた深さ方向化学分析のための要素技術。散乱光の位相を検出することで、生体非侵襲性の高い近赤外光を用いてサブミクロンの深さ方向空間分解能を実現する。

従来技術・競合技術との比較

光学顕微鏡における深さ方向分解能は、数ミクロンなのに対し、干渉計を利用することで、サブミクロンの分解能を達成する。さらに近赤外光を利用することで、生体への適用に対する安全・安心度も高めている。

新技術の特徴

・化学物質イメージング計測
・深さ方向サブミクロン空間分解能計測
・近赤外光を使った生体に優しい計測

想定される用途

・多層薄膜材料や多重塗装・コート状況の非破壊化学分析計測
・医薬品・化粧品などの皮膚への浸透状況の計測計測
・眼科(網膜)など医療分野での化学計測

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

4)ナノ粒子を用いた透明導電性薄膜と中空粒子の新規作製

東京理科大学 工学部第一部 工業化学科 教授 河合 武司

新技術の概要

金属ナノ粒子膜に紫外線照射すると、2次元の網目状ナノシートとなり、導電性薄膜が容易に作製できることを見出した。さらに、同じ手法を高分子粒子に適応することで中空ナノ粒子にも成功した。

従来技術・競合技術との比較

1)蒸着などの方法でナノシートは作製できるが、本方法では液体上でも作製できるため、どこにでも貼り付け可能。また、光が通れば、裏面でも作製できる可能がある。 2) 中空ナノ粒子の作製は、一般的にコアシェルナノ粒子を作製した後、内部粒子を除く方法が一般的であるが、本技術は行程が簡便である。

新技術の特徴

・ナノサイズ(100nm以下)のフィルター
・透明導電膜
・ナノキャリアー

想定される用途

・電子顕微鏡用メッシュ
・DDSキャリアー

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

5)高効率色素増感太陽電池の開発

諏訪東京理科大学 システム工学部 電子システム工学科 助教 石崎 博基

新技術の概要

特許取得した新規めっき技術では、製膜温度が100℃以下と低く、高品質なセラミックス薄膜を低温材料上ならびに基板形態によらず、作製できるなどの多くの利点を有し、大面積基板上に低コストで製膜できる技術である。この技術を用いて、低コストで色素増感太陽電池の作製が可能であり、エネルギー分野の発展に貢献できると考えられる。

従来技術・競合技術との比較

従来法による色素増感太陽電池の形成では、製膜温度が高温であり、低融点材料上に太陽電池を作製することできないなどの問題がある。そこで本特許技術では、基板材料によらず、色素増感太陽電池を形成できるなどの利点を有し、大面積基板上に低コストで太陽電池を作製するめっき技術である。

新技術の特徴

・陰極電解による高速めっき技術
・高品質な酸化皮膜の形成が容易
・電気化学的パラメーターによる組成および機能特性の制御が容易

想定される用途

・低コスト太陽電池の生産への応用
・透明導電膜への応用(帯電防止フィルム)、光学および電子デバイスへの応用
・自動車等の鋼板の腐食防食膜への応用

関連情報

・外国出願特許あり

  • 計測

6)光学的-電気的検知水素ガスセンサ

東京理科大学 基礎工学部 材料工学科 教授 西尾 圭史

新技術の概要

ゾル-ゲル法により作製したPt微粒子分散三酸化タングステン薄膜を使用する事により、繰り返し再現性にも優れた、画期的な水素センサを実現した。また、光学特性と電気特性のどちらでも幅広い濃度の水素ガスを検出できる。

従来技術・競合技術との比較

100ppmから数%までの幅広い濃度の水素ガスを一つの材料の光学・電気特性を利用することで検出可能なセンサとすることが可能である。また、水素検出時に色変化を伴うことから目視での確認も可能である。

新技術の特徴

・光学と電気物性を利用した複合型水素ガスセンサ
・ガスクロミック現象により水素ガス暴露時に薄膜の色が変化すると共に電気抵抗が数ケタ変化する高感度水素ガス漏洩センサ
・ゾル-ゲル法を用いた簡便な作製方法により得られる薄膜型水素センサ

想定される用途

・水素燃料電池などの水素ガス漏洩センサ
・化学工場等の水素発生が予測される場所での水素ガスセンサ

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

7)人工光合成を指向した環状ポルフィリン多量体

東京理科大学 理学部第二部 化学科 准教授 佐竹 彰治

新技術の概要

複数の金属錯体を導入できる環状ポルフィリン三量体の効率的合成法を開発した。ポルフィリンは高い可視光捕集能を有するため、本系は光を利用した分子変換反応の触媒として期待される。

従来技術・競合技術との比較

構造がユニークである。3つの2,2’-ビピリジル配位子と3つのポルフィリン分子が交互に並んだ環状化合物であり、導入された金属がすべて中心を向く設計となっている。外周部には6つのカルボン酸基を有しており、水溶性や金属酸化物への固定化等の付加的な機能も併せ持っている。

新技術の特徴

・特異的分子センサー
・生体内でのマーカー、タグ

想定される用途

・分子変換触媒
・光触媒
・色素増感太陽電池

  • 材料

8)光触媒の新しい応用

東京理科大学 理工学部 応用生物科学科 准教授 中田 一弥

新技術の概要

光触媒は「酸化分解力」と「超親水性」の二つのユニークな特徴をもち、様々な応用が可能である。特に環境分野では様々な実績があり、これまで我々は企業との共同研究を通じて様々な製品開発を行ってきた。今回は実用化を展望した光触媒の新しい応用を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

光触媒がしめす酸化分解力は強力であり、ほとんどすべての有機物を分解できるため、脱臭や抗菌などに応用出来る。一方、超親水性は防曇ミラー等に応用出来る。それらを応用することで、様々な製品化開発ができる可能性がある。

新技術の特徴

・強力な酸化分解力により、様々な有機物(汚れ、臭い、菌・ウイルス等)を分解することができる
・超親水性により、防曇効果をもつガラスなどへ応用出来る
・酸化分解力と超親水性を組み合わせた自浄作用をもつ外装材・内装材へと応用出来る

想定される用途

・空気清浄機、水浄化装置、植物工場
・防曇ミラー
・セルフクリーニング外装材、内装材、窓ガラス

関連情報

・展示品あり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京理科大学 科学技術交流センター

TEL:03-5876-1530FAX:03-5876-1676
Mail:tloアットマークadmin.tus.ac.jp
URL:http://www.tus.ac.jp/tlo/
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