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A-STEP発(次世代エネルギー分野・環境分野) 新技術説明会

日時:2014年11月27日(木)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • エネルギー

1)膜分離を利用した次世代CO2分離回収技術によるカーボンフリー水素の製造

九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 CO2分離・転換研究部門 准教授  谷口 育雄
【コーディネータ】(九州大学 産学官連携本部 助教) 坪内 寛

新技術の概要

新規アミン化合物をCO2親和性物質として高分子マトリクス中に固定化した高分子膜は、CO2/H2混合ガスからのCO2選択分離において極めて高い選択性を示す。このCO2分離性能に着目して、水素ステーションなどにおける水素精製時の排出ガス(CO2/H2混合ガス)からCO2分離回収を膜分離により行う。本手法は他のCO2分離回収法と比較して著しく省エネルギーであり、安価なカーボンフリー水素の製造が可能である。

従来技術・競合技術との比較

膜分離法は、従来技術である吸収液法と比較して圧倒的に省エネルギーである。また、申請者が開発した分離膜は容易に作成することが可能であり、CO2/H2混合ガスからのCO2分離において世界最高水準の分離性能を発揮する。

新技術の特徴

・分離膜によるCO2分離回収
・極めて高いCO2分離性能
・カーボンフリー水素製造

想定される用途

・水素ステーションによるCO2分離回収
・石油精製におけるH2製造装置からのCO2分離回収
・石炭ガス化複合発電所におけるCO2分離回収

関連情報

・外国出願特許あり

  • エネルギー

2)マイクロ波加熱を利用した低級炭化水素資源からの高純度水素製造プロセスの開発

旭川工業高等専門学校 物質化学工学科 教授 宮越 昭彦

新技術の概要

本研究は低級炭化水素から高純度水素を製造するためのプロセス開発を行っている。特にマイクロ波を加熱媒体として利用することで、COやCO2をほとんど副生せずにメタンから水素に75%以上長時間、安定的に転換させることに成功した。また、メタン分解炭素は多層グラファイトとして触媒に固定化されメタン分解を阻害しないほか、高品質の炭素材料になる可能性が示唆された。

従来技術・競合技術との比較

工業的な水素製造は、スチームを用いた低級炭化水素による水蒸気改質が主流である。この場合、副生するCOやCO2の処理が課題となる。本法はマイクロ波加熱を利用してメタンを直接水素へと分解し、COやCO2を副生させない点が特長である。

新技術の特徴

・加熱媒体としてマイクロ波を利用する。これによりメタン分解炭素は触媒毒とならず、むしろ反応エネルギーをアシストする。
・COやCO2をほとんど副生せず、高純度水素(他は未反応メタン)が直接的に得られる。触媒寿命は30時間以上維持する。
・メタン分解炭素は高電導性を有し、ラマン分光分析や透過型電顕ではグラフェン等の高付加価値炭素に近い結果であった。

想定される用途

・水素燃料電池と組み合わせたエネルギー装置や水素ステーションの供給器(天然ガスの改質器)
・電極素材や環境浄化剤など高機能性炭素の量産プロセス
・メタン分解に有効であることからバイオガスを産出する山間部等での水素燃料電池システムとしての活用

関連情報

・展示品あり(メタン分解炭素の試料)
・外国出願特許あり

  • エネルギー

3)高圧合成法を利用した熱電変換材料の製造技術

室蘭工業大学 大学院工学研究科 情報電子工学系専攻 教授 関根 ちひろ

新技術の概要

高温・高圧(1000〜2000℃、4万〜10万気圧)の条件下で材料合成ができるマルチアンビル型高圧プレスを用いたホットプレス法と、パルス通電によって自己発熱・焼結ができる放電プラズマ焼結(SPS)法を組み合わせた製造システムを開発した。この手法を用いることで、モジュール化に適した均質で高性能な熱電変換材料の合成が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

常圧下では得られない新規な結晶構造を有する高性能材料を合成しうる方法

新技術の特徴

・常圧下では得られない新規材料の合成が可能

想定される用途

・温度差発電用熱電変換素子
・冷却用ペルチェ素子

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

4)ヨウ素ドープカーボンナノチューブを用いた透明導電膜の開発

名古屋工業大学 大学院工学研究科 物質工学専攻 教授 川崎 晋司

新技術の概要

単層カーボンナノチューブの中空部分にヨウ素を簡単にドープできる方法を開発した。開発した手法は電解酸化法を基本技術としており、電気量によりドープ量を容易に調整できる。ヨウ素のドープによりナノチューブの電気伝導度は2桁近く向上する。応用上問題であるナノチューブの凝集も温度制御により容易に分散できる。高分散、高伝導度のナノチューブを使用することにより飛躍的に透明導電膜の性能向上ができる。

従来技術・競合技術との比較

未処理の単層カーボンナノチューブには金属性だけでなく半導体性のナノチューブが相当程度含まれており、電気伝導性に問題がある。また、ナノチューブ間の強いファンデルワールス力により凝集しており透明導電膜に利用する際に光透過性において問題である。従来のナノチューブ透明導電膜においてはこれらのことに対応していない。

新技術の特徴

・ヨウ素ドープによる1.5桁以上の電気伝導度向上
・ドープ量の調整が容易
・ナノチューブの分散が容易

想定される用途

・タッチパッド
・太陽電池
・液晶ディスプレイ

  • 材料

5)高性能アルミ電解コンデンサを実現する環状構造含有新規二塩基酸の開発

三重大学 工学研究科 分子素材工学専攻 助教 溝田 功

新技術の概要

アルミ電解コンデンサの高機能化及び長寿命化に必須な電解液の性能限界は、一般にコンデンサ雰囲気温度105℃、耐電圧550V、寿命3000時間である。今回、耐電圧650V、寿命5000時間を目標とする環状構造を有する二塩基酸の開発とそれらの評価試験を行い、良好な溶解性及び耐熱性を有し、更に耐電圧が700Vを超える有効な環状二塩基酸の開発に成功した。

従来技術・競合技術との比較

現状のアルミ電解コンデンサ用ニ塩基酸の主流は、セバシン酸、1,6DDAであり、性能の限界が指摘されている。構造物性相関の解析から創出された新規ニ塩基酸は、特異な環状構造を持ち、既存品を越える①優れた耐電圧、②優れた耐熱性(貯蔵安定性)、③優れた溶解性を示す。

新技術の特徴

・優れた貯蔵安定性:COOH基に立体障害を導入しエステル化、アミド化を阻止
・優れた耐電圧:650V
・溶解性

想定される用途

・アルミ電解コンデンサ
・パワーエレクトロニクス装置(太陽光発電、新幹線、電気自動車)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

6)電子・電気部品用のナノ積層型Sn/Ag3Sn系多層めっきの開発

岩手大学 大学院工学研究科 応用化学・生命工学科専攻 准教授 呉 松竹

新技術の概要

自動車部品の端子・コネクタとLED前照灯および表面実装LEDデバイスへの実用に向けて、精密なめっき法によりSn、AgとAg3Sn層の膜厚が様々にデザインされたナノ積層型のSn/Ag3Sn系多層めっきを創製した。また、現行のAg、AuおよびリフローSnめっきと比較して光反射性、耐候性、耐熱性、耐硫化性、耐微摺動摩耗性と耐Snウィスカー性などを評価し、優れた耐久性を有することが確認された。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、リフローSnめっきは低コストだが耐熱性と耐摩耗性は不十分である。貴金属AgとAuめっきは、高コストのほかに耐硫化性と耐アンモニア性の問題がある。特にUV-LED用のAu膜の反射率が低い。

新技術の特徴

・Sn/Ag3Sn系多層膜は従来のAgめっきおよびリフローSnめっきに比べ、耐久性が大幅向上
・優れた耐熱性、耐硫化性、耐微摺動摩耗性、耐Snウィスカー性と半田濡れ性をもつ
・製造コストを大幅に低減、省貴金属化できる

想定される用途

・自動車の端子・コネクタ用途、電気自動車高速充電器など
・LED反射材用途(自動車ヘッドライト、表面実装デバイスなど)
・めっきプロセスと実装プロセスの一体化

関連情報

・サンプル提供可能(試作可能)
・展示品あり(めっき試験片)

  • エネルギー

7)ナノ炭素材料を基盤とした可視光での光水素発生

岡山大学 大学院環境生命科学研究科 資源循環学専攻 物質エネルギー学講座 講師 田嶋 智之

新技術の概要

カーボンナノチューブの光特性を評価するには、カーボンナノチューブを溶液中に分散する技術が重要である。我々は、階層的な光機能界面を持つ同軸ケーブル構造のナノ炭素材料を構築するためのカーボンナノチューブの表面修飾法を開発した。この光触媒を用いると、可視光(波長 450 nm)照射下での水の光分解による水素発生効率は 43%となり、有機系の光触媒で最高の値を達成した。

従来技術・競合技術との比較

有機光触媒では世界トップレベルの水素発生効率を有しており、光触媒による水素製造技術の基礎研究段階から実用化に向けた研究開発段階にステップアップする上での目標値(可視光量子収率43%)を達成。無機光触媒に遜色ない太陽エネルギーの利用効率を達成しており、毒性元素を含まないため、環境への負荷が少ない。

新技術の特徴

・有機光触媒では世界トップレベルの水素発生効率
・毒性の高い元素を使わず、常温・常圧下で可視光を用いて水から水素製造を可能に。

想定される用途

・太陽光を用いた水素のオンサイト供給
・水素供給設備・水素供給装置

関連情報

・展示品あり(カーボンナノチューブ光触媒)

  • 製造技術

8)300℃での長期耐熱性を有する高放熱・高絶縁膜のコーティング技術とその応用

三重大学 工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 青木 裕介

新技術の概要

有機・無機ハイブリッド材料をバインダーとして用いた電着法による金属コーティング技術を開発した。本技術によれば、300℃での長期耐熱性を有し、高絶縁(絶縁破壊電界強度90kV/mm以上)、高放熱(熱伝導率2.5W/mK以上)を有し、柔軟性に富んだ金属コーティング膜を得ることが出来る。本技術によるコーティング膜は、車載用メタルコア基板、放熱塗料等への応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

ポリイミドなど分子をバインダとする従来の電着法では作製困難であった長期耐熱性、高放熱性、高絶縁性を有する絶縁膜が有機・無機ハイブリッドをバインダとして用いた電着法により作製可能となった。

新技術の特徴

・300℃以上の長期耐熱性を有する高放熱・高絶縁基板が作製可能
・基板折り曲げにも耐えうるフレキシビリティを有する絶縁膜が形成可能

想定される用途

・車載用メタルコア基板
・放熱コーティング

関連情報

・サンプル提供可能(試作可能)
・展示品あり

  • 材料

9)リグニンを原料とした繊維状導電性材料

法政大学 生命科学部 環境応用化学科 教授 緒方 啓典

新技術の概要

本技術は、これまで十分に有効活用されてこなかった木材や農産廃棄物の主要構成物であるリグニンを出発材料として、微生物機能を利用して生成される芳香族分子(2-ピロン-4,6-ジカルボン酸)を用いることにより直径数十 nmから数十 μmの直径を有する導電性結晶を容易なウェットプロセスで作製するものである。

従来技術・競合技術との比較

木質系バイオマスであるリグニンを原料として製造した有機分子を用いた導電性材料の開発に関する研究は本研究以外には、日本はもちろん諸外国でも行われていない。

新技術の特徴

・バイオマスを活用した導電性材料
・容易なプロセスで作成可能な繊維状結晶

想定される用途

・導電性フィルム材料
・帯電防止フィルム材料
・分子エレクトロニクス材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許手続き中

  • 材料

10)セルロース微粒子/複合微粒子材料の創成

神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 准教授 南 秀人

新技術の概要

セルロースと汎用高分子を微粒子内という局所場レベルでの複合化を行うことにより、物性の飛躍的向上したサスティナブル複合微粒子材料の創製を目指した。セルロース微粒子は条件を変化させると、その多孔構造の制御が可能であることを明らかにし、多孔構造だけでなく中空構造の制御にも成功した。さらに、汎用高分子との複合については、シード重合を応用した湿式合成法についてその可能性を示すことが出来ている。

従来技術・競合技術との比較

セルロースとの複合材料はセルロースナノファイバーやナノクリスタルとのバルク状態での複合化が中心に行われているが、本技術はイオン液体を用いた微細な構造を有するセルロースとの複合化であり、さらに微粒子形態というところに特徴がある。

新技術の特徴

・セルロースを溶解してから再析出させており、ナノ構造(複合レベル)の制御が可能である。
・微粒子形態での複合材料であり、粉末プレス成形により製品の適応範囲拡大が期待される。
・湿式合成であり、大量合成が可能である。

想定される用途

・複合材料
・化粧品材料
・電子材料

  • デバイス・装置

11)紙抄きでつくるフレキシブルペーパー電子デバイス

大阪大学 産業科学研究所 セルロースナノファイバー材料分野 特任助教 古賀 大尚

新技術の概要

植物セルロース繊維からつくられる「紙」や伝統的な「紙抄き技術」を駆使することにより、種々のフレキシブルペーパー電子デバイスを開発した。当日は、①電気を流す透明な紙、②蓄電紙、③デジタル情報を記憶する紙について紹介する。これらのペーパー電子デバイスは、先端デバイスに匹敵する性能に加え、折り畳み可能な紙ならではの圧倒的なフレキシブル性を示す。紙・パルプ産業、次世代ウェアラブル端末産業等、幅広い分野への適用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

・紙ならではの優れた軽量性・フレキシブル性・植物繊維由来であるため、持続生産可能で環境適合性が高い

新技術の特徴

・伝統的で量産向きの紙抄きプロセスを利用
・紙ならではの極めて優れたフレキシブル性を持つ電子デバイスが作製可能
・生分解性・水解性・可燃性を活かしたリサイクル電子デバイスにも展開可能

想定される用途

・フレキシブル・ウェアラブル電子デバイス分野
・新規機能紙分野

関連情報

・サンプルの提供可能(共同研究契約・NDAなど各種契約締結後、提供可能)
・展示品あり(ペーパー電子デバイス試作品等)

  • 環境

12)希塩酸を用いる白金の低環境負荷型溶解プロセスの開発

産業技術総合研究所 中部センター サステナブルマテリアル研究部門 物質変換材料研究グループ 主任研究員 粕谷 亮

新技術の概要

湿式法による白金族金属(PGM)の回収では、従来、王水等の酸化剤を含む酸が用いられているが、これらの酸化剤は腐食性、有毒性が極めて高い問題がある。我々は複合酸化物を経由することで、酸化剤を含まない塩酸に対してPGMが溶解できることを見出した。本研究課題では、プロセスの更なる安全性向上を目指し、低濃度の塩酸を用いて複合酸化物中の白金を溶解させる手法を検討した。その結果、飽和量のCaCl2を希塩酸に添加することで、白金含有複合酸化物を完全に溶解できた。

従来技術・競合技術との比較

本技術では空気中の酸素がPGMの酸化剤として働くため、溶解プロセスにおいて有毒な酸化剤を一切必要としない。そのため、従来よりも安全にPGMを溶解できる。

新技術の特徴

・白金族金属の回収における溶解工程で王水等の有毒な酸化剤が不要
・白金族金属に前処理を施すことにより、塩酸に可溶な複合酸化物を形成
・希塩酸に塩化物イオン源を添加することで、白金族金属の溶解速度が飛躍的に向上

想定される用途

・貴金属の回収
・難溶解性金属、合金等の組成分析

関連情報

・サンプルの提供可能(スクラップ等を受領して試験可能)
・展示品あり(粉体試料 数点)

  • 環境

13)温室効果ガス亜酸化窒素の効率的除去・再資源化法の確立

公立大学法人大阪府立大学 工学研究科 物質化学系専攻化学工学分野 准教授 安田 昌弘

新技術の概要

亜酸化窒素は炭酸ガスの310倍もの温室効果があり環境負荷が大きいが、有効な処理・再資源化方法が確立されていない。発表者が開発したNOxを吸着する担体には、亜酸化窒素も吸着する事実を見出したので、担体への亜酸化窒素の吸着実験を行った。担体の構造や組成を変化させて亜酸化窒素の吸着量を調べた結果、最高で0.002 kg-N2O/kg-担体の担体を得た。吸着担体を300度で加熱したところ、亜酸化窒素が脱着し、500度以上で加熱すると、窒素と水に分解された。

従来技術・競合技術との比較

亜酸化窒素はその用途が限られており、使用済みの亜酸化窒素は大気放散するか燃焼させて熱回収するしか方法がなかった。担体に吸着させると濃縮・貯蔵も可能、酸素ガスを用いて酸化させ、二酸化窒素とし、水吸収させて硝酸として資源循環させることも可能になり、また、高濃度で吸着していることからコンパクトな設備で熱分解させることも可能となった。

新技術の特徴

・低濃度の希薄な亜酸化窒素を回収できる。
・担体上で酸化させて水吸収し、硝酸として資源化可能。
・地球温暖化ガスである亜酸化窒素の大気放散を低減できる。

想定される用途

・下水処理場や排気ガス中の低濃度亜酸化窒素の除去
・麻酔用や半導体プロセスで用いられる高濃度亜酸化窒素の回収
・硝酸製造プロセス

関連情報

・サンプルの提供可能(排ガス分析および処理方法の提案が可能)

  • 環境

14)スケールダウンされた排水中フェノール類の分析法

愛知工業大学 工学部 応用化学科 教授 手嶋 紀雄

新技術の概要

本研究では、様々な夾雑物や懸濁物が含まれる排水試料に対応可能なフェノール類の小型蒸留装置を製作し、4-アミノアンチピリン法に基づくシーケンシャルインジェクション分析(SIA)法を用いて留出液中のフェノール類を定量する手法を開発した。本蒸留装置による試料体積は最小で25 mLであり、JIS K 0102法の1/10に低減された。各種の排水試料を本法により分析した結果は、同JIS法による結果と良く一致した。

従来技術・競合技術との比較

公定法に採用されている工場排水試験方法JIS K 0102によるフェノール類の試験では、試料を蒸留後、4-アミノアンチピリン(4-AA)吸光光度法を適用されている。しかし、蒸留装置は大型で(蒸留液は250 mL必要)4-AA法も手分析であるため、実験者の負担が大きい。本法の蒸留装置は小型で、定量操作も自動化されている。

新技術の特徴

・試料前処理の蒸留装置は、既存の蒸留装置よりも小型で、試料体積は1/10である。
・蒸留による留出液の定量操作が、全自動化されている。
・排水試料水の分析結果は、既存の標準法(JIS K 0102)による測定結果と矛盾がない。

想定される用途

・工場排水並びに環境水質分析への普及
・工場排水試験方法(JIS K 0102)や公定法への導入
・本法は、蒸留/化学分析法によって測定されるふっ素化合物、シアン化合物への展開が期待される。

  • 環境

15)炭素繊維フィルターを用いた触媒フリーのナノ粒子浄化技術

名古屋大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻 准教授 山本 和弘

新技術の概要

本研究では耐熱性の高いSiC繊維を用いることにした。これにより微粒子を高い温度で燃焼させることができるため、触媒の熱劣化の制約から低温酸化を余儀なくされている触媒を用いる必要がない。ただし、SiC繊維による排ガス浄化は、繊維間の空隙が多いため非常に難しかった。本提案手法では、微粒子を堆積させながら酸化(燃焼)させる連続再生を行うことで、粒子の捕集効率(浄化効率)を向上させた。

従来技術・競合技術との比較

自動車から排出されるナノ粒子は、素材がセラミックのフィルターで捕集される。白金などの触媒が用いられるが、非常に高価であり、熱劣化の問題もある。そこで本研究では、高い耐熱性を持つSiC繊維を用いた触媒フリーの技術を提案する。

新技術の特徴

・ナノ粒子の浄化技術
・触媒フリー
・高い耐熱性

想定される用途

・自動車から排出される微粒子の捕集用フィルター
・発電所の粉じんフィルター
・工場の排煙用フィルター

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 産学連携展開部 研究支援グループ

TEL:03-5214-8994FAX:03-5214-8999
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URL:http://jstshingi.jp/a-step2/2014/
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