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先端的低炭素化技術開発(ALCA) 新技術説明会

日時:2015年02月24日(火)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)チタン粉末の新しい作製法

国立大学法人京都大学 大学院工学研究科 材料工学専攻 教授 宇田 哲也

新技術の概要

金属チタン粉末は、3Dプリンター用途などに需要が伸びつつある。現状、粉末チタンはTiCl4のマグネシウム還元で得られたスポンジチタンを溶解し、ガスアトマイズ法、HDH法で製造されているが、本法では、TiCl4のマグネシウム還元で直接チタン粉末を得る新しい製造方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

反応の溶媒にBiを使用するため、Biがわずかに残留するが、一方で、空気と触れずに粉末チタンを製造することができる。

新技術の特徴

・安価なチタン粉末
・チタンの新製錬法のノウハウを蓄積できる
・同様な粉末製造法は、他の金属へも展開可能性有り(要相談)

想定される用途

・粉末冶金用チタン
・脱酸素用ゲッターチタン
・3Dプリンター用チタン

  • 材料

2)革新的輻射熱反射技術の開発(新しい輻射熱反射コーティングの開発)

国立大学法人東京大学 先端科学技術研究センター 特任教授  西岡 潔

新技術の概要

輻射熱と酸化物系セラミックスの相互作用を利用して輻射熱を高効率で反射できる積層構造を、新たな設計手法の開発と高温で長時間の耐久性を有する酸化物系セラミックスの開発により実現した。これにより、困難とされていた高温での輻射熱反射制御が可能となり、総合的な熱制御技術の実現への道を拓いた。

従来技術・競合技術との比較

輻射熱制御の既存技術としては、300℃以下ではプラスチックや塗料、300℃以上では金属板で部材温度は400℃程度が上限であり、本開発のような1000℃以上で酸化物系セラミックスと材料の相互作用を利用して「輻射熱を制御できる技術」はない。

新技術の特徴

・高温域での輻射熱の効率的な反射
・輻射熱制御を含む系全体としての熱制御の最適化

想定される用途

・炉の効率的な熱遮蔽(電気炉、溶融炉等)
・マイクロガスタービン、汎用エンジンの熱効率向上
・光学系における輻射熱制御

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

3)集合組織金属テープを用いた低コスト高温超伝導線材

国立大学法人京都大学 大学院エネルギー科学研究科 エネルギー応用科学専攻 教授 土井 俊哉

新技術の概要

本技術は、レアメタル、貴金属をほとんど必要としない低コスト型高温超伝導線材の構造とその作製方法を提供する。また、その為に開発した{100}集合組織Feシートの作製技術についても説明する。

従来技術・競合技術との比較

液体窒素冷却で使用可能な高温超伝導線材を使うことで、低ランニングコストで容易に維持管理できるMRIなどの超伝導機器を作製できる。従来は、レアメタル、貴金属を多量に使用していたので高価格であった。基材として開発した{100}集合組織Feシートは、電磁鋼板として優れた特性を有する可能性がある。

新技術の特徴

・結晶方位の揃った金属テープ
・金属基板上へのエピタキシャル成長技術
・結晶方位制御技術

想定される用途

・医療用MRI
・電磁鋼板
・リニア新幹線

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

4)単結晶ナノキューブを用いた高性能小型デバイス開発

独立行政法人産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 首席研究員 加藤 一実

新技術の概要

一辺が15nmの立方体形状を有した単結晶ナノキューブを、様々な基板上に3次元的に秩序正しく集積して形成した薄膜は、高品質な単結晶と単結晶間の界面の性質の融合により、単結晶やセラミックを凌駕した性質を発現する。チタン酸バリウム単結晶ナノキューブ集積膜は誘電率3000以上、低損失、高絶縁性を示し、電気量が比較的長い間保持されるため、新たな誘電・蓄電デバイスとしての可能性が明らかになった。

従来技術・競合技術との比較

既存ナノ粒子は粉砕によって微細化されるため、不均質な形状を有し、不純物や結晶欠陥の混入が避けられない。本技術のナノキューブは水溶性金属原料と界面活性剤を用いた水熱反応法により合成され、高品質、均一サイズ、立方体状を備えた単結晶である。さらに、単結晶ナノキューブの自己組織化により、基板上に疑似単結晶膜を形成することができる。形成された膜は、従来の薄膜技術と異なり、基板結晶構造によらず高い結晶性を備え、単結晶と界面が3次元配列した特異構造に強く関連した特性を示す。

新技術の特徴

・形状とサイズを特徴化した新材料・単結晶ナノキューブ
・単結晶ナノキューブを3次元に積み上げて、単結晶自体と界面の性質を利用したデバイス応用
・単結晶ナノキューブの表面の特性を強化したデバイス応用

想定される用途

・誘電キャパシタ
・未来型積層セラミックコンデンサ
・高性能触媒

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

5)安全な中性電解液を用いた4V級ハイブリッドスーパーキャパシタの開発

国立大学法人信州大学 先鋭領域融合研究群 環境・エネルギー材料科学研究所 教授 杉本 渉

新技術の概要

水系電解質と固体電解質を併用し、安全かつリチウムイオン電池並の大容量特性を有する新構造のスーパーキャパシタ)、アドバンスドハイブリッドスーパーキャパシタ(Advanced Hybrid Capacitor: AdHiCapTM)の開発に成功しました。

従来技術・競合技術との比較

二次電池並のエネルギーを見通すキャパシタセルを開発しました。新開発のAdHiCapTMは、酸化物系電極の特徴である大きな比静電容量を最大限活かしつつ、固体電解質を併用することで従来得られなかった4Vでの作動を実現できました。

新技術の特徴

・導電性ナノシート
・デュアル電解質

想定される用途

・自動車用,ハイブリッド用パワー
・系統連携
・ポータブル電源,災害時緊急電源

関連情報

・サンプルの提供可能
・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり

  • 材料

6)グラフェンを利用した大容量・高速充放電キャパシター

独立行政法人物質・材料研究機構 先端材料プロセスユニット 一次元ナノ材料グループ グループリーダー 唐 捷

新技術の概要

グラフェンは巨大な比表面積、高導電性をもち電極とすることにより、キャパシター性能を飛躍的に向上させる。この特性を活かすための低コスト・量産法やカーボンナノチューブをスペーサーとするグラフェン積層を開発し、電極として用いる事により、従来にない高性能のキャパシターを試作した。

従来技術・競合技術との比較

活性炭素及びカーボンナノチューブを電極に用いる従来のキャパシターに比べると、エネルギー密度及び出力密度とも圧倒的に優れており、コストもグラフェンが量産化されれば、はるかに廉価である。蓄電池のリチウムイオンなどと比べると、出力密度が大きく、大出力及び高速充放電が可能である。

新技術の特徴

・出力密度が200kW/kgと大きく、大出力や高速の充放電が可能なキャパシターである。
・エネルギー密度も現在約200Wh/kgと大きく、都市型の電気自動車に使用可能である。
・耐久性、長寿命、低コスト、安全性、耐環境性に優れるので、各種蓄電器への応用が可能である。

想定される用途

・モバイル等の高速蓄電器
・ハイブリッド車、クレーンなどの大出力を必要とする蓄電器
・スマートグリッドなどの補助電源

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 環境エネルギー研究開発推進部

TEL:03-3512-3543FAX:03-3512-3533
Mail:alcaアットマークjst.go.jp
URL:http://www.jst.go.jp/alca/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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